リアル(漫画)のあらすじ!スラムダンクとの繋がりや登場人物・感想を紹介

以下では、「リアル(漫画)」のあらすじをネタバレ紹介します。井上雄彦先生の漫画「リアル」は、車椅子バスケに打ち込む主人公と、支える人々との交流を描いたヒューマンドラマです。「スラムダンク」の作者による新たなバスケ漫画として注目を集め、両作品の繋がりも気になるでしょう。本文では、井上雄彦先生の漫画「リアル」のあらすじや、登場人物、「スラムダンク」との繋がりなどをネタバレ紹介します。

リアル(漫画)のあらすじ!スラムダンクとの繋がりや登場人物・感想を紹介のイメージ

目次

  1. リアル(漫画)とは?スラムダンクとの繋がりは?
  2. リアル(漫画)のあらすじネタバレ
  3. リアル(漫画)の登場人物・キャラ
  4. リアル(漫画)の名言
  5. リアル(漫画)の用語を解説
  6. リアル(漫画)の面白い魅力や見どころ
  7. リアル(漫画)に関する感想や評価
  8. リアル(漫画)のあらすじまとめ

リアル(漫画)とは?スラムダンクとの繋がりは?

「リアル(漫画)」の作品紹介・イメージ画像

車椅子バスケと障害者をテーマにした漫画「リアル」。作者は「スラムダンク」で知られる井上雄彦先生で、両作品にはバスケという共通の繋がりがあります。以下では、漫画「リアル」のあらすじネタバレや登場人物を紹介します。その他、漫画「リアル」の見どころや名言、「スラムダンク」との繋がりなどもまとめました。

リアル(漫画)の概要

「リアル(REAL)」は、1999年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されている車椅子バスケットボールを題材にしたスポーツ漫画です。単行本は、2020年11月時点で計15巻が刊行されています。

リアル(漫画)の作者は井上雄彦

不慮の事故で下半身不随になった主人公が、車椅子バスケットの競技と出会い、新たな人生を歩み始める姿を描いた「リアル」の漫画。作者は、バスケットボール漫画の金字塔「スラムダンク」の作者である井上雄彦先生です。

リアル(漫画)とスラムダンクのつながり

井上雄彦先生の作品である「リアル」の漫画では、「スラムダンク」のキャラを思わせる登場人物が見られ、両作品の繋がりを感じさせる作風となっています。

リアル(漫画)のあらすじネタバレ

リアル(漫画)のあらすじネタバレ・イメージ画像

以下では、車椅子バスケを通じて新たな繋がりを得ていく主人公3人の半生を追った、井上雄彦先生の漫画「リアル」のあらすじネタバレを紹介します。

1巻あらすじネタバレ

西高バスケ部の練習試合・イメージ画像

西高バスケ部では、高橋久信を中心とするグループと野宮朋美との対立が起きていました。そんなある晩、野宮はバイク事故を起こし、同乗していた山下夏美に重傷を負わせてしまいます。夏美は下半身不随となり、彼女に対して罪悪感を覚える野宮は、高校を退学しました。そして、夏美の見舞いに通う中で、体育館からバスケットボールの練習音を耳にします。

しかし、練習していたのは、競技用車イスを使う戸川清春でした。その後、成り行きで勝負をすることになった野宮と戸川。その姿を夏美は笑みを浮かべながら見学します。後日、自動車教習に通い始めた野宮は、車イスバスケチームのマネージャー・安積久美と知り合います。安積は、自身がマネージャーを務めるタイガースの試合に野宮を誘い、競技のすばらしさを教えました。

また、タイガースには戸川も所属しており、安積の幼馴染であることを明かします。戸川と帰りのバスが一緒になった野宮。その先でバスケ部の後輩・柾の違和感を感じ取り、後に彼がいじめを受けていたことを知ります。そこで、後輩の復讐と戸川との練習場所の確保を兼ねて、高橋との2on2に挑みました。結果は野宮ぺアが勝利し、戸川と共に早朝の高校の体育館で練習を始めます。

一方、退院した夏美は、リハビリのため長野へ移りました。その頃、高橋がトラックにはねられ、意識不明の重体に陥る事故が起きました。数日に及ぶ昏睡状態の末、意識を取り戻した高橋。しかし、怪我の程度は大きく、足の感覚だけは戻りませんでした。

