生徒死導をネタバレ解説！死人の学校を描いた漫画のあらすじや感想・評価は？

漫画「生徒死導」は、成仏できずにいる生徒に寄り添い、彼らの未練を晴らそうと奮闘する教師・五木撫子の活躍を描いたダークファンタジーです。スカッと爽快な展開から、感動のエピソードまで読み応えのあるストーリーが見どころです。以下では、漫画「生徒死導」のあらすじネタバレと、作品の感想や評価を紹介します。

「生徒死導」の漫画は、荒井チェイサー原作・相羽紀行作画によるダークファンタジーです。本作品は、漫画配信サイト「めちゃコミック」等で連載されています。

生徒は全員故人という奇抜な設定が目を引く「生徒死導」の漫画。タイトルの通り、この世に未練を残した生徒を成仏に導くのが、主人公の五木撫子です。胸がスカッとする復讐劇もあれば、涙を誘う感動のエピソードも盛り込まれた、飽きの来ないストーリーです。また、作中では、五木撫子の過去も盛り込まれ、彼女の狂育的指導に繋がっています。

以下では、成仏できない生徒が通う天堂学園を舞台にした、「生徒死導」の漫画1話～10話のあらすじをネタバレ紹介します。

五木撫子が赴任した天堂学園では、夜間制にも関わらず小学生や中学生とみられる生徒もいました。違和感を覚える中、撫子は同僚の沢田先生に連れられて資料室に入ります。そこには生徒の情報が保管されており、なぜか「没年」が記載されていました。

天堂学園は、死んだ人間が通う学校であり、生徒や沢田先生自身も故人であることが判明します。反対に生きている人間は、特殊な霊力を持った撫子と校長だけです。状況を理解できない撫子は校長室に向かい、この学校に呼ばれた理由を聞き出そうとします。

撫子には特別な力があると話す校長をよそに、撫子は何のことかさっぱり分かりません。そこで、撫子の記憶を蘇らせ、能力が目覚めた経緯をさかのぼります。3か月前、車に轢かれそうになった少年を庇って、瀕死の重傷を負った撫子。何かの存在によって別の世界に連れていかれるような夢を見て、その直後に意識を取り戻しました。そして、療養生活を経て小学校に復帰し撫子でしたが、この頃から奇怪な行動が目立ち始めます。

自身の奇行を事故の後遺症だと説明する撫子。しかし、彼女の奇行は周囲から怖がられ、当時の校長も心配になります。そこで、知り合いの天堂学園の校長に相談し、撫子を学園に赴任させました。

学園に赴任された経緯を聞いた撫子は、ここで教師として働くことを決めます。この学校は、呼び寄せられた生徒の魂を成仏させるための場所でした。そして、教師は生徒を成仏に導くことであり、撫子はさっそく飯塚安奈に声をかけます。生前にいじめを受け、殺されてしまった安奈。いじめグループへの恨みから成仏できずにいました。そして、話を聞いてくれた撫子に復讐をしたいと打ち明けます。

翌日、いじめグループを発見した撫子は、自身の霊力で安奈を現世に出現させます。グループは最初こそ驚いたものの、すぐさま安奈へ罵声を浴びせました。安奈を死に追いやりながら反省の色を見せない男女5人に対し、撫子は行動を開始します。

突然、あたりが霧に包まれ、グループの1人が仲間とはぐれてしまいます。気味悪さを覚えながら灯の見える方へ進むと、建物がありました。中には仲間4人がおり、グループは安堵します。彼らが入った場所は天堂学園の教室でした。謎の手によって強制着席させられると、撫子による狂育的指導が始まります。

撫子の狂育的指導後、5人は首吊りにされそうな状態になります。椅子を蹴れば5人に死が訪れる仕組みであり、安奈は復讐を目論みます。しかし、どんなに憎くても5人を殺すことはできません。最終的に5人は、安奈の情けで命拾いしました。それでも、5人は反省しようともせず、彼らに怒りを覚えた撫子は呪いをかけます。

最初にいた公園に戻り、先ほどの出来事について話し合う5人。結局、考えがまとまらず解散しました。しかし、帰り道、誰もいないはずの道路で転ばされ、顔を殴られる不可解な現象に見舞われます。また、自分たちがやられたところを笑っているような幻聴も聞こえます。これが撫子がかけた呪いでした。5人は生かされた代わりに、生涯を通じて霊にもてあそばれる運命が課されています。

