2018年09月11日公開
2018年09月11日更新
十二大戦のキャラクター一覧!個性的な登場人物の強さ・能力や身長も紹介
西尾維新先生の原作と中村光先生のキャラクターデザインが話題を呼んだアニメ「十二大戦」。12人の干支の戦士たちが「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を賭けて戦うというストーリと、優勝者が最後に望んだことの落差に驚かされた人も多いのではないでしょうか?実は十二大戦は「どうしても叶えたいたった一つの願いと割とそうでもない99の願い」という短編の前日譚であり、この短編ありきの作品なのです。この記事では十二大戦のキャラクター一覧やその能力、強さ、ストーリーを紹介します。
目次
十二大戦のキャラクター一覧!強さや能力も紹介!
「十二大戦」は、干支の名を冠した12人の戦士たちが「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を賭けて戦うというストーリーとなっています。この記事では十二大戦のキャラクター一覧とその能力、強さについて紹介すると共に、優勝者やそのキャラクターが最後に願ったことまでネタバレ解説していきます。
十二大戦とは?
「十二大戦」のストーリーは、アニメ最終回に組み込まれた「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の前日譚となっています。これは原作者の西尾維新先生の原案に基づいて9人の漫画家がコミカライズするという企画の中で制作された作品で、単行本「大斬‐オオギリ‐」に収録されています。西尾先生が中村光先生によるキャラクターデザインを気に入ったことから、それを元に十二大戦が執筆されました。
アニメ「十二大戦」は2017年10月から12月まで放送され、12月12日に続編「十二大戦対十二大戦」が発売されました。新キャラクターとなる「十二星座の戦犯」は西尾先生の簡単な設定を元に中村先生がデザインを起こし、そこからさらに設定の掘り下げを行うという手法が取られています。また、2017年9月から2018年5月にかけて、WEBコミック配信サイト「ジャンプ+」で暁月あきら先生によるコミカライズも連載されていました。
十二大戦のキャラクター一覧!強さや能力も紹介!
まずは十二大戦に参加した12人の干支の戦士たちと、審判員のドゥデキャプルのキャラクター一覧を紹介します。また、戦士たちの能力や強さについても解説していきます。
十二大戦のキャラクター一覧 ①寝住(ねずみ)/CV:堀江瞬
子の戦士・寝住は墨野継義(すみのつぎよし)という本名を持つ高校生で、身長は170センチ、体重は55キロです。十二大戦に参戦した戦士の中では最年少ながら、妙に達観した性格で常に眠そうにしています。飛びぬけた強さを持っているわけではありませんが、確率世界に干渉し、100の選択肢をシミュレーションした上でその1つを真実として確定できる「ねずみさん(ハンドレッド・クリック)」という能力を使うことができます。
一見チートじみた能力ですが、100回やっても不可能なものを可能にすることはできません。そのため、好きな子への告白や十二大戦参加の回避は全て失敗に終わったと語られています。さらに分岐の中での記憶やダメージは蓄積されるため、本人はジャンケンくらいにしか使えない能力だと思っています。ちなみに「十二大戦対十二大戦」は能力を使いすぎたせいで発生した101番目の選択肢、いわばバグのようなものと推測されています。
十二大戦のキャラクター一覧 ②失井(うしい)/CV:梅原裕一郎
丑の戦士・失井は樫井栄児(かしいえいじ)という本名を持つ青年で、身長は181センチ、体重は72キロです。特別な能力はなく、武器は量産品のサーベル「牛蒡剣(ごぼうけん)」にも関わらず「皆殺しの天才」、「わけがわからない程強い」と称される強さを持っています。「正しいことをただ正しく行う」という信念に基づいて行動し、敵には容赦がない反面恩義を受けた相手には必ず報いようとする義理堅い性格です。
十二大戦のキャラクター一覧 ③妬良(とら)/CV:五十嵐裕美
寅の戦士・妬良は姶良香奈江(あいらかなえ)という本名の女性で、身長154センチ、体重42キロです。酔拳の使い手で戦闘中も酒を飲んでいますが、それは酒を飲むための言い訳でした。酒に溺れるようになったのは、真っすぐすぎる性格ゆえに社会の矛盾や歪みを許せず、その苦痛から逃れるためです。そんな折に戦場で助けられた失井を心の師と仰ぐようになり、失井に会うために十二大戦に参加しました。
十二大戦のキャラクター一覧 ④憂城(うさぎ)/CV:岡本信彦
卯の戦士・憂城は他の戦士と異なり、本名、身長、体重全て不明です。武器は大鉈「三月兎」と「白兎」で、自分が殺した人間を自在に使役できる「お友達」にする「死体作り(ネクロマンチスト)」という能力を持っています。筋肉質な体系にホットパンツとピンヒール、うさ耳と巨大な尻尾という見るからに危ない出で立ちに加え、サイコな能力の持ち主である一方、少年のような振る舞いをする底知れない戦士です。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑤断罪兄弟(たつみきょうだい)・兄/CV:江口拓也
