【タコピーの原罪】最終回(16話)あらすじとネタバレ考察!感想・評価も紹介

SNSを中心に爆発的な人気を誇った話題作『タコピーの原罪』。2022年3月25日に最終回である16話を迎え多くの感想や伏線考察がツイートされTwitterのトレンドにも入りました。そんな『タコピーの原罪』最終回こと16話「2016年の君たちへ」のあらすじをネタバレを踏まえつつ解説し、16話に隠された伏線考察やSNSでの感想、評価も確認していきましょう!ネタバレが多いに含まれますので未読の方はご注意ください。

【タコピーの原罪】最終回(16話)あらすじとネタバレ考察!感想・評価も紹介のイメージ

目次

  1. タコピーの原罪とは?
  2. タコピーの原罪の最終回あらすじ(16話)ネタバレ
  3. タコピーの原罪の1話~10話あらすじネタバレ解説
  4. タコピーの原罪の11話~15話あらすじネタバレ解説
  5. タコピーの原罪の登場人物・キャラ一覧
  6. タコピーの原罪のタイトルの意味やテーマを考察
  7. タコピーの原罪に関する感想や評価
  8. タコピーの原罪の最終回まとめ

タコピーの原罪とは?

柔らかで美しい画風に「虐待」「いじめ」「独親」などこの世の地獄のような陰惨なモチーフという奇妙なマッチングがみられる漫画『タコピーの原罪』をもうみなさまは読まれましたか?SNSを中心に爆発的な人気を誇った話題作『タコピーの原罪』最終回こと16話「2016年の君たちへ」のあらすじをネタバレを踏まえつつ解説し、16話に隠された伏線考察やSNSでの感想、評価も確認していきましょう!

タコピーの原罪の概要

『タコピーの原罪』とは、「タイザン5」先生の手で集英社のウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」第1話から第16話まで連載され、2022年4月現在4話まで無料公開となっている漫画です。宇宙外生命体の「タコピー」と地球に生きる「しずかちゃん」の出会いから重苦しいテーマと美しい作画のなかで「しずかちゃんをハッピーにしたい」という願いのもと物語は駆け抜けていきます。

2021年12月10日より連載された『タコピーの原罪』は翌年3月25日の16話をもって最終回とし、その後『タコピーの原罪 上』と『タコピーの原罪 下』が発売されています。Twitterでは毎週配信日に「タコピー」がトレンドになるなど多くの考察や感想、評価、解説のツイートが投稿され話題作となりました。今回はそんな『タコピーの原罪』のうち最終回である16話「2016年の君たちへ」を中心に『タコピーの原罪』を考察していきましょう。

タコピーの原罪の作者

『タコピーの原罪』を生み出した原作者は漫画家の「タイザン5」先生です。「タイザン5」先生はなんと2020年から活動を開始した期待のルーキーで、2020年9月の「ジャンプルーキー!」にて「2020年9月期編集部期待賞」を受賞後、『週刊ヤングジャンプ』の「1億円40漫画賞」では政治部門で佳作を受賞。

そして『タコピーの原罪』では1日のPV数が200万を超えるなど赤丸急上昇の活躍を見せています。『タコピーの原罪』以外の作品には『ヒーローコンプレックス』『キスしたい男』『讃歌』『同人政治』があります。

『タコピーの原罪』コミックス一覧|少年ジャンプ公式サイト

タコピーの原罪の最終回あらすじ(16話)ネタバレ

この章では早速『タコピーの原罪』最終回こと2022年3月25日に公開された16話「2016年の君たちへ」のあらすじをネタバレを踏まえつつ解説し、16話に隠された伏線考察やSNSでの感想、評価も確認していきましょう!

