【君が獣になる前に】ネタバレあらすじと最終回の結末！犯人の正体や感想・評価は？

人の内に潜む「獣性」をテーマにした「君が獣になる前に」は、主人公の幼馴染が起こしたテロ事件から始まります。彼女を止められなかった後悔から、事件の真相に迫る主人公・神崎一。なぜ、幼馴染は獣になってしまったのでしょうか。以下では、「君が獣になる前に」のあらすじと最終回のネタバレ、登場人物や感想などをネタバレ紹介します。

漫画「君が獣になる前に」は、2021年～2023年にかけて「ヤングマガジン」で連載されていたサスペンス作品です。

「君が獣になる前に」の作者・さの隆先生は、愛知県出身の漫画家で、2004年に「佐野隆」の名義でデビューしました。戦慄のサスペンス作品で人気を博すさの隆先生の作品は、「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」や「鉄の王」等があります。

以下では、幼馴染を止めることができなかった主人公の後悔が物語を動かした、「君が獣になる前に」の1巻～7巻あらすじネタバレを紹介します。

20XX年12月27日、地下鉄で幼馴染の希堂琴音と出会った神崎一。その後、一緒に遊ぶことになったものの、琴音の様子がおかしいことに気が付きます。右耳のピアスを神崎に渡し、意味深な言葉を残して琴音は駅のホームに向かいました。その直後、琴音が乗ったと思われる電車で毒ガステロ事件が発生します。死者61名、重軽傷者605名を出したこのテロは、悪魔の数字にちなみ「666 The Beast」事件と命名されました。

犯人は琴音であり、事件直前に彼女と会っていた神崎も警察署で事情聴取を受けます。事件当時の様子を見せられ、動揺する神崎。映像の終盤では琴音の姿が映り、彼女も毒ガスによって死亡しました。一方、カメラに映る琴音の右耳には、神崎に渡したはずのピアスがつけられていました。

ある日、署を出たところで女性から電話番号の書かれた紙を渡された神崎。琴音について何か手がかりが掴めればと連絡を入れ、指定された黒猫のバーに向かいますそこには、琴音と親交のあった俳優や女優などが集まっていました。また、連絡を渡してきた女性は琴音のマネージャーの塩見と判明します。彼らも琴音の事件を受け、神崎と同じく被害を被っていました。

彼らは全員、琴音の無実を信じ、冤罪の立証を目指すべく神崎にも協力を要請します。まずは琴音の情報を探るべく、神崎は塩見と共に山道を走ります。その時、正面から黒いワゴン車が衝突してきました。明らかに2人の車を狙った犯行に危機感を募らせる塩見。また、別の目的地に向かっていた残りのメンバーも同様の被害に遭いました。

その時、塩見のスマホへ画像が送られてきます。内容は、連絡がつかずにいたナナコの変わり果てた姿でした。事件から10日後、推しかけてきた真由と共同生活を送る神崎の元へ、魔の手が迫ります。玄関先で真由が何者かに撃たれ、神崎も腹部を撃たれました。死を覚悟したその瞬間、神崎の意識は12月27日にさかのぼります。琴音と別れた直後に戻った神崎は、事件が起きた電車に入ります。

息を止められる時間が限界に達した頃、琴音の姿を発見した神崎。毒ガスに蝕まれて吐血する中、琴音が駆け寄ります。神崎がここにいたことに動揺しつつも、再び意味深な言葉を残しました。ミヤコという人物のために、凶悪な事件を起こしたと話す琴音。意識が遠のく中、神崎は事件発生から半年前にタイムリープします。

20XX年6月27日に到達した神崎は、琴音の生存を確認するべく連絡を入れました。事件の真相を探るべく、琴音と交際を始めた神崎。そんなある日、神崎と一緒に飲んでいた塩見が拉致される事件が起きました。神崎は黒幕の存在を予感し、次は琴音が狙われると考えます。そんなある日、琴音の仕事場に来ていた神崎は、同じくタイムリープしてきた真由と再会します。

塩見の失踪から、自分たちの行動が未来を変えるきっかけになると推理する真由。一方、彼女はミヤコに心当たりがあり、未来では男と失踪したことを明かします。その男も黒幕と関係があると見た2人は、ミヤコを喫茶店に呼び出し、ひそかにGPSをつけました。GPSは高級マンションで止まり、真由が向かいます。しかし、夜になるとGPSは山の中へ移動し、2人の動きを警戒したミヤコの罠と判明しました。

マスコミの目を恐れ、神崎としばらく会わないことに決めた琴音でしたが、彼女の周囲では異変が起きていました。一方、神崎の仕事場にミヤコが訪れ、琴音の様子がおかしいことを忠告されます。真由にも連絡を入れ、ファミレスで会う約束した神崎。車で向かうとブレーキが利かず、電柱に衝突してしまいます。実は、ミヤコが神崎の元を訪れている間、彼女と繋がりのあるジュンペイによって細工されていました。

