【アルテ】漫画のあらすじをネタバレ解説!各巻の見所や登場キャラクターも紹介

2020年にアニメ化された「アルテ」は、16世紀のイタリア・フィレンツェを舞台に、女性画家・アルテの活躍を描いた歴史漫画で、逆境に立ち向かうヒロインや、師匠・レオをはじめとする人々との交流、作画クオリティの高さが注目を集めています。本文では、「アルテ」の漫画あらすじネタバレや各巻の見所、登場人物・キャラのネタバレ、人生の教訓にしたい「アルテ」の名言などを、ネタバレ紹介します。

【アルテ】漫画のあらすじをネタバレ解説!各巻の見所や登場キャラクターも紹介のイメージ

目次

  1. アルテとは?
  2. アルテの漫画1巻~10巻のあらすじ・見所をネタバレ解説
  3. アルテの漫画11巻~14巻のあらすじをネタバレ解説
  4. アルテの登場人物・キャラ一覧
  5. アルテの名言や名セリフ集
  6. アルテの面白い魅力
  7. アルテに関する感想や評価
  8. アルテの漫画ネタバレまとめ

アルテとは?

漫画「アルテ」の紹介・イメージ画像

漫画「アルテ」は、ルネサンス文化が花開いた芸術の都・フィレンツェに生まれ、女性でありながら画家として活躍する貴族の娘・アルテの成長や奮闘を描いた歴史作品です。以下では、漫画「アルテ」のあらすじネタバレや、登場人物・キャラのネタバレ、「アルテ」の名言や名セリフ集、作品の面白い魅力などを、ネタバレ紹介します。

アルテの概要

大久保圭先生の漫画「アルテ」は、2013年からコアミックス刊行「月刊コミックゼノン」にて連載されている作品で、単行本は2021年8月時点で計15巻が刊行されています。物語は、ルネサンス文化が花開いた16世紀のイタリア・フィレンツェを舞台に、裕福でない貴族の娘・アルテが、女性画家として成長していく姿を描いた作品です。

アルテのアニメ化

「アルテ」のアニメ化は、2020年4月~6月にかけて放送され、主人公・アルテ役は、声優の小松未可子さんが演じました。アニメ版「アルテ」は、原作漫画1巻~8巻までを元に制作され、原作通りのストーリー展開となった一方、アニメ最終回は、レオの代行としてアルテが教会の天井画を描くという、アニメオリジナルのストーリーで締めくくられました。

アルテの漫画1巻~10巻のあらすじ・見所をネタバレ解説

アルテの漫画1巻~10巻のあらすじネタバレ紹介・イメージ画像

「アルテ」の舞台である16世紀のヨーロッパは、まだ女性の社会的地位が低く、結婚したら家庭に入ることが当たり前とされ、貴族の娘であるアルテも例外ではありませんでした。女性という理由だけで、あらゆる障壁がアルテに立ちはだかるも、持ち前の根気と努力で数々の逆境を乗り越えていきます。以下では、漫画「アルテ」から、漫画1巻~10巻のあらすじ・見所をネタバレ解説します。

1巻あらすじ・見所ネタバレ

ルネサンス文化が花開いたイタリア・フィレンツェは、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどを輩出した、ヨーロッパの芸術の都であり、下町の工房では未来の芸術家を目指して、若き職人たちが厳しい修行に明け暮れていました。フィレンツェの芸術活動は貴族にも及び、スパレッティ家の娘・アルテは、絵を描くことを趣味としていました。

しかし、アルテの幸せな日々は、父親の死をきっかけに一変し、貴族でありながら経済的困窮に直面します。当時の貴族の娘は、たしなむ程度の教養を身につけ、良家に嫁ぐことが幸せなことだと考えられており、アルテの母親も、娘の幸せと将来を案じて結婚の話を持ち込みます。一方、駕籠の中の鳥になりたくないアルテは、好きな絵を仕事にして生計を立てるべく、母親の反対を押し切り、町の工房へ出向きます。

画家になるための第一歩として、その道の職人へ弟子入りを試みるも、当時は、女性が仕事を持つことは難しい時代であり、かつ貴族の娘であるアルテを相手にしてくれる工房などありませんでした。女という理由だけで、理不尽な扱いをされることに怒りを覚えたアルテは、人々が見守る中で長髪を切り落とし、その光景を見ていたレオという男性から声をかけられ、小さな工房に連れていかれます。

