【当て屋の椿】ネタバレあらすじと感想！漫画の登場人物・キャラや印象的な事件も紹介

『当て屋の椿』は数年分に渡る瓦版を全て記憶しているという一風変わったキャラ・椿と、愚鈍と貶される一方で己の身を顧みず行動できる点を評価されている浮世絵師・鳳仙の二人を主人公に据えた作品です。では、漫画『当て屋の椿』の見どころは？ここからは、漫画『当て屋の椿』のあらすじをネタバレしながら登場人物・キャラを一覧化し、見どころやネット上の感想を紹介していきます。

• タイトル：当て屋の椿
• ジャンル：推理漫画、青年漫画、時代劇漫画
• 作者：川下寛次
• 掲載誌：マンガPark、ヤングアニマル
• 発表期間：2008年～
• 巻数：既刊17巻

『当て屋の椿(あてやのツバキ)』とは、大阪府出身の漫画家・川下寛次による推理漫画です。ヤングアニマルにて2007年No.24から2020年No.23まで連載され、その後WEBコミックサイトのマンガParkに移籍し2020年12月11日から漫画が配信されています。

漫画『当て屋の椿』の作者・川下寛次は、大阪府出身の漫画家です。手掛けた作品は、本作を含めて『ランブルフィッシュ』『杏子ボンバイエ!!』『まるみえ!PureHeart』などがあります。

それでは早速、漫画『当て屋の椿』のあらすじをネタバレしていきます。物語の舞台は江戸時代です。本来、鳳仙(ほうせん)は山水画の絵師であり浮世絵師ですが、それだけでは食べていけるほどの稼ぎが無かったため、副業の春画で生計を立てていました。しかしある日、春画のモデルにしている歌舞伎役者・瑠璃丸(るりまる)とその恋人・悦(えつ)が交わる姿を淡々と描いて帰った日の夜に悦が亡くなってしまいます。

さらに、悦の死に際の姿も不可解で、耳をもがれて殺されていたのです。そんな姿の悦の死体を見た奉行所の役人は気味悪がり、捜査が一向に進みませんでした。その結果、家族の元に悦の死体が返されない状況となってしまいます。そんな中、亡骸が返ってこず悲しみに暮れていた悦の父親は、亡骸を返してくれと嘆いていました。

鳳仙はその姿に心を打たれ、探し物をしてくれるという、通称「当て屋の椿」を訪ねてみることにします。次の日の朝、同じ長屋に住む「当て屋の椿」の元を訪れた鳳仙は、椿から「人の生き死にに触れてきただろう」と言われます。耳だけがもがれていたという不気味なこの事件。その詳細を鳳仙から聞いた椿は、市内で起きた過去の事件と今回の事件が連続殺人犯の仕業であることを見抜きます。

さらに、椿は切り取った耳の在処についても全て分かったと言い切りますが、それを聞いた鳳仙はそう簡単に信じることができませんでした。そこで、椿は吉原にいる篝(かがり)の元を訪ねることにします。篝は「吉原の巫女」と呼ばれる神通力の持ち主です。早速、二人は篝から「耳は耳なし芳一が持っている」というお告げを貰います。

そうして、椿と鳳仙が向かったのは過去に耳をもがれながらも唯一殺されなかった、三人目の被害者である野菊という女性の家です。野菊は大人しそうな雰囲気を持つ女性でした。彼女は被害者でもあったため、鳳仙は疑うことはありませんでしたが、椿の追及によってあっさりと自白します。

野菊は生まれた時からある自分の耳の痣にコンプレックスを感じていたため、他の女性の痣のない美しい耳を羨ましく思い、自分の耳につけることを目的に悦を殺害したことを認めたのです。さらに、二人が自宅を訪ねた時は生きていた野菊でしたが、自白直後に亡くなってしまいます。

二人が訪れる前に自分の耳を切り落としていたことが原因で体が腐りかけていたからです。こうして悦の事件は解決する運びとなりましたが、二人はその後もさまざまな事件に巻き込まれていきます。さまざまな事件を通して二人の関係はどのように発展していくのか？二人が持つ過去の因縁とは？

漫画『当て屋の椿』は2021年時点で最新17巻が刊行されています。以降も連載が続いていますが、果たして最終回はいつになるのでしょうか？結論を言うと、本作は人気の高い作品であり、休載が多く約1年で1巻最新刊が発売される連載周期となっているため、最終回を迎えるのはまだ先になると考えられます。