幸い、命に別状のなかった神崎でしたが、車から覚せい剤が見つかりました。誰かに嵌められたと察するも、黒幕の正体を掴むチャンスだと見ます。神崎を通じてミヤコの存在が警察に知らされ、彼女とクスリの繋がりが捜査されます。しかし、ミヤコは行方をくらませており、彼女と接点のあるジュンペイは心配になります。そこである人物に連絡を入れ、ジュンペイは失踪しました。

1か月後、琴音の情緒も安定しており、事件を防げそうだと安心する神崎。その頃、病院の廃墟、樹海、無人島で目玉をくりぬかれた遺体が発見されました。被害者は、失踪したミヤコ・ジュンペイ・塩見でした。警察はこの事件に琴音が関与しているとみて、神崎から聞き込みを行います。12月18日のことでした。事件を聞き、10年前の琴音の両親と同じ状況だと思う神崎。

同時に、琴音は次に起きるテロ事件に向けて動いていたと考えます。そして、事件当日、駅に向かった神崎は真由と出会い、琴音が現れる時を待つことにしました。これまで目を背けてきた過去に向き合った神崎は、琴音の両親の事件について振り返ります。琴音の衝動を止めるには、彼女を殺すしかないと決意します。

物語は琴音の子供時代にさかのぼります。母親の抑圧に苦しめられてきた琴音は、自由を望んでいました。そして、琴音の抑圧は両親の殺害という形で爆発し、痛ましい事件として世間に報道されました。場面は地下鉄に変わり、琴音がトイレから出てきます。そして、バックの中身を確認しようとした矢先、神崎に奪われました。その後、琴音を連れて駅を出た一行は、公園に向かいます。

神崎と真由はタイムリープを打ち明け、琴音が事件を起こしたきっかけを聞き出します。その理由は、マネージャー塩見の失踪であり、ミヤコとジュンペイが関与していました。しかし、琴音の殺害動機は、塩見ではなく、神崎に危害を加えたことだと話します。しかし、2人の仇は取ったのにテロ事件を起こそうとしたのか、新たな疑問が生じます。

琴音は本当のことは警察に話すと言い、星型のピアスを神崎に託して連行されました。しかし、琴音は自分以外の人間に危害が及ぶことを恐れ、黙秘します。それから1年半が経過するも、琴音は口を割ろうとしません。一方、真由は芸能界を引退、神崎と共に琴音が帰ってくる日を待っていました。その頃、神崎は、大久保の姪とその娘と仲良くなります。その理由は、被害者になっていない大久保の正体を探るためでした。

同時に大久保が黒幕だと推測し、彼から真実を聞き出そうと計画を実行します。しかし、この世界線では2人は初対面であり、大久保はシロと思い始める神崎。その後、真由との口論になる中、何者かに銃で撃たれました。真由は即死し、神崎も太ももに重傷を負います。犯人は、1度目のタイムリープで現れた犯人と瓜二つのギャルでした。実は、大久保の正体は黒幕の1人であり、琴音とは利害の一致から手を組んだと話します。

物語は神崎の高校時代にさかのぼり、両親が事故死した経緯が語られます。おしどり夫婦だった両親は、ランチに出かけた先で近所の女の子を庇って亡くなりました。両親の死後、必死に勉強をして葬儀社を引き継いだ神崎。そんな彼の元へ、琴音は何かしらのプレゼントを持って会いに来ていました。そして、両親の四十九日にて、花を持ってきた琴音に厳しい言葉を投げかけてしまいます。

神崎にとって琴音は、両親の命を奪った憎い存在であり、自身の辛らつな言葉が、幼い琴音の心を殺したとも感じていました。場面は本編に戻り、真由の視点から始まります。過去の世界線で神崎が獣のようになったと心配する真由。タイムリープ後の世界で神崎と再会し、黒幕の1人である大久保に狙いを定めます。そこで、元の世界で取調べにあたった刑事の柳に連絡を入れます。

その後、神崎は消息を絶ち、数日後、大久保殺害の事件がニュースで報じられます。数ヵ月後、神崎から連絡が入り、公園で再会します。神崎は、姪と子供を人質にとって大久保を呼び出し、彼に自首を要請しました。しかし、警察に向かう途中で始末されました。また、大久保は国際犯罪組織とも関わっており、容疑者の一斉逮捕がニュースで報じられます。