2巻あらすじネタバレ

自主練に励む戸川・イメージ画像

野宮との交流をきっかけに、はじめて挫折を味わった戸川。自身の弱さと向き合い、タイガースに戻ることを決意します。ミスを連発してキャプテンから辛く当たられるも、歯を食いしばって練習に励みます。

3巻あらすじネタバレ

長野のリハビリセンターに移った夏美・イメージ画像

夏美の様子を見るため、長野の病院へ向かった野宮。その先では、必死にリハビリに取り組んでも、歩くことが出来ない夏美の現実がありました。その光景を目の当たりにした野宮は、自分も変わらなければと思い、その一環として高橋の見舞いに訪れます。一方の高橋も、リハビリに励んでいたものの、思い通りにいかない人生に自己嫌悪に陥っていました。

そして、今までの自分をAランクと評し、歩けなくなった今の自分は底辺だと言います。しかし、夏美の努力を見てきた野宮は、高橋の言葉に怒りを覚えます。バスケ部時代から、練習に手を抜いていた高橋。根本的な問題を指摘されて気分を害します。

4巻あらすじネタバレ

戸川のやる気が功を奏し、タイガースはひまわり杯で準優勝しました。次は優勝を目指して練習に熱が入るも、選手たちとの間に溝が出来てしまいます。その頃、日本車椅子バスケットボール連盟から戸川へ日本代表候補の通知が届けられました。中学3年生の夏に骨肉腫と診断され、スプリンターの夢を諦めた戸川。そんな中で会ったのが、同じ病に苦しむ山内と車椅子バスケットのすばらしさを教えてくれた虎でした。

戸川の苦しみに寄り添い、的確なアドバイスを送る虎。後に、虎は彫師の本場であるアメリカに渡るも、その直前に戸川へ競技用車椅子を譲りました。この出来事が戸川の競技人生の始まりであり、戸川の運命も大きく変えていきます。

5巻あらすじネタバレ

運転免許を取得した野宮・イメージ画像

野宮が9か月かけて車の免許を取得した頃、高橋はリハビリ専門病院へ転院しました。はやく1人でできるようになりたいと気持ちばりが焦り、いら立ちを募らせます。一方、タイガースは、全日本選手権・ブロック予選を控え、長野満がチームに合流しました。戸川と他選手との溝が深まる中、長野は戸川のある感情を引き出そうと策を練ります。

6巻あらすじネタバレ

ようやく見つけた引っ越しのアルバイトに精を出す野宮。希薄な職場関係に悩みながらも必死にしがみつき、仕事に精を出します。一方、高橋は、母親が倒れたことや主治医の勧めで、長らく絶縁状態だった父親の元で過ごすことになりました。何かと高橋の世話をしてくれた父親でしたが、どこか他人行儀にも感じられます。そんな中、父親との楽しい思い出を振り返りながら、父親の仕事場を見学します。

父親は陶芸家として活動しており、人生も積み重ねが大事ということに改めて気づかされます。しかし、プライドが邪魔をして、本音を語ることが出来ない高橋。同時に、過去には戻れない現実を実感します。

7巻あらすじネタバレ

宿敵ドリームズへの勝利に向けて奮起するタイガースに、新メンバー水島亮が加入します。自身を含めた障害者に対して先入観を持っていた水島。しかし、タイガーズの練習光景に魅了され、バスケへの意欲を持ち始めます。ドリームズの試合まであと3日となり、戸川は自身の弱点克服に向けて野宮・水島と練習に励みます。一方のドリームズも対戸川対策を打ち出し、本番に備えていました。

試合当日、野宮はアルバイトの予定でしたが、会社が倒産したことで急遽、会場に駆け付けます。試合は、戸川を抑えた戦略で挑むドリームズが優勢でした。しかし、この出来事は戸川の闘志を燃やし、2Qではチーム一丸となって勝利を目指します。

8巻あらすじネタバレ

トライアウト挑戦を決める野宮・イメージ画像

タイガースの試合は敗北に終わったものの、ここを起点として気持ちを新たにします。一方、野宮は夏美の助言を受けて東京ライトニングスのトライアウトへの挑戦を目指します。その頃、外泊から戻ってきた高橋も、気持ちを切り替えてリハビリにいそしんでいました。まだ、立つことも難しいものの、少しづつできることを増やし、着実に前に進んでいきます。