女という理由から絵を見てくれなかった先ほどの工房とは対照的に、レオはアルテの描いた絵を見て、無理難題をクリアできたアルテの弟子入りを認めます。他の工房での経験から、女だからとバカにされないために、力仕事も自分1人でやってのけ、どんなに辛くても泣き言を漏らさないように必死に耐えながら、絵の修行にのめり込みます。

謝肉祭の夜、アルテは、レオの取引先の1人である高級娼婦・ヴェロニカと出会い、彼女の肖像画を描くことを依頼されます。同時に、ヴェロニカと話すレオの様子から、アルテに初めての恋が芽生えました。

2巻あらすじ・見所ネタバレ

アルテの恋心に気が付いたヴェロニカは、恋に落ちることの恐ろしさを教えるべく、元高級娼婦の女性と引き合わせます。その女性は、恋にのめり込んだばかりに全てを失い、今はみすぼらしい老婆のような姿に変わってしまい、この世界で生きるためには恋に溺れてはいけないことを諭します。ヴェロニカの仕事について理解できないアルテは、自分の仕事に身が入らなくなってしまいます。

レオから解雇を匂わされる中、ヴェロニカは、自分の笑顔の奥にはいろいろな葛藤が抱えており、自分は死ぬまでその笑顔を続けるつもりだとアルテに教えます。ヴェロニカとの対話を通じて、アルテは自分は目の前しか見ていないことに気づかされます。そして、他の工房での絵の修行を考えたアルテは、男と同様に力仕事をこなし、女性でも頑張ればできることを見せつけます。

やがて、アルテの努力は、女性の受け入れを認めなかった他工房にも影響を与え、レオ以外の工房での修行を認められるようになる中、縫製工場で働くダーチャと知りあいます。彼女も女性という理由から不当な扱いを受けていましたが、アルテに感化され、自分の道を切り開くことを目指します。

3巻あらすじ・見所ネタバレ

絵画をビジネスのための商売道具という偏屈な商人・ウベルディーノの交渉を任されたアルテは、ヴェロニカから作法を学び、強い姿勢と自信を持って挑むように進言されます。アルテの人柄に好感を覚えたウベルディーノは、取引に応じることを決め、アルテが帰る際には抱えきれないほどの食材を持たせました。そんなある日、画家の組合員の葬儀が執り行われ、アルテのことが話題に上ります。

フレスコ画の制作に取り掛かるアルテ・イメージ画像

親方の多くが、女性であるアルテを快く思っておらず、画家修業を続ける条件として、他の組合員との共同作業で、新築の宮殿の一角の仕上げに取り掛かることになりました。レオのもとでフレスコ画の練習に取り組んだ後、仕事本番に挑むアルテでしたが、想像を絶する過酷な労働に体力を奪われるも、それでも弱音を一切はかず、持ち前の根性と明るさで乗り越えていきます。

アルテの奮闘ぶりは、これまで彼女に偏見を持っていた同業の職人にも影響を与え始めます。作業が順調に進められる中、宮殿の工事を依頼した貴族のユーリが見学に訪れ、アルテの描いた絵に興味を持ちます。

4巻あらすじ・見所ネタバレ

ヴェロニカからアルテの話を聞いたユーリは、ファリエル家の肖像画と姪の家庭教師を依頼しようと、レオの工房に向かいます。しかし、アルテは、貴族や女性という理由から仕事が舞い込んだことに難色を示し、ユーリの依頼を断わります。そんな中、レオの師匠の娘で、未亡人となった妊婦・ロザンナが訪れ、多額の持参金を巡る嫁ぎ先との問題に困っていました。

アルテは、ヴェロニカの助言でユーリの元へ向かい、ロザンナの後見人になってもらうことを条件に、アルテはファリエル家での仕事を引き受けることにしました。ヴェネツィアの名門貴族・ファリエル家に到着したアルテは、家庭教師を務めるユーリの姪・カタリーナと出会い、彼女のわがままに振り回されていきます。

5巻あらすじ・見所ネタバレ

様々な民族が入り混じる商人の街・ヴェネツィアの光景に目を奪われるアルテは、ユーリの紹介でファリエル家当主の妻・ソフィアと、母親の陰で恥ずかしそうにするカタリーナと面会します。道中でヴェネツィア式の礼儀作法を叩き込んだおかげで、ヴァリエル家から認められたアルテでしたが、両親のいない所では態度を豹変させるカタリーナの性格に手を焼きます。

