おかえりアリスのあらすじをネタバレ！押見修造が描く衝撃漫画の内容と登場人物は？

押見修造先生の最新作「おかえりアリス」は、幼馴染である少年少女が抱える性に関する悩みや葛藤を描いた作品です。以下では、漫画「おかえりアリス」の漫画1巻～4巻のあらすじネタバレや、歪な関係性にある登場人物のネタバレ紹介、漫画「おかえりアリス」の面白い魅力の考察、作品に関する感想や評価などを、あらすじネタバレ考察しました。

漫画「おかえりアリス」は、2020年から「別冊少年マガジン」で連載されている作品で、内気な主人公と、その幼馴染2人との複雑な関係を主軸に、思春期の性をテーマにした作風が特徴です。「おかえりアリス」では、登場人物の1人・室田慧の女装姿のように、性の多様性について考えさせられる哲学的要素を含み、メッセージ性の強いストーリー展開が注目されています。

漫画「おかえりアリス」の作者・押見修造先生は、1981年生まれ、群馬県出身の漫画家で、大学在学中の2002年に「真夜中のパラノイアスター」で漫画家デビューを果たします。「漂流ネットカフェ」や、母子の共依存を描いた「血の轍」など、登場人物たちの歪な関係や内に秘められた本性を鮮烈に描いた作風に定評があり、例えようのない恐怖を感じさせるサスペンス作品が、ファンに支持されています。

以下では、思春期真っ只中の幼馴染3人の複雑な関係を主軸に、性にまつわる悩みや葛藤を描いた、押見修造先生の話題作「おかえりアリス」のあらすじ内容をネタバレ紹介します。

亀川洋平・室田慧・三谷結衣は、幼稚園時代からの幼馴染で、同じ中学のテニス部に所属していました。洋平は結衣に想いを寄せるも、内気な性格から彼女に想い伝えることができず、結衣は慧に対して好意を持っており、ある日、校舎裏に呼び出して告白の返事をもらうと同時に、キスを交わします。偶然、その光景を目撃してしまった洋平は、慧と目が合ってしまい、その場から逃げ去ります。

裏校舎での一件後、慧は何事もなかったように接してくるも、洋平は慧に対して気まずさを覚えてしまったことや、以前に彼から性的な質問をされたことも相まって、慧を無視してしまいます。そして、中学1年の夏休みが終わり、2学期が始まると教室に慧の姿はありませんでした。実は、父親の都合で北海道に転校したことが分かったものの、洋平と結衣にはその事を一言も話さず、別れの挨拶もないまま離れていきました。

そして、時は流れ、洋平と結衣は同じ高校に進学し、洋平は変わらず結衣に想いを寄せ続けていました。慧との一件から、結とも気まずい関係になった洋平でしたが、高校では彼女と付き合うことを目標に掲げ、結衣に話しかけます。ぎこちない会話であったものの、結衣と話ができたことに有頂天になる洋平へ、金髪の少女がなれなれしい態度で接してきます。

金髪の少女の正体は、北海道に転校した室田慧であり、「男を降りた」との理由から、女子の制服を着用していました。しかし、慧の性自認は「男性」であり、なぜ、慧が女性の姿をしているのか、彼の知られざる一面を知った洋平・結衣は戸惑いを隠せませんでした。一方、慧の方は周囲の反応をよそに、見た目は女子生徒でありながら男子生徒として振る舞っており、トイレも男性用を使用していました。

慧の変貌ぶりに心の整理がつかない洋平に対し、慧は彼に気があるかのように振舞い、引っ越しの片づけを手伝ってほしいと、自宅へ連れ込みます。慧が女装をはじめた理由は、自分は、世間でいう男らしい要素がないことに気づいたことや、女として生きる方が自分には似合うとの考えから、性は男性と認識しながら、女性らしい恰好をするようになったと明かします。

慧が女装する理由を知ったものの、洋平自身は彼の考えを理解することができず、複雑な感情を抱き始めます。一方、これまで通りの関係を望む慧は、中学時代と同じく性的な質問を投げかけ、仲の良い友達を超えた大胆な行動に出ます。その後も、慧はフレンドリーに接するも、彼の変貌ぶりは洋平だけでなく、結衣も戸惑いを覚えており、ある日、慧の自宅での再会パーティーでの出来事が、3人の関係にひびを入れます。

