空腹なぼくらのネタバレあらすじと登場人物を紹介!新感覚ゾンビ漫画の評価は?

新感覚のゾンビ漫画「空腹なぼくら」は、人間の知性と感情を持った特異体質のゾンビの苦悩や葛藤、食料危機に見舞われたゾンビ世界に生きる生存者との交流を描いたヒューマンドラマです。本文では、「空腹なぼくら」の漫画あらすじネタバレや、登場人物・キャラのあらすじネタバレ、漫画「空腹なぼくら」の見どころや作品に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

空腹なぼくらのネタバレあらすじと登場人物を紹介!新感覚ゾンビ漫画の評価は?のイメージ

目次

  1. 空腹なぼくらとは?
  2. 空腹なぼくらの漫画あらすじネタバレ
  3. 空腹なぼくらの主な登場人物・キャラ
  4. 空腹なぼくらのその他の登場人物・キャラ
  5. 空腹なぼくらの見どころ
  6. 空腹なぼくらの最終回はどうなる?おすすめの人は?
  7. 空腹なぼくらに関する感想や評価
  8. 空腹なぼくらのネタバレまとめ

空腹なぼくらとは?

漫画「空腹なぼくら」の作品紹介・イメージ画像

知性を持つゾンビが主人公の話題作「空腹なぼくら」は、ゾンビの食糧危機を解消するべく、人類の増殖を試みる主人公ゾンビの活躍や、人間的な思考を持つゆえに非情になり切れないことへの苦悩や葛藤を描いた、異色のゾンビ漫画です。以下では、「空腹なぼくら」の漫画あらすじネタバレや、登場人物・キャラのあらすじネタバレ、漫画「空腹なぼくら」の見どころや作品に関する感想などを、あらすじネタバレ紹介します。

空腹なぼくらの概要

友安国太郎先生の漫画「空腹なぼくら」は、小学館刊行の「ビックコミックスペリオール」で連載されているゾンビを題材にしたヒューマンドラマであり、ゾンビを主人公に据えた異色の作風が注目を集めています。

空腹なぼくらの作者

「空腹なぼくら」の作者のイメージ画像

漫画「空腹なぼくら」の作者・友安国太郎先生のプロフィールは、公式情報が発表されていないため、2022年10月時点では非公表となっています。

空腹なぼくらの漫画あらすじネタバレ

空腹なぼくらの漫画あらすじネタバレ・イメージ画像

ゾンビを題材にした作品と言えば、生存者のサバイバル生活を描いたものが多い一方、「空腹なぼくら」では、ゾンビ視点でストーリー展開され、斬新過ぎる設定が話題を呼びました。以下では、人類を食い尽くしたことで訪れたゾンビの食糧危機の解消に挑む、ゾンビ主人公・ワタルの活躍や、ある計画のために行動を共にする生存者との交流や絆が目を引く、「空腹なぼくら」の漫画1巻~3巻のあらすじをネタバレ紹介します。

1巻あらすじネタバレ

ゾンビの出現により、彼らの食糧と見なされた人類は次々と犠牲になり、人類の減少に比例するようにゾンビの数が増えていきました。しかし、ゾンビたちの際限のない捕食は、やがて自分たちの食糧危機を招く結果となり、世界は空腹にあえぐゾンビであふれかえっていました。そんな中、ゾンビでありながら人間の知性と感情を残したワタルは、ゾンビの食糧難を脱するべく、「人類(エサ)養殖計画」を考案します。

この計画は、生き残った男女に子供を産ませて生存人口を増やす、つまり人類を養殖することで、ゾンビたちの食糧を賄おうという壮大な内容でした。この計画を進めるには、まず男と女を1人ずつ見つける必要があり、男の方はすでに生存者を確保し、ワタルのアジトで保護されていました。一方、女の方はいまだ見つかっておらず、人類がほぼ滅亡状態にある中、女の生存者を探すことは難しく、計画は難航していました。

ワタルは、人類養殖計画に利用するために飼っている男・カズのために食料を調達しながら女の生存者を探しており、ある日、やっとの思いで人間の女を見つけることができました。人類養殖計画が大きく前進すると思われた矢先、生存者の女の正体は、ワタルの学生時代の彼女・立花ユカであり、ワタルは人間だった頃の苦い思い出がよみがえりました。