そんな中、リハビリセンターに花咲と元格闘家の白鳥が入所しました。リハビリに熱心な花咲でしたが、努力が必ずしも報われない現実を、高橋は目の当たりにします。また、白鳥との交流も始まり、高橋の心境に変化が訪れます。

9巻あらすじネタバレ

大学に進学した先輩・山路を頼って大学バスケに参加した野宮でしたが、自身の実力を目の当たりにし、落ち込みます。そのままライトニングの試合を見に行くと、ヘッドコーチの田中の異様な光景を目にし、彼の尾行を始めました。向かった先は行きつけの居酒屋で、店主と旧知の仲である田中はポイントガードの安西への不満をぶちまけます。

ちょうど、ポイントガードを狙っていた野宮は、トライアウト合格に向けた目標を見いだします。一方、リハビリセンターでは、白鳥が3か月後に歩けるようになることを目指し、リハビリに励んでいました。しかし、初めて体験した体育の内容に、高橋は改めて自分が障害者であることを思い知らされます。

10巻あらすじネタバレ

車椅子バスケの練習を始めた高橋・イメージ画像

高橋にプロテストを受けることを報告した野宮は、本番に向けて練習に熱を入れます。そんな中、高橋は、戸川のことを思い出し、体育館に向かいます。しかし、車椅子バスケは自分には関係ないと、その場を後にしました。そんなある日、調布ドリームズの練習を見学に訪れた高橋。車椅子バスケをやりたい気持ちが沸き上がり、自己流の練習を始めました。

その頃、タイガースはオオルリ杯への出場が決まり、戸川は優勝を目指すべく張り切ります。また、明日には野宮のトライアウトが控えていました。

11巻あらすじネタバレ

トライアウト本番に挑み、最終選考まで進出した野宮。最後の選考では、ライトニングスのレギュラーメンバーとのマッチアップが実施され、野宮は安西と当たります。試合では、安西に得点を次々と奪われ、コーチや選手から野宮の選考について苦言が出てきました。しかし、田中だけは野宮のひたむきさや精神的な強さを評価します。

その頃、高橋がリハビリに懸命に取り組み、暇をみつけては車椅子バスケの練習に励んでいました。そして、初めて競技用車椅子に座ったものの、氷の上を滑るように上手くいきません。

12巻あらすじネタバレ

チームメイトの関係に悩む戸川・イメージ画像

車椅子バスケに取り組む高橋の姿は両親との関係を修復し、これまで距離を置いていた父親も、車椅子バスケに向き合い始めます。また、母親も目標に向かってリハビリに取り組む息子の姿に、ある感情が芽生えました。一方、オオルリ杯を2か月後に控えたタイガースでは、チームの士気が低下し、戸川は焦りを覚えます。そんなある日、コーチのハラのすすめで戸川と水島亮はAキャンプに参加します。

Aキャンプに参加する戸川たち・イメージ画像

慣れない環境に苦戦する中、戸川はチームメイトとの間に溝を作ってしまいます。そして、チームメイトの前で感情をあらわにすると、1人で体育館に向かいました。そこには、Aキャンプのコーチ・ラリーがおり、成り行きで競争が始まります。その後も、キャンプで上手くふるまうことが出来ずにいた戸川。そんな彼の心を闇を察したラリーは、戸川の依頼で秋葉原に連れて行きます。

ラリーとの交流を通じて自分と向き合った戸川。チームメイトとも打ち解けることができ、Aキャンプの最終日には会場を大いに沸かせました。そして、2か月後、タイガースは宇都宮で開催されるオオルリ杯に出場します。

13巻あらすじネタバレ

リングに再び立てる日を目指して、リハビリに力を入れていた白鳥。高橋の効果から、白鳥にも外泊許可が下りました。そして、リングに立った白鳥は野毛とタッグを組み、松坂と対戦します。松坂とは同期であり、切磋琢磨しあった親友でもありました。ライジングサンズというタッグを組み、MWPタッグ王座を勝ち取るなど、順調なプロレス生活でした。

