【セシルの女王】ネタバレあらすじと感想・評価!登場人物やモデルになった史実は?

「セシルの女王」のネタバレあらすじと物語の感想や評価を紹介します。セシルの女王は16世紀のイングランドに実在した人物、ウィリアム・セシルを主人公にした物語です。ここでは、セシルの女王の1巻から5巻までのあらすじをネタバレで紹介し、主な登場人物についても紹介します。また、セシルの女王は史実に基づいた物語となっており、史実についてもみてきます。さらに、セシルの女王についての感想や評価を紹介します。

【セシルの女王】ネタバレあらすじと感想・評価!登場人物やモデルになった史実は?のイメージ

目次

  1. セシルの女王とは?
  2. セシルの女王の1巻~3巻あらすじネタバレ
  3. セシルの女王の4巻~5巻あらすじネタバレ
  4. セシルの女王の登場人物・キャラ一覧
  5. セシルの女王のモデルになった史実
  6. セシルの女王に関する感想や評価
  7. セシルの女王のネタバレまとめ

セシルの女王とは?

セシルの女王の概要

セシルの女王はこざき亜衣による漫画で、2021年よりビッグコミックオリジナルにて連載中です。コミックは5巻まで発売中で、2024年3月29日には第6巻が発売予定です。セシルの女王の舞台は16世紀、ヘンリー8世が統治するイングランドで、主人公はエリザベス1世の重臣として実在したウィリアム・セシルです。当時の史実を描いた作品で、「ベルサイユのバラ」などの作者池田理代子が推薦する、壮大な本格歴史物語です。

セシルの女王の作者

セシルの女王の作者は、漫画家兼イラストレーターのこざき亜衣です。こざき亜衣は1982年2月22日生まれ、出身地は千葉県で、多摩美術大学映像演劇学科を中退した後、2002年から漫画家やイラストレーターとしての活動を始めました。こざき亜衣のこれまでの代表作は薙刀を題材にした漫画「あさひなぐ」です。

「あさひなぐ」は2011年から2020年にかけて、小学館のビッグコミックスピリッツにて連載されました。2020年9月にはシリーズの累計発行部数390万部を超えています。また「あさひなぐ」は2015年には「小学館漫画賞一般向け部門」を獲得し、2017年には実写映画化や舞台化などもされた人気作品です。

『セシルの女王』 こざき亜衣 | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館

セシルの女王の1巻~3巻あらすじネタバレ

1巻あらすじネタバレ

セシルの女王、1巻のあらすじをネタバレで紹介します。1533年、テューダー朝第2代王ヘンリー8世が治めるイングランドでは、ジェントリと呼ぶ地主たちが国内の各地方を治めています。そのジェントリの家柄に生まれたのが、主人公のウィリアム・セシルです。セシルは手品が特技で、明朗快活な少年です。セシルは日頃から王宮の仕事に憧れており、将来、手柄を立てて出世したいと思っています。

セシルが12歳になると、王宮で衣装担当宮内官という仕事をしている父リチャードが、セシルを王宮に連れていこうと思い立ちます。父に連れられて王宮へやって来たセシルは、ヘンリー8世への拝謁に挑みます。そして、懐妊している王妃への祝いの言葉を述べたのですが、王妃の名前を間違えてしまいます。ヘンリー8世の王妃は最近までキャサリンでしたが、今はアン・ブーリンという貧しい貴族出身の娘です。

大きな失敗をしてしまったセシルにヘンリー8世は、セシルの首を掴みながら「この子、殺してもいいかな?」と言います。セシルは初対面でヘンリー8世の冷酷で無慈悲な姿を体感することになり、子どものころから憧れ、思い描いていた王宮での暮らしと、現実との差に落胆します。そのような中で、セシルは王妃アン・ブーリンと偶然出会い、話すことになりました。

王妃アン・ブーリンは、セシルが王宮での生活に失望していることを知り、王宮では寛容な心や優しい心には裏があること、常に誰かに見張られていると考えることなどを教えます。そして、セシルが大人になって仕えるのは、私(アン)の子だと慰めるのでした。これが、セシルとアン・ブーリンとの運命的な出会いで、このアン・ブーリンの言葉は、将来、セシルにとって現実となります。

2巻あらすじネタバレ

セシルの女王、2巻のあらすじをネタバレで紹介します。1533年9月7日、王妃アンが王女を出産し、エリザベスと名付けられました。ヘンリー8世と前の王妃キャサリンとの間にはメアリという王女しかおらず、テューダー朝第2代王であるヘンリー8世は王子の誕生を心待ちにしていました。しかし、アンが出産した子どもも王女だったことに、ヘンリー8世は激怒します。