父親の蒸発により、母子家庭となったワタルは貧しい生活を強いられる中、立花の存在はワタルの心の支えであり、母親の死後、東京へ駆け落ちすることを約束しました。しかし、当日、立花は約束の場所に来ることはなく、ワタルは彼女に振られたと勝手に思い込み、2人の関係はそれまでとなりました。実は、立花は交通事故に巻き込まれて行けなかっただけであり、事故後、立花は義足を装着していました。

立花を自身のアジトに閉じ込める・イメージ画像

数年ぶりに再会した立花は、ゾンビがはこびる世界でたくましく生きており、ワタルのことを覚えていました。ようやく女の生存者と出会えたワタルは、立花を信用させて自身のアジトへ向かい、カズのいる部屋へ閉じ込め、子作りを強要します。1ヶ月間、2人を閉じ込めることにしたワタルは、窓から食料を入れながら、中の様子を伺うも、立花を連れ去ってから数日後、部屋が火事に見舞われます。

火事は、ワタルを部屋に入れるための立花の罠であり、胸のうちをワタルにぶつけながら、10年がたった今でもお互いに未練を残していることを再確認します。翌日、立花はアジトを抜け出すべく、ワタルとカズの目を盗んでトラックに乗り込むみます。しかし、トラックには鍵がかかっておらず、後から駆けつけたワタル・カズと一緒に別の場所へ連れて行かれます。

立花・カズをホテルに連れて行く・イメージ画像

数日たってもカズと立花の関係に進展が見られないことを受け、ワタルは雰囲気作りが大切だと考え、2人をホテルへいざないます。カズは中年の男であり、お世辞にも清潔とは言えず、立花は拒絶反応を示すも、ある条件をワタルに認めさせることで、カズとの子供を作ることに同意します。その直後、遠くから青年が駆けつけ、ワタルめがけてハンマーが振り下ろされます。

青年はユウキといい、学校を拠点に他の生存者たちと生活しており、コミュニティの運営と施設の管理を担いながら、ゾンビの討伐も行っていました。立花とカズは、他の生存者と合流したものの、ゾンビであるワタルは拘束され、生存者たちから暴行を受けます。それから数年が経過し、いまだ拘束が解かれないワタルをプールに沈めて始末することになりました。

立花とユウキとの間に生まれた子供・イメージ画像

ワタルの始末には、かつてワタルが飼っていたカズに任されるも、ワタルの拘束を解いてしまいます。自由の身となったワタルは、立花の元へ向かうも、そこにはユウキとの間に生まれた赤ん坊を抱く立花の姿があり、ワタルが目指した計画が思わぬ形で成し遂げられていました。その後、ユウキ・立花はワタルに噛まれゾンビ化し、残された赤ん坊はワタルが連れ去ります。

2巻あらすじネタバレ

立花の子供を育てるワタル・イメージ画像

ワタルの人類養殖計画は、単に自分たちゾンビの食糧問題の解消ではなく、それらを成し遂げることでゾンビから神のように崇められる存在になることでした。そこで、計画の手始めとして、ワタルは立花が遺した赤ん坊を育てることにし、適齢期になったら子供を生ませようと考えます。

赤ん坊は女の子で「海」と名付けられ、母親そっくりな可憐な少女へ成長します。海は、ゾンビでありながら人間の知性を持つワタルを「パパ」、彼の計画のために行動を共にするカズを「おじさん」と呼び、彼女の知識は育ての親である2人や、絵本から得られるものしかなく、普通の人とは異なる価値観を持っていました。

海が得た知識のイメージ画像

そのため、初潮を迎えても、その生理現象を血が出たと表現したり、ワタルから聞かされた、これからおじさんとやることに対しても、その内容を理解できないために、嫌悪感を示すこともありませんでした。これでワタルの計画も一歩前進したかと思いきや、海を娘のように育ててきた経緯から、ワタルにはある感情が芽生え始め、海とカズの子作りを止めさせ、代わりに別の女を探すことで計画を進めようとします。