状況を理解できない真由をよそに、神崎は柳刑事との関係を話します。柳刑事は、琴音の両親の事件を担当しており、彼なら信用できるとみていました。そこで、タイムリープのことを打ち明け、大久保の正体や黒幕に関する録音テープを渡していました。黒幕が捕まったことで琴音が事件を起こすことはないと安心する神崎。しかし、琴音が事件を起こすフラグはまだ消えていません。

それから1か月後、真由と交際を始めた神崎でしたが、ある日、真由に異変が見られます。彼女は、3か月後の未来からタイムリープしたこと、2人とも琴音の手で殺されると言いました。

自分は生きるに値しないと世界に絶望し、失踪した琴音。過去を変えてもテロ事件を防ぐことができない神崎は、もう一度、柳刑事に相談します。ここで、10年前に起きた琴音の両親の事件の真相が明かされます。事件の犯人は伊藤史明、21歳の大学生、琴音が通っていた進学塾のアルバイト講師でした。同時に、神崎の友人でもありました。

琴音に拒絶されたことに絶望し、犯行に及んだ伊藤。殺害後、自らの首を掻き切って絶命しました。一方、琴音がテロを起こした目的は、自分たちを不幸にする世界を壊すためでした。神崎・真由・柳が今度こそ琴音の事件を防ぐべく、3手に分かれて捜しに出ます。そして、樹海で琴音を見つけ出した神崎。さらに、自分と真由を撃ったギャルが琴音の友人・カンナと判明しました。

カンナは、神崎の両親が事故死したトラック運転手の娘でした。事故後、女手一つで母親に育てられるも、母親を過労で失いました。謝罪に来た琴音を憎いと思うも、彼女もまた不幸のどん底にいたことを知ります。世界を憎んでおり、やがて2人は行動を共にするようになりました。そして、運命の日まで残り1か月となり、真由はふたたびタイムリープしました。

そんなとき、琴音から電話がかかり、琴音とカンナが神崎の家を訪れます。4人で楽しい日々を送る中、カンナは、神崎が琴音を獣に育てたと気が付きました。その後、一行は神崎の両親の墓参りに行くことになり、琴音だけは合わせる顔がないと留守番をします。そして、神崎たちが家を空けている間、琴音は何者かに攫われます。

以下では、「君が獣になる前に」の8巻最終回結末と知られざる犯人の正体について、あらすじネタバレ紹介します。

琴音の失踪を受け、犯人は琴音がこの家にいることを知っていると推理します。しかし、その事実を知る者は神崎、真由、カンナと柳刑事だけです。犯人像を探るべく、これまでの時間軸を振り返る神崎と真由。そもそもの始まりは、琴音の無実を証明するためバーに集まったことがきかっけでした。琴音が事件前に訪れた場所を3手に分かれて調査に乗り出すも、何者かの妨害に遭っています。

樹海に向かった神崎と塩見は対向車に衝突され、無人島を目指した真由、大久保、ジュンペイは船のガソリンを抜かれて足止めされました。一方、廃病院に向かったお笑いコンビは、何者かに拉致され、惨殺されています。これらの妨害は、大久保と繋がる国際犯罪組織によるものと判明しました。しかし、毒ガステロ事件は、琴音によって起こされたもので、組織とは関係ありません。

そして、犯行の動機も1度目のループではミヤコのため、2度目のループでは塩見の仇討ちとされています。しかし、塩見の遺体の目玉をくりぬいた理由は不明のままでした。一方、神崎は琴音の両親の事件を思い出し、琴音からのメッセージではと考えます。10年前の伊藤史明の事件は終わっていないことや、黒幕の存在を推測します。

柳刑事の調査により浮上した相棒の南田刑事。旧姓は中村といい、伊藤史明の関係者として名前が載っていました。彼女は伊藤のことが好きであり、彼がストーカー殺人鬼呼ばわりされることを許せませんでした。そこで、琴音をテロリストに仕立てることで、伊藤の仇討ちを成し遂げようと目論見ます。しかし、南田の計画は阻止され、琴音のテロも未然に防がれました。

以下では、謎が深まるストーリー展開やSF要素を取り入れた作風が面白い、「君が獣になる前に」の見どころを紹介します。

人気女優が起こした毒ガステロ事件は、死者・重軽傷者あわせて666人の被害者を出し、悪魔の数字から「The Beast事件」と呼ばれました。事件は琴音が独断でやったことなのか、それとも誰かに脅されてやらざるを得なかったのでしょうか。または彼女の背後に黒幕がいるのか、ストーリーを追うごとに謎が深まっていきます。

琴音の真実を探るべく、調査に乗り出した神崎でしたが、彼の動向を怪しむ何者かに射殺されてしまいます。しかし、意識が戻ると事件が起きる数ヵ月前にタイムリープしていました。琴音のテロ行為を止めるべく、過去をやり直す神崎。彼はなぜ、タイムリープをすることができたのでしょうか。事件を起こす前に琴音からもらったピアスに、タイムリープが備わっていたと考察できます。