慧とのキスは、幼馴染2人に大きな影響を与え、結衣は女の子の姿をした慧への嫉妬にかられ、洋平も慧を性の対象として意識しはじめ、そんな自分に嫌悪感を覚えます。慧のことで悩む洋平・結衣は、放課後に2人で話そうとカラオケに向かい、距離を縮めていきます。しかし、帰宅すると洋平の家には慧が来ており、同性の友達関係を超えた、慧のスキンシップの過剰さに怒りを覚えながらも、洋平はそれらに対して快感を感じていました。

また、洋平と慧の複雑な関係は結衣も勘付いており、洋平をからかう慧に対して怒りを募らせていきます。そして、放課後、慧の家に向かった結衣は、お互いの「好き」という価値観が違うことを知り、洋平を呼び出します。洋平は、結衣への気持ちを告白し、洋平は慧に近づかず、結衣だけを見ていることを条件に2人は付き合うことになりました。

一方の慧は、押入れに隠れながら2人の様子を見守り、2人の交際を祝福するも、学校では相変わらず洋平に近づき、彼から強い口調で注意されても、慧は一向に気にする様子もなく、結衣は慧への警戒心を強め、幼馴染3人の関係が崩壊します。

その頃、高校では新入生の部活選びがさかんで、学校中の注目の的である慧は、様々な部からスカウトを受けるも全て断わってしまい、部活には入らないことを宣言します。一方、洋平・結衣カップルは、登下校を一緒にするなど、カップルらしい生活を楽しみながらも、ある日、洋平からキスをせがまれた結衣は、拒否してしまいます。

その理由は、洋平のことを好きになれるかもしれないと思ったからであり、結衣からも思わぬ反応に洋平はショックを受けます。結衣との一件をひきずりながら夜中のコンビニに向かった洋平は、慧が上級生に絡まれている光景を見かけます。上級生は、学校でも慧に絡み、ひどい仕返しを受けた人物で、洋平はとっさに慧の救出に向かいます。

この出来事は、慧と洋平の秘密ということになったものの、相手が同じ高校の生徒のため、すぐさまこの一件が結衣の耳に入ってしまいます。洋平から慧との関係を自白させた結衣は、慧への嫉妬から洋平と男女の関係になることを望み、自宅に招きます。しかし、そのあたりに関しては洋平の経験不足が原因で失敗に終わり、落ち込みながら帰路につく洋平へ慧が声をかけ、雨でずぶ濡れになった洋平を自宅へ連れ込みます。

慧の自宅で二人きっりになった洋平は、慧との危うい関係や結衣との関係では得られなかった快感に戸惑いを覚えます。一方、慧が男を降りた理由も判明し、男でも女でもなかったあの頃の自分に戻りたい、つまり性別という概念を取り払ったただの人間になりたいという願望や、きれいな女性になって洋平の本能を刺激することで昔に戻れると考えた結果、洋平に積極的に接するようになりました。

また、土砂降りの放課後の出来事を受け、洋平と慧は学校でも仲良くするようになり、約束を破られた結衣は2人に複雑な感情を抱きます。そして、校舎裏に洋平を呼び出すと、自分勝手な考えを洋平に押し付けていたことを謝り、洋平・結衣は男女の仲となります。しかし、洋平は結衣とはあまり満足することができず、そんな中、慧から電話がかかります。

以下では、高校での再会をきっかけに始まった幼馴染3人の関係が興味を引く、漫画「おかえりアリス」のキャラ・登場人物一覧を、あらすじネタバレ紹介します。

漫画「おかえりアリス」の主人公で、三谷結衣に想いを寄せる眼鏡がチャームポイントの内気な少年です。中学1年生の時に、慧から性的な質問をされたことをきっかけに性を意識しはじめ、結衣のことも異性として好意を強めていきます。高校進学後に結衣と付き合うことになったものの、女装した慧との再会や、彼の積極的な行動、慧に嫉妬する結衣との関係や自身の性について悩み、葛藤を覚えます。

漫画「おかえりアリス」の登場人物で、洋平・結衣の幼馴染です。結衣に好意を持たれており、中学1年生の時に結衣とキスするも、その光景を洋平に目撃され、3人の関係が壊れました。中学1年生の2学期に父親の仕事の都合で北海道に転校するも、高校進学を機に東京に戻り、洋平・結衣と同じ高校に進学し、学校から特別な許可をもらい、女性生徒の制服を着用しています。