一方、5人への復讐を果たした安奈は、この世への未練が解消されて成仏しました。また、撫子もこの仕事にやりがいを感じ、次は栄生良一くん7歳に声をかけます。

良一くんには生まれつき重い病気があり、入院生活を送っていました。そのため、生前は学校に通うことができず、この事が彼の未練ではと考えます。しかし、天堂学園に来てからも未練は果たされていません。良一くんの未練とは、学校で楽しく過ごす姿を両親に見せることでした。

良一くんの両親を天堂学園に招き入れるべく、校長に相談する撫子。校長からアドバイスをもらい、授業参観と評して親子の再会を実現させようと準備を進めます。そして、良一くんの実家に向かった撫子でしたが、その場所は空き地になっていました。

以下では、生徒を大切に思う撫子の優しさも見どころの、「生徒死導」の漫画11話～20話のあらすじをネタバレ紹介します。

教えられた住所はやっぱり空き地であり、撫子は不安を覚えます。そこで、町で聞き込みを行い、良一くんの祖母の家にたどり着きます。

良一くんの祖母と出会い、両親の居場所を聞き出そうとする撫子。しかし、祖母が襖を開け、両親に関する事実を撫子に教えました。

授業参観当日、撫子の奮闘もあって良一くんの両親が教室に来てくれました。親子の再会に涙を流す3人。授業に積極的に参加する息子の姿を、両親はほほえましく見守ります。そして、両親への手紙を読み終えると、良一くんは成仏しました。

授業参観を終え、ほっとする良一くんの両親。実は2人もすでに亡くなっていたことが判明します。息子を病気で亡くし、あの世で良一が寂しくないようにと夫婦で無理心中をしました。しかし、最後まで懸命に生きた息子に対して、しだいに自責の念を抱くようになります。息子への申し訳なさから参加を拒んだ両親でしたが、撫子の説得を受けて参加を決意しました。

沢田先生の依頼で枇杷から話を聞く撫子。枇杷は好きな人がおり、彼と一緒にいるという約束を果たせないことが未練となっていました。そこで、安奈の時と同様、撫子の霊力で枇杷を学園の外に連れ出し、彼氏との再会させようと試みます。彼氏がよく通る道で待ち伏せすると、例の彼が近づいてきます。しかし、彼は別の彼女と一緒であり、枇杷は錯乱状態に陥りました。

彼氏に別の彼女がいることに怒りを爆発させる枇杷。彼女の怒りは撫子にも伝わり、校長の介入によって事なきを得ました。自分の不甲斐なさを感じる撫子でしたが、現実と向き合わない限り成仏できないと聞かされて立ち直ります。そして、枇杷と再び向き合い、もう一度、彼氏と向き合うことに決めます。彼氏に感謝の言葉を述べ、成仏していった枇杷。しかし、これで終わりではありませんでした。

枇杷の成仏後、校長から彼氏の裏アカを見せられた撫子。その内容は、枇杷の死を利用した金儲けを目論む内容が投稿されていました。表面では良き彼氏を演じていたものの、本性は胸クソの悪くなるようなクズだったと判明します。

枇杷の彼氏に激しい怒りを覚えた撫子は、狂育的指導という形で懲らしめようと行動に出ます。一方、彼氏の方は新しい彼女に夢中で、枇杷の悪口も言っていました。撫子の怒りがヒートアップする中、沢田は中学時代の出来事を思い出します。当時、沢田の教え子だった撫子は、普段は1人で過ごすことの多い大人しい生徒でした。

しかし、激しいいじめを受けていた生徒を助けるべく、いじめていた生徒をホウキで殴りかかりました。生徒が失神しても殴ることを止めない撫子。生徒に呼ばれて現場にきた沢田は、その時の撫子の目を今でも忘れることができませんでした。

撫子の激しい怒りは、小学校時代にさかのぼります。親友を自殺で亡くした撫子は、彼女をいじめていた男子たちへ立ち向かいます。しかし、当時は幼いこともあって返り討ちに遭い、撫子は悔しい思いをしました。そして、その悔しさを狂育的指導に生かしていることを沢田に明かします。そのような経緯から枇杷の彼氏のことも許せず、撫子なりの方法で制裁を加えようと行動に出ました。