しかし、社長のある一言をきっかけに、白鳥はヒール役として松坂と対戦することになります。松坂は容姿端麗で女性ファンが多い一方、白鳥はおじさん世代に支持されていた選手でした。そして、太陽は1つで良いという社長の考えから、白鳥は悪役レスラーとしての活躍を命じられます。ヒーローを目指していた白鳥にとって社長の言葉はショックな内容でした。

また、留学先のプエルトリコでは、プロレスとはかけ離れた試合が行われ、白鳥の中で何かが壊れます。日本に帰国後は、ヒールとしてリングに上がるも、会場からはブーイングの嵐でした。ファンレターを通じて誹謗中傷を受ける中、ブルームと書かれた手紙だけは違っていました。一方、華やかな活躍を見せる松坂も、1人の選手として白鳥に敬意を持ち、彼との試合に全力で挑みます。

松坂に逆転を許しても、決してあきらめない芯の強さを見せつける白鳥。彼の試合を観戦していた高橋は、白鳥の強さに身震いします。また、花咲も白鳥に向かって、「ブルーム」は自分だとエールを送りました。白鳥と松坂の試合は苛烈化し、会場も大きな盛り上がりを見せます。試合には負けた白鳥でしたが、負けても自力で立ち上がった姿に会場は歓声に包まれ、高橋も新たな目標に向かってドリームズに加入しました。

14巻あらすじネタバレ

プロレスの引退試合を終え、再びリハビリ生活に戻った白鳥。彼の試合は、その後のプロレス界に影響を与える伝説の一戦となりました。一方、宇都宮ではオオルリ杯が行われ、タイガースは優勝を果たします。また、高橋が在籍するドリームズは、国内最大のタイトル・内閣総理大臣杯に参加していました。初のベスト4進出をかけて挑むも、試合には負けてしまいます。

高橋は、基礎を身に着けるために独自の練習に励んでおり、リハビリの体育担当・原のもとで地獄の特訓に取り掛かります。その頃、安積が留学したことでタイガースの雰囲気が一変します。また、元チームメイト・山内も危機的状況に陥り、戸川に試練が訪れました。

15巻あらすじネタバレ

自暴自棄になる戸川・イメージ画像

ドリームズへのリベンジをかけて、ジャパンオープンに出場するタイガース。しかし、初戦の相手は強豪ウォリアーズであり、チームは敗退しました。また、代表合宿のチャンスが巡ってきた戸川でしたが、それらも落選し、自分が目指すべき道が分からなくなります。一方、高橋は、約5か月におよぶトレーニングを経て、ようやくボールを使った練習に取り掛かりました。

ボールの扱いに苦戦する高橋・イメージ画像

しかし、怪我前とは感覚が違うために上手くボールを扱えず、自暴自棄になってしまいます。それでも、白鳥の退院をきかっけに気持ちを切り替え、練習に励みます。そんな中、高橋は野宮と再会し、プロになる宣言したものの、体形がふくよかになったことを指摘しました。野宮は悔しさのあまり暴行沙汰を起こし、留置所に入れられます。

警察の取調べを受ける中、高橋との過去を思い出す野宮。彼とは中学時代からの付き合いであったものの、どうして上手く付き合えないのかと、考え込みます。そして、高橋の頑張りを糧に自分も努力しようと奮起します。

リアル(漫画)の登場人物・キャラ

リアル(漫画)の登場人物の紹介・イメージ画像

以下では、「スラムダンク」との繋がりを感じさせるキャラが登場する、井上雄彦先生の漫画「リアル」の登場人物を紹介します。

登場人物①戸川清春

車椅子バスケチーム・東京タイガースのエースであり、ポジションはガード、背番号は6番、年齢は19歳です。中学時代に父親の反対を押し切って陸上部に入り、短距離走として活動します。全国大会で優勝を狙えるほどの実力選手だったものの、足に骨肉腫ができたため陸上を引退しました。その後、病状の悪化を受けて右下関節から下部を切断、術後は義足と車椅子を使って生活を送っています。

手術から約2年間、引きこもり生活を送るも、山内や虎、車椅子バスケとの出会い、父親や安積の支えによって復帰しました。正義感の強い熱血漢で、チームメイトとの衝突が絶えなかった戸川。Aキャンプへの参加をきっかけに協調性を身に着け、妥当ドリームスを目指して練習に励んでいます。

