【かがみの孤城】アキが学校に行けない理由や過去は?喜多嶋先生になる経緯を解説

『かがみの孤城』のアキの隠された一面を明らかにします!辻村深月による大人気小説『かがみの孤城』に登場するアキは、かわいい上にスポーツ万能で学校大好きな少女でした。ところが、突然学校にいけなくなってしまったのです。彼女に何があったのでしょうか?この記事では、アキが学校に行けない理由や過去を考察するとともに、後に「喜多嶋先生」となる経緯や、彼女の願い・記憶についても詳しく解説していきます。

【かがみの孤城】アキが学校に行けない理由や過去は?喜多嶋先生になる経緯を解説のイメージ

目次

  1. かがみの孤城のアキとは?
  2. かがみの孤城のアキが学校に行けない理由や過去を考察
  3. かがみの孤城のアキが喜多嶋先生になる経緯
  4. かがみの孤城のアキの願いや記憶を考察
  5. かがみの孤城のアキの声優キャスト
  6. かがみの孤城のアキに関する感想や評価
  7. かがみの孤城のアキまとめ

かがみの孤城のアキとは?

かがみの孤城の作品情報

『かがみの孤城』に登場するアキは、かわいい見た目と活発な性格をしているのに、突然学校に行けなくなってしまいます。どうしてなのでしょうか?これから、アキが学校に行けない理由や過去などについて解説していきますが、まずはその前に『かがみの孤城』の作品情報をお届けしましょう。最初に『かがみの孤城』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

かがみの孤城の概要

概要のイメージ

『かがみの孤城』は、日本の作家・辻村深月による小説で、ポプラ社の文言雑誌「asta*」にて2013年11月号から2014年10月号まで連載されました。その後大幅な加筆修正を施した上で、2017年5月に同社社から単行本が刊行されました。2018年には「本屋大賞」を受賞し、単行本の累計発行部数は、2023年10月時点で200万部を突破しています。

また、本作『かがみの孤城』はオーディオブックやコミカライズ版も創作され、舞台化や劇場アニメ化も行われました。作者の辻村深月は、「この作品を誰かの城のような居場所になればいいという思いを込めて執筆した」と述べています。

かがみの孤城のあらすじ

あらすじのイメージ

中学1年生の安西こころは、いじめを受けて不登校になり、家に引きこもっていました。ある日、こころは自室の鏡を通って異世界に吸い込まれ、そこで謎の少女オオカミさまと出会います。オオカミさまは「赤ずきん」と呼ぶ中学生たちに、願いの鍵を見つけられた者だけが願いを叶えることができると説明します。しかし、孤城には厳格なルールがあり、午後5時以降に残っている者は狼に喰われてしまうのです。

アキのプロフィール

ここからは、この記事のメインテーマである『かがみの孤城』のアキ(井上晶子)の話題に移ります。1992年のアキは、雪科第五中学の中学3年生でバレー部に所属しています。テレクラで知り合った彼氏がいます。また、彼女の母親はアキを産んだことを後悔し、再婚を繰り返しています。二人目の義父はアキに性暴力を加えようとしていたことが作中で示唆されていました。

アキの支えとなっていたのは祖母でした。祖母はアキが彼氏を紹介したことで安心しますが、その後まもなく亡くなってしまいました。アキは、祖母の知人である鮫島先生に引き取られ、大学を卒業します。その後、こころの教室を手伝い、そこで知り合ったケースワーカーの喜多嶋と結婚して「喜多嶋先生」となりました。

映画『かがみの孤城』公式サイト

かがみの孤城のアキが学校に行けない理由や過去を考察

アキが学校に行けない理由

理由のイメージ

『かがみの孤城』のアキは、スポーツが得意でかわいい中学3年生の少女ですが、学校に行けなくなってしまいました。どうして彼女は不登校になってしまったのでしょうか?ここからは、アキが学校に行けない理由や過去について考察していきます。

理由①まともな母親ではなかった

学校に行けない理由を考える上で、最初に取り上げなければならないのがアキの母親です。言動を見る限りまともな母親ではありません。アキの幼少期に両親は離婚し、アキは母親に引き取られました。しかし、母親は時折「あんたがおなかにできなかったら結婚しなかった」など酷い言葉を口にします。それはアキにとって生きる意味を見失うほど惨いものでした。学校に行く気がしなくなることも十分にあり得るでしょう。

理由②義父からの性暴力

暴力のイメージ

映画『かがみの孤城』には、アキが男に襲われそうになるシーンが描かれています。実は、その男は彼女の義理の父だったのです。映画では襲われる瞬間だけが描かれているため、突発的な出来事のようにも見えますが、原作には過去に義父による性暴力が日常的に行われていたことを示唆する描写がありました。

アキは過去に母親からいらない子のように言われ、義父からは性暴力を受けるという、非常に厳しい環境に置かれていました。このような状況は、普通の人には耐えられないほどつらいことでしょう。十分に学校に行けない理由となり得ます。