タコピーの原罪の最終回あらすじ

『タコピーの原罪』16話「2016年の君たちへ」は2016年の夏のあの日の朝を「久世しずか」と愛犬の「チャッピー」が迎えるところからスタートします。後述して解説しますがこれは『タコピーの原罪』のある「タイムリープ」のギミックが関わっており16話まで繰り返し描かれていた「タコピー」は登場しません。最終回にしてやっと全く別の道を歩み始めたことが随所から描かれ、「タコピー」は登場しないものの独白の形で物語に花を添えます。

そして、2016年のそれぞれの陰鬱な生活、地獄のような状況は変わらないながらも、「東直樹」はしずかに声をかけることもなく、何故かしずかもそしてしずかを虐める「雲母坂まりな」もまた作文に書かれた"あるひとつの落書き"を見てしずかとまりなはそれぞれ記憶にないはずのそれぞれの雑感を口にし、虐めて暴力をふるう以外の行動が2016年の夏の日に刻まれるのです。

そこから違和感を補い合うようにこの"落書き"…タコのような形をしたいきものについて想像を巡らせ、語り合ううちにしずかもまりなも涙が溢れてくるのでした。そうして何回ものタイムリープ周回をしても話し合うことの出来なかったしずかとまりなはこのタコピーのいない2016年で初めて「本音で語り合う」ことになりました。そんな行動にそこにもういないタコピーは「それが一番大事なことだった」と慈しむように独白します。

それから時が流れて2022年、しずかとまりなと直樹のその後の未来はそれまでのループとは違うものになりました。高校生になったしずかとまりなはお互いの親との複雑な関係を受け止めて2人で歩く道を見つけられ多様です。しずかとまりなに必要だったのは「自分の苦しみを語り合い、理解してくれる存在」、そして直樹に必要だったのも「兄という自分の苦悩をわかってくれ、親との付き合い方を考えてくれる存在」だったのです。

そうして雑貨屋さんでお互いの親のことを口にしながら、談笑するしずかとまりなの手には「タコピー」がループのなかでしずかやまりなを幸せにしたくておすすめした「土星ウサギのボールペン」にそっくりなそれがありました。そんな印象的なシーンで『タコピーの原罪』最終回こと16話「2016年の君たちへ」は幕を閉じます。

タコピーの原罪の最終回を考察

『タコピーの原罪』16話を最大限楽しむためには考察しがいのあるタイムリープの流れと、作者のタイザン5先生が緻密に編み込んだ伏線の数々に注目することがいるでしょう。『タコピーの原罪』は絵柄の柔らかさに反して非常に繊細なSF要素が含まれており、これがまた『タコピーの原罪』の感想や評価を大きく左右する要素になっています。

例えばこの方が考察してくださっているように答えのない伏線が『タコピーの原罪』には無数にあり、「読者が考察すること」「考察した内容を各々の言葉で解説して他者と話し合ってみること」を誘発する非常に上手い構造となっています。自由な考察や解説、そして他者との交流はまさにタコピーが気づいた「ハッピーの秘訣」。16話以前のあらすじに移る前に逆説的に楽しめるよう16話に描かれた伏線をBiBi流に解説・考察していきましょう!

考察①土星ウサギのボールペン

「土星うさぎの声が出るボールペン」は初出は『タコピーの原罪』第1話でしずかに交流を図ったタコピーが取り出したハッピー星産のアイテムです。タコピーはこれを文字通り「声が出る」というアイテムとして紹介ししずかに冷たくあしらわれてしまいましたが、16話ではこのささやかなアイテムがしずかとまりなの話題を繋ぐアイテムとして再登場することになりました。

結果として「地球人をハッピーにしたい」というタコピーの願いは成就したことになります。その上で、どちらもタイムリープとタコピーのとった最後の選択の代償によってタコピー自身を忘れてしまっているという重要なファクターが読者にただのハッピーエンドではないビターな印象と、タイムリープものの醍醐味でもある「タイムパラドックス」を演出している要素として盛り込まれていると考察出来ます。

考察②しずかちゃんとまりなちゃんの爪

同じく16話の最後のシーンには『タコピーの原罪』のその後を暗喩するような興味深いカットが描かれています。それがボールペンを雑貨屋さんで見ているしずかとまりなのカットです。指先に注目すると、「汚い」「生活保護で生かされている」と罵られていたしずかが綺麗におめかしをしてトップコートで整えている爪をしており、対照的に親の傀儡となって虐待をされ心身を擦り減らされていたまりなは短く切り揃えた爪になっています。

これはもちろん設定上の「しずかの美人さ」という要素もあるかもしれませんが、しかしながらしずかが「身だしなみを整えることに興味を持てている」という「チャッピーが生きていればあとはどうでもいい」といった絶望的な死生観からかけ離れたものです。