ゾンビの食糧である人類を増やす目的で海を育ててきたものの、ワタルには海を娘として大切に思う親子の愛情が芽生えており、自身の計画に海を差し出すことを苦しく思い、いまだ残る人間としての理性に苦悩します。一方、海は、おじさんが隠し持っていた成人雑誌をきっかけに性に目覚めてしまい、海とはこれからも親子として旅を続けていたいと願うワタルとの間に、距離が生まれてしまいます。

海とカズが結ばれる・イメージ画像

海の性的欲求は、ワタルでも抑えつけることができず、ある晩、部屋の窓から抜け出しておじさんの元へ向かう海の姿を見たワタルは、海をおじさんへ差し出す覚悟を決めます。そして、海とカズはお互いに愛情を持って抱き合い、2人の幸せな様子を見たワタルは、悲しみを含ませた笑みを浮かべます。

3巻あらすじネタバレ

海の妊娠が判明し、ワタルの人類養殖計画がまた一歩進んだものの、はじめてお産に立ち会うワタル・カズは、出産に関する本を読み漁り、2人の助産によって海は男の子を出産しました。待望の人類誕生に喜ぶ中、まだ血がついたままの赤ん坊を目の前にしたワタルは、ゾンビとしての本能を刺激され、空腹も相まって赤ん坊を口に入れようとします。

海の呼びかけに気が付き、寸前のところで理性を取り戻したことで、赤ん坊は無事であったものの、大切な人類を失ってしまうことを恐れ、ワタルはしばらくの間、海たちと離れて暮らすことにしました。数ヶ月後、空腹に耐えきれないワタルは、彼らの住処へ向かい、赤ん坊を食べようと試みます。しかし、浴槽で溺れて呼吸が止まった赤ん坊に動揺し、懸命な処置を施して蘇生に成功した出来事をうけ、自身の愚かさを反省しました。

季節はクリスマスに入り、カズは町へ繰り出し、海へのプレゼントを探しに行きました。しかし、その途中でゾンビと遭遇し、彼らの住処はゾンビに囲まれてしまいます。その時、海のお腹には2人目が宿っており、母子を守るべく、ワタルも彼らの救出に奔走します。ついには屋根の上まで追い込まれた親子は、隣の家へ飛び移ろうとするも、海と赤ん坊が落ちてしまい、カズは右手で子供を、左手で海を掴みます。

しかし、しばらくするとカズの腕が限界に達し、やむを得ず子供の方を離してしまうも、間一髪のところでワタルに助け出され、母子共々事なきを得ました。カズの選択はやむを得ないことでしたが、大切な子供を犠牲にした選択を海に責められてしまいます。そこでカズは、母子の安全と自身の名誉挽回をかけて、子供を海のもとへ運ぶべく、時間稼ぎに出ます。

カズの決死の行動により、海と子供は無事に再会できたものの、ゾンビに囲まれたカズは食べられてしまいます。死の直前、カズは駆けつけたワタルへ自分の指を食べさせ、最後に生きた証を残せたことに満足し、息を引き取りました。カズの死から十数年が経過し、海との間に生まれた子供は、舟(シュウ)、亢(コウ)と命名され、元気な男の子に成長しました。

ある日、カズが生前隠し持っていた成人雑誌がシュウに見られる出来事がおき、ワタルから母親以外の女の人がいることを教えられます。人類養殖計画を勧めたいワタルは、兄弟に女の人を探す旅を提案され、シュウはワタルと旅に出ることを決め、コウは母親と一緒に帰りを待つことにしました。

空腹なぼくらの主な登場人物・キャラ

空腹なぼくらの主な登場人物・キャラの紹介・イメージ画像

以下では、人間臭さを持つゾンビ・ワタルと、彼の食糧となりうる生存者との奇妙な関係も見どころの、漫画「空腹なぼくら」の主な登場人物・キャラを、あらすじネタバレ紹介します。

