【無職転生】クレアはルーデウスの祖母！娘のゼニスを誘拐したのは治療のため？

無職転生にてルーデウスから見て母方の祖母に当たる人物がクレアです。今回はそんな無職転生のクレアについてまとめて紹介していきます。

クレアが登場する無職転生～異世界行ったら本気だす～は2012年から2015年までの間、小説投稿サイト「小説家になろう」にて理不尽な孫の手先生が連載していた後に「小説家になろう」の主要ジャンルとなる「異世界転生モノ」の先駆けと言われる作品です。小説家になろうサイト上にて高い人気を獲得した本作は2014年にはKADOKAWAのMFブックスレーベルから書籍化が行われる事になりました。

無職転生の原作小説とも言える書籍版は2022年3月現在も連載中で書籍版とほぼ同時に行われたコミカライズも継続して行われています。またコミカライズ版ではヒロインの1人ロキシーを主人公に据えたスピンオフ作品「無職転生～ロキシーも本気だす～」を始め多数のスピンオフ作品を展開、2021年には分割2クールでアニメ化も行われるなど高い人気と評価を得ている作品です。

引きこもりで無職だった主人公は両親の死をきっかけに兄弟に家を追い出されトラックに轢かれて異世界に転生する事になります。パウロとゼニスの子ルーデウス・グレイラットとして前世の記憶を持ったまま転生した主人公は前世での後悔から今度こそ懸命に生きると決め、その世界に存在する魔法を覚えるなど少しずつ成長していく事になります。

クレア・ラトレイアは無職転生の主人公ルーデウスの母方の祖母に当たる人物です。夫カーライルが伯爵号を持っているので普段はラトレイア伯爵夫人と呼ばれる事も多いです。ミリス神聖国に家があり、普段は家になかなか帰る事ができない伯爵に変わって家を切り盛りしています。見た目は白髪交じりの金髪が特徴で神経質で意固地、厳しく見栄っ張りな性格を体現したお婆さんです。

無職転生本編ではゼニスが既に家を出ている事もあり目立ちにくいですがクレアは無職転生でも冒頭から活躍するシーンがあります。

無職転生の物語序盤でのクレアの活躍はフィットア領転移事件の時です。この時、パウロはノルン以外の家族と離れ離れになってしまい家を含めた財産を失ってしまいます。元々出奔したノトス・グレイラット家に頼れないパウロが頼った先が妻ゼニスの実家であるラトレイア家でした。クレアは娘のゼニスも行方不明である事を聞くと夫のカーライルを説得しお金と人を出させています。

そんなクレアですが、実は一時不仲になっていたノルンとアイシャが不仲になる原因を作ったのがクレアだったりします。クレアはゼニスもそうであるように敬虔なミリス教徒であり、本来であれば妾の子であるアイシャを認める事はできません。ただクレアは家族への愛情を優先してアイシャも変わらず育てようとします。

しかし元々ミリス教徒であるクレアの教育はどうしてもアイシャに対して「妾の子」である前提を忘れさせる事はなく、ミリス教の教義を優先してしまう為、結果的にノルンとアイシャそれぞれにお互いに対するコンプレックスを植え付ける結果になってしまいました。ちなみにこの教育方針に関しては実の娘であるゼニスやテレーズからも反発を受ける結果になっています。

フィットア領転移事件にて行方不明になったゼニス。ルーデウスやパウロ達が命がけで迷宮を攻略した事でなんとかゼニスを救出する事には成功しますが、ゼニスは長く魔力結晶に閉じ込められた影響で心身消失状態にありました。この事を知ったクレアは実の娘であるゼニスを助けようと様々な文献を探し漁ります。

そうしてようやく見つけたのが200年前に耳長族の女性が多数の男性と交わる事で回復したという文献でした。眉唾な治療法ですし、あくまでも回復したというだけで明確な治療法ではありませんでした。

実の娘で試しにやってみるにはあまりにおぞましい治療法を発見してしまったクレアは悩みます。クレアもゼニスも敬虔なミリス教徒であり、「1人の相手を愛すべし」という教義に反する事もクレアの悩みに上乗せされます。仮にゼニスがその治療法で治ったとして、周囲のミリス教徒からはもちろんもしかしたらゼニス本人にすら後ろ指を刺される可能性があったのです。

そうなれば現在の暮らしを続ける事すら難しい可能性もあります。しかし他に頼る術が見つからずついにクレアはこの治療法を試す事を決意します。しかしルーデウス達孫にまでそういった風評被害が飛ぶ事を嫌ったクレアは完全にクレア自身の責任にするべく実の娘であるゼニスを誘拐するという手段を取る事にしたのでした。

クレアがゼニスを誘拐した事に誘発してルーデウスが記憶の神子誘拐事件を起こしてしまいます。この事件の結果、そもそものルーデウスの行動のきっかけを作ったクレアが断罪されそうになります。しかしそれを庇ったのがほかならぬゼニスでした。結果クレアは不問とされますが、クレア自身が罰を望んだ事でルーデウスから「教育方針に口を出さない事」「魔族融和派になる事」を罰として受ける事になります。

廃人同然と思われたゼニスですが、実はゼニスは表情や言葉を失っていただけで状況の判断などはしっかり行う事ができる状態にありました。むしろそんな状態だった為、仮にクレアがゼニスに治療法を試していたらそれこそ廃人になっていてもおかしくない状態でした。

ルーデウスからみて母方の祖父に当たるクレアの夫がカーライル・ラトレイアです。神殿騎士団「剣グループ」の大隊長を務める人物で、白い髭を蓄えた深い皺をしている顔つきと、そんな年齢を感じさせない鋭い眼光が特徴のキャラになっています。ゼニス誘拐事件の際には最初はラトレイア家とルーデウスを守るべく妻のクレアを守ろうとしませんでしたが、ゼニスがクレアを庇ったのをきっかけに真相を話す事になりました。

クレアの娘でゼニスから見ると妹に当たるのがテレーズ・ラトレイアです。ルーデウスから見ると叔母に当たります。神殿騎士団「盾グループ」の中隊長を務める人物で、ミリス教団魔族排斥派に属していますが、ルーデウスが世話になったルイジェルドを見逃すなど融通の利く人物です。

ここからは既に小説版無職転生にてクレア関連のエピソードを読んだ人の感想を紹介していきます。クレアはルーデウスの祖母であり明確に敵対したキャラクターではありませんが家族故のわだかまりや教育方針での対立などを描く為のキャラクターになっています。根底にある家族愛とそれが見え隠れする様子が見ていてハラハラするという声が多いキャラクターになっています。

特にクレアの気質は昭和世代の祖父母を持つ人からは既視感があると言われる程に作り込まれたキャラクターになっています。こういったエピソードを無職転生という小説の中でしっかり描かれているのが凄いという声も多くなっています。

クレアが本格的に活躍するエピソードはフィットア領転移事件発生から数年後と言われるゼニス救出後の後という比較的後の方になっている事もあって2021年に放送されたアニメ1期ではまだアニメ化されていません。同時に2022年3月に無職転生アニメ2期の製作が発表された事もあり、クレアが絡むエピソードをアニメでみたいという声も多くなっています。

無職転生のクレアは無職転生の主人公ルーデウスの祖母に当たる人物で、家族愛は深いながらもその深さ故にトラブルを起こしてしまうキャラクターです。分かりにくい愛情は昭和のお婆さんそのものという声もある程で、既視感を覚えたという読者もいるほどのキャラクターになっています。まだ無職転生を読んでいない人はクレアのエピソードにも注目しながら手にとってみてはいかがでしょうか？