辰の戦士と巳の戦士である辰巳兄弟は、その名の通り双子の兄弟です。辰の戦士である兄は積田長幸(つみたながゆき)という本名の少年で、身長は164センチ、体重は58キロです。金のためならどんな仕事も引き受けるため、弟と共に弾劾裁判にかけられた過去もある戦犯に近い戦士とされています。武器は超低温の液体水素であらゆる物質を凍らせる氷冷放射器「逝女(ゆきおんな)」で、空中浮遊能力「天の抑留」も使いこなします。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑥断罪兄弟(たつみきょうだい)・弟/CV:鳥海浩輔
巳の戦士である断罪兄弟・弟は本名を積田剛保(つみたたけやす)といい、身長、体重は兄と同じです。兄と一緒に金持ちから奪った財産を貧しい者に分け与えるという行為を繰り返していますが、本人たちにとっては悪行で稼いだ金を善行で使い果たすという「遊び」に過ぎません。武器は火炎放射器「人影(ひとかげ)」で、大地の震動から周囲の状況を察知することのできる「地の善導」という能力も持っています。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑦迂々真(ううま)/CV:緑川光
午の戦士・迂々真は早間好実(そうまよしみ)という本名を持ち、身長は230cm、体重は150キロです。かつては軍隊に所属していましたが、ある戦いで決定的な敗北を喫したことから過酷な訓練と薬物による肉体改造を行い現在の姿になりました。失井のサーベルにも耐える防御術「鐙(あぶみ)」の使い手で、その肉体は迂々真の鎧であると同時に自分を支える柱となっています。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑧必爺(ひつじい)/CV:チョー
未の戦士・必爺は辻家純彦(つじいえすみひこ)という本名の老人で、身長は140センチ、体重は40キロです。第9回十二大戦の優勝者で「孫の顔が見たい」という願いを叶えましたが、その孫が今回の十二大戦の参加者となったため、代理として参戦しました。老いによる衰えを長年の経験と自ら開発した超火力の爆弾「醜怪送り(しゅうかいおくり)」でカバーする、老獪な戦士です。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑨砂粒(しゃりゅう)/CV:早見沙織
申の戦士・砂粒は柚木美咲(ゆうきみさき)という本名を持つ女性で、身長は150センチ、体重は40キロです。3人の仙人の元で修行を積み、液体、固体、気体を意のままに操る能力を身に着けています。その強さは十二大戦の参加者の中でも3本の指に数えられる程ですが、自分の能力を平和のために使い多くの戦争や内乱を和解に導いてきた平和主義者で、十二大戦に参加したのも戦いを止めるためでした。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑩庭取(にわとり)/CV:佐倉綾音
酉の戦士・庭取は本名を丹羽遼香(にわりょうか)という少女で、身長は153センチ、体重42キロです。能力は鳥類と意思の疎通ができる「鵜の目鷹の目」、武器は「鶏冠刺(とさかざし)」という鋤です。幼い頃から凄惨な虐待を受けて育ち、15歳の時に両親を殺害した末に引き取られた丹羽家で戦士として育てられたという経験から、自分を守るためには手段を選ばない計算高く強かな性格になっています。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑪怒突(どつく)/CV:西村朋紘
戌の戦士・怒突は本名を津久井道雄(つくいみちお)といい、身長は177センチ、体重は52キロです。能力は噛みつき技「狂犬鋲(きょうけびょう)」とされていますが、本来の能力は体内で調合した毒を噛みつくことで相手に感染させる「毒殺師」です。幼稚園の保父として働き子供たちから慕われている一方、社会で生きていくことが困難な子供を適切な組織に流すという裏の顔を持っています。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑫異能肉(いのうしし)/CV:日笠陽子
亥の戦士・異能肉は伊能叔子(いのうとしこ)という本名を持つ女性で、身長は176センチ、体重は60キロです。2丁の機関銃「愛終(あいしゅう)」と「命恋(いのちごい)」から装填することなく弾を撃ち続けることができる「湯水の如く(ノンリロード)」という能力を持っています。本来は妹が十二大戦の参加者でしたが、12年かけて自殺に追い込み参加権を手に入れました。
十二大戦のキャラクター一覧 ⑬ドゥデキャプル/CV: 安元洋貴
ドゥデキャプルは十二大戦の審判員です。シルクハットと礼服を身に着けた中年男性の姿をしていますが、その正体や素性は一切不明です。
十二大戦のアニメあらすじをネタバレ紹介!