ローマ・カトリック教会と敵対することになってもキャサリンとの離婚を強行し、アン・ブーリンと再婚したのは王子を得るためです。王子を望むヘンリー8世の怒りを買ったアン・ブーリンは、王宮での立場が危うくなります。ただ、王女とはいっても現王妃であるアン・ブーリンが産んだエリザベスは王位継承権を得ることになりました。一方、エリザベスに王位継承権を奪われた、前の王妃キャサリンの娘、メアリの心は傷つきます。

セシルはアン・ブーリンを慕っており、王宮で辛い思いをしているアン・ブーリンに、エリザベス王女を必ずイングランドの女王にすると誓います。王宮での処世術を少し学んだセシルですが、父の勧めもあって故郷に戻ります。その後、セシルはケンブリッジ大学にラルフと共に入学し、多くのことを学び、成長します。その中で、カトリックの司祭でケンブリッジ大学総長のジョン・フィッシャーが捕らえられ、ロンドン塔に投獄されます。

3巻あらすじネタバレ

セシルの女王、3巻のあらすじをネタバレで紹介します。セシルが学ぶケンブリッジ大学ではカトリックと新教プロテスタントが混ざり合い、日々様々な議論が行われています。その中で、カトリック教会の聖職者で、ケンブリッジ大学の総長であるジョン・フィッシャーが捕らえられ、ロンドン塔に投獄されてしまいます。ヘンリー8世に背いたことが、理由だということです。

セシルはヘンリー8世の側近トーマス・クロムウェルから、フィッシャーが王を支持することを明らかにすることが、釈放の条件だと教えられます。セシルは仲間たちとロンドン塔に潜入し、フィッシャーに王を認めるよう説得します。しかし、フィッシャーは神の前で嘘はつきたくないとして、信念を曲げることはありませんでした。こうして、フィッシャーは斬首刑を言い渡され、死亡しました。

ジョン・フィッシャー亡き後、ケンブリッジ大学の総長になったのが、トマス・クロムウェルです。王宮では、王妃アン・ブーリンが懐妊していることがわかり、一方、前王妃のキャサリンが亡くなったという知らせが入りました。しかし、ヘンリー8世は平然と舞踏会を開きます。キャサリンの娘メアリはアン・ブーリンを恨んでおり、母の死はアン・ブーリンのせいだとして、彼女を襲いますが失敗に終わり、罰を受けます。

メアリの件で空気を変えようと、ヘンリー8世は乗馬しながらの槍試合を提案し、自身も参加することになりました。ところが、ヘンリー8世が試合中に落馬し、瀕死の重傷を負い、意識不明の状態となります。ヘンリー8世は意識のない間、父と兄から責められるという悪夢を見ていました。悪い事は重なり、再び懐妊していたアン・ブーリンが流産します。死亡した胎児はヘンリー8世が待ち望んでいた王子だったということです。

セシルの女王の4巻~5巻あらすじネタバレ

4巻あらすじネタバレ

セシルの女王、4巻のあらすじをネタバレで紹介します。王子を失ったアン・ブーリンは、同時にヘンリー8世の寵愛も失いました。さらに、不倫をしたという罪を着せられたアン・ブーリンはロンドン塔に投獄されます。無実であるにも関わらず、不貞の罪を着せられたアン・ブーリンは斬首刑が決まり、アン・ブーリンはセシルに手紙を送ります。その手紙を読んだセシルはロンドン塔へ急ぎますが、処刑はすでに行われていました。

2歳で母を失ったエリザベスは王女の身分も取り上げられ、庶子という身分に落とされます。セシルがエリザベスのもとへ駆けつけると、エリザベスはアン・ブーリンが言った「ウィリアム・セシルを待つのよ」という言葉を口にします。エリザベスの言葉を受けてセシルは涙を流しながら彼女を抱きしめます。そして、これからは自分が側にいると言い、アン・ブーリンの形見のネックレスを渡しました。

アンが処刑された次の日、ヘンリー8世はジェーン・シーモアとの婚約を発表しました。ジェーン王妃はヘンリー8世が切望していた王子(エドワード)を産みますが、その際、死亡してしまいます。その数年後、郊外の小さな城で育ったエリザベスは6歳になっています。ある日、エリザベスはヘンリー8世に会うことになり、拝謁したところ、ヘンリー8世はエリザベスが身に着けているアン・ブーリンのネックレスを引きちぎります。

エリザベスはちぎられたネックレスを見つめながら、セシルに「私は魔女の子なのか?」と尋ねます。セシルは「あなたはこの国の女王になる方です」と答え、エリザベスの母であるアン・ブーリンのことを教えます。すると、エリザベスは「私は愛されないのか?」と、つぶやくのでした。王宮では、ヘンリー8世の側近トマス・クロムウェルが、政敵のノーフォーク公の策略にはまり、反逆罪でロンドン塔に投獄されました。