外見は金髪姫カットの美少女であり、周囲からも女性と見間違えられるも、慧の性自認は「男性」であり、学校のトイレ等は男性用を使用しています。また、慧が女装を始めた理由は、世間一般で言われる男らしさが、自分とは全く違うことに気が付いたことや、性別を取り払ったただ1人の人間でいたいとの願望により、男を降りるという意味で女性らしい外見に変貌しました。

漫画「おかえりアリス」の登場人物で、洋平・慧とは幼稚園時代からの幼馴染で、同じ高校に通っています。中学時代は慧に好意を寄せており、ラブレターの返事をせがんだ時に慧とキスを交わしました。高校進学後は、洋平と付き合うことになるも、洋平への積極的なアプローチを仕掛ける慧への嫉妬や、慧に対して性的な魅力を感じつつある洋平への怒り等から、女装した慧へ複雑な感情を抱いています。

巧みな心理描写で知られる押見修造先生の作品の中でも、思春期の性をテーマにした「おかえりアリス」は、世間との価値観との違いから男を降りた慧を巡る、洋平・結衣の関係はもちろん、慧に関する考察ポイントの多さも見どころです。以下では、押見修造先生の漫画「おかえりアリス」の面白い魅力を、あらすじネタバレを交えながら考察しました。

「おかえりアリス」の主人公・亀川洋平は、慧とは対照的に内気な性格であり、やや自己肯定感が低いとも考察できます。結衣に好意を持ちつつも、積極的な行動に出られないことや、女装した慧との危うい関係に快感を覚える自分に戸惑いと嫌悪を覚えるなど、自分は本当はどうしたいのかなど、青春時代ならではの苦悩や葛藤に共感できるでしょう。

洋平・慧・結衣は、幼稚園時代からの幼馴染であったものの、中学1年生の夏休みに起きた慧・結衣とのキスや慧の転校により、3人の関係は一時的に崩壊したものの、同じ高校での再会をきっかけに、3人の仲が始まります。しかし、思春期を迎えた3人は性の揺らぎに翻弄され、慧は洋平に好意があるかのように積極的なアプローチを仕掛け、結衣は慧に対して嫉妬とも呼べる複雑な感情を芽生えさせます。

また、洋平自身も、異性として結衣に好意を寄せつつも、性的な満足という点では、慧との行為の方がより快感を覚えやすく、自分でも気づかなかった性にまつわる事実に、戸惑いを覚えます。一方、慧自身は、昔のようにただの人間だった頃の関係に戻りたいと願うも、3人の関係は純粋な友達ではなく、上手く言葉に出来ない歪な関係にあると考察でき、己の本能に翻弄される3人の複雑な人間模様も、面白い魅力です。

以下では、女装する慧の複雑な心境など、考察ポイントの多さも人気に拍車をかける、押見修造先生の漫画「おかえりアリス」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

思春期の性をテーマに、幼馴染3人の複雑な関係を描いた漫画「おかえりアリス」は、美少年から金髪少女に変貌した慧の衝撃的な展開はもちろん、男を降りたとの理由から女装を始めた慧の考えなど、考察ポイントの多さも、人気に拍車をかけています。また、己の性に悩む3人の苦悩や葛藤も読者の共感を呼び、「おかえりアリス」が面白いとの感想が寄せられています。

押見修造先生の漫画「おかえりアリス」は、女装する慧と洋平の危うい関係が注目されがちな一方、慧が男を降りるという考えに至った経緯など、奥深さを感じさせる設定も支持されています。また、「おかえりアリス」に関する感想の中には、純粋な好きという気持ちはどのようなものかを教えてくれたともあり、性の多様性について考えるきっかけになるでしょう。

押見修造先生と言えば、人間の本性やそれらがもたらす憎悪を描いたサスペンスもので知られるものの、今回紹介した「おかえりアリス」は、これまでの作品と比較してマイルドな作風でしょう。一方、漫画の感想の中には、不穏な空気を漂わせるストーリーとも評されており、性の揺らぎに苦悩する高校生3人の歪な関係が続きが気になるとの感想も見られます。

押見修造先生の話題作「おかえりアリス」の漫画あらすじネタバレ、登場人物のネタバレ、作品の面白い魅力の考察、「おかえりアリス」に関する感想などを、あらすじネタバレ考察しました。男でも女でもなく、ただの人でありたいと願う慧の願望や、自身の性に戸惑う洋平の苦悩や葛藤、慧に嫉妬する結衣など、複雑な関係にある幼馴染3人は、ただの人だったあの頃の関係に戻れるのか、3人の今後の行方に期待が高まっています。