江戸時代を舞台に繰り広げられるさまざまな事件。ストーリーは春画で生計を立てていた鳳仙が、なくしたものを探し当てる「当て屋」の椿と関わったのを機に展開していきました。そして、事件を解決するべく行動している二人の前にさまざまなキャラが登場します。では、どのような登場人物・キャラがいるのか？ここからは、漫画『当て屋の椿』の登場人物・キャラを一覧形式で見ていきましょう。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・椿(ツバキ)は、本作のヒロインです。探偵役としてなくしたものを探し当てる「当て屋」を営んでいます。謎めいた事件の背後に存在する「理屈」を解き明かすことを楽しみとしており、また背後関係が存在する伝承や神話、言葉の由来などについて豊富な知識を有していました。こうした知識と背後関係を明らかにしようとする洞察力によって優れた推理力を発揮しています。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・鳳仙(ほうせん)は、本作の語り手です。悦に関する事件以降、共に行動するようになった椿が『シャーロック・ホームズ』の探偵・ホームズ役とすれば、語り手の鳳仙はワトスン役と言えます。そんな鳳仙は浮世絵師が本業ですが、あまり評価されていないため春画を副業にして生計を立てています。鳳仙自身は女性恐怖症である一方で、女性から好意を持たれるのが特徴です。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・篝(かがり)は、「吉原の巫女」と呼ばれている吉原の遊女です。椿とは幼少期からの幼馴染で、椿の親友でもあります。右目を閉じることによって未来を見通すことのできる未来視・千里眼の持ち主です。そのため、大金を払ってでも彼女の託宣を聞きにくる武家や大商人がいますが、嫉妬深い性格によりその客に女がいると聞くや否や大暴れしてしまうという欠点があります。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・竜胆(りんどう)は、堕胎が禁止されているにも関わらず堕胎をおこなっている女医です。禁じられている行為をおこなう非常識な女性ですが、女医としての腕前は確かで、面倒見が良くて治療費が安いということも相まって問題を抱えた女性たちの多くが彼女の元に集まっています。基本的に和やかで優しい性格をしており、言葉遣いも飾らずに真っ直ぐです。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・日輪(にちりん)は、全身に傷痕や縫合痕がある竜胆の助手です。竜胆は堕胎をおこなうという恨みを買いやすい立場にあるため、日輪は医師見習いというよりも竜胆の用心棒のような役割を担っています。当然、用心棒の役割を全うするのに必要な格闘技の心得がありました。竜胆を口説いたり、侮辱したりする者を許さない態度から竜胆に惚れているのが窺えます。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・侘助(わびすけ)は、鳳仙や椿と同じ長屋に住む職人です。女好きで欲望に忠実なのが特徴。尻派でもあり、椿の和服がぴったりしているためか椿に好意を抱いています。そのため椿のケツを狙っているようですが、それをいいように使われてしまっていました。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・花菱(はなびし)は、三味線の師匠を生業とする女性です。鳳仙や椿と同じ長屋に住んでおり、長屋に新しい入居者が来てからは好意を抱いている柳と同じ部屋になっていました。生まれつき目が不自由なため、相手を匂いで判別するのが特徴的です。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・イノは、顔に大きな十字の傷があるのが特徴的な女性です。鳳仙の誘いで長屋に住み始める前は、古着問屋に奉公する湯灌場(ゆかんば)買いとして働いていましたが、事件によって古着問屋が潰れてしまい行き場を失っていました。過去のことから自分が存在しないように感じていた自分を、唯一気にかけてくれたという理由で鳳仙に好意を寄せるようになっています。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・菖蒲(あやめ)は侘助の妹です。女好きで欲望に忠実なだらしない兄の侘助とは対照的に極めてしっかりしており、鳳仙をこれから売れる期待の星だと思っています。そして、鳳仙が絵師として成功した暁には見初めてもらうという野望を抱いていました。また、有名になった鳳仙に自分を美人画で描いてもらおうとしています。

漫画『当て屋の椿』のあらすじネタバレに登場するキャラ・柳(やなぎ)は、鳳仙たちと同じ長屋に住む貧乏浪人です。魚河岸で魚を捌いて生計を立てているため、捌いた魚の臭いによっていろいろな人に生臭いと言われてしまっていました。

