【メタモルフォーゼの縁側】ネタバレあらすじと感想！BLを通じた年の差58歳の友情

漫画「メタモルフォーゼの縁側」は、ひょんなことからBL漫画の面白さに目覚めた75歳の老婦人と、BLが趣味の17歳の女子高生の交流を描いた作品で、2022年6月17日には、実写映画が上映予定です。以下では、「メタモルフォーゼの縁側」の漫画あらすじネタバレや、登場人物のあらすじネタバレ、作品の面白い魅力、「メタモルフォーゼの縁側」に関する感想を、あらすじネタバレ紹介します。

鶴谷香央理先生の漫画「メタモルフォーゼの縁側」は、2017年～2020年にかけて、ウェブコミック配信サイト「コミックNewtype」で連載されていた作品です。2022年6月17日には、芦田愛菜さん主演による実写映画「メタモルフォーゼの縁側」が上映予定です。

「メタモルフォーゼの縁側」の作者・鶴谷香央理先生は、富山県出身の漫画家で、2007年に、第52回ちばてつや賞・準大賞を獲得した「おおきな台所」でデビューを果たします。代表作である「メタモルフォーゼの縁側」は、BL漫画を通じて育まれる年の差を越えた友情の物語が話題を呼び、このマンガがすごい!2019・オンナ編1位に選ばれました。

以下では、BL趣味を通じて、年の差を越えた友情を育んだ市野井さんとうららの交流や、ほのぼのした日常に癒される、「メタモルフォーゼの縁側」の漫画あらすじネタバレを紹介します。

ある夏の日、久々に外に繰り出した75歳の市野井雪は、行きつけの喫茶店の閉店を受け、日差しを避けるためにある本屋へ立ち寄ります。すると、きれいな絵が描かれたコミックスが目に留まり、探していた料理本と共に購入します。レジ係を担当する高校生アルバイト・佐山うららは、市野井さんが持ち込んだコミックスがBLであることに気が付くと、カバーをつけようかさりげなく聞きます。

しかし、表紙の絵にひかれてコミックスを手に取った市野井さんは、本の中身がBLであることを露知らず、うららの気遣いを断わり、本屋を後にしました。うららは、市野井さんが購入したコミックスの内容について教えようと思い立つも、内気で口下手な性格から、言い出すことが出来ませんでした。

一方、自宅へ戻った市野井さんは、きれいな表紙のコミックスがBLものだったことをはじめて知り、衝撃を受けます。市野井さんが買ったBLは、男子高生同士の恋愛模様を描いた「君のことだけ見ていたい」という作品で、初めて見るBLの世界に頬を赤らめながらも、その独特の世界観にすっかり魅了されてしまい、病院へ向かう前に2巻を購入し、長い待ち時間を利用して続きを読みはじめます。

すると、漫画の続きが気になってしまい、病院の帰りに再び本屋へ向かいます。レジにはちょうどうららが入っており、「君のことだけ見ていたい」の3巻目があるか聞きます。うららは、この前、BLを買ったお客さんだと直感し、3巻は在庫がないため、取り寄せることにしました。

その後、BLという共通の話題を持つうららと市野井さんは意気投合、いつしかBLコミックを語り合う仲となり、「君のことだけ見ていたい」の作者・コメダ先生も参加する、コミックイベントへ向かいます。

同人誌即売会の会場は、コアなファンで溢れかえっていたものの、市野井さんはそんなことをものとせず、初めて見る光景や体験に心を躍らせ、同人誌を購入するなど、コミケを楽しみます。その後、お目当てのコメダ先生と握手を交わした市野井さん・うららでしたが、御年75歳の市野井さんは、自分が死ぬ前に作品を読み終えたいとの思いから、単行本刊行のペースを早めて欲しいとリクエストします。

その後、1人暮らしの市野井さんの家に、アメリカから一時帰国した娘・花江が訪ねてきます。3年前に夫を亡くして以来、1人で暮らす母親を心配する花江は、自分の家族のいるアメリカへ母親を連れて行こうと説得を試みます。一方、うららの方は、幼馴染の紡のことが気になり、BLのキャラを自分に重ねていました。