登場人物②野宮朋美

西高バスケに所属する18歳の青年であり、実年齢より年上にみられがちな強面が特徴です。幼少期はいじめられっ子であったものの、Hugoとの出会いを受けてバスケを始めました。基礎練習を怠らない真面目な性格で、全国大会優勝を目指していた野宮。しかし、高橋をはじめとするチームメイトと温度差が生じ、彼らとの関係がうまくいかなくなります。

そして、街でナンパした夏美をバイクに乗せて事故を起こし、彼女を下半身不随にしたことなどを理由に高校を退学しました。その後は自分を変えようと奮起し、バイトの傍ら夏美のお見舞いに通い続けた野宮。また、タイガースの練習に参加するなど、チームのアドバイザー的な活動も行っています。性格は繊細で、それゆえに喧嘩が絶えないものの、障害者の戸川に対して先入観を持たずに接するなど、器が広い一面もあります。

登場人物③高橋久信

西高バスケ部のキャプテンで、野宮の元チームメイトです。容姿端麗で成績優秀、スポーツも万能という器用な人間であり、それゆえに努力することを嫌う一面もありました。また、野宮とも部活に対する考えの相違から対立しています。盗んだ自転車を運転した時にトラックと衝突し、脊髄負傷による下半身不随となりました。

事故直後は自身が置かれた状態を受け入れられず、上手くいかない苛立ちを他人にぶつけることもあった高橋。しかし、リハビリセンターで知り合った花咲と白鳥との交流、両親との関係修復などを機に、自分を変えていきます。また、ひょんなことから車椅子バスケの存在を知り、後に調布ドリームズに加入しました。

登場人物④安積久美

タイガースのマネージャー・安積久美のイメージ画像

タイガースのマネージャであり、戸川の幼馴染です。戸川とは付き合いが長く、彼が引きこもりになった時も、戸川家に通い続けていました。戸川のことは「清ちゃん」と呼び、より理解者として戸川をサポートし続けています。性格は穏やかであるものの、芯の強さも兼ね備えています。

登場人物⑤山内仁史

山内仁史のイメージ画像

タイガースの草創期からのメンバーであり、戸川の親友です。5歳の頃から筋ジストロフィーを患い、現在は病状の悪化により寝たきりの生活を送っています。20歳まで生きられないと宣告され、死ぬことを待つだけの人生だと思っていた山内。しかし、近年になって病の進行を止める薬の実用化を知り、生きる希望を見いだしました。

登場人物⑥勝田虎

車椅子バスケチーム・タイガースの創設者であり、初代キャプテンを務めた元選手です。現役時代には全日本代表にも選出された実力者でもありました。戸川を車椅子バスケに誘った人物であり、虎自身も骨肉腫によって右足の切断手術を受けています。選手を引退後はタトゥースタジオを開き、後にアメリカに渡米しました。出国前、自身の競技用車椅子を戸川に託しており、戸川の選手としての活躍を応援し続けています。

登場人物⑦コウ

戸川たちとチームを組んだコウのイメージ画像

Aキャンプに参加したメガネが特徴の青年です。チーム名「さぬきうどん」の名付け親で、戸川・水島と一緒のチームを組みます。最初は戸川と衝突することが多かったものの、戸川の変化を受けて自分も変わろうと奮起しました。

登場人物⑧山下夏美

野宮がナンパして事故に巻き込んでしまった少女で、年齢は17歳です。事故によって下半身不随となり、長野県の施設でリハビリに励んでいます。野宮とは良き友人関係を築き、挫折しかけている野宮にアドバイスを送りました。また、夏美自身も漫画家を目指しており、野宮とはお互いの夢を応援しあっています。

登場人物⑨関

野宮の後輩・関のイメージ画像

西高バスケ部員で、野宮を慕う後輩です。野宮と同様、努力家な性格であり、高橋のことを内心では嫌っていました。また、チームの敗戦を受けて高橋に丸坊主にされたこともあり、3年生の卒業時には喜ぶような表情を見せています。