十二大戦とは、12年に1度干支の名を冠した12人の戦士たちが集められ、どんな願いもかなえられるという権利を賭けて争うという戦いで、この物語で描かれるのは12回目の十二大戦です。十二大戦には各国家の代理戦争という側面があり、戦士が半分に減った時、国家をチップとした賭けが行われます。ここでは十二大戦のストーリーを1話から順に解説します。
十二大戦 第1話:猪も七代目には豚になる
亥の戦士・異能肉は、ゴーストタウンと化した街にある高層ビルの150階に向かっていました。その街は人口50万人を超える大都市でしたが、十二大戦のためだけに主催者によって滅ぼされてしまったのです。異能肉が集合場所に到着すると、他の11人の戦士たちはもう揃っていました。ところが、巳の戦士である断罪兄弟・弟は首を切り落とされ、既に絶命していました。
傍にいた卯の戦士・憂城はしきりに「僕じゃない」と否定しますが、その手に握られた鉈にはべっとりと血がついていました。そこに審判員・ドゥデキャプルが表れ、十二大戦の始まりを宣言します。ドゥデキャプルは戦士たちに黒い宝石を呑み込むよう指示しました。戦士たちが従うのを見届けたドゥデキャプルは、それは猛毒結晶・獣石であり、胃酸と反応して約12時間で人間を死に至らしめると言います。
今回の十二大戦の勝利条件は獣石を12個集めることでした。優勝者には副賞として解毒剤を与える、獣石を集める手段は各自に任せると告げると、ドゥデキャプルは姿を消しました。すると、申の戦士・砂粒は誰も死なせずに済むかもしれない、と言って不戦を呼びかけます。それに賛同したのは子の戦士・寝住、丑の戦士・失井、午の戦士・迂々真、酉の戦士・庭取でした。しかし、憂城が挙手すると子住以外は手を下ろしてしまいます。
それでも砂粒が寝住と憂城にこちらに来るよう促した途端、突如として床が崩れ落ち、戦士たちは散り散りになってしまいます。異能肉が下のフロアに着地すると、そこに現れたのは憂城でした。両者は名乗りをあげ戦闘になりますが、異能肉は何者かに羽交い絞めにされ、憂城の鉈が食道を貫きました。最後の力を振り絞って振り返った異能肉が見たものは、首のない断罪兄弟・弟の死体でした。
十二大戦 第2話:鶏鳴狗盗
毒の使い手である戌の戦士・怒突は、自身の能力で獣石の毒を無効化していました。12時間の制限時間から解放された怒突は他の戦士たちが殺し合い、残りが3人以下になるまで地下駐車場に潜伏しているつもりでした。しかし、怒突の計画に反して庭取が現れます。あらゆる鳥類と意志の疎通ができる庭取は、鳥たちを使って情報を集め怒突を見つけ出したのだといい、辰巳兄弟・弟と異能肉が憂城の傀儡となったことを伝えます。
2人は同盟を組むことにし、お互いの持っている情報を交換します。最終的に裏切るつもりでいる怒突は、庭取に単独行動を始めた異能肉の相手をさせようと、対象の潜在能力を限界まで引き上げる「ワンマンアーミー」を注入します。すると、庭取は怒突の頭を握りつぶして殺してしまいました。庭取は初めからワンマンアーミーを目当てにしており、怒突と組むつもりはさらさらなかったのです。
その頃、迂々真は地下鉄の線路で失井と遭遇していました。砂粒の提案に乗った失井なら穏健派として手を組めるのではないかという迂々真の期待に反して、失井は攻撃を仕掛けてきます。異能肉が憂城に操られるのを目撃し、憂城が仲間を増やすことを恐れた失井は、先手を打って他の参加者を殺す方針に変更したのです。失井の圧倒的な強さに自慢の防御術「鐙」を破られた迂々真は、その場を逃げ去るしかありませんでした。
十二大戦 第3話:牛刀をもって鶏を裂く
地上に出た庭取は、異能肉の死体を鳥に食わせて始末しました。そして、自分の食料を調達しようと向かったコンビニで寝住に遭遇し、砂粒と引き合わされます。庭取は砂粒の不戦提案はチームを作るための方便だと考えていましたが、砂粒は本気で十二大戦を終結に導くことを考えていました。そんな砂粒をいつでも殺せると思いつつ手を出せないまま、庭取は仲間にはなれないと告げて砂粒と寝住の元を去ります。