BLを愛読する友達として交流を深めるうららと市野井さんは、冬のコミケに行く約束をするも、遠い会場まで市野井さんを連れていき、かつ人混みの中へ入っていくことは、市野井さんの身体を考えると過酷なものであり、うららは勉強を理由に、冬のコミケへの参加をキャンセルしました。市野井さんが終活の準備を進めている頃、うららは自分の将来や受験について悩んでいました。

そんな中、年齢をものとせず、新しいことに次々と挑戦していく市野井さんの姿に影響され、うららは同人誌の即売会に出ることを決意、漫画を描き始めます。

漫画を描き始めたのは良いものの、思うように事が運ばず、うららの漫画を描く気力は一気に落ちます。しかし、同人誌の即売会への誘いを受けた市野井さんの様子から、何かが吹っ切れたたうららはやる気を回復し、一冊分の漫画を完成させます。同人誌の販売に向けた準備が進められる中、市野井さんも新しい洋服を買ったり、スマホに買い替えたり、その日を楽しみに待ちます。

うらら・市野井さんの同人誌即売会は、3冊300円と芳しくない結果となったものの、その300円はうららにとって特別な金額となり、また、うらら・市野井さんの同人誌は、2人を結び付けたコメダ先生の手にもわたりました。そして、うららは受験勉強に追われ、市野井さんも10日間ほど娘の暮らす海外へ行くこととなるも、その合間に、コメダ先生のサイン会へ足を運びます。

2人を結び付けたBL漫画「君のことだけ見ていたい」も完結を迎え、コメダ先生の漫画のおかげで年の差を越えた友情を育む事が出来たと、コメダ先生へ感謝の言葉を送ります。そして、5ヶ月後、うららは大学生となり、市野井さんは海外の娘夫婦の元で新たな生活を送っていました。

「メタモルフォーゼの縁側」と言えば、あらすじネタバレのようにBLを通じた友情が挙げられますが、市野井さんとの出会いを通じて自分を変えていく、うららの成長も見どころも1つです。以下では、「メタモルフォーゼの縁側」の面白い魅力やみどころを、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

うらら・市野井さんの友情が生まれるきっかけとなった劇中漫画「君のことだけ見ていたい」は、口下手で不器用な男子2人の甘酸っぱい恋模様を描いた作品であり、「メタモルフォーゼの縁側」の隠れた魅力となっています。市野井さんの興味を引いたきれいな表紙や、「メタモルフォーゼの縁側」の読者も夢中になってしまう世界観が見どころです。

年の差58歳の女子高生・おばあちゃんの友情を描いた「メタモルフォーゼの縁側」は、共通の趣味がBLという設定がインパクトを与える一方、物語全体はBLについて語り合ううらら・市野井さんの穏やかな日常を描いた、のほほんとした雰囲気も特徴です。BL好きという設定を感じさせない穏やかな世界観や、ゆったりした展開でありながら、漫画を読む手が止まらない、不思議な魅力に富んだ作品です。

漫画「メタモルフォーゼの縁側」と言えば、年の差58歳のBL友達というイメージが強いですが、年の離れたBL友達との出会いを通じて変わっていく、女子高生の主人公の成長も欠かせません。口下手で人見知りな性格のうららは、周囲にBL好きを公言することができず、共通の趣味について話せる友達が近くにいませんでした。

しかし、偶然手に取ったコミックスからBLの面白さに目覚めてしまった老婦人・市野井さんとの出会いは、うららにとって初めてできたBL趣味の友達であり、やがてうららの心境にも変化が訪れます。これまでは、同級生と比較したり、「自分なんか」と消極的な性格が強かったうららでしたが、年齢を気にすることなく、新しいことにチャレンジしていく市野井さんの行動力は、うららにも大きな影響を与えました。

何か新しいことを始めようと思っても、「もう歳だから」「今さら初めても遅い」など、挑戦することをためらってしまうことが多く、佐山うららもその1人でした。しかし、70歳を過ぎてもアクティブに挑戦する市野井さんの姿は、うららに挑戦することも楽しさや活力を与え、うららを精神的な成長を促します。

「メタモルフォーゼの縁側」の最大の見どころである、市野井雪とうららの年の差58歳の友情は、2人が知りあったきっかけから驚きの連続であり、共通のBLを話し合う光景は少し奇妙に聞こえるでしょう。しかし、共通の趣味を共有しあう2人の姿からは、心が温まるような穏やかな雰囲気が醸され、読み手をほっこりした気分にさせてくれます。