さらに、大量に魚を捌いているせいか顔が血まみれになっていることがあります。普段は人に真剣を向けたことのない温和な人物ですが、惚れている花菱が切られそうになるのを守ろうとする男らしい一面を持っていました。

ここまで漫画『当て屋の椿』のあらすじをネタバレしつつ、登場人物・キャラを紹介してきました。やはり、漫画『当て屋の椿』のストーリーを読み進めていく上で欠かせない要素と言えるのが、鳳仙と椿が解決していくさまざまな事件です。

本作に登場した事件には神の棲む山、盗人草、喰う者、喰われる者、浄瑠璃心中物語、尼寺に潜む怪物といったものがあります。では、これらの事件の中で特に印象深い事件とは何か？ここからは印象的な事件をランキング形式で紹介していきます。

漫画『当て屋の椿』の印象的な事件ランキングTOP3位には、男子禁制の尼寺で笹百合という尼層が妊娠してしまう事件「尼寺潜む怪物」がランクインしました。尼寺は男子禁制となっているため、物理的に女性が妊娠するのはあり得ません。そのため、仏の存在を信じているお寺の中では、仏の子が生まれたと大騒ぎになってしまいます。

ただ、子供ができてしまうと跡目争いの問題を抱えることになるため、都合が悪くなる人間は笹百合の子供を堕胎させようと目論み始めます。そんな中、死亡者が現れてしまい、事件はより複雑化してしまうのでした。果たして、笹百合の子供は本当に仏の子なのか？なぜ笹百合が妊娠したのか？この事件は権力争いによって被害をもたらされる弱者や女性社会の闇、男子禁制といった要素が印象的です。

漫画『当て屋の椿』の印象的な事件ランキングTOP2位には、女性と心中を図ろうとする男性が続出するという事件「浄瑠璃心中物語」がランクインしました。この事件の中心人物は浄瑠璃人形の作成を生業としている八葉です。

椿は八葉が作成した浄瑠璃人形を携えた女性が襲われているという理由で彼女に疑いをかけていました。果たして、事件の犯人は八葉なのか？犯人は本当に心中を図ることを目的にしているのか？この事件は人間の奥底に眠る狂気が上手い具合に事件として物語を成り立たせています。

漫画『当て屋の椿』の印象的な事件ランキングTOP1位には、八重という神隠しにあった友人を探す茜を中心にして起こった事件「神の棲む山」がランクインしました。鳳仙は不穏な空気を纏った不思議な少年・茜と共に、自分の故郷である山に戻ることとなります。

しかし、途中で茜が神隠しになって姿を消してしまいました。果たして、茜を連れ去った犯人は誰なのか？茜の正体とは？この事件はミステリアスで不気味な茜やスリリングに描かれた山の出来事が印象深いです。

先に漫画『当て屋の椿』のあらすじをネタバレ紹介しましたが、果たして本作の見どころとは、どのような点にあるのでしょうか？ここからは、漫画『当て屋の椿』の見どころとして「エログロ描写」、「人間味あふれる登場キャラ」、「椿の言葉」、「篝の託宣」、「回収される伏線」といった5つの要素を取り上げていきます。

1つ目に紹介する漫画『当て屋の椿』の見どころはエログロ描写です。本作は男女関係を軸に話が構成された本編の冒頭部の雰囲気から男性向けのエロ漫画かと思いきや、主人公二人は男性嫌い、女性苦手といった設定であるため、かなり強めな怪異的な要素も含まれています。どの話にもエログロ描写が含まれており、事件に巻き込まれる登場人物たちは恋をしていたり、肉欲に溺れていたりしていました。

2つ目に紹介する漫画『当て屋の椿』の見どころは、表現豊かで人間味あふれる登場人物たちです。ただ、その登場人物たちはさまざまな理屈で殺人を犯す殺人鬼。登場人物たちのエグい表情は読者の背筋を凍らせます。また、殺人鬼の登場人物だけでなくさまざまな事情を抱える登場人物たちも魅力的です。そんな登場人物たちの切なさや嬉しさを絶妙に表現したエロい表情や恋する表情は要チェック。