カタリーナは、本当は礼儀作法をきちんと身についているものの、両親の前ではわざと出来ない振りをしており、アルテは何か秘密があるのではと察します。そして、ある日の夜、カタリーナの部屋を訪れたアルテは、たくさんの料理本を目の当たりにし、カタリーナは料理が趣味であり、そのことを両親に知られることを恐れていました。

カタリーナが集めた料理本・イメージ画像

貴族の家では、料理は使用人がするものという風潮がありましたが、アルテはカタリーナの思いに理解を示し、そのことを彼女の両親に話すことはしませんでした。この出来事がきっかけで、カタリーナはアルテに信頼を寄せるようになり、アルテも貴族と平民の格差に苦しむカタリーナの気持ちに寄り添っていきます。

6巻あらすじ・見所ネタバレ

貴族の慣習により、カタリーナは生後間もなく乳母・ボーナの元へ預けられ、彼の息子・ジモと共に田舎の別荘地で暮らしていました。しかし、カタリーナが6歳の時、ボーナが急死し、ファリエル家に迎え入れられるも、母親の冷めた態度や父親の冷たい態度は、カタリーナと両親の間に壁を作り、そんな彼女を気にかけてくれる叔父・ユーリだけが、カタリーナの心の拠り所となっていました。

また、乳母との喧嘩別れや、家族同然に思っていたジモからの心無い一言が、カタリーナの心を固く閉ざしていました。カタリーナの肖像画の制作に取り組むアルテは、自分の進むべき道を見いだせずにいるカタリーナの苦悩を察します。そして、娘のことで話し合うファリエル夫妻にある言葉をなげかけたアルテは、そのままカタリーナを外に連れ出し、ムラーノ島へ向かいます。

アルテとはぐれてしまったカタリーナは、その先でジモと再会し、彼とボーナもカタリーナの事を家族のように思っていたことや、料理人を目指していることなどを知り、前を向いて精一杯生きることの大切さを教わります。その後、屋敷に戻ったアルテに、解雇命令が下されるも、カタリーナの訴えに母親が味方をしたことで、アルテの雇用は継続され、カタリーナは母親との関係を修復することができました。

7巻あらすじ・見所ネタバレ

母親と打ち解けることができたカタリーナの豹変が屋敷中に広まった頃、アルテはカタリーナと共に訪れた工房見学にて、弟子見習いのマテイと出会います。彼は、アルテが貴族の娘でありながら、画家として活動していることを称賛すると同時に、職人として食べていける弟子はほんのわずかという現実を嘆いていました。

こまでの工房とは異なるマテイの態度は、アルテを困惑させ、不安を紛らわせるようにいつも以上に仕事に熱心に取り組むようになります。過労で倒れ込むこともあるも、それでも与えられた仕事をこなそうと懸命に働き、カタリーナの肖像画を完成させます。肖像画は、カタリーナの手でマテイの工房へ持ち込まれ、後日、マテイが、アルテの元を訪ねてきます。

マテイは、嫉妬のあまりアルテに失言をしてしまったことを謝罪するも、アルテは、自分も男性に嫉妬することはあると諭します。その後、改めてアルテの肖像画を見せてもらったマテイは、自身に芽生えたアルテへの嫉妬を再認識し、アルテへ自分を羨ましがせる才能を大事にしてほしいと言います。そして、ファリエル家での仕事を終えたアルテは、更なる向上を目指して、レオの工房へ戻ります。

8巻あらすじ・見所ネタバレ

カタリーナと手紙のやり取りを約束したアルテは、フィレンツェのレオの工房に戻り、ヴェネツィアでの様子を語り聞かせます。その頃、画家の世界では、アルテの画家としての評判が高まっており、女性画家ならではの表現力が注目されました。しかし、徒弟の身分で個人的な仕事を多く引き受けることは、組合の反発を招く恐れもあり、心配になるレオは、組合の役員長アロルドに相談を持ちかけます。

アロルドは、時代が変化しつつあることを感じながら、アルテはそれらの象徴だとみていました。そして、アルテの更なる成長や大物パトロンを手に入れるために、他の親方へ師事させることを提案します。その頃、アルテは、人気作家として数々の肖像画を手がけるも、宗教画の依頼は舞い込んできませんでした。