理由③バレー部から嫌われていた

バレー部のイメージ

アキは学校のバレー部で嫌われ、孤立してしまいました。このことも彼女が学校に行けない理由の一つとなっていると考えられます。運動神経の良かったアキは、バレー部で動きのよくない他の子にイライラし、厳しい言葉を投げかけたり、下手な後輩たちを一人ずつ呼び出して先輩みんなで取り囲んで反省会を行ったりしました。

やったのはアキは一人ではなかったのですが、みんなは次第にアキだけを悪者扱いするようになりました。後輩たちからは許せないと言われ、試合をボイコットされてしまいました。そして「いじめをしている」というレッテルを貼られて部活を辞めざるを得なくなり、クラスでも陰口をたたかれるようになってしまったのです。アキにとって学校は楽しい居場所ではなくなり、ついには行けなくなってしまいました。

理由④問題児気質の性格

性格のイメージ

映画『かがみの孤城』を観た限りではアキは皆の理想的なお姉さんのように見えます。しかし、原作を読むとその印象はかなり変わります。「ちょっと問題児の雰囲気がするよね、アキって。最後まで」と、過去にスバルが述べていました。穏やかな性格のスバルが言うのですから、アキの性格はかなり問題があったのかもしれません。

この問題児気質のせいで学校では孤立してしまい、結果的に不登校になったと推測することもできます。しかし、アキは将来、あの聖母マリア様のような「喜多嶋先生」になるのです。過去の劣悪な環境が、本来優しいアキを問題児に変えてしまった可能性も考えられます。

かがみの孤城のアキが喜多嶋先生になる経緯

ネタバレ①鮫島先生との出会い

アキは、祖母のお葬式で鮫島先生と出会いました。鮫島先生は祖母の友人で、ずっとアキのことを心配していた祖母から、何かあればアキの世話をしてほしいと頼まれていたのです。鮫島先生は、ある塾にアキを誘いました。その塾では、勉強が苦手で学校に行かなくなった子供たちを集め、安い月謝で勉強を教えていました。

鮫島先生は、アキがもう一年しっかりと勉強した上で、高校進学を自分で決めさせることが望ましいと雪科第五中学校に提案しました。雪科第五中学校の教師たちは、あくまでもアキを卒業させようとしていました。しかし、鮫島先生の説得に押され、アキの留年が決まりました。

ネタバレ②フリースクールを手伝う

アキが大学に入学した頃、鮫島先生はNPOを設立し、学校に通えない子供たちのためのフリースクールを始めることになりました。そして、手伝ってほしいとアキに頼みにやって来ました。1998年、アキが大学3年生になったときのことです。「入院している子供たちに勉強を教えてもらうことは可能か」という依頼でした。アキが担当したのは、水守実生とリオンの姉ちゃん(通称「オオカミ様」)でした。

ネタバレ③結婚して姓が変わる

結婚のイメージ

水守実生が入院している病院でケアワーカーをしていたのが医師の喜多嶋先生でした。やがて心の教室に依頼をしたことでアキと知り合い、結婚することになります。井上晶子(アキ)は結婚して「喜多嶋」姓を名乗ることになりました。

結婚して名前が変わったころに、フリースクール「心の教室」を訪れたのが安西こころでした。お城での記憶はないけれど、こころが心の教室を訪れたとき、アキは「とうとうその時がきた」と思ったようです。お城でアキはこころに助けられ、そしてお別れの際「未来で待ってる」と約束を交わしていました。

かがみの孤城のアキの願いや記憶を考察

アキの願いとは?叶った?

ここからは、かがみの孤城のアキの願いや記憶を考察していきます。アキは、願いを叶える部屋の鍵を必死に探していました。彼女の願いはいくつかありますが、一言で言えば「平和な毎日を過ごしたい」ということになります。そこには、「私の日常をもう少し良くしてください」「バレー部の仲間たちに嫌われていなかった頃の私に戻してください」といった思いが込められています。

アキは生きていることがつらく、自分の存在を否定するほど深刻な状態に陥っていました。義父に対する恐怖を抱いて日々を過ごし、母親はアキにまともに向き合ってくれません。そして、かつて楽しかった学校に通うこともできなくなってしまったのです。

それでは、アキの望みは叶うのでしょうか?結論から言えば、アキの願いは叶いませんでした。3月30日の前夜、アキは願いが叶わないならお城から帰るつもりはありませんでした。生きていたくないと思い詰め、午後5時を過ぎてもお城に留まり、規則違反を犯してしまったのです。

お城の厳しいルールは、「5時を過ぎたら狼に食べられる」というものでした。アキはクローゼットに身を隠していましたが、とうとう狼に見つかり、その運命を免れることはできませんでした。しかし、当日お城に来なかったこころだけは狼に襲われませんでした。こころは部屋の鍵を見つけ、「アキのルール違反をなかったことにしてください」という願いを叶え、アキを助けました。

アキの記憶は残っている?

