【バトルスタディーズ】鬼頭一（きとうはじめ）が起こした事件とは？モデルはいる？

なきぼくろによる高校野球漫画「バトルスタディーズ」。この記事ではバトルスタディーズに登場する鬼頭を特集していきますが、まずはバトルスタディーズの作品情報からお届けします。最初に作品概要、続いて簡単なあらすじ解説へと続きます。

バトルスタディーズは、PL学園野球部出身の漫画家なきぼくろによる高校野球漫画です。バトルスタディーズは、まず講談社が発行する週刊Dモーニング2014年夏号とモーニング2014年14号に読切漫画として登場。その後、モーニングにて2015年6号よりバトルスタディーズの連載が開始され、現在も同誌にて連載中です。バトルスタディーズの単行本は、2021年8月時点で既刊29巻・累計発行部数は340万部を超えています。

主人公は野球少年・狩野笑太郎。寝食も忘れて野球に没頭した甲斐あって、中学野球日本代表選手として活躍した笑太郎は、憧れの名門・DL学園に特待生として進学、晴れて全寮制の野球部に入部します。しかし、笑太郎たち新入部員を待ち受けていたのは、前近代的な厳しい先輩・後輩の上下関係に加えて理不尽な規則、そしてマスコミに洩れたら社会問題化するような殴る蹴るの体罰でした。

ここからは、メインテーマであるバトルスタディーズに登場する鬼頭の話題に入っていきます。最初にバトルスタディーズ・鬼頭のプロフィールから紹介します。

• 名前：鬼頭一（きとう・はじめ）
• 出身リーグ：大阪府シニアリーグ・花園シニア
• ポジション：レフト（左翼手）

DL学園80期生として入学した鬼頭。尖った頭と尖った耳が特徴で、爪を噛む癖があります。内野手で一塁コーチの田上の付き人をしています。DL学園の寮では入手できないはずのお菓子を大量に調達するなど謎の多い人物です。

一方で鬼頭は、レギュラーを獲得するため、ライバルの外野手・毛利に嫌がらせを行います。毛利が付き人をしている火影のユニフォームを洗濯中に故意に汚して、毛利の立場を危うくして精神的に追い詰めようとしたのです。

また、同じ80期生でシニアリーグ本塁打王の毛利やシニア全国大会優勝チームで活躍した門松に寮からの脱走を焚き付けるといった狡猾さも見せています。そうした日頃の行動を目撃した花本は、鬼頭に対する不信感を募らせていきました。その後、鬼頭一は父親からのプレッシャーに耐えきれずにある事件を起こすのですが、詳細は次項にてネタバレ解説します。

ここからは、バトルスタディーズの鬼頭が起こした事件についてネタバレで考察していきます。最初は鬼頭一が父親から受けているプレッシャーについての考察からです。父親から送られてきた手紙に目を通す鬼頭。次第に顔が紅潮し表情が険しくなっていきました。そして、突然ブチ切れたのです。それでは、鬼頭をそこまで激情させた父親の手紙とはどのような内容だったのでしょうか？

バトルスタディーズの鬼頭一に父親から送られてきた手紙の要旨は次のようになります。『息子の野球を支えるため両親ともに仕事を増やすなど大変な思いでやっている。何が何でも甲子園に出場して父親の夢を叶えてほしい』。息子を支えると言いながら自分の夢を押し付けているだけにも読めます。鬼頭一もまた同じように解釈したようです。この手紙を見て「最悪だ」と感じた鬼頭は遂にキレてしまいました。

そんな中で、DL学園野球部に事件が発生。野球部で固く禁じられているタバコの吸い殻が見つかったのです。野球部員が吸っていたことがわかれば、夏の甲子園予選大会への出場も危うくなるでしょう。その後の学園内での調査では、吸い殻ポイ捨ての犯人は特定できませんでした。しかし、この時鬼頭の中で今まで溜め込んできた怒りが爆発しようとしていました。

ここからネタバレになりますが、その日、高校野球関連の記事を執筆している高校野球ライターの九頭がDL学園野球部の取材にやって来ます。鬼頭は、事もあろうに「野球部掟ノート」を九頭に渡してしまったのです。この野球部掟ノートには、理不尽極まりないDL学園野球部ならではの厳しい掟が記されていました。内容はハラスメントのてんこ盛りです。鬼頭はこの事実をリークすることで学園の野球部潰しを狙っていました。