登場人物⑩柾

柾のイメージ画像

西高のバスケ部員で、野宮を慕う後輩です。練習後も野宮・関と共に居残り練習をする仲であり、バスケットに本気で打ち込んでいました。野宮の退学後に高橋から嫌がらせを受けており、暴行事件を起こしたことで謹慎処分を受けました。その後、事情を聞きつけた野宮が自宅を訪ね、先輩の優しさに涙を流します。

登場人物⑪秀島聡一郎

トライアウトに挑戦する秀島聡一郎・イメージ画像

プロチーム・東京ライトニングスのトライアウトを受けた大学生です。エントリー受付終了時刻に遅刻しそうになるも、野宮のおかげで何とか間に合うことが出来ました。また、野宮とはトライアウトで同チームとなります。選考の結果は合格であったものの、2週間で解雇されています。

登場人物⑫花咲満

高橋と同じリハビリ施設に入った入居者で、年齢は20歳です。信号待ちしていたところを飲酒運転のトラックに轢かれ、脊髄損傷による下半身不随となりました。趣味はフィギュアとプロレスであり、スコーピオン白鳥の大ファンです。「ブルーム」という名前でファンレターを送り続け、ヒール役に悩む白鳥の支えとなりました。

登場人物⑬スコーピオン白鳥

高橋とベットが隣同士になったプロレスラーで、「日本一のヒール」の異名を持ちます。年齢は40歳前後で、バイク事で脊髄を損傷しました。約1年間のリハビリ生活を経てリングに復帰し、高橋に強さとは何かを考えさせました。また、高橋が車椅子バスケを始めるきかっけを作っており、花咲と同様、高橋の人間性に大きな影響を与えています。

登場人物⑭長野満

東京タイガースの3点プレイヤーで、背番号は7番、日本代表候補にも選ばれた車椅子バスケ選手です。戸川が初めて敗北感を味わった相手であり、長野自身も戸川を非常に気に入っています。「スラムダンク」の永野満のパラレルワールドという設定で、両作品との繋がりのあるキャラクターです。

登場人物⑮金子謙一

金子謙一のイメージ画像

東京タイガースのキャプテンで3.5点プレイヤー、背番号は11番から5番に変更しています。年齢は26歳で、車椅子バスケ歴は5年です。負けん気が強い性格で、戸川とは度々衝突するものの、お互いに信頼を寄せています。

登場人物⑯安西義輝

東京ライトニングスのスター選手で、ポジションはポイントガードです。新人ながら高い実力の持ち主で、メンバーや経営者からの期待の高い選手です。一方、個人プレーに走りがちなことが欠点で、ヘッドコーチの田中からは良く思われていません。また、野宮からは一方的にライバル視され、トライアウトで激戦を繰り広げました。「スラムダンク」の安西光義とは一字違いであるものの、両者の繋がりは不明となっています。

リアル(漫画)の名言

リアル(漫画)の名言を紹介・イメージ画像

以下では、読者の心に響く数々の名セリフが誕生した、井上雄彦先生の漫画「リアル」の名言をネタバレ紹介します。

名言①「夕暮れの空は…」

勉強もスポーツも出来て、自分を「Aランク」と自称していた高橋久信。事故で大怪我を負っても、自分は優等生だからすぐに治ると信じていました。周囲から歩けないと言われても、その事実を受け入れられません。しかし、感覚のなくなった足が彼に現実を突きつけているでしょう。

何言ってんだあいつら、歩けなくなるだと?夕暮れの空はどこか非現実的に見えた。感覚のない脚だけが俺のリアルだった。

名言②「ヒーローを目指すのが…」

父親が叶えることが出来なかったピアニストの夢を託され、日々、ピアノの練習に明け暮れていた戸川。しかし、戸川自身はこのような生活にうんざりしていました。そんなある日、いつもように父親がピアノの練習のために、戸川を連れて帰ろうとします。その時、同級生の若林に言われたのが、このセリフです。この出来事を受け、戸川の中で何かが変わろうとしていました。

ヒーローを目指すのが男ってもんスよ

名言③「努力するモンを…」

野宮朋美の名言・イメージ画像

高橋の事故を聞きつけ、見舞いに訪れた野宮。話題は高橋のリハビリに変わり、上手くいかない自分に嫌気を覚える高橋に対し、野宮は怒りをぶつけます。夏美のリハビリを見学した野宮は、どんなに努力しても結果が出ない、過酷な現実を目の当たりにしていました。一方、高橋は、バスケ部時代から努力することを怠り、かつ努力する人間をバカにするような態度を取っていました。

野宮の知る限り、高橋は本気で努力したことがないと推測され、そのような人間が過酷なリハビリに耐えられないと思ったでしょう。野宮のセリフからは、高橋に対するこれまでの怒りと同時に、自らを底辺に落ちたと評する高橋への憐れみとも解釈できます。

努力するモンをあざ笑ってきたお前に何ができる?何ができんだよ?