自分の弱さを知っているからこそ、自分を守るためならどんな卑劣な裏切り行為もできる。それが庭取の強さでした。しかし、ワンマンアーミーによってステータスだけでなくメンタルまで引き上げられた結果、庭取は本来の強さを失い、砂粒の善意や誠意に揺らいでしまったのです。考え事をしながら歩いていた庭取は、失井が近づいて来ているのに気が付くことができませんでした。
失井は砂粒が近くにいることを察し、庭取と戦闘になります。向かってくる失井がスローモーションに見えた庭取は、一瞬「勝てる」と考えましたが、その瞬間失井のサーベルが両目を貫きました。失井の本当の強さの前には、偽りも駆け引きも強化も無意味だったのです。砂粒を守るような形になってしまったことを不本意に思いつつ、庭取は最後の意識で鳥たちに自分の死体を食べていいと語り掛けるのでした。
十二大戦 第4話:敵もさる者ひっかく者
下水道に隠れた砂粒は、寝住と十二大戦を終わらせるための作戦を練っていました。そこに異能肉に射殺された庭取の鳥の群れが突っ込んできます。2人が地上に出ると、憂城と断罪兄弟・弟が姿を現しました。断罪兄弟・弟を寝住に任せ、砂粒は憂城を説得するためまずは無傷での制圧を目指します。そんな砂粒の強さに、寝住はただ感心するばかりでした。
十二大戦 第5話:羊の皮をかぶった狼
未の戦士・必爺は、愛する孫に代わって参戦した十二大戦を勝ち抜くため、他の戦士を冷静に観察していました。飛びぬけた強さを持つ失井、憂城、砂粒には適わなくとも、3人を潰し合わせれば勝ち目があると考えた必爺は、隠し持っていた獣石を手に誰を騙そうかと考えます。必爺は獣石を呑み込まず髭に隠していたのです。
一方、砂粒は憂城の説得を試みていましたが、鳥の大群に阻まれてしまいます。ビルの中での戦闘にもつれ込んだ寝住は、首を落とされた断罪兄弟・弟が地面の振動から周囲の状況を感知していることに気が付きます。その頃、失井から逃げ延びた迂々真は出て隠れ場所を探し回っていました。失井も同じように地上に出、必爺の隠れているビルに近づいていきます。
失井の接近に気付いた必爺は隠れていたビルに罠を仕掛けて逃げ出し、なるべく強い戦士を探して動き始めます。しかし、必爺が見つけたのは酒を飲んで酔いつぶれている寅の戦士・妬良の姿でした。全く強さを感じられない妬良に失望し、軽蔑さえ感じる必爺でしたが、妬良は必爺に気付いていました。
十二大戦 第6話:千里の馬も蹴躓く
気配を察知された必爺は、妬良の前に姿を現します。泥酔した妬良は構えも覚束ず、必爺はよくそれで生き残ってこられたものだと感心します。ところが、妬良は名乗りをあげた途端必爺に接近しその身体を引き裂いてしまいました。動くこともできないまま絶命した必爺に、妬良は自分は酔拳使いだが、酒よりも血の匂いに酔うのだと語ります。
憂城と交戦していた砂粒は、憂城に振り返る隙を与えず背後を取り制圧する作戦に出ます。それから改めて和解交渉すればよいと考えた砂粒は、憂城の攻撃を避けて背後に回りますが、憂城は振り向きもせず鉈で砂粒の胸を貫きました。倒れる砂粒の目に飛び込んできたのは、自分の前方の街路樹に置かれた断罪兄弟・弟の首でした。憂城は断罪兄弟・弟の首を監視カメラ代わりに使って背後を認識していたのでした。
自慢の防御術「鐙」を破られ自信を喪失した迂々真は、銀行の金庫に閉じこもっていました。迂々真は自分の肉体を細胞単位で強化した「鐙」の防御力は獣石の毒にも有効だと考え、他の戦士たちが毒で死んでも自分だけが生き残れば勝ちだと考えるようになっていたのです。しかし、そこにはいつの間にか寝住が入り込んでいました。寝住は断罪兄弟・弟が追ってくるから逃げた方がいいと警告します。
迂々真は寝住の警告を聞かず籠城を続けます。そのうちに息苦しさを感じた迂々真は、何かが燃えているせいだと気が付きます。それは断罪兄弟・弟が火炎放射器「人影」で建物に放火したせいでした。迂々真の「鐙」は熱には耐えられても酸素不足には耐えられず、そのまま金庫の中で死亡しました。