登場人物①航

漫画「空腹なぼくら」の主人公で、ゾンビでありながら人間の知性と感情を持つ特異体質です。ゾンビの増加に伴う人類の減少・食糧危機を受け、ゾンビで唯一、知能を持つ個体として「人類(エサ)養殖計画」を考案します。本編開始時点にて、カズを種馬としてアジトへ閉じ込めており、女の方を探していた所、元彼女である立花ユカと再会し、カズと彼女との間に子供を作ろうと画策します。

食糧となる人類を増やす計画を立てる・イメージ画像

計画は思うように進まなかったものの、紆余曲折を経てカズ・海との間に男の子2人を生ませることに成功します。兄弟の成長や性への目覚めを受け、新たな人類を生み出す女を探すべく、舟(シュウ)と共に、女の生存者を探す旅に出ます。生前は、父親の蒸発によって母子2人の貧しい生活を送っており、母親の死をきっかけに彼女と東京へ上京する計画を立てるも、彼女に振られたと勘違いし、単身上京することになりました。

不器用な性格のため、人にバカにされたり、見下されることが多く、生殖機能がないとの理由から結婚を反対されるなど、その後も不遇な人生を送り、何者にもなれなかったことへの悔しさが、後の人類養殖計画を生み出すきっかけになりました。

登場人物②立花ユカ

立花ユカのイメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、ワタルの元彼女、ワタルと上京する約束した当日、交通事故に巻き込まれ、右足の膝から下に義足を装着しています。ワタルからは一方的に振ったと勘違いされるも、十年ぶりに再会した時には、お互いに未練が残っており、ワタルを信用して彼のアジトへ入ります。人類養殖計画の母体としてワタルに利用されるも、カズとの子作りを拒んだことや、ワタル自身が立花を諦めきれないこともあり、計画は失敗に終わります。

その後、カズと共にユウキに助け出され、学校を拠点とするコミュニティで生活を営みながら、ユウキとの間に女児・海を授かります。しかし、カズによって拘束を解かれたワタルの襲撃に遭い、命を落としました。

登場人物③カズ

ワタルに協力するカズ・イメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、安全な生活の提供と引き換えにワタルの人類養殖計画に協力する中年男性で、無精ひげに眼鏡をかけた、ふくよかな体格が特徴です。ワタルが連れてきた立花との子作りを強要されるも、立花に拒否されたことで、彼女との間に子供はできず、後にユウキに助け出され、彼のコミュニティで生活をはじめます。

カズがかけている眼鏡のイメージ画像

ユウキからワタルの始末を命じられるも、ワタルの計画に協力するために彼の拘束を解き、以降も彼と行動を共にしています。立花・ユウキとの間に生まれた娘・海と結ばれ、息子2人に恵まれるも、ゾンビの群れに襲われた海と子供たちを守るべくゾンビをおびき寄せ、自分が生きた証を残せたことに満足して生き絶えました。

世界がゾンビ化する前は、お金持ちのボンボンとして育てられ、引きこもり生活を送っていた影響からか、人の視線を気にしたり、愛情に飢えているような素振りを見せています。海と関係を持つまで、女性経験が無かった一方で、成人雑誌を愛読するなど性欲は旺盛であり、彼が持っていた雑誌は、海や息子たちが性に目覚めるきっかけとなっています。

空腹なぼくらのその他の登場人物・キャラ

空腹なぼくらのその他の登場人物・キャラの紹介・イメージ画像

以下では、ゾンビでありながら、人間的な思考を持つワタルの葛藤や、彼の孫的存在であるシュウとの関係が注目される、「空腹なぼくら」のその他の登場人物・キャラを、あらすじネタバレ紹介します。

登場人物①ユウキ

ユウキのイメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、ホテルに来たワタル・立花・カズを襲撃した人物、学校を拠点とする生存者コミュニティのまとめ役です。コミュニティを統括する一方で、学校周辺にあらわれたゾンビを討伐することで、他の生存者の安全を確保しています。人間を絶滅寸前に追いやったゾンビを憎み、拘束したワタルに暴行を加え、プールに沈めて始末しようと試みます。

後にカズのしくじりにより、ワタルは身柄を解放され、最後は立花と共にワタルに噛まれます。立花との間に娘をもうけており、その子供はワタルの手に渡り、人類養殖計画に利用されます。