3つ目に紹介する漫画『当て屋の椿』の見どころは椿の言葉です。あらすじネタバレでは、奉行所でも目を背けたくなるような猟奇的怪奇事件を解決するべく、どうせ奉行所のように逃げ出すだろうとあまり期待せず、椿に事件解決の依頼をした鳳仙の姿がありました。ところが、椿は喜んで鳳仙の依頼を受けます。その後、椿は持ち前の観察力と洞察力で事件を読み解くのですが、その際に以下のセリフを残しました。

4つ目に紹介する漫画『当て屋の椿』の見どころは、「吉原の巫女」篝の託宣です。ネタバレあらすじでは事件解決の糸口を掴むべく、右目を閉じることで真実を手繰り寄せることができる「吉原の巫女」篝の元を訪れた鳳仙と椿の姿がありました。そして、篝は手繰り寄せた真実を鳳仙たちに託宣します。ただ、託宣の言葉は暗号のようなもので、それが事件解決のヒントになります。

5つ目に紹介する漫画『当て屋の椿』の見どころは回収される伏線です。本作は登場人物たちの言葉や椿がばらまいた伏線や謎が綺麗に片付けられていきます。その伏線や謎については以下の通りです。

• 鳳仙が歌舞伎役者の瑠璃丸と女郎の悦をモデルにして春画を描く
• 恋人の悦が亡くなったことにより瑠璃丸が犯人として捕まる
• 連続殺人犯と思われる人物による被害者は3人、そのうち2人は上左耳を奪われて死亡し残り1人は耳を奪われるも生き残る

ここまで漫画『当て屋の椿』のあらすじと最終回のネタバレを始め、登場人物・キャラ一覧、印象的な事件ランキング一覧、見どころなどを紹介してきました。では、ネット上では漫画『当て屋の椿』についてどのような感想や評価があがっているのか？ここからはネット上に寄せられた漫画『当て屋の椿』に関する感想や評価を紹介するのでぜひ最後までご覧ください。

漫画『当て屋の椿』のストーリーに関する感想や評価があがっています。感想では「面白い」と言われており、その面白さの要素となっているのが「不思議な魅力を感じる」という点のようです。また、「エログロなので他人に勧められない」と言われているのですが、このような感想は他でも言われていました。しかし、勧められていないにも関わらず読んでいる方が多いというのは、それだけ魅力的な作品なのでしょう。

漫画『当て屋の椿』の魅力に関する感想や評価があがっています。感想では「凄く面白い」と言われており、その理由としては「女の艶かしさと激しさ」「江戸の裏にある昏く深い浮世の理」といった魅力的な要素が挙げられています。また、魅力的な登場人物によるセリフのやり取りにも惹き込まれると言われているので、興味のある方は登場人物のセリフにも注目してみると良いでしょう。

漫画『当て屋の椿』の裏表紙に関する感想や評価があがっています。感想では「当て屋の椿の裏表紙に魅力を感じる」と言われています。投稿された裏表紙の画像には登場人物たちの姿が描かれているようです。感想で言われている魅力とは、登場人物たちの姿、あるいはシンプルな点のことを言っているのでしょうか？これを機に『当て屋の椿』の裏表紙にも注目してみると良いかもしれません。

漫画『当て屋の椿』のストーリーに関する感想や評価があがっています。感想では「思ったより内容がエログロ系」と言われており、ストーリーを読み進めていくうちに無力さを思い知らされると感じているようです。

また作品の魅力として「マットな印象を受ける表紙の色使い」、「ダイナミックな書体」、「椿の文字」といった要素が挙げられています。これらの要素をおさえながらストーリーを読み進めていくのも良いかもしれません。

漫画『当て屋の椿』の登場人物・キャラや印象的な事件を紹介しつつ、物語のネタバレあらすじと感想をまとめてきましたがいかがでしたか？漫画『当て屋の椿』について寄せられたネット上の感想では、「不思議な魅力があって個人的に好き」「魅力的な要素が多くて面白い」「裏表紙に魅力を感じる」「思ったより内容がエログロ系」といった声があがっていました。

感想でも言われている通り、本作の見どころはエログロ描写、人間味あふれる登場キャラ、椿の言葉、篝の託宣、回収される伏線といった点にあります。まだ漫画『当て屋の椿』を読んでいない方は、これらの見どころをおさえつつ物語を読み進めてみてください。