5巻あらすじネタバレ

セシルの女王、5巻のあらすじをネタバレで紹介します。ヘンリー8世はアン・オブ・クレーフェを王妃として迎えますが、アンの奇妙な振る舞いにあきれ果て、離婚を決意します。その頃、エリザベスはロバート・ダドリーという少年と運命の出会いを果たします。ヘンリー8世とアン・オブ・クレーフェの離婚が成立し、王はキャサリン・ハワードを王妃として迎えます。その際、クロムウェルの処刑が執行されました。

セシルは最後にクロムウェルと会った際、「お前の王(エリザベス)を愛せ」という言葉を胸に、政治家になる決意を固めます。そして、メアリ・チークという女性と結婚したセシルは、王宮でノーフォーク公や亡きジェーン王妃の兄で、エドワード王子の後見であるエドワード・シーモアに仕えます。その中で、突如エドワード王子が病気で倒れたという知らせがエリザベスの元に届きます。

エリザベスが弟(エドワード王子)の元へ駆けつけると、そこには姉のメアリがおり、二人は対面を果たします。エリザベスを憎む気持ちもあるメアリですが、エリザベスと共に弟の回復を祈ります。程なくエドワード王子は回復しますが、王宮では新たな騒動が巻き起こります。若き王妃キャサリンが不貞の罪で捕らえられました。ここまで、セシルの女王1巻から5巻までのあらすじを、ネタバレで紹介しました。

セシルの女王の登場人物・キャラ一覧

登場人物①ウィリアム・セシル

セシルの女王の主な登場人物、主人公のウィリアム・セシルは、イングランドのスタンフォードで誕生します。家はジェントリという地方を治める地主で、父は王宮で衣装担当宮内官として勤めています。12歳のとき、父の誘いで王宮に上がり、ヘンリー8世に拝謁します。その時に王妃アン・ブーリンと出会い、彼女を慕うようになります。

アン・ブーリンが処刑された後は、彼女が産んだエリザベス(後のエリザベス1世)をイングランドの女王にすると決意します。元々王宮で仕事をしたいと思っており、苦手な武道ではなく、頭脳で出世することを目指しています。ケンブリッジ大学出身で、結婚相手はメアリ・チークです。

登場人物②リチャード・セシル

セシルの女王の主な登場人物、リチャード・セシルは、主人公のウィリアム・セシルの父です。家はジェントリ(地方を治める地主)で、王宮で衣装担当宮内官として働いています。ウィリアムが12歳のときに王宮へ連れていき、ヘンリー8世に拝謁させます。その際、失敗をしたウィリアムがヘンリー8世に殺されそうになり、慌てて止めに入ります。すると、「冗談だ」と言うヘンリー8世に殴られました。

登場人物③アン・ブーリン

セシルの女王の主な登場人物、アン・ブーリンは、ヘンリー8世の2番目の王妃です。貧しい貴族の家に生まれたアン・ブーリンは、ヘンリー8世の王妃となり、後にエリザベス1世となる王女を産みます。ウィリアム・セシルを可愛がり、王宮での処世術を教えます。再び懐妊しますが、王子を死産してしまい、ヘンリー8世の怒りを買います。兄の失策も重なり、不貞の罪を着せられたアン・ブーリンは斬首刑を言い渡されます。

登場人物④ヘンリー8世

セシルの女王の主な登場人物、ヘンリー8世は、イングランドのテューダー朝2代目の王です。気が短く、無慈悲で冷酷な王として描かれています。最初の王妃キャサリンとの間には後にメアリ1世となる娘がいますが、王子の誕生を求めてアン・ブーリンと結婚します。アン・ブーリンを処刑した後も結婚と離婚を繰り返し、最後の王妃はキャサリン・パーです。

登場人物⑤エリザベス

セシルの女王の主な登場人物、エリザベスはヘンリー8世とアン・ブーリンとの間に生まれた王女で、後にエリザベス1世となる人物です。2歳8ヶ月で母のアン・ブーリンと死に別れ、感情をあらわにしない、泣かない少女となります。アン・ブーリンを慕っていたウィリアム・セシルの奮闘もあり、イングランドの女王、エリザベス1世として君臨することになります。

セシルの女王のモデルになった史実

ここまで、セシルの女王の主な登場人物について紹介してきました。セシルの女王の登場人物は、16世紀のイングランドの史実に実在した人物をモデルとして描かれているということです。ここでは、セシルの女王のモデルとなった史実や、物語の登場人物のモデルとなった人物についてみていきます。

セシルの女王は史実に基づいている?