登場人物②海

ワタルの娘として育てられた海・イメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、立花とユウキとの間に生まれた娘。両親の死後、ワタルに育てられました。母親似の美少女である一方、ゾンビの世界で生まれ育ったことから、一般的な価値観が欠如しています。また、生まれてから人間の男性はカズしか知らないため、成長するにつれてカズに恋愛感情を抱くようになり、彼の成人雑誌をきっかけに性に目覚め、カズと結ばれます。

カズとの間に男の子2人を授かるも、2人がお腹に宿っている頃にカズと死に別れ、以降はワタルと共に子供たちを育てました。ワタルの人類養殖計画を知らない模様であり、ワタルによるとこの計画を知られたら怒って反対されると言われています。

登場人物③シュウ

海とカズの長男・シュウのイメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、カズと海の長男、名前の由来はワタルの漢字「航」の「舟」から命名されました。容姿は、祖父(海の父親)のユウキに似ており、人類養殖計画を進めるため、ワタルと共に旅に出ました。

登場人物④コウ

海とカズの次男・コウのイメージ画像

「空腹なぼくら」の登場人物・キャラで、カズと海の次男、名前の由来は「航」の「亢」から命名されました。容姿は父親のカズを彷彿させ、母親のお腹にいる頃に父親と死に別れました。シュウとは対照的に臆病な性格で、母親の海と共に、ワタル・シュウの帰りを待つことにしました。

空腹なぼくらの見どころ

「空腹なぼくら」の見どころを紹介・イメージ画像

以下では、人間臭さを見せるゾンビ主人公の苦悩や葛藤、人類養殖計画のために確保した生存者との間に芽生えた愛情など、ゾンビものであることを忘れさせるような作風が魅力的な、漫画「空腹なぼくら」の見どころについて、あらすじネタバレ紹介します。

見どころ①ワタルの苦悩

ゾンビものの主人公と言えば、ゾンビがはこびる世界で生き残りをかけて戦う人類を思い浮かべるでしょうが、「空腹なぼくら」では、人間の知性を持った異色のゾンビが主人公となっています。ゾンビでありながら、人間的な考えを持つ主人公・ワタルは、ゾンビの食糧危機を解決するべく、生存者同士で子供を作らせ、人類を増やす計画を考案するなど、従来のゾンビとは異なるキャラを見せています。

ワタルがゾンビになった経緯や、なぜ、彼だけが人間的な知性を持っているのか、ワタルというキャラそのもの謎も注目されるものの、「空腹なぼくら」のワタルと言えば、人間よりも人間臭いゾンビキャラも、外せない要素となっています。ゾンビの中で、おそらく唯一、知性を持つ存在と推測され、人類養殖計画を成功させることで、ゾンビから崇められる存在になることを目指していました。

ゾンビと人間の思考に苦悩するワタル・イメージ画像

計画のためなら、例え未練の残るかつての恋人さえも利用する非情さをみせるも、内心では恋人に対して申し訳なさを覚えていたり、計画を進めるために育てた子供に対して、親子の愛情に似た感情を芽生えさせたりと、人間臭さを見せています。自分はゾンビでありながら、まるで人間のような考えが頭をよぎってしまう、ワタルの知られざる苦悩や葛藤は、彼がゾンビであることを忘れさせてしまうでしょう。

ワタルの苦悩や葛藤の背景には、人間だった頃に冴えない人生を送り、今度こそ何かを成し遂げたいという願望が根底にあり、自分が本当に求めていることは何かを模索しています。タイトルの「空腹なぼくら」とは、食欲だけでなく、満たされないワタルの心も表しているでしょう。

見どころ②家族の愛情表現

共同生活を通じて愛情が芽生えたワタル達・イメージ画像

主人公・ワタルの人間臭さは、実の娘のように育て上げた海との関係で見られ、ゾンビの出現により、人類がほぼ滅亡した世界で生まれた海にとって、ゾンビのワタルと生存者のカズだけが、彼女の世界でした。当初は、カズとの間に子供を作る目的で育てられた海でしたが、成長するにつれて彼女はカズに恋愛感情を抱くようになり、そんな海を心配するワタルにも、父親としての愛情を芽生えさせていました。