精神状態が崩壊しかけているバトルスタディーズの鬼頭一のもとに父親がやって来ます。父親は、息子のことなどお構いなしに次のように言いました。『車を売って学費を作った、自分の夢には責任を持て、甲子園に必ず連れて行ってくれ』。この言葉に強烈なプレッシャーを受けた鬼頭は、この後とんでもない行動に出ます。

その日、DL学園野球部では部員たちの精力増進を図るため焼肉パーティをしていました。鬼頭は、皿とお箸をお膳に置くと突然立ち上がり、何を思ったのか肉を焼いている七輪に手を突っ込んだのです。そして、チームメイトたちの面前で大声で叫びました。「野球なんかしたくない、殺してくれ、死にたいんだ」と。

手に大やけどを負った鬼頭。すぐに、保護者である父親が呼ばれました。息子の野球人生に影響が出たら学園を訴えると息まいた後、父親は息子を連れて病院へと急行します。ところが、途中で一は病院には行かないと言い出します。驚いた父親が理由を聞くと『父さんの期待がプレッシャーとなって押しつぶされそうだ、解放してほしい』。さらに、七輪に手を突っ込んだのは事故ではなく自分の意思でやったと告白します。

『野球をやめる、自由に生きたいんだ』、一がそう言うと父親の平手打ちが一の顔面にヒットしました。そして、『野球をやめるなど許しはしない、今までどれだけのお金をつぎ込んできたと思っているんだ』と怒鳴りつけます。すると一もムキになって言い返します、自分の夢を子供に押し付けるなと。号泣しながら走り去る息子の後ろには、茫然としてたたずむ父親の姿がありました。

ここからバトルスタディーズのネタバレになります。この日、高校野球夏の大会の地区予選が幕を切って落とされました。大会では鬼頭と同期でDL学園に入学したバトルスタディーズの主人公・狩野笑太郎が1年生ながら大活躍します。鬼頭はというと、学生寮の寮監の部屋にあった酒を浴びるように飲み、そのまま車に乗り込みます。自棄（やけ）になっていた鬼頭は、何と無免許でしかも飲酒運転を始めたのです。

ハンドルを握る鬼頭の脳裏では、野球生活の中での楽しかった思い出が駆け巡っていました。もともとは、鬼頭も野球を愛する普通の高校生でした。結局、飲酒・無免許運転は最悪の結果を引き起こします。交通事故、それも人身事故を起こしテレビのニュースで大々的に取り上げられてしまったのです。

この事件にショックを受けたのは、DL学園野球部部員だけではありません。野球大会で大活躍した狩野の母親は絶句します。夏の甲子園大会の地区予選での大不祥事。ただで済むはずがありません。マスコミに叩かれ、DL学園の園長や高野連幹部の謝罪、そしてDL学園の出場停止。最悪の状況が頭を駆け巡りました。

次に、バルスタディーズの鬼頭が作品の流れに与えた影響やモデルとなった人物について考察してみます。鬼頭の起こした無免許・飲酒運転による暴走事故の影響は当然のことながら甚大でした。そして、バトルスタディーズのストーリー展開にも大きな影響を与えています。

まず、DL学園の夏の甲子園大会への出場は自粛を余儀なくされます。さらに、甲子園という目標を無くした3年生部員は引退。それに伴い、急遽まだ1年生の狩野が主将に就任します。以降のバトルスタディーズでは、1年生・2年生中心の展開になりました。

バトルスタディーズがいくら野球漫画と言えども、ここまで劇的な世代交代は例がないのではないでしょうか？バトルスタディーズの中での鬼頭の位置づけは必ずしもメインキャラではありませんでしたが、しでかした事件は超ド級の破壊力を持っていました。ちなみに、これ以降バトルスタディーズでの鬼頭の出番は無くなったようです。

バトルスタディーズで前代未聞の大事件を起こした鬼頭ですが、鬼頭にモデルとなった人物は存在するのでしょうか？漫画バトルスタディーズは、作者なきぼくろの出身校・PL学園野球部をモデルにした作品と言われています。桑田真澄や清原和博などプロ野球のスター選手を数多く輩出した名門・PL学園ですが、暴力事件など不祥事により現在は活動を停止し、事実上の廃部になっているようです。