女性が描くことは難しいと言われてきた宗教画・イメージ画像

その理由は、当時、女性が教養を身に着けることはよくないという風潮があり、知識に乏しい女性に宗教画を描くことは不可能だと思われており、その話を偶然耳にしたアルテは、腑に落ちない感覚を覚えます。アルテ自身も、大物パトロンへの興味はあり、ヴェロニカのもとで教養を身に着けており、大きな仕事を手に入れるには、他の大きな工房へ弟子入りする必要があるのではと考えていました。

しかし、レオの仕事に対する想いや、これまで携わってきた仕事の数々を振り返るうちに、まだ、レオの工房で修行を積みたいという答えを導き出し、他の親方の元へ行くことを止めました。

9巻あらすじ・見所ネタバレ

アンジェロは、自分の絵を売り込むことを始めるも上手くいかない頃、アルテの自立した生き方に感銘を受けたダーチャは、納品先から計算係として雇われることに決まりました。また、アンジェロ家では、姉と婚前交渉をし、両家に秘密で結婚式を上げる予定だった男性が、持参金の多い別の女性と正式な結婚をしてしまった件でもめており、男に責任を取らせるべく、アンジェロは、証言集めに奔走することとなりました。

一方、仕事が決まったダーチャも、別の計算係が見つかったことを理由に門前払いされてしまい、再びアンジェロと再会します。ダーチャは仕事が白紙になったことを、アンジェロは姉の一件を打ち明け、お互いの状況に共感します。そして、アンジェロの姉から話を聞いたダーチャは、男の身勝手な行動に怒りを覚え、アンジェロの姉に男への反撃を促します。

ダーチャに連れられ男の元へ向かったアンジェロの姉は、自ら修道院に入ることを宣言し、自分を傷つけた男へ厳しい制裁を下します。後日、橋の上で再び再会したダーチャとアンジェロは、よき友人関係となり、自分たちはアルテにはなれないことを実感します。その頃、フィレンツェのシルヴィオ卿の元へ、ローマから来たイレーネという女性が訪ねてきます。

その後、シルヴィオ卿から仕事を依頼されたアルテは、貴族のイレーネの肖像画と話し相手になってほしいと頼まれます。しかし、シルヴィオ卿は、肖像画の出来栄えよりも、イレーネとの会話の内容を重視するようなことを言い付けていました。仕事を引き受けたアルテは、かつてアルテの実家だった屋敷へ向かい、イレーネと対面します。

10巻あらすじ・見所ネタバレ

イレーネの肖像画に取り掛かる準備を始めたアルテをよそに、ある思惑から肖像画を描いてもらうように要求されたイレーネは、自分の絵を描いてもらうことに興味を示そうとしませんでした。また、一人っきりの時間を求める行為は、自分が生きていることを確認するためだと、イレーネの謎めいた言動はアルテを困惑させます。

一方、イレーネには知られてはいけない秘密を抱えており、侍女のアルテへの勘違いから、イレーネの正体がカスティリャ王国の王女・カタリーナだと打ち明けられます。非礼を詫びるイレーネは、肖像画の仕事のキャンセルを言い出すも、アルテの希望により、仕事は継続されることとなりました。しかし、この選択がイレーネを窮地に陥れることとなります。

アルテの漫画11巻~14巻のあらすじをネタバレ解説

アルテの漫画11巻~14巻のあらすじネタバレ・イメージ画像

女性でありながら、画家としての才能を認められ、仕事が舞い込むようになったアルテでしたが、ある貴族の思惑によって政争に巻き込まれ、順調だったアルテの人生に試練が訪れます。以下では、「アルテ」の漫画11巻~14巻のあらすじをネタバレ解説します。

11巻あらすじ・見所ネタバレ

ヴェロニカの元を訪れたアルテは、スペインとカスティリャ王国について調べ、イレーネの母親が十数年前から幽閉されていることや、イレーネに関する記述がないことを知ります。また、イレーネの肖像画を描くにあたり、彼女の心の内を探ろうするアルテでしたが、ますますイレーネのことが分らなくなっていました。

そんなある日、アルテの実家の秘密の部屋で語り合う2人は、お互いのことを打ち明けます。女性でありながら、画家である自分は世間では変に思われることに悩むアルテでしたが、イレーネは普通のことだと諭し、自分の過去を語り始めます。イレーネの母親は、世間では「狂女王」と呼ばれ、娘と共に15年間も幽閉されていました。