ワタルもカズも、世界が一変する前には親からの愛情に飢えていたものの、海の存在がそんな2人の心を満たし、それぞれの愛情表現で海に接していきます。かつては家族に疎まれていたカズは、愛する人を守るために命を犠牲にし、ワタルも人間を食べたいという欲求を抑えながら、人類の希望である海の子供たちを見守る、3人の関係性も見どころの1つです。

見どころ③人類養殖計画

漫画「空腹なぼくら」の目的である人類養殖計画は、ゾンビのえさとなる人類を増やすべく、生存者から男女を探し出し、彼らの間に子供を産ませるという内容です。この計画は、ゾンビの食糧危機を脱するためにワタルが進めている計画であり、目的を達成するためならばかつての恋人を計画に利用することも厭いません。

しかし、人間的な思考を持つワタルは、かつて愛した女性や実子のように育ててきた海を前にためらいをみせ、非情になりきれない自分に葛藤します。人類養殖計画は、他のゾンビだけでなく、自身の空腹を満たすための計画であるものの、人間としての理性が自身の計画の妨げにもなっており、果たして人類養殖計画は成功するのか、ワタルは様々な意味で満たされるのか、ワタルの今後の動向も注目されています。

空腹なぼくらの最終回はどうなる?おすすめの人は?

「空腹なぼくら」の最終回やおすすな人を紹介・イメージ画像

以下では、ゾンビが主人公の新たな作風や、食糧確保を目的にした人類を増やす計画など、斬新な設定やストーリー展開が読者を夢中にさせる漫画「空腹なぼくら」から、最終回の予想や、空腹なぼくらがおすすな人について、作品のあらすじネタバレを交えながら紹介します。

空腹なぼくらの最終回はどうなる?

「空腹なぼくら」の最終回を考察・イメージ画像

漫画「空腹なぼくら」の3巻にて、ワタルとシュウが、新たな女の生存者を求めて旅に出ました。このまま2人の旅が順調にいけば、人類養殖計画も大幅に進行できると推測され、「空腹なぼくら」の最終回では、計画の達成が描かれるでしょう。また、「空腹なぼくら」は、ワタルの満たされない心を埋める何かを求めることもテーマの1つとなっています。

人類養殖計画は、単に空腹を満たすだけでなく、計画を進めるにつれてワタルが満たされなかったものを満たす役目もはたしており、それらは家族の愛情と考えられます。「空腹なぼくら」の最終回は、人類養殖計画を通じて手に入れた、ワタルの幸福な人生で締めくくられる結末も予想されるでしょう。

空腹なぼくらがおすすめなのはどんな人?

「空腹なぼくら」がおすすめな人を紹介・イメージ画像

従来のゾンビものといえば、突然、世界にゾンビが現れ、主人公と生存者である仲間たちの奮闘や、極限状態が続くことで生じる人間同士の争いのように、人類の生存をかけたサバイバル展開や、生存者同士の人間ドラマが見どころでしょう。一方、今回紹介した「空腹なぼくら」は、従来のゾンビものから脱却した新感覚ものであり、従来ものに飽きてしまった方にこそ読んで欲しい作品です。

人類を食べ尽くし、食糧難に陥ってしまったゾンビたちの知られざる現実や、ゾンビでありながら、人間的な理性を兼ね備えた異色のゾンビ・ワタルの苦悩など、新たな視点で描かれたストーリー展開が、新鮮さを感じさせるでしょう。

空腹なぼくらに関する感想や評価

空腹なぼくらに関する感想や評価・イメージ画像

従来のゾンビものでのゾンビには自我すらないような描写が目立つ一方、今回紹介した「空腹なぼくら」は、自我を持ったゾンビという、全く新しいタイプのゾンビが主人公として描かれ、ゾンビと人間の間のような存在であるワタルの今後の動向が注目されています。以下では、斬新なゾンビ設定が話題を呼んだ、漫画「空腹なぼくら」に関する感想や評価を、あらすじネタバレ紹介します。