一方でまりなもまた「母親に縛られ家の中のことを手伝っている」とも取れるものの爪が不自然に割れたり赤切れてしまっている指ではなく綺麗に切り揃えられた爪が示すのは「母親との適切な距離感を保っている」ことの現れとも考察出来ます。

考察③仲直りリボン

『タコピーの原罪』を読んだ読者の方に最序盤で衝撃を与えたであろう「仲直りリボン」。タコピーの「これを使えば仲直りできる」という説明とは裏腹に『タコピーの原罪』第4話「タコピーの救済」ではチャッピーを殺されたしずかが自殺をするために使用されてしまいました。このように『タコピーの原罪』では16話までことごとくハッピー星人が意図した方法ではない悲劇的な方法でアイテムは使われていたのです。

しかし、『タコピーの原罪 上』『タコピーの原罪 下』の表紙が発表された際に16話の展開と呼応して幾つかの説が飛び交うことになりました。ここではふたつの説を解説しましょう!ひとつ目はこちらの方がおっしゃる通り、一見「仲直りリボン」で結ばれているように見えるこの「表紙の帯状のものはタコピーの触手」というものです。

16話のオチを考えれば「道具なんて要らなかった」とも読めるためこれも十分にあり得る説だと考察出来ます。その一方でパッと印象付けられるのが「リボンのようだ」という点が上手い演出と言えるでしょう。

もうひとつの説としては「ループ時空を超えて仲直りリボンの効果は成就した」という説です。『タコピーの原罪』では第1話の「2016年のきみへ」というタイトルから始まり第16話の「2016年のきみたちへ」というタイトルで終わる何度もループする物語です。一般的にも不可逆である時間を繰り返し遡行できるタコピーが取り出す道具はいわばデウスエクスマキナであり、物語を16話までは暗澹としたヴェールの向こうに追いやることになりました。

そんななかでハッピー星人の容姿を観察してみると、この方の仰る通り『Arrival』に登場した「人類に啓示(メッセージ)を与える外宇宙の種族」のようなモチーフであるようにも捉えられますし、そうでなくても「ハッピー星の大時計から好きな時代に時間旅行が出来る」という文明力は土星うさぎのペンのようにループ周回を貫通して別時空にもタイムパラドックスをもたらすと捉えることも出来るのではないでしょうか?

考察④一部の人には百合エンドと言われている?

『タコピーの原罪』16話は実はというと賛否両論の感想や評価が乱立した回でもあります。これに大きく関わっているのはまさにデウスエクスマキナの見えざる手を感じずにはいられない「ご都合主義なハッピーエンド」ともとれる急展開にあり、そんななかで突然16話で浮上した「しずかとまりなの友情」はファンのなかでも話題になりました。

漫画ファンの間で「女の子同士のカップリング」を「百合」と表現しますが、しずかとまりなも恋に落ちたのだ!という感想と苦楽を共にできる友達だ!という感想とが渾然として湧き上がることになったのです。

16話をご都合ハッピーエンドと捉える人、6年間かけて本人たちが努力し乗り越えた友情ハッピーエンドだと捉える人、何も終わっていないメリーバッドエンドだと捉える人、はたまた恋に落ちてループには全くなかった明日へ向かうエンドなど、『タコピーの原罪』16話が読者の想像力を膨らませてくれる自由なエンディングだったことは間違いありません。

考察⑤ハッピー星の掟

後述の章で詳しく考察と解説をさせていただきますが、『タコピーの原罪』には複雑な考察要素として「ハッピー星」という現代人とは全く違う価値観と文明力をもつ星系の種族が登場します。

その価値観の相違が『タコピーの原罪』での悲劇を引き起こしたとも考察出来ますが、タコピーが最後に自ら犯した「ハッピー星の掟」こそ「他の星系の生物を伴わずに帰還してはならない」「親の許可なく時計塔から時間旅行をしてはならない」というものでした。その一方で、ハッピー星で最も尊ばれていたのが「お話しをする」ということだったことが16話で明らかになったのでした。