次に、アキの記憶は残っているのかどうか考察します。アニメ映画『かがみの孤城』の終盤で、初めてスクールに足を踏み入れたこころに対して、アキが心の中で「大丈夫だから、大人になって、こころ」とつぶやいていました。このセリフから、アキにはこころやお城での出来事の記憶が残っているように見えます。しかし、お城の掟によれば、願いを叶えた後には記憶が消えるはずでした。

そこで、原作を改めて読んでみたところ、この記憶についての疑問の答えが明らかになりました。結論としては、アキ(喜多嶋先生)には、お城での記憶は残っていないと言えます。これはお城の掟でもあるため、疑う余地はありません。では、なぜラストシーンでアキ(喜多嶋先生)がこころと初めて出会った際に、彼女のことを知っているかのような仕草を見せたのでしょうか?

記憶のイメージ

『かがみの孤城』の原作では、アキ(喜多嶋先生)が以下のように述べています。これにより、アキにはこころたちの記憶はないことがわかります。しかし、過去に自分を闇から引き上げ、助けてくれた人物がいたということだけを覚えています。そして、今度は自分が誰かを助ける番だということです。

昔から胸に、1つの光景が焼きついている。それは誰かに強く腕を引かれる記憶だ。私は助けられた。命がけで、私の手を引っ張って、この世界に戻してくれた子たちがどこかにいる。今度は、私がその子たちの腕を引く側になりたい

この感覚から、アキがこころに出会った際に、何か第六感のようなものが働いて彼女に「大丈夫だから、大人になって」という言葉を投げかけたと考えられます。この言葉は無意識に心の中に浮かんできたのでしょう。

かがみの孤城のアキの声優キャスト

吉柳咲良のプロフィール

ここで、アニメ映画『かがみの孤城』でのアキの声優キャストを紹介します。映画でアキを演じたのは、2004年4月22日生まれ・栃木県出身の女優、吉柳咲良(きりゅう・さくら)です。

吉柳咲良は2016年、第41回ホリプロ・タレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得し、芸能界にデビューしました。女優としての最初の舞台は2017年のミュージカル『ピーターパン』で、10代目のピーター・パンを演じました。その後も、2018年、2019年、2021年の公演でピーター・パンを演じ続け、2019年の公演では初めて座長を務めました。

2021年には、『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』と『ここは今から倫理です。』という2つの作品に出演し、連続ドラマデビューを果たしました。現在はホリプロに所属し、女優業を中心に、ヒップホップダンスや歌の特技も活かして活動を続けています。

吉柳咲良の主な出演作品

次に、アニメ映画『かがみの孤城』でアキの声を演じた女優・吉柳咲良の主な出演作品を紹介します。

テレビドラマ
  • 青のSP-学校内警察・嶋田隆平-(三村翔子)
  • ここは今から倫理です。(高崎由梨)
  • 未来への10カウント(西山愛)
  • 星降る夜に(北斗桜)
  • アイドル誕生 輝け昭和歌謡(山口百恵)

舞台
  • ピーター・パン(主演・ピーター・パン)
  • ミュージカル・デスノート THE MUSICAL(ヒロイン・弥海砂)
映画
  • 初恋ロスタイム(ヒロイン・篠宮時音)
劇場アニメ
  • 天気の子(天野凪)

かがみの孤城のアキに関する感想や評価

ここまで『かがみの孤城』のアキが学校に行けない理由を中心にお届けしてきましたが、最後に『かがみの孤城』のアキに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

アキは自分自身の問題を抱えながらも、仲間たちを救うために奮闘していました。問題を完璧に解決することは難しいでしょうが、助けを受けることで少しずつ前進できるのではないでしょうか?

テレビの金曜ロードショーで観た後、原作本を手に入れて読むというのは、本作アニメに相当感動したのでしょう。その結果、アニメでよくわかずにモヤモヤしていたことが霧が晴れるように解消し、得られたものは大きかったようです。

この感想では、アキの成長や仲間たちとの絆が物語全体を豊かに彩っており、また彼女の活躍が読者の心に深く刻まれていることを示しているのではないでしょうか?

かがみの孤城のアキまとめ

この記事では「『かがみの孤城』のアキが学校に行けない理由や過去は?」と題して、アキが学校に行けない理由を中心に、喜多嶋先生になる経緯や過去の記憶について解説してきました。

まとめのイメージ

スポーツが得意で活発な少女だったアキは、もともとは学校が大好きでした。ところが、やがて学校に行けなくなってしまいます。その理由として以下のことが考えられます。まず、彼女の家庭環境の問題、つまり母親による言葉の暴力と義父の性暴力により、アキの精神が破綻し、学校に行くどころではなくなってしまったのです。

さらに、バレー部内での孤立が追い打ちを掛けます。後輩に厳しく接したことがアダとなり、部活を辞めざるを得なくなった上に、学校での居場所を失いました。また、アキの問題児気質の性格も災いしたと考えられます。一見、アキは理想的なお姉さんに見えますが、原作では、スバルのセリフから彼女の問題児気質が顕わになりました。この気質が学校で孤立する一因になったのでしょう。

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