また、バトルスタディーズのモデルについては、学校組織だけでなく作者の同期生など実在の人物もモデルにしていると言われています。同期生の名前を変えて作品に登場させているようなのです。バトルスタディーズの鬼頭のように、親の過度な期待によるプレッシャーに押しつぶされて事件を起こした生徒がいたのかも知れません。

ただし現時点では、バトルスタディーズの鬼頭にモデルとなった人物がいるかどうかは明らかになっていません。このモデルの件については、バトルスタディーズ作品完結後に制作裏話として出てくるかも知れませんので期待して待ちましょう。

漫画バトルスタディーズの鬼頭特集の最後に、バトルスタディーズの鬼頭の謎をネタバレ考察してみましょう。最初は鬼頭のプロフィール欄でも少し触れましたが、お菓子調達を巡る謎のネタバレからです。

バトルスタディーズのDL学園野球部には、1年生はお菓子禁止のルールがあります。それなのに、バトルスタディーズでは大量のお菓子を抱えてチームメイトたちにお菓子を配る鬼頭が描かれています。どこからお菓子を仕入れているのか、そして何のために1年生部員にお菓子を配っているのか、残念ながらバトルスタディーズ作中でお菓子について語られることはありませんでした。

同期生にウケルのを狙ったのか、あるいはお菓子を食べている同期生が先輩に見つかり痛い目に遭わされるのが見たかったのか、真相はわかりません。最後までミステリアスな存在の鬼頭でした。

バトルスタディーズのに登場する鬼頭の謎のネタバレ考察、続いては鬼頭が毛利と門松に持ちかけた脱走計画です。バトルスタディーズ8巻での出来事となります。

ある時鬼頭は、ライバルである外野手の毛利阿黙夢と門松晃に、理不尽な規則で縛るDL学園を抜け出して他校に編入するという計画を持ちかけます。ところが、いざ計画を実行する段になると、鬼頭は財布を忘れたと言って戻ってしまいます。毛利だけは本当に脱走を決行してしまいました。

この件では鬼頭の狙いが明かされています。ネタバレしますと、同期部員の中に外野手は5人いるので、2人が辞めてくれれば残り3人となり自分もレギュラー確実だと踏んだのです。レギュラーを獲得するためには汚い手も厭わないという鬼頭の一面が明らかになった事件でした。

ここまでバトルスタディーズの鬼頭特集をお届けしてきましたが、最後に鬼頭に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するバトルスタディーズの鬼頭に関する感想・評価は、鬼頭の評価を一刀両断にはできないというツイートからです。最初はクソ野郎と思っていたそうですが、彼がキレてしまった理由を知ると「まあ、なんか、難しいな」と歯切れが悪くなるようでした。

続いて紹介するバトルスタディーズの鬼頭に関する感想・評価は、鬼頭の起こした事件に衝撃を受けた寮監の顔を見て涙が出そうだと言う方のツイートからです。さらに、鬼頭の心に積もり積もったストレスが爆発するまでの過程がとてもリアルに感じたようです。

最後に紹介するバトルスタディーズの鬼頭に関する感想・評価は、鬼頭の起こした事故の設定に疑問を呈するツイートからです。単独事故ではなく人身事故にする必要があったのか疑問だと言います。優しい方なのでしょうか？鬼頭の将来が心配になったそうです。

ここまで、漫画バトルスタディーズの鬼頭一（きとうはじめ）が起こした事件とは？と題して、事件が起きるまでの経緯やモデルとなった人物がいるのかどうか、さらにはお菓子の調達など鬼頭を巡る謎についてネタバレで考察してきました。いかがでしたでしょうか？

父親の過度な期待に大きなプレッシャーを受け耐えきれずに爆発してしまう鬼頭。Twitterでの感想にもあったように、その状況や事件が起きるまでの過程がリアルに描かれているとSNSでは話題になっているようです。

バトルスタディーズには鬼頭以外にも個性的なキャラが多数登場します。この記事でバトルスタディーズに興味を持った方は、実際にバトルスタディーズの単行本を手に取り、推しキャラ探しをしてみてはいかがでしょうか？