タコピーの原罪の1話~10話あらすじネタバレ解説

この章では『タコピーの原罪』の16話までのあらすじをネタバレを最小限にはしつつ、どうやって16話に繋がっていくのかという部分にフォーカスして解説していきましょう!併せて各話のSNSでの感想や評価もご紹介しますので気になった方は是非是非『タコピーの原罪』のコミックスをご購入ください。

1話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第1話「2016年のキミへ」ではハッピー星から地球を訪れた生命体「んうえいぬkf」はひとりで佇んでいた少女「久世しずか」と出会い、交流を深めようとします。ハッピー星の摩訶不思議なアイテムたちを勧め代わりに地球のことを学んで「しずかちゃんをハッピーにしよう」と決意するタコピーですが、タコピーからの善意やアイテムに対して「どうせ何も変わらない」と切って捨てるしずか。

そして、タコピーの善意ある思惑とは裏腹にしずかの地獄のような日常は流れていき、愛犬の「チャッピー」の死と凄絶ないじめによって心が壊れたしずかはタコピーから預かった「仲直りリボン」で首を吊り自殺。「別の種族に道具を渡してはいけない」という母星の掟を破った報いが何を引き起こしたかを悟ったタコピーはしずかをハッピーにするという願いと償いのために時間遡行することを決意するのでした…!

こちらの方はSFタイムリープものの黄金率でもありループするための動機でもある「時間は不可逆であり死者は蘇らない」という前提が第1話で提示されたことで、「取り返しのつかないことになった」という事実と最終話で悪い方向に転びそうな予感がして面白くなってきたと感想と評価を述べています。

2話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第2話「タコピーの冒険」ではついにタコピーがしずかが自殺を選んだ直接的な理由である「雲母坂まりな」と「へんしんパレット」を使用して言葉を交わし仲直りをさせようとします。

しかし、憎悪に駆られたまりなに恐怖を覚え足がすくむなどニンゲンの憎悪からくる暴力という異文化を身をもって経験することになってしまいました。そんななかでも諦めず奔走するタコピーは学級委員長の「東直樹」とも遭遇することになり、水面下ではまりなの家庭問題が描かれていくのでした…!

『タコピーの原罪』第2話から一気に陰鬱な展開のなかでも直接的な表現が増え、「しんどい」「エグい」「これはエンタメにすべきではない」といった低評価とこの方のように「エグいけれども漫画として上手いから惹き込まれる」という評価を感想として述べている方もいるというカオスな状態となっていました。

3話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第3話「まりなキングダム」では自殺に至る本当の理由であった「チャッピーとの別離」がなぜしずかに訪れたかが描かれています。何回繰り返してもまりなの策略によりチャッピーは保健所に連れて行かれるという展開が自殺に繋がるのだと理解したタコピーは「パパのところに連れていきチャッピーに会わせる」と約束しなんとか自殺を阻止しますがそれがまた新たな悲劇へと繋がっていきます。

こちらの方は『タコピーの原罪』第3話を読んで「ループして世界線移動をしているなら救われない世界線がその数だけ存在する」というタイムリープものの醍醐味でもあり悲劇でもあるテーマ性について思いをはせる感想を述べています。この辺りからTwitterでの感想も「ご都合だ」という評価や「繰り返しても無駄」という悲観的な評価が上がりそれとともにアクセス数が伸びたことで『タコピーの原罪』に興味を持つ層が増えていきました。

4話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第4話「タコピーの救済」では、第3話まで恐怖の対象であったまりなの側に立った家庭事情の描写が掘り下げられ、しずかとの因縁やいじめに至った理由が明らかにされていきます。そんななかで、「お父さんを返せ」と迫りしずかの死を望むまりなを目の前にしてタコピーは咄嗟に「ハッピーカメラ」でまりなを撲殺してしまい、頼みの綱であった時間遡行可能な道具を失ってしまうのでした…!