十二大戦 第7話:竜頭蛇尾(先攻)
断罪兄弟・弟と遭遇した妬良は、右腕を吹っ飛ばし「人影」を奪いますが、死体だと気付いてその場を立ち去ろうとします。そこに現れた失井は断罪兄弟・弟の左腕を斬り落としました。戻ってきた妬良は失井に敵意をむき出しにし、戦いを挑もうとした瞬間、胴体から離れた断罪兄弟・弟の腕が2人に飛びついて首を絞めます。危機に陥った失井は妬良と決闘を行うことを条件に共闘の約束を取り付けます。
失井はサーベルを地面に投げ、その火花でアルコールを摂取していた妬良を発火させ断罪兄弟・弟の腕を焼き払いました。庭取や迂々真の死体から、失井は憂城に操られた死体を殺す方法を見つけ出していたのです。しかし、首と両腕を失った断罪兄弟・弟の死体はまだ動いています。辰の戦士である断罪兄弟・兄はその様子を上空から見つめていました。
十二大戦 第8話:竜頭蛇尾(後攻)
辰の戦士と巳の戦士は2人1組で戦うのが伝統です。当代の断罪兄弟は歴代の中でも抜群のコンビネーションを誇っていましたが、弟は十二大戦開始前に殺されてしまいました。しかし、憂城の能力で動く死体と化した弟が失井と妬良を苦しめるのを見ていた兄は、今こそ兄弟のコンビネーションを見せつけ、弟の供養をする時だと考えるのでした。
十二大戦 第9話:二兎追うものは一兎も得ず
地上を見下ろしていた断罪兄弟・兄の腕の中に、弟の生首が落ちてきました。それに気を取られた瞬間、断罪兄弟・兄の身体は真っ二つになりました。砂粒が生首を打ち上げ、憂城が跳び上がってきたのです。憂城は断罪兄弟・兄に「お友達」として弟のサポートをするよう命じます。これで生き残っているのは寝住、失井、妬良、憂城の4人だけになりました。
上半身と下半身に分かれた断罪兄弟・兄と弟の生首が加わり、失井と妬良は4対2の戦いを強いられます。失井は妬良に断罪兄弟・兄が背負ったタンクに入っているのは液体水素だと伝えます。そこで妬良がタンクを奪い中身を撒き散らすと、断罪兄弟の死体は凍り付き粉々に砕け散りました。死体とはいえ五感は機能しているため、明確に作戦を伝えられなかったにも関わらず意図を察してくれたことに対し、失井は礼を言います。
物陰に隠れて様子をうかがっている憂城に気付いていた2人は、2対1の戦いを挑みます。「死体作り」の能力は強力でしたが、本人の強さはそれほどでもない憂城は、四肢を切断されあっさり死んでしまいました。しかし、憂城は絶命する前に自ら舌を噛み切っていました。
十二大戦 第10話:虎は死んで皮を残す
妬良はかつて戦場で失井に命を救われていました。世界の矛盾に耐え切れず自ら歪んだ妬良にとって、正しいことを当たり前に行う強さを持った失井は人生の師匠のような存在となりました。失井に認めてもらえる自分になりたいと考えるようになった妬良は、破門されていた実家に土下座してまで十二大戦に参加します。しかし、失井は妬良のことを覚えていませんでした。
2人は約束通り決闘を行おうとします。そこに乱入してきたのは、死んだはずの憂城のバラバラ死体でした。憂城の能力は自分にも有効だったのです。妬良は失井を庇い、背後から刺されてしまいました。失井は襲い掛かってくる他の戦士の死体を追い払い、妬良に手当をしようとしますが、妬良は決闘という名目で自分を殺してほしいと頼みます。失井はその願いを聞き入れ、2人は名乗りをあげました。
十二大戦 第11話:人の牛蒡で法事する
死してなお優勝を目指す憂城は、戦士たちの死体を繋ぎ合わせた怪物のような姿と化し、失井に襲い掛かります。失井はサーベルで応戦しますが、切り裂かれた腹から砂粒が飛び出し、失井を押さえつけました。砂粒の頭突きで歯を折られた失井は自殺もできず、砂粒が憂城に殺された時点で今回の十二大戦の情勢は決まったようなものだ、と考えます。
