【九龍ジェネリックロマンス】鯨井令子は記憶喪失？過去やクローン説をネタバレ

漫画「九龍ジェネリックロマンス」は、香港に実在した九龍城砦を舞台に、その街で暮らす人々の日常や、九龍城砦で働く30代男女の密かな想いや関係を描いた、ディストピア・ラブロマンスです。以下では、漫画「九龍ジェネリックロマンス」から、主人公・鯨井令子の記憶喪失の真相や知られざる過去、クローン説、鯨井Bの殺害をほのめかす工藤について考察しました。

眉月じゅん先生の漫画「九龍ジェネリックロマンス」は、2019年～2021年10月現在まで「週刊ヤングジャンプ」にて連載されている恋愛・SF作品で、単行本は2021年6月時点で計5巻が刊行されています。「九龍ジェネリックロマンス」の舞台である九龍城砦は、香港・九龍の九龍城地区に実在した鉄筋コンクリート構造のバラックで通称「東洋の魔窟」、街の再開発に伴い建物は取り壊され、跡地は公園として整備されました。

東洋の魔窟の呼ばれた香港・九龍地区の九龍城砦にある不動産店に勤務する鯨井令子は、職場の先輩・工藤に恋心を抱くと共に、過去の記憶を思い出せずにいました。徐々に自分の謎に気づき始めた令子は、同時に自分が何者であるかを見出せず、不安に苛まれるも、工藤や小黒、謎多き美女・陽明をはじめとする人々との交流を通じて、自分の人生を模索していきます。

ノスタルジックな世界観が魅力的な漫画「九龍ジェネリックロマンス」は、記憶喪失に陥ったと思われる主人公・鯨井令子の謎の多さも見どころの1つで、ストーリーを追うごとに明かされる令子の知られざる正体や、工藤との関係に注目が集まっています。以下では、漫画「九龍ジェネリックロマンス」から、主人公・鯨井令子の記憶喪失の真相や過去、令子のクローン説、鯨井Bと工藤の関係などを考察しました。

「九龍ジェネリックロマンス」の鯨井玲子は、不動産店・旺来地產公司に勤務する32歳で、ショートヘアと大きめの眼鏡、喫煙者というクールな出で立ちがかっこいい女性です。また、同僚である工藤発に想いを寄せており、結婚の約束をするまでの関係に発展するも、記憶喪失に陥って以降は、工藤との関係だけでなく、いつから記憶がないのかも分からない状態にありました。

自分が何者かすら思い出せないという不安や、虚しさにないまれる令子は、仕事を通じて知り合った友人の陽明に、自分が記憶喪失であることを打ち明けます。話を聞いた陽明は、自分も過去を捨てるために全身整形したことを告白します。陽明の前向きな言葉に勇気づけられた令子は、次第に立ち直っていきます。

また、陽明は、記憶喪失になった現在の令子と区別するため、工藤と交際していた頃の令子を鯨井Bと呼ぶことを提案し、令子も自分は記憶喪失であることを受け入れます。しかし、令子と同一人物だと考えられてきた鯨井Bは、ある男の証言から思わぬ事実が判明します。

鯨井Bについて知るグエンによると、彼が知る鯨井玲子はこの世にいない、つまり、鯨井Bは死亡していたと解釈でき、現在の令子は記憶喪失ではないと考えられます。グエンの言葉に衝撃を受けた令子は、再び失意のどん底に落ちてしまい、自分が何者なのか分からなくなります。

一方、政府が極秘でクローン人間の開発をしているとの噂が流れ始め、令子の耳にも入ります。そして、グエンの言葉から自分は記憶喪失ではないと分かった令子は、何者かによって生み出された鯨井令子のクローンではないかと確信します。しかし、クローンである自分が本物の鯨井令子になりたいと思うのは、高望みではないかと思い始めます。

陽明は、人工ダイヤモンドの輝きを令子に見せながら、例え偽物でもそれらを本物だと感じる人間もいることを教え、令子は自分がクローンであることを受け入れることが出来ました。

劇中では、現在の令子がクローンであることと同時に、鯨井Bの過去も断片的に明かされ、鯨井Bはかつての恋人・工藤発に殺害されたことが匂わされています。工藤は、鯨井Bの殺害について言葉を濁したものの、鯨井Bの死因に何かしら関わっていたことや、その事について工藤が負い目を感じていたと見られます。