こちらの方は悲劇的で衝撃的であった第4話に対して「いじめっ子の末路」という面において「殺されるくらいなら殺せ」という道理の上で起きてしまった実際の刺殺事件と重なるところがあると評価しています。

このように『タコピーの原罪』はリアリティがある生々しい人間描写と台詞回しから読者を一気に引き込む面を持っている恐ろしい作品だという評価や感想は後を絶ちませんでした。ここから『タコピーの原罪』は汚濁のように悲劇が悲劇を呼びながらも歪んだ人間関係への解決と幸福を探して転がっていきます。

5話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第5話「東くんの介在」ではしずかを心配して後を追ってきていた直樹がまりなの死とタコピーの存在を知り、そしてこの事件に関わっていくことになります。この普通に考えれば不自然な介入は実は直樹の家庭問題が絡んでいたことが後々明らかになっていきます。そうした原因を抱えた直樹はしずかからの「お願い」に応えるべく死体を隠蔽する方法を探すことになるのでした…!

こちらの方は第5話に関して、しずかの放ったセリフの真意としずかの中に巣食う魔物のような闇深い思想から今後の展開について考察しています。第5話のあたりからTwitterでは今後の展開を予想する考察ツイートが一気に増え、またミステリーものとしても面白いという評価や感想、そして考察内容を解説するツイートが散見されるようになってきました。

6話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第6話「東くんの冒険」では、まりな殺害の隠蔽とチャッピーを探すべく東京にしずかを連れて行くという小学生には重すぎるお願いに懸命に応えようとする直樹の身辺がより深く掘り下げられていきます。また、「へんしんパレット」を使ってまりなになりすましたタコピーは一方でまりなの家の歪みのなかに身を投じることになってしまいます…!

4話まで被害者として描かれていたしずかが段々と壊れたように普通では考えられない言動を繰り返すさまに6話では「怖い」「しずかが悪い」などの感想や評価も上がりますが、一方で丁寧に生々しく描かれていく3つの家庭の歪みから子どもたちがなぜそんな認知の歪みを持っているのかを考察し解説するツイートも次々と上がりました。

また、実際に類似した体験をしたサバイバーの方やヤングケアラーの方が実体験を語たり合ったりするなどの現象も見られたのも『タコピーの原罪』のWEB配信の強みであり巧妙な点でもありました。

7話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第7話「タコピーの告解」では夏休みになったら北海道から東京へ向かうのだという壮大で途方もない計画の裏でまりなに変身したタコピーとまりなの両親のエピソードが描かれていきます。しずかを狂わせ死に追いやってしまった遠因となる人々という距離感から当たり前にあった日常の痕跡が描かれ、そして「ある言葉」を投げかけられたことでタコピーは自分がしてしまった「まりなを殺したこと」に初めて罪の意識を覚えます。

第7話を読んだこちらの方はそれまで無邪気で無知であったタコピーに「謝罪」という概念があったことに触れています。またこの第7話では「ある言葉」を放ったキャラクターに対して「どこまで知っていたのか」を考察するツイートやセリフからの伏線を解説するツイートが散見されました。

8話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第8話「しずかキングダム」ではついにまりなちゃんの死体が発見されてしまい、警察という外部の大人たちがどんどんと包囲網を狭めていきます。そんななかで直樹の家庭でも暗雲が立ち込め、精神を病んで絶望する直樹にしずかは「タコピーの代わりに自首をしてほしい」と最後のお願いを投げかけるのでした…!

第8話では「タコピーが何を知っていて何を理解出来ていないのか」や「しずかはどこまで想定の上で直樹にお願いをしたのか」などの考察がなされ解説ツイートなども投下されていきました。異星人の精神構造が描かれた後の地球人の殺人に対する罪と習わしの描き方は刺さるものがあったという評価や感想も上がっていました。

9話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第9話「大丈夫」は直樹の過去回想がメインの回です。直樹がどうして普通に考えれば異常なしずかのお願いに応え続けてしまったのか?そして直樹が病んでしまった根幹にはどんな道理があったのか、そして兄である「東潤也」が直樹にとってどんな人物であったかが懇切丁寧に1話かけて掘り下げられていきました。

第9話では「子ども自体の目線から描いた事実」と「現実」のフィルターの違いを指摘し解説するツイートが散見されました。またそういった「認知の歪み」とも言える心象描写が素晴らしいという評価や感想も見られ、この直樹の回想シーンから「実際に起きてることと描かれていることが異なることがある」という考察のヒントを得たという方々もいました。