そこに現れたのは、必爺の「醜怪送り」を手にした寝住でした。憂城の死体の再生には時間がかかり、砂粒は失井を押さえつけているので動けない今こそ、動く死体たちを一気に片付けるチャンスでした。失井はその中に自分が含まれていることを知りながら、寝住に自分にとって正しいと思うことを行うように伝えます。寝住は「醜怪送り」を起動させると、地面に置いて立ち去りました。
こうして12回目の十二大戦の勝者は寝住に決まりました。ドゥデキャプルはどうやって十二大戦を勝ち抜いたのか、今後の参考として寝住にインタビューをしたいと言いますが、寝住は断ってその場を立ち去ります。ところが、エレベーターのワイヤーが切れ、寝住は死んでしまいました。そしてドゥデキャプルの前に戻り、またインタビューを頼まれます。寝住が断って立ち去ると、今度は階段から突き落とされてしまいます。
寝住は何度も拒否しますが全て失敗に終わり、観念してインタビューに応じます。「ねずみさん」による100の十二大戦のうち、特別な強さを持たない寝住が生き残ることができたのはたった1つでした。ドゥデキャプルが他の99の十二大戦では誰が優勝したのか尋ねると、寝住は大半は憂城ではないかと答えます。ドゥデキャプルはインタビューの礼を言い、「たったひとつの願い」が決まったら連絡するよう言って寝住を帰しました。
十二大戦の結末をネタバレ紹介!
先にも説明したとおり、「十二大戦」は短編「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の壮大な前日譚です。この短編では、十二大戦に参加した戦士たちの意外な一面や、「たったひとつの願い」が明らかになります。ここでは、アニメ十二大戦の最終回である「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の内容を解説していきます。
十二大戦 第12話:どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い
十二大戦で優勝した次の日、日常生活に戻った寝住はいつも通り学校に行きました。席に着いた途端に寝る寝住を、クラスメートはからかいます。寝住は「全員死ね」と考えてその様子を妄想しますが、どうせ100年後には死んでいるのだし、せっかく十二大戦で生き残って手に入れた「たったひとつの願い」をくだらないことに使うつもりはありませんでした。
話しかけてきた女子にひとつだけ願いが叶うなら何を願うかと聞いてみると、彼女は「皆が幸せになること」と答えました。寝住は一瞬納得しかけますが、それでは自分の嫌いな奴も幸せになってしまう、それに十二大戦で戦った憂城のような奴の願いまで叶ってしまったら大変だと却下します。しかし、いい人の願いを叶えるのは悪くない、十二大戦で死んでいった戦士たちのためにもちゃんと考えて決めなければ、と寝住は思いました。
帰りの電車の中、寝住は十二大戦で命を落とした砂粒を生き返らせるのはどうかと思いつきますが、砂粒は本当に喜ぶのだろうかと考え直しました。そこで、十二大戦で死んだみんなが生き返るという願いも考えましたが、それではあまり生き返って欲しくない戦士まで生き返ってしまうと否定します。寝住は「ねずみさん」による平行世界の中で、十二大戦に参加した戦士たちの願いを聞いたことを思い出していました。
必爺は不老不死を望んでいましたが、寝住はそれは面倒だと思いました。誇りも気概もなく仕事をこなす庭取は自信に憧れていましたが、寝住には失井と対峙した時の庭取は確かにそれを持っていたように思えました。迂々真は才能が欲しいと言いますが、それではもっと過酷な戦場に送られるのではと寝住は考えます。35億人のイケメンによるハーレムという異能肉に至っては、人に聞かれて恥ずかしいことは願いたくないと思うのでした。