名言④「何のために…」

骨肉腫のために足の切断手術を余儀なくされた戸川。車椅子と義足を使った生活が始まり、人生に悲観する中、難病を抱える山内仁史と出会います。山内は筋ジストロフィーを患っており、余命は20歳までと宣告されていました。しかし、山内は自分の人生を前向きに考えていました。人生はジェットコースター、だからこそ、残された時間を思いっきり生きたい、山内の強い気持ちが現れた名言でしょう。

あと何分しかない あと何秒で終わっちゃうって そんなことばかり考えてたら 何のために乗ったかわからないよね 何のために生まれてきたかわからないじゃん そんなヒマないよ

リアル(漫画)の用語を解説

リアル(漫画)の用語を解説・イメージ画像

以下では、井上雄彦先生の漫画「リアル」を読み進めるうえで覚えておきたい、リアル(漫画)の用語を解説しました。

用語①バスケットボール

バスケットボールの試合の様子・イメージ画像

井上雄彦先生の人気作「スラムダンク」の題材にもなったスポーツで、1891年にアメリカで考案されました。長方形のコートに5人1組のチームでボールを奪い合い、リング状のバスケットにボールを入れて得点を稼ぎます。日本では2005年に国内プロリーグが発足し、2016年にはBリーグが開幕しました。

用語②車イスバスケットボール

夏季パラリンピックの公式種目で知られる車椅子バスケットボールは、その名の通り競技用車イスを用いて行われるスポーツです。ルールは、一般のバスケットボールとほとんど同じルールであり、1チーム5人で編成されています。また、バスケットの高さも、一般と同様の3.05mが採用されています。スピードや持久力の他、車イスの操作技術も勝利の決め手となるでしょう。

ゲームは、1ピリオド10分を4回実施し、第1・第2ピリオドの間と、第3・第4ピリオドの間には2分間のインターバルが設けられます。また、第2・第3ピリオドの間には、10分または15分のハーフタイムが入ります。

用語③クラス分け

車イスバスケでは、重度の障害を持つ選手への配慮から、障害の程度に応じてクラス分けが実施されています。クラス分けは、軽度の障害者ほどポイントが高くなることが特徴です。また、コート上の選手5人の合計ポイントが、14.0を超えないようにする規定となっています。

用語④ローポインター

ローポインターの説明・イメージ画像

車イス選手のクラス分けは、運動能力の程度によって、ローポインター・ハイポインターに分けられます。まず、ローポインターとは、クラス分けで2.5以下の選手が当てはまり、「リアル」の漫画では高橋久信が該当します。一方、ハイポインターは、切断手術を受けた等、軽度の障害者が該当し、作中での該当キャラは戸川清春等です。

用語⑤ポイントガード(PG)

ポイントガードを説明する・イメージ画像

バスケットボールにおいて、チームの監督的存在で、メンバーの中でもっともボールに触れる機会が多いポジションです。チームの勝敗を左右する重要なポジションで、冷静かつ的確な判断力が求められます。作中では、東京ライトニングスの安西義輝のポジションで、野宮のその位置を希望していました。

用語⑥東京タイガース

虎こと勝田虎によって発足したチームで、戸川・長野が選手として所属している他、安積久美がマネージャーとして活躍しています。また、野宮もチームのアドバイザー的存在として関わり、練習にも参加しています。打倒ドリームズを掲げ、近年は戸川と長野の奮闘もあり僅差まで持ち込みました。

用語⑦調布ドリームズ

練習に励む調布ドリームズ・イメージ画像

車イスバスケの強豪チームであり、高橋がローポインターとして加入したチームです。タイガースとは、過去2回の対戦で勝利しているものの、都大会では苦戦を強いられました。