10話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第10話「東くんの救済」では、回想シーンを踏まえ今まさにしずかが自殺したように取り返しのつかない選択をしようとしている直樹にスポットが当てられ、そんな直樹の後ろ暗い決意に兄である潤也という「見守ってくれる存在」が光と救済をもたらす様が描かれています。このシーンは16話の解釈にも繋がる印象的な回だとも言えるでしょう。

『タコピーの原罪』第10話では多くのファンが構図選びの美しさや巧妙さを大絶賛する感想や評価が溢れ、「このままハッピーエンドに行ってくれ!」などの願うような感想も散見されました。

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タコピーの原罪の11話~15話あらすじネタバレ解説

この章では引き続き『タコピーの原罪』の後半戦のあらすじをTwitterであがっていた考察や感想を交えながら解説していきましょう!

11話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第11話「日本縦断しずかツアー」ではついにしずかとタコピーが東京のしずかの父のもとへ辿り着きます。チャッピーにもう一度会いたいという願いだけで生き残ってきたしずかが見たのは今まで認めなくなかった真実であり、精神崩壊したしずかはついに「あってはならないこと」をしてしまうのでした…!

第11話は分かっていた嘘の破綻ではあったものの最悪の展開になってしまったという阿鼻叫喚な感想がTwitterを埋め尽くしました。その一方で歪み切ったしずかの挙動を裏付ける細やかな描写に「この子怖い」と完全に加害者、あるいはモンスターだと評価する感想も上がったのが11話です。

12話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第12話「2022年のきみへ」では、時系列が変わりまりなとタコピーの出会いと2022年のまりなと母親の関係性が掘り下げられていきます。この2022年の時系列ではしずかは「自殺未遂の末、この地を去った」とされておりそれによりまりなの家にも影を落としたことが描かれていました。

しずかの欠けた群像のなかで徐々に崩壊していくまりなの家が描かれる第12話ではどんどんと生々しくなるまりな母の描写に何が起きたのかなどを考察するツイートやスピリチュアルや似非科学といった現代で問題となっている事象を盛り込むうまさを評価する声が上がりました。

13話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第13話「タコピーの原罪」ではこの原罪がなんであったのかを想像させる決定的なシーンが描かれそして2022年の時系列で何が起きてしまったのかの悲劇的なオチがついに出てきてしまいます。

「しずかの自殺を止めたかったタコピー」、「幸せだった家庭を取り戻したかったまりな」そして「タコピーやしずかに巻き込まれる形で歪んだループの中心に立つことになってしまったしずか」などの因果関係が描かれて16話に至るための伏線が一気に配置されていきます。

第13話では支離滅裂で歪み切った認知ながらどちらが悪いのか混乱してしまうような巧妙な描かれ方に舌を巻く評価や感想が相次ぐと同時に「ハッピーエンドが見えない」といった悲鳴も方々から上がりました。

14話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第14話「直樹くんの介在」では2022年の時系列から再び2016年の東京へ行った後の時系列として北海道に戻ってきてしまったタコピーに兄の救いもあり前を向き始めた直樹は「ある言葉」をかけ、タコピーはこの曲がりくねった贖罪の道に活路を見出すヒントを見ることになります。

第14話はファンのなかでも評価が高い回であり、Twitterでも口々に「最高だった」「頑張れ、ハッピーエンドをつかめタコピー」といった応援する声が多く上がりました。直樹の語った内容自体も「認知の歪みへの立ち向かい方」に通じる点があると解説する声もあり、いい意味のカオスがまた訪れたのです。

15話あらすじネタバレ

『タコピーの原罪』第15話の「しずかちゃん」ではついにタコピーが狂気に堕ち絶望したしずかに向き直り恐怖を抑えてしずかの「ずっと耐えていた本音」が明らかになります。その言葉を聞いたタコピーは16話に繋がる「ある選択」を心の底からの願いとして選ぶことにしたのでした…!