12巻あらすじ・見所ネタバレ

イレーネの母親が「狂女王」と呼ばれた理由は、母親の父親への並みならぬ愛情と嫉妬にあり、父親が亡くなった際の母親の行動が、周囲から気が狂ったとみなされました。そして、イレーネの兄姉たちが父親の祖国へ引き取られる中、生まれたばかりのイレーネは、母親と共に幽閉生活を余儀なくされ、いつしか母親の拠り所になっていきました。

そして、10歳の時に兄の計らいで外の世界に出ることが可能となるも、母親を心配するあまり、部屋と外の世界を行き交う生活を送っていました。また、イレーネが極秘でここに来た理由は、結婚前に与えられた最後の自由時間を楽しむためであり、兄の計らいによってフィレンツェに来たことを打ち明けます。

カタリーナの結婚・イメージ画像

イレーネは、顔の知らない相手に嫁いでも、母親のように将来の夫を愛すると自信をみせ、その姿はアルテの書く肖像画にも影響を与えました。そんなある日、カスティリャ王国で反乱の兆しが見え始め、イレーネも急きょ、フィレンツェを旅立つことになりました。アルテは、出来上がった肖像画をイレーネに託し、別れを惜しみました。

一方、イレーネを利用して何かを企むシルヴィオ卿は、イレーネの懐を探るべく、アルテを密偵として利用しようと画策します。部外者を利用することは、告げ口の危険があるものの、駆け出しの画家1人が消えたくらいでは大騒ぎにならない、万が一告げ口が発覚した際にはその時に対処すればよいと考えます。

13巻あらすじ・見所ネタバレ

シルヴィオ卿から呼び出しを受けたアルテは、イレーネの宮廷画家としてカスティリャ王国へ向かうことを言い渡されるも、イレーネとの約束を守りたいアルテは丁重に断ります。しかし、レオの工房に戻る途中で、シルヴィオ卿側の兵士に捕らえられてしまい、肖像画の報酬の水増してだまし取ろうとした詐欺罪として、牢屋に閉じ込められてしまいます。

アルテの窮地を知ったレオは、イレーネにもこの事件を報告し、一刻を争う事態に直面する中、イレーネがある作戦に出ます。後日、肖像画のお礼を言いにシルヴィオ卿の宮殿を訪れたイレーネは、宮殿の見学を口実にアルテの救助します。イレーネは、アルテが捕まってしまったのは自分のせいだと謝り、彼女の身を守るために宮廷画家としてカスティリャについてくるように申し出ます。

14巻あらすじ・見所ネタバレ

アルテのカスティリャへの亡命を知らせるべく、イリーネはレオに手紙を送り、アルテがフィレンツェを出発する直前に、レオと別れを告げました。そして、カスティリャを目指すイリーネ一行は、アルテの母親の生家に泊まることとなり、アルテは疎遠となっていた母親と伯父と再会します。

貴族の娘としての幸せを願う母親は、アルテが画家を目指すことに反対であり、彼女の手紙にも返事を出さず、疎遠となっていました。そんな中、アルテがフィレンツェで罪を犯したとの情報が伯父たちにも知らされ、アルテは窮地に陥ります。しかし、アルテの母親は、娘が潔白であることを信じ、その場を収めます。

アルテの登場人物・キャラ一覧

アルテの登場人物・キャラの紹介・イメージ画像

漫画「アルテ」では、様々な地位・職業を持つキャラクターが登場し、アルテとの交流や、彼らが放つ名言・名セリフに注目が集まっています。以下では、個性豊かなキャラクターの登場が目を引く、漫画「アルテ」の登場人物・キャラをネタバレ紹介します。

アルテ

漫画「アルテ」の主人公で、フィレンツェの貴族・スパレッティ家の娘です。絵を描くことが趣味で、画家を試みるも、貴族の娘としての幸せを願う母親からは反対されていました。アルテのよき理解者であった父親の死や、それに伴う経済的困窮をきっかけに画家を志すことを決意し、レオの工房に弟子入りします。

当初は、貴族の女性であるという理由から、偏見や不当な差別を受けるも、持ち前の根性と努力で数々の苦難を乗り越え、女流画家として活動していきます。シルヴィオ卿の政争に巻き込まれるも、イリーネの助けを得てカスティリャ王国に亡命し、宮廷画家となります。