セシルの女王のモデルとなった史実についてみていきます。セシルの女王の舞台はヘンリー8世の時代のイングランドです。セシルの女王の主人公であるウィリアム・セシルは史実で実在した人物で、長年にわたってエリザベス1世の治世を支えた政治家です。エリザベス1世の重臣として多くの手柄を立てたウィリアム・セシルは、貴族のバーリー男爵と名乗ることができるようになります。

史実のウィリアム・セシルの父はリチャード・セシル、ジェントリの家柄で、ケンブリッジ大学の出身というところも物語の設定と同じです。セシルの女王ではウィリアム・セシルは、エリザベスを出産する前のアン・ブーリンと出会い、彼女を慕うようになります。アン・ブーリンが処刑された後、まだ幼いエリザベスを女王にすると誓い、そのために政治家となって奮闘します。

史実ではウィリアム・セシルはエリザベス1世の重臣となりますが、エリザベスを即位させるために動いたかどうかについては、わかりません。史実でのウィリアム・セシルのその後は、エリザベス1世の没後もウィリアムの子孫が政治家として、歴代の国王を支える存在になっていきます。

史実におけるヘンリー8世やアンのその後

セシルの女王の主な登場人物の一人、ヘンリー8世は物語で暴君のように描かれており、何度も離婚と結婚を繰り返した人物です。史実のヘンリー8世についてみていくと、ヘンリー8世の父であるヘンリー7世は、ヨーク家とランカスター家が王位継承権を争ったバラ戦争に勝利したヘンリー・テューダーです。ヘンリー8世は最初の王妃で、後にメアリ1世となる王女を産んだキャサリンと離婚し、アン・ブーリンを王妃に迎えます。

このアン・ブーリンが後にエリザベス1世となる王女を出産しました。しかし、王妃となって2年後、アン・ブーリンは不貞や反逆の罪で斬首刑に処されました。その後、ヘンリー8世は、後のエドワード6世となる王子を産んだジェーン・シーモア、次にアン・オブ・クレーヴズ、そして、キャサリン・ハワードと結婚、離婚を繰り返し、最後となる6人目の王妃がキャサリン・パーです。これらの史実は物語でも描かれています。

このように、セシルの女王は16世紀のイングランドの史実をモデルとして描かれている作品です。当時のイングランドで実際に起こった事件や物事などに基づいて描かれる物語は、作者の創作的な部分であっても史実のような錯覚を覚えると言われています。それほどセシルの女王という物語には、読者を魅了する説得力があると評価されています。

セシルの女王に関する感想や評価

セシルの女王はエリザベス1世を支えた政治家、ウィリアム・セシルを主人公にした物語です。エリザベスのは母、アン・ブーリンについての感想、評価です。アン・ブーリンが強くて美しいところがとても良いということと、メアリ1世も人間味のある描き方が良いという感想、評価です。さらに、1553年に即位し、9日間で終わった女王レディ・ジェーンがどのように描かれるか期待しているということです。

セシルの女王のアン・ブーリンについての感想、評価です。史実でのアン・ブーリンは悪女として扱われることが多いですが、この作品ではとても美しく、堂々としており、魅力的だという感想、評価です。

セシルの女王は16世紀のイングランドの史実に基づいて描かれているということで、重く感じるところもありますが、とても面白く、一気に読んでしまったという感想、評価です。

セシルの女王が本当に面白いという感想、評価です。漫画を読んでいるのに、まるで上質な映画を鑑賞しているように思えるということです。歴史に興味の無い方にもお勧めしたいという感想、評価です。

セシルの女王は史実に基づいた物語で、ストーリーの大筋はわかっていますが、登場人物の内面が創作の部分も含めて丁寧な描き方で、共感できるという感想、評価です。

セシルの女王は史実を基にした物語ですが、ウィリアム・セシルやアン・ブーリンの信念や怒りなどの感情が現代的で面白く、現代劇のような感覚になるという感想、評価です。

「あさひなぐ」の作者でもあるこざき亜衣先生は、人物の描き方がとても素晴らしく、セシルの女王のような歴史ものでも同じように素晴らしいという感想、評価です。

セシルの女王のネタバレまとめ

16世紀のイングランドの史実を基にした漫画、セシルの女王の主人公はウィリアム・セシルで、少年のころに慕った王妃アン・ブーリンの娘エリザベスを女王にするという誓いを立てます。ウィリアム・セシルは史実でもエリザベス1世を支えた重臣でした。物語ではヘンリー8世の2人目の王妃アン・ブーリンと出会い、彼女の死後、幼いエリザベスの成長を見守り続け、成人してからは政治家となって支えていきます。

セシルの女王についての感想、評価では、登場人物の内面が丁寧で、歴史ものでも現代劇のような感覚になるという感想、評価がありました。また、アン・ブーリンが強くて美しく描かれているという感想、評価がありました。ここまで、セシルの女王の1巻から5巻までのネタバレあらすじ、物語の感想、評価、登場人物の紹介と、史実についてみてきました。

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