真に傷付き苦しみ救いを求める無力な子どもの心をどう救えばいいのか…その問いへの答えを探すような第15話を読んだファンはタコピー自身の成長に応援する声と、どうなってしまうのかという困惑とで最終回を待つことになりました。

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タコピーの原罪の登場人物・キャラ一覧

この章ではあらためて『タコピーの原罪』に登場する主な人物たちについて因果関係を確認していきましょう。

登場人物一覧①タコピー

「んうえいぬkf」こと「タコピー」は「ハッピー星」というまったく地球とは価値観も文明力も異なる星からやってきた不思議な生物です。ニンゲンの言葉を理解し、「他者をハッピーにする」ことを至上としてしずかやまりな、直樹と関わっていきましたが「ハッピー星の掟」に抵触するいくつかの選択から『タコピーの原罪』の悲劇は複雑化していきます。

登場人物一覧②久世しずか

「久世しずか」(くぜ-しずか)は、『タコピーの原罪』の主人公の1人であり、2016年側の時間軸で初めてタコピーと接触した少女です。複雑な家庭環境といじめから父が残した愛犬の「チャッピー」しか救いを求められる相手がおらず、チャッピーを巡る悲劇の末に自殺を選んでしまいます。

登場人物一覧③雲母坂まりな

「雲母坂まりな」(きららざか-まりな)は主人公の1人であり、2022年側で初めてタコピーと接触した人物です。しずかの母親に懸想して家庭を顧みなくなった父親と父親との諍いで精神崩壊していく母親を見ながらしずかへの復讐を誓い、しずかを殺すという決意をしてしまいます。

登場人物一覧④東直樹

「東直樹」(あずま-なおき)は『タコピーの原罪』の主人公の準主人公にあたる少年で、しずかを助けたいと願いこの歪んだ関係に巻き込まれることになり、またタコピーが最後の選択をするきっかけを作ることになりました。

タコピーの原罪のタイトルの意味やテーマを考察

この章では16話まで至る道のりを踏まえて『タコピーの原罪』に込められたタイトルの意味や原罪の意味を考察していきましょう!

考察①タコピーの原罪のタイトルの意味

『タコピーの原罪』というタイトルはいったい何を指しているのかについてはこれもまた作品中には明確な答えがなく読者が想像して考えられる余地が与えられています。

『タコピーの原罪』と言えるものとしては「母星の掟に叛いたこと」「しずかに嘘をついたこと」「まりなを殺してしまったこと」「まりなを守るという約束を反故にしたこと」「救済を押し付けたこと」など様々なものが考えられます。そのどれを原罪と取るかもまたこの物語を自由に読み解くためのエッセンスとなっているのは間違いありません。

考察②タコピーの原罪のテーマ

『タコピーの原罪』は、「いじめ」「認知の歪み」「機能不全家族」などの複雑な事情が横たわるものの、そういった要素をさっ引いて16話を読む場合は、苦境に晒される3人の子どもたちと宇宙生物の心の交流というジュブナイルものだという見方も実は出来るともいえます。

16話の顛末を見るに作者のタイザン5先生が描きたかった「原罪」と赦しはまさに認知の歪みによって「心のなかに地獄を作ってしまうこと」であり「心を通わすために各人が勇気を出して思ったことを言葉にし、寄り添い合うこと」で赦しを得るとも読み取れるでしょう。

タコピーの原罪に関する感想や評価

最後に『タコピーの原罪』を16話まで読んでみてTwitterではどのような声が上がっていたかを少しだけ覗いてみましょう!

こちらの方は『タコピーの原罪』が現実社会に横たわっている重々しい話題のなかで生きていく術や「幸せとは何か」といった問いかけへのヒントを感じるとの感想をあげてくださいました。

こちらの方は子どもたちの成長とタコピーの成長という両面の方向から悲劇の乗り越えていった『タコピーの原罪』を読んでよかったと語っています。

こちらの方は『タコピーの原罪』を読んで考察ツイートや評論するような硬苦しいツイートが溢れた後に16話を経て「百合エンドだったのか否か」という枝葉の部分で盛り上がってくれたことがTwitterらしくてホッとしたとの感想をあげています。このように生々しい悲劇から解放されて16話のエンディングを迎えられた安堵感を語る方は多くいます。

タコピーの原罪の最終回まとめ

『タコピーの原罪』の最終回こと第16話「2016年のきみたちへ」の解説や考察の紹介はいかがでしたか?さまざまな解釈、さまざまな読み捉え方の出来る自由な作品となっていますので、気になる方は原作コミックスに触れて何周も読み込んでみると楽しいかもしれません。

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