用語⑧東京ライトニングス

試合に臨む東京ライトニングス・イメージ画像

野宮朋美が入団を希望したバスケットボールのプロチームです。チームは新人ながらスタープレイヤーとなった安西義輝を中心としています。そのため、選手層が薄く、ヘッドコーチからも問題視されています。作中ではトライアウトが実施され、野宮も参加しました。しかし、トライアウトに合格した選手は、入団後まもなく脱退を余儀なくされています。

リアル(漫画)の面白い魅力や見どころ

リアル(漫画)の面白い魅力や見どころを紹介・イメージ画像

東京パラリンピックで観客を熱狂させた車椅子バスケ。格闘技さながらの激しい試合が注目を集め、競技に対する関心も高まっています。以下では、井上雄彦先生の漫画「リアル」の面白い魅力や見どころを紹介します。

見どころ①車椅子バスケという競技の魅力が描かれる

井上雄彦先生といえば「スラムダンク」が有名ですが、バスケ繋がりを感じさせる「リアル」の漫画も外せません。「リアル」では車椅子バスケを題材とし、「スラムダンク」とは異なる迫力ある展開が描かれています。スピード感や選手同士の激しいぶつかり合い、パワーあふれる試合など、まるでアクションシーンを見ているようでしょう。

見どころ②キャラの人生がリアルに描かれる

井上雄彦先生の漫画「リアル」では、車椅子バスケだけでなく、障害者にも焦点を当てたヒューマンドラマとしても描かれています。病気や不慮の事故が原因で、車椅子生活を余儀なくされた人々の葛藤や、車椅子バスケと出会うまでの過程も丁寧に描かれています。また、車椅子バスケという競技で繋がる主人公3人の交流も見どころです。

残酷な現実を突きつけられながらも、前へ進もうともがき続ける野宮たち。思い通りにいかない人生を懸命に生きようとする若者たちの「リアル」も魅力となっています。

Thumb【リアル】安西義輝は安西先生の息子?スラムダンクとの繋がりを考察 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

リアル(漫画)に関する感想や評価

リアル(漫画)に関する感想や評価

以下では、「スラムダンク」との繋がりにも注目が集まった、井上雄彦先生の「リアル(漫画)」に関する感想や評価を紹介します。

感想1:様々なことを考えさせられる作品

「スラムダンク」との繋がりや作者が井上雄彦先生という理由から、漫画を読み始めた方も多い「リアル」の漫画。本作品では、車椅子バスケという新たなバスケットボール漫画が展開されるも、登場人物たちの心情にも焦点を当てた作風が特徴です。時には残酷な現実を突きつけられながらも、共通の目的で人々と繋がり、自分を変えていくストーリーは奥深く、様々なことを考えさせられる内容だったとの感想が見られます。

感想2:漫画をきかっけに価値観が変わった

井上雄彦先生といえば「スラムダンク」が有名ですが、近年では「リアル」の漫画への注目も高まっています。車椅子バスケと障害者をテーマにした作風であり、メッセージ性に富んだセリフの数々は井上雄彦先生の考えが反映されているでしょう。また、「リアル」の漫画では、健常者と障害者の繋がりもクローズアップされ、読者の中には自身の価値観が変わったとの声も見られます。

感想3:涙無しでは読めない作品

スラムダンク繋がりで「リアル」の漫画を読み始めたファンの中には、涙無しでは読めないとの感想も寄せています。スポーツ漫画でありながら、主人公のサクセスストーリーではなく、努力が報われない過酷な現実など、リアルを追求した作風が特徴です。また、井上雄彦先生の「リアル」では、キャラ同士の繋がりにも焦点を当てており、人間関係についても考えさせられる奥深いストーリーも高く評価されています。

リアル(漫画)のあらすじまとめ

リアル(漫画)のあらすじまとめ・イメージ画像

井上雄彦先生の漫画「リアル」のあらすじや登場人物、「スラムダンク」との繋がりなどをネタバレ紹介しました。車椅子バスケを通じて、健常者と障害者の繋がりや友情を描いた「リアル」の漫画。スポーツ漫画でありながら、ヒューマンドラマでもあり、懸命に生きる主人公たちの姿が見どころです。

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