枇杷の彼氏に狂育的指導を開始した撫子は、校長に反省室を用意してもらいます。異様な雰囲気に怯える彼氏は、撫子が現れるなり自分の行いを反省しました。しかし、それは全くの嘘であり、撫子に見透かされます。そして、枇杷と同じくらいの苦しみを味わうべく、相応の報いを与えました。

以下では、天堂学園に通う生徒たちの過去や未練も気になる、「生徒死導」の漫画21話～24話のあらすじをネタバレ紹介します。

天堂学園へ谷川和仁が迷い込みます。彼は、撫子や校長と同じ霊力を持ち、学園の教師として働くことになります。校長に次ぐ実力者である一方、冷徹な雰囲気や騒がしい生徒に殺気を見せるなど、撫子とは対照的な人物でした。

生徒の成仏は業務と割りきり、強引に成仏を促そうとする谷川でしたが、撫子から制止を受けてしまいます。2人は考えの違いから口論に発展するも、校長が介入したことで事なきを得ました。その頃、生徒の1人がバケモノ化して暴走し、学園は騒然となります。

暴走した生徒は、判別が出来ないくらい変わり果ててしまい、撫子は衝撃を受けます。この状態は、他の生徒・教師を取り込むことで生じる「キメラ」と呼ばれていました。キメラ化した生徒は強制成仏させるしか手立てがなく、谷川のその役を買って出ます。しかし、あくまで生徒との対話を重視する撫子は反対で、別の行動取り始めます。

自らキメラに取り込まれた撫子は、キメラ化の正体である美晴ちゃんを見つけます。触れた瞬間、撫子の脳裏に美晴ちゃんの過去が流れ、生前にいじめを受けていたことが判明します。また、クラスの担任も間接的にいじめに加担していました。そして、自分の都合が悪くなったことを受け、美晴ちゃんを階段から突き落としました。

以下では、五木撫子による復讐劇や感動のエピソードが注目される「生徒死導」に関する感想や評価を紹介します。

いじめっ子を成敗する復讐系と思いきや、親子の再会を描いた感動のエピソードなど、多くの見どころに富んだ「生徒死導」。生徒が成仏できない理由も気になる一方、彼らから話を聞き、狂育的指導で報復を加える撫子の活躍は胸をスカッとさせるでしょう。撫子の奮闘はまさに生徒死導そのものであり、「生徒死導」の漫画が面白いとの声も多く見られます。

「生徒死導」といえば、生徒の復讐のために心を鬼にする五木撫子の魅力も外せません。生徒を大切に思う優しい先生である一方、彼らを死に追いやった者には徹底して報復を仕掛けます。やりすぎにも思える場面こそあるものの、生徒が亡くなった理由を考えれば妥当な仕打ちにも思えるでしょう。また、五木撫子のギャップに惚れたなど、主人公の魅力あふれるキャラクターも高く評価されています。

見た目からは想像がつかないほどの狂気を秘めたキャラクター性が人気を集める五木撫子。「生徒死導」の感想の中には、撫子先生がかっこいいとの声も寄せられています。生徒を自殺に追いやった生徒に対する報復はやりすぎにも感じられるも、撫子の生徒を思う気持ちや正義感の強さが現れているでしょう。撫子の狂気には生徒への愛情も感じられ、「生徒死導」の漫画の面白い要素にもなっています。

生徒の成仏のために、時には心を鬼にして己の職務を全うする五木撫子。エピソードごとに様々な悩みを抱えた生徒が登場し、撫子の生徒死導によって未練を晴らすことができました。22話からは、キメラ化した生徒が登場し、息をつかせない展開が繰り広げられています。「生徒死導」の感想や評価にも続きが気になるとの声もみられ、先を読ませないストーリーも人気に拍車をかけています。

「生徒死導」の漫画あらすじネタバレや感想や評価などをネタバレ紹介しました。撫子が赴任してきた学校では、様々な理由から成仏できない生徒が集められています。彼らの中には、いじめなど壮絶な過去を抱えた生徒もいます。撫子の狂育的指導には、彼らを死に追いやった人々への怒りと同時に、彼女の内に秘める正義感も読み取れるでしょう。