レオ

漫画「アルテ」の登場人物・キャラで、アルテの師匠です。女という理由から弟子入りを断わられ、民衆の前で髪を切ったアルテに衝撃を受けたことや、アルテの姿に徒弟時代の自分を重ねたことで、アルテの弟子入りを認めました。無愛想で表情を表に出さないものの、内心ではアルテを大切に想っており、アルテの画家としての可能性に期待を寄せています。

ヴェロニカ

漫画「アルテ」の登場人物・キャラで、高級娼婦として生計を立てている女性です。レオの依頼客の1人であり、アルテのことも気に入っており、相談に乗っています。教養が高く、客との会話のために、様々な蔵書を集めて読んで知識を深めています。

アンジェロ・パーカー

漫画「アルテ」の登場人物でキャラで、ダニロ工房の徒弟の少年です。女を理由に手助けを拒否したアルテに興味を持ちます。

ウベルティーノ

漫画「アルテ」の登場人物・キャラで、レオと彼の親方と交流のある老商人です。絵画はあくまで商売道具とみなすも、書斎には、自分のために描かせたレオの親方作の「ラザロ」の絵を飾っており、後にレオにも「ラザロ」の絵を依頼しました。

ダーチャ

漫画「アルテ」の登場人物・キャラで、結婚の持参金を稼ぐために針子として働く農家の娘です。アルテの自立した姿に憧れを抱き、アルテから文字の読み書きを教わったことをきっかけに友達となりました。

アルテの名言や名セリフ集

アルテの名言や名セリフ集・イメージ画像

漫画「アルテ」は、心に響く名言や名セリフの多さにも定評があり、登場キャラクター達の人生観を映し出した名言・名セリフは、アルテの人生に大きな影響を与えています。以下では、人生の教訓にしたい、「アルテ」の名言や名セリフを紹介します。

名言①「業の深い仕事だから…」

漫画「アルテ」の名言や名セリフの1つ目は、笑みを絶やすことのないヴェロニカを不思議に思うアルテに対して、その理由を語るヴァロ二カの名言です。高級娼婦は、主に有力者を相手にする女性を指しますが、彼女たちも世間的に見れば、男性たちに蔑まれる対象でした。ヴァロ二カの名言や彼女の笑みには、娼婦として生きていくことの過酷さや、ヴェロ二カの知られざる苦悩がにじみ出ているでしょう。

業の深い仕事だから…

名言②「泥水をすすることなく…」

漫画「アルテ」の名言や名セリフの2つ目は、アルテの弟子入りを志願する姿を、かつての自分に重ねるレオの名言です。乞食として育ったレオにとって、画家になることは自分が食べていくための手段であり、時分自身の力で生きられるようになりたいという想いは、女性でありながら自立した人生を望むアルテにも通じるでしょう。

泥水をすすることなくまっとうに…自分自身の力で生きられるようになりたいからです

名言③「人を愛することは…」

漫画「アルテ」の名言や名セリフの3つ目は、アルテの恋心を見透かし、恋をすることの素晴らしさを訴えるイレーネの名言です。夫への愛情の深さゆえに、行き過ぎた行動に走ったイレーネの母親は、人々から気狂いと見なされ、幽閉されてしまうも、母親の夫への愛情は、幼かったイレーネに人を愛することの素晴らしさを教えます。

娼婦という職業から、恋に溺れることの危険を説くヴェロニカとは対照的に、イリーネは自分の幸せは自分で決めるものと考え、誰かを真剣に愛することは、例え娼婦であろうと尊いものだと説きました。

人を愛することは尊いことよ。それで身を滅ぼす価値があるほどに

アルテの面白い魅力

アルテの面白い魅力を紹介・イメージ画像

ルネサンス期のフィレンツェを舞台にした「アルテ」は、異国情緒あふれる世界観や、己の信念を掲げながらたくましく生きるヒロイン・登場キャラクター達の活躍が人気に拍車をかけています。以下では、漫画「アルテ」の面白い魅力について、ネタバレ紹介します。

面白い魅力①逆境に立ち向かう強い女性

漫画「アルテ」の舞台である16世紀初頭のヨーロッパは、女性の社会的地位が非常に低く、教養を身に着けることはよくないという考えから、貴族を除く一般女性の多くが読み書きが出来ない状況でした。そのため、女性が働くことは、賃金の安い仕事に就くか、娼婦として身を立てるなど限られており、女性が1人で生計を立てることは非常に困難な時代でした。