感想1:「空腹なぼくら」が面白い

異色のゾンビ漫画として注目される「空腹なぼくら」は、従来のゾンビものとは異なる世界観や新たなゾンビキャラの登場、自分たちの食糧となりうる生存者との切ない関係が読者を魅了し、漫画が面白いとの感想が多く寄せられています。3巻ラストでは、ワタルと孫のような存在であるシュウが旅に出る場面が描かれ、新たな生存者を探す2人の動向に期待が高まっています。

感想2:多くの人におすすめしたい作品

ゾンビものと言えば、グロテスク描写の多さから好みが分かれやすいジャンルであるものの、ヒューマンドラマとして描かれている「空腹なぼくら」は、ゾンビものが苦手な方でも読みやすい作品とも評され、おすすめしたい漫画にもあげられています。場面によってはグロテスク描写もあるけれど、ワタルと生存者キャラとの関係は、様々なことを考えさせ、読み終えると切なさを感じる、不思議な漫画だったとの感想も見られます。

感想3:ゾンビの視点で描かれたストーリーが面白い

「空腹なぼくら」の感想の中には、ゾンビの食糧危機を題材にした、従来のゾンビものにはない設定が面白いとの感想がみられ、ゾンビの視点でストーリー展開される独創的な作風が、人気に火を付けました。自分たちの食糧を得るために人間の男女へ子作りを強制させる設定は、倫理的な観点から問題視されつつも、過酷な世界で生きるキャラ達の動向や、今後の展開が気になるとの感想も多く見られます。

感想4:予想を上回る展開が続いて面白い

ゾンビによる人類養殖計画を目指すことを目的とする「空腹なぼくら」は、読者の予想を上回る展開の多さも注目され、ゾンビものでありながら愛情や家族について考えさせられるメッセージ性の高さや、泣けるシーンがあることも、おすすめポイントにあげられます。また、「空腹なぼくら」は、ワタルを取り巻くキャラ達の動向も見どころであり、彼らの身に起きる予想外の展開もストーリーを面白くしています。

感想5:人間臭いゾンビの葛藤がすごい

「空腹なぼくら」といえば、人間の知性と感情を持つ異色のゾンビ・ワタルの人間臭さも面白いとの感想も多く寄せられ、ゾンビと人間のハーフとも呼べる特異体質ゆえの悩みや葛藤は、彼がゾンビであることを忘れさせてくれるでしょう。また、ワタルに関する感想の中には、ゾンビでありながら苦悩や葛藤の描写がすごいとの感想も見られ、「空腹なぼくら」の続きが気になってしまうとの声も寄せられています。

感想6:「空腹なぼくら」で泣いた

「空腹なぼくら」は、3巻時点での登場キャラが少ないものの、ワタル側のキャラであるカズが死亡し、多くの読者が涙を流しました。海と結ばれたことで人間的に大きく成長したカズでしたが、最後は愛する家族を守るために自ら犠牲になり、衝撃的な最期を迎えました。「空腹なぼくら」の感想の中には、ゾンビ作品で初めて泣けたとの声も見られ、他のゾンビ作品にはない切なさも秘めているでしょう。

感想7:見慣れた光景に気分が上がる

「空腹なぼくら」は香川県を舞台とし、香川県在住の方には馴染のあるお店の看板や場所がモデルとして起用され、話題を呼びました。物語は、人類がほとんど全滅した世界であるものの、ワタルの視点で描かれる町の風景からは、まだ人類がどこかに隠れていそうな雰囲気を醸しています。また、作中のセリフでは、讃岐弁も使用されており、マイナーな方言の登場も、従来のゾンビ作品ではあまり見られない要素でしょう。

空腹なぼくらのネタバレまとめ

空腹なぼくらのネタバレまとめ・イメージ画像

漫画「空腹なぼくら」のあらすじネタバレ、登場人物・キャラのあらすじネタバレ、作品の見どころや感想・評価などを、あらすじネタバレ紹介しました。人間の知性を持つゾンビという、新たなゾンビものとして注目される「空腹なぼくら」は、ゾンビ視点で展開される目新しさだけでなく、ゾンビでありながら人間臭さを持つ主人公の苦悩や葛藤も見どころであり、ヒューマンドラマとしても楽しめるおすすめの作品です。

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