琴音の無実を証明するため、バーに集まった登場人物たち。しかし、琴音の真相に迫るごとに彼らにも魔の手が降りかかりました。以下では、「君が獣になる前に」の登場人物一覧をネタバレ紹介します。

「君が獣になる前に」の主人公で、葬儀会社社長を務める31歳です。希堂琴音とは幼馴染で、「お兄ぃ」と呼ばれています。琴音が事件を起こす直前に出会っており、琴音について調べる中、何者かに殺害されました。タイムリープの発動により過去に戻り、琴音のテロを止めるべく、事件の真相を追います。

神崎の幼馴染で人気女優の25歳です。両親を殺害された過去を持ち、神崎を心の支えにしていました。その正体は、日本犯罪史上最悪の毒ガステロ事件の犯人であり、自身も現場で死亡しました。

琴音のマネージャーであり、彼女からは家族のように信頼されていました。琴音のテロ事件を受け、彼女の無実を証明するべく、事件の真相を追い求めます。神崎のタイムリープ世界では、黒幕に拉致されて殺害されました。

琴音と同じ事務所に所属する女優で、年齢は琴音より少し先輩です。伸び悩んでいた時期に琴音に助けられ、以降は姉妹のように親しい関係になりました。琴音の無実を信じる1人で、神崎と共に事件の真相を追う中で何者かに殺害されました。その後、タイムリープが発動し、新たな世界線に到達します。

琴音と同じ所属事務所の新人タレントで、年齢は19歳です。神崎がタイムリープする以前の世界では、テロ事件前に、ある男性と共に失踪していました。

以下では、最終回結末まで予測不能な展開が繰り広げられた「君が獣になる前に」に関する感想や評価を紹介します。

幼馴染同士の再会と凶悪な事件の発生から始まる「君が獣になる前に」。犯人が琴音という衝撃的な展開や、黒幕に迫る主人公たちの活躍が目を引きます。事件の真相に近づいた頃に迫る魔の手の正体は何か、琴音が事件を起こした理由は何か、読者の興味をそそる展開が見どころです。また、登場人物たちの過去も言及されており、読み応えのあるストーリーから面白いとの感想が多く寄せられています。

タイムリープの発動により、琴音の事件を止めることを目的に行動を開始した神崎。最終回ではその目的を達成することができたものの、そこにたどり着くまでの道のりは過酷なものでした。真実に近づくたびに命の危険に晒され、仲間の命も奪われました。上手くいったと思いきや、結果はそうではなかったなど、神崎の努力が報われない展開も多く、琴音のために奮闘する神崎の姿が切ないとの感想も見られます。

「君が獣になる前に」といえば、最終回まで予測不能なストーリー展開や、事件の鍵を握る登場人物も見どころです。タイムリープで過去に戻り、琴音の事件を止めようとする神崎の奮闘は、読者を夢中にさせるでしょう。また、ストーリーだけでなく、意味深なタイトルも良いとの感想も寄せられています。タイトルの「君」とは誰を指すのか、「獣になる」とはどういう意味か、考察しがいのある作風がファンを魅了しています。

「君が獣になる前に」では、登場人物の過去にも触れられ、それぞれの心の闇も丁寧に描かれています。誰もが胸の内に獣を飼っていて、それらを抑えきれなくなったために凶悪な事件が起きたでしょう。最終回では、誰もが予想できなかった人物が犯人であり、彼女もまた、心に獣を飼っていました。怒涛の最終回となった「君が獣になる前に」は、登場人物を通じて人間の汚さやきれいな部分が表現されたとも評されています。

犯人の正体が明かされ、感動の最終回を迎えた「君が獣になる前に」は、面白いとの感想が多く寄せられたおすすめのサスペンス作品です。登場人物たちの関係や過去の事件と犯人のつながりなど、読み進めるごとに謎が深まっていきます。一方で、タイムリープの発生については明かされておらず、最終回結末まで謎とされています。なぜ、神崎と真由がタイムリープで来たのか、その謎を知りたいとの感想も見られます。

「君が獣になる前に」のあらすじや最終回結末のネタバレ、登場人物、感想などをあらすじネタバレ紹介しました。琴音を止めることができなかった後悔から、事件の真相に迫った神崎。危機的状況に何度も見舞われながらも、彼の諦めない姿勢が最悪な未来を変えることに繋がったでしょう。ストーリーを追うごとに深まる謎、最終回まで明かされなかった犯人の正体など、読者の興味をそそる注目のサスペンス作品です。