また、女性の結婚にも持参金の多さが鍵を握り、持参金が多いほど良縁に恵まれやすい一方、持参金が少ないと結婚に恵まれなかったり、修道女として一生を過ごす女性もいました。そのような時代に生まれたアルテは、実家は経済的に裕福ではなかったものの、貴族の娘としての教育を施され、良い結婚に恵まれることや、妻として家庭を守ることを望まれていました。

当時、当たり前とされてきた貴族女性の生き方は、アルテにとって「駕籠の中の鳥」と同じであり、父親の死をきっかけに、自分の力で生きていこうと決意し、画家の工房に弟子入りを志願します。しかし、女性という理由から、レオに声をかけられるまでアルテを相手にしようとする工房はおらず、中にはアルテの絵を見る前に門前払いする親方もいました。

しかし、アルテは女性も頑張ればできることを身を持って証明し、どん何辛くても弱音の1つも吐かず、ひたむきに努力するアルテの姿は、これまで彼女に偏見を差別意識を持っていた職人たちも認めるようになりました。逆境に立ち向かうアルテの姿は、性別を理由に不当な差別・偏見に悩む全ての女性に向けたメッセ―ジとも捉えられるでしょう。

面白い魅力②アルテを支える人々

不当な差別・偏見にもめげず、ひたむきに努力を続けるアルテの頑張りは、彼女自身の力だけでなく、逆境にもめげず前に進むアルテを支える人々の存在も欠かせません。かつての自分をアルテに重ねて、弟子入りを許した師匠・レオや、高級娼婦という仕事に誇りを持ち、自分の力で生計を立てるヴェロニカをはじめ、様々な立場のキャラがアルテと関わっていきます。

面白い魅力③細かい背景描写

自分の信念を貫くたくましいヒロインの活躍や、魅力あふれるキャラクターの登場はもちろん、細部にわたって丁寧に書かれた背景描写も、漫画「アルテ」の魅力です。キャラクターの服装や装飾品から、物語の舞台であるフィレンツェの街まで、まるで「アルテ」の世界に入り込んだような、リアリティあふれる作画力の高さも、作品の面白さを引き立てています。

アルテに関する感想や評価

アルテに関する感想や評価の紹介・イメージ画像

以下では、カスティリャ王国の宮廷画家となったアルテのその後が注目される、漫画「アルテ」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

感想1:漫画「アルテ」が面白い

中世ヨーロッパを舞台に、女性画家の成長と活躍を描いた漫画「アルテ」は、他の漫画作品ではあまり見られない独自の設定が注目を集め、知る人ぞ知る名作漫画とも評されています。漫画ならではの派手な演出・展開こそないものの、逆境を乗り越えていくアルテのたくましさや、彼女を支える人々、魅力あふれるキャラクター達の名言など多くの見所に富んでおり、面白いとの感想が多く見られます。

感想2:気軽に読める漫画

異国情緒あふれる世界観や丁寧に描かれた作画が目を引く漫画「アルテ」の魅力は、ストーリー面も挙げられ、主人公・アルテの成長や奮闘はもちろん、アルテとの交流を通じて自分を変えていくキャラクター達の姿も見どころに挙げられます。また、漫画「アルテ」は、思わず目を背けたくなるような、シリアス展開の少なさも注目され、ストーリー展開の読みやすさも「アルテ」の人気に拍車をかけています。

感想3:巻を追うごとに作者の成長・凄みが感じられる

漫画「アルテ」は、作者・大久保圭先生の初連載作品であり、ルネサンス期のイタリアを舞台にした作品を描きたいという、大久保先生の並みなぬ熱意によって連載が実現したエピソードが知られています。漫画「アルテ」は、2021年8月時点までに計15巻が刊行され、数々の感動のエピソードや名言からは、大久保先生の漫画家としての成長や、大久保先生ならではの凄みを感じさせるでしょう。

アルテの漫画ネタバレまとめ

アルテの漫画ネタバレまとめ・イメージ画像

漫画「アルテ」のあらすじネタバレ、登場人物・キャラ、名言や名セリフ、作品の面白い魅力などをネタバレ紹介しました。女性という理由だけで不当な差別・偏見を持たれながらも、持ち前の根性と努力で自分の人生を切り開いていくアルテのたくましい姿は、新たなヒロイン像として人気を集め、亡命を余儀なくされたアルテの波乱の人生に、更なる注目が集まっています。

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