以下では、漫画「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物・キャラクター一覧を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

「メタモルフォーゼの縁側」の主人公で、書道教室を営む75歳です。きれいな表紙にひかれて「君のことだけ見ていたい」を購入するも、はじめはBLものだと知らず、読み始めて赤面してしまうものの、次第にBL世界の面白さに目覚めていきます。私生活では、夫を3年前に亡くして以来、1人暮らしをしており、メタモルフォーゼの縁側・最終回にて、娘夫婦の暮らす海外へ引っ越しました。

「メタモルフォーゼの縁側」のもう1人の主人公で、駅前にある本屋・ブックスナカでアルバイトをする女子高生です。引っ込み思案な性格から、学校では好きなことを話せる友達がらず、孤独な日々を送っていたが、ひょんなことから市野井さんと知り合い、共通の趣味であるBLを通じて交流を深めていきます。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、うららの幼馴染・紡の彼女です。紡とうららの仲良さげな姿を見て、うららへの嫉妬をのぞかせています。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、うららの幼馴染です。学校で人気のイケメン男子高生であり、のんきに見えながら、少しやんちゃな一面もあります。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、市野井雪の娘です。海外で生活しており、あらすじのように、日本で1人暮らしを続ける母親を心配しています。自分たちの家族と同居することを母親にすすめており、「メタモルフォーゼの縁側」の最終回にて、母親を海外の自宅に呼び寄せました。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、市野井さんの書道教室に通う少年です。書道教室では、難しそうな字を練習しています。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、劇中のBL漫画「君のことだけ見ていたい」の作者です。市野井さんとうららがBL趣味友達となるきっかけを作った人物であり、コミケで2人との対面を果たしました。1年半に1冊のペースで連載をするため、市野井さんからもう少しペースを上げて欲しいとリクエストされました。

「メタモルフォーゼの縁側」の終盤にて、自身の連載漫画も完結を迎え、握手会にはファンの市野井さんとうららが駆けつけ、2人が友達になれた作品を生んできたことに感謝を述べられました。また、劇中では、コメダ先生が、漫画家を目指すきっかけも語られ、高校時代に某テニス漫画に出会ったことで、絵を描き始めたと話しています。

「メタモルフォーゼの縁側」の登場人物で、「君のことだけ見ていたい」の作者・コメダ先生のアシスタントです。本業の傍ら、同人誌でも活動していることが示唆されています。

以下では、BL漫画を通じた年の差58歳の友情や、ほのぼのした世界観に癒される、「メタモルフォーゼの縁側」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

BL趣味や、年の差58歳の友情という斬新な設定が話題を呼んだ「メタモルフォーゼの縁側」は、あらすじネタバレのように、BLを通じて交流が始まった主人公・2人の穏やかな日常や、心温まるエピソードが人気を集めています。また、ファンの感想の中には、優しい雰囲気に包まれて、涙が止まらない、心が浄化されたような感覚を覚えたとの声も見られます。

漫画好きの興味をひく斬新な設定が持ち味の「メタモルフォーゼの縁側」ですが、あらすじネタバレのように、劇中でのBL要素は少なく、共通の趣味を通じて育まれる世代を超えた友情や、ゆったりした世界観が、読者の心を和ませています。ありそうでなかったBL趣味という設定や、リアリティあふれるストーリーは、男女問わず人気を集め、漫画が面白いとの感想が相次いでいます。

劇中漫画「君のことだけ見ていたい」は、市野井さんとうららが趣味友達になるきっかけとなったBL漫画であり、やがて2人の人生にも大きな影響を与えました。特に市野井さんは、コメダ先生の漫画と出会えたことにすごく感謝しており、市野井さんのコメダ先生への感謝の言葉は、読者の涙を誘う感動の名言として支持され、「どこまでもやさしい作品」と評する感想も寄せられています。

「メタモルフォーゼの縁側」の漫画あらすじネタバレ、登場人物・キャラのあらすじネタバレ、作品の面白い魅力や、「メタモルフォーゼの縁側」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介しました。BLを通じた年の差の友情物語は、強烈なインパクトを与えながら、中身は老婦人と女子高生の交流を穏やかに描き、読み手の心をほっこりさせる、温かいヒューマンドラマです。