「ねずみさん」で十二大戦を生き残った寝住は、その選択肢を1000に増やすことを考えました。けれども、この能力があったからこそ自分は十二大戦に参加させられたのだし、途中で脱落した99回の十二大戦で殺された痛みや恐怖は寝住の中に残っています。さらに100回試しても駄目だった時の絶望感を知っているのは自分だけ、それが1000回になるのは苦痛以外の何物でもありませんでした。
義娘の養育費のため戦士をしている怒突は、義娘の存在は自分の生きがいであり、今の生活を続けていきたいと語りました。断罪兄弟は金以外にないと言いましたが、本心ではその価値など信じておらず、人から奪うためのアイテムに過ぎないと分かりました。憂城は世界中のみんなと友達になりたいと願っていました。十二大戦では凶悪な強さの能力を見せつけた憂城でしたが、本人にとっては切実な願いなのだろうと寝住は思いました。
正しいことをしたいと考えていた妬良は、十二大戦の中でその願いを叶えました。失井は何のために戦い生きているのかと逆に問いかけてきました。何か目的があって十二大戦に参加したわけではない寝住には答えられませんでしたが、自分のための願いくらいなら99個くらいまでは思いつくことができました。寝住は願いを考えては否定するというのを98回まで繰り返していきます。
するとドゥデキャプルが現れ、願い事は決まったかと尋ねます。願い事を100にすることもできるというドゥデキャプルに、寝住は「忘れさせてくれ、どうしても叶えたい願いなんて俺にはない」と叫びました。翌日、登校してきた寝住はいつものように席に着いた途端寝てしまいますが、その顔は願ってもないように満ち足りていました。
十二大戦のアニメを観た人の感想を紹介!
最終話の濃密さが好評!
十二大戦、オチが妙に濃密だと思ったら元々はそこだけで独立した短編だったのか。後からそれに繋げる形で前段階のバトロワ部分を作ったと。普通バトロワ部分のしかけに注力してオチはまあ…ってパターンが多いけど、逆の新鮮さが楽しめた。
— イシガキタカシ (@IshigakiT) January 9, 2018
「十二大戦」は「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」から逆算して作られた物語ということもあり、そのオチの濃密さや新鮮さが好評を得ています。
回想が多くテンポが悪い
てかアニメの話せん?w
— 通打 (@LIFE072MAN) January 19, 2018
今さら十二大戦見終わったけど全12話中半分くらい回想シーンやっててクソテンポ悪かった。爆弾魔のじじいが死んでからとか劇中1時間も経ってないようなシーンに5話くらい使ってたしキャラ立ってたのにもったいなかったと思います。あとオチがありがちで微妙
原作「十二大戦」では1章につき1人の戦士が脱落していくのですが、アニメ化にあたって構成が多少変更されています。そのためキャラクターの回想に終始する回もあり、テンポの悪さを指摘する意見も見られます。
キャラクターの過去描写がいい!
十二大戦アニメだと断罪兄弟の経緯があっていいな…。弟は開戦前にあんな感じだから、描写が少ないからありがたい。異能肉の過去描写もよかったし、個人的には怒突の過去も面白いからどっかで見たいなあ。普段は保父で、色々あって幼女を養女にした話詳しく読みたい。
— 紫煙流 聖華 (@Shienryusyouka) November 19, 2017
しかし、回想の多さはキャラクターへの愛着を深める結果にもなっており、特に「十二大戦」7話、8話の2話を使って過去が語られた断罪兄弟のファンには嬉しいものだったようです。「十二大戦」で早々に脱落したキャラクターをもっと見たいというファンの声は、続編「十二大戦対十二大戦」で実現されました。
十二大戦キャラクター一覧まとめ!
「十二大戦」に登場した戦士たちはいずれも魅力的なキャラクター揃いで、それぞれにファンがついています。続編「十二大戦対十二大戦」には、「十二星座の戦犯」も参戦し新たな十二大戦が幕を開けます。これを機に「十二大戦」の世界に触れてみるのはいかがでしょうか。