鯨井Bこと生前の鯨井玲子と工藤発との間に起きた出来事は、いまだ謎に包まれている一方、本編では断片的に鯨井Bと工藤の過去が組み込まれ、工藤が九龍支店に転勤し、鯨井Bとの間に恋愛感情を芽生えさせていました。しかし、鯨井Bと工藤発の過去編には不可解な点も見られ、過去編では鯨井B・32歳、工藤・30歳に対して、現在では令子・32歳、工藤・34歳と、年齢のズレが指摘されます。

漫画「九龍ジェネリックロマンス」は、主人公・鯨井令子の謎解き要素だけでなく、彼女を取り巻く人々との関係も人気に拍車をかけています。以下では、漫画「九龍ジェネリックロマンス」の登場キャラをネタバレ紹介します。

九龍城砦内にある不動産店・旺来地產司に勤務する男性で、日本支店から九龍支店に移動してきました。年齢は30歳で、職場の先輩であった令子との婚約話もあったものの、記憶喪失となった令子に対してその件を話そうとしません。また、「九龍ジェネリックロマンス」では、鯨井Bこと本物の鯨井令子を殺害したことを匂わせており、現在の令子の正体を知る人物の1人と推測されます。

九龍城砦内にある不動産店・旺来地產公司の九龍支店長で、充実したプレイベートこそ仕事の質を上げることを掲げ、午後6時の定時には必ず退社するものの、残業も大切だと説いています。

九龍の南燈街に暮らす女性で、お団子ヘアやチャイナ風ドレスを着た小柄な女性です。普段は、九龍にある靴屋や映画館などアルバイトを掛け持ちしており、令子・工藤とは頻繁に顔を合わせる機会が多いことから、顔なじみとなっています。

大手企業・蛇沼グループの代表取締役で、髪をリーゼントにセットし、鋭い眼つきと蛇のように2つに分かれた舌が特徴の男性です。会社は父親の製薬会社を引き継いだもので、2代目就任以降は、蛇沼グループの成長を成長させ、自らが院長を務める美容カウンセリングの人気を受け、九龍にも、美容と健康の複合施設・蛇沼想総合メディカルを開きました。

令子も、優勝券の獲得を受け、蛇沼総合メディカルにカウンセリングに訪れるも、蛇沼に異常な関心を抱かれています。

九龍城砦で暮らす女性で令子の友人、西洋人と見間違えそうな外見が特徴の女性です。内職として、ジェネリック地球（テラ）のマスコットのぬいぐるみ作りをするも、ノルマの厳しさから部屋がマスコットのぬいぐるみであふれかえり、令子や小黒・工藤に助け出されました。また、過去を捨てるために全身整形をした経緯があります。

以下では、先が読めない展開や、謎多き主人公の正体に注目が集まる、漫画「九龍ジェネリックロマンス」に関する感想や評価を紹介します。

30代男女のラブロマンスを鮮やかに描いた漫画「九龍ジェネリックロマンス」と言えば、クローン説がささやかれる鯨井令子の知られざる正体に迫ったミステリアスな展開も注目され、ストーリーを追うごとに次々と現れる謎は、読者の興味をそそります。鯨井Bと区別された生前の令子と工藤の間に起きた出来事など、先の読めない展開も「九龍ジェネリックロマンス」の見どころに挙げられます。

「九龍ジェネリックロマンス」では、香港・九龍城砦で働き、生活を営む人々の日常を主軸に描き、人々の交流や美味しそうなグルメの登場が、人気を集めています。一方、賑やかで楽しそうな感じに見える九龍ですが、劇中では鯨井令子にまつわる謎をはじめ、闇パートも所々に差し込まれ、活気にあふれた日常の合間にのぞかせる闇のギャップが面白いと評されています。

働く30代男女のラブロマンスを主軸に描かれた「九龍ジェネリックロマンス」は、主人公の恋愛に謎解き要素を盛り込んだ独創的な作風が支持され、原作漫画の人気が高まりつつあります。また、「九龍ジェネリックロマンス」の感想の中には、原作漫画の面白さから実写化を期待する声も寄せられています。

漫画「九龍ジェネリックロマンス」の主人公・鯨井令子の記憶喪失やクローン説、鯨井Bの殺害説などを考察しました。クールで眼鏡が似合うカッコいい女性として人気の鯨井令子は、職場の先輩・工藤との恋愛関係はもちろん、クローン説の浮上や鯨井Bの殺害など謎の多さも魅力に挙げられ、「九龍ジェネリックロマンス」の謎解き要素として注目されています。