【無職転生】ギースの正体をネタバレ！ヒトガミとの関係や裏切りの理由とは？

日本のライトノベル「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」（略称「無職転生」）。この記事では無職転生に登場するギース・ヌーカディアを特集しますが、その前に無職転生の作品情報からお届けしていきます。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」は、作家・理不尽な孫の手による日本のライトノベルです。（以降、略称の「無職転生」を使用します）。無職転生は、小説投稿サイト「小説家になろう」に2012年9月から2015年4月まで連載されました。34歳の引きこもりの日本人が異世界に転生するファンタジー小説「無職転生」は、現在では「なろう系小説」の主流となっている転生ものの先駆的作品と言われています。

「小説家になろう」の累計ランキングでは、無職転生は2013年10月から2019年2月まで1位を継続、「このライトノベルがすごい!」の2017年版では単行本・ノベルズ部門で第4位を獲得しています。オンライン小説として登場した無職転生ですが、2014年にはMFブックスレーベルにて書籍化され、既刊25巻の累計発行部数は2021年8月現在850万部を超えています。

メディア展開としては、小説を原作とした漫画・無職転生がKADOKAWAメディアファクトリーの月刊漫画雑誌コミックフラッパー2014年6月号に登場し、現在も連載中です。また、スピンオフ作品「無職転生〜ロキシーだって本気です〜」が制作されWEBコミック誌・ComicWalkerにて2017年12月より連載中です。さらに、テレビアニメも制作され、 TOKYO MXなどで放送されています。

主人公は34歳無職の男性で20年近く引きこもり生活を続けていました。両親の葬儀参列も拒んだことから兄弟の怒りを買い、家を追い出されてしまいます。その後、トラックに轢かれそうになった高校生を助けようとして身代わりになり死亡。目が覚めると、ルーデウスという名で中世ヨーロッパ風世界に転生したことを知ります。前世での反省から、転生後の世界では家族を大切にして懸命に生きていくことを誓うのでした。

ここからは本題のギースの話題に入っていきます。主人公のルーデウスが窮地に陥ったときに現れるギース。ここからは彼の正体を探っていきます。

ギースは魔族のヌカ族出身で、父親は村の村長をしていました。ヌカ族は猿のような顔が特徴の魔族で、顔以外の体つきはほぼ人間といってよい種族です。ヌカ族は、ヒトガミによって滅亡に追い込まれます。ギースの正体ですが、ヌカ族最後の生き残りと言われています。

次に、ギースのプロフィールについて順を追って見ていきます。まず最初はギースが所属していた団体ですが、ギースは黒狼の牙という冒険者パーティのメンバーでした。

黒狼の牙とは、主人公・ルーデウスの父・パウロがリーダーを務める個性の強いキャラで構成された集団です。ここでのギースの役割は、シーフ（盗賊）として食料管理、料理といったライフラインの確保から情報収集・撤収の判断といった知的労働まで戦闘以外の業務を幅広く担当していました。

ギースの所属していた黒狼の牙は、リーダー・パウロとゼニスの結婚を機に解散してしまいます。ギースは冒険者から足を洗い、ギャンブラーとして生計を立てていました。ギースは戦闘能力がなかったため、黒狼の牙解散後、他の冒険者からオファーが来なかったのです。

黒狼の牙にいたころから手の器用さを生かしてギャンブラーとしても活躍していたギース。いつの間にか「パーティの金を使ってギャンブルする」という悪い噂が広まっており、その後二度と冒険者に戻ることはありませんでした。

戦闘以外なら器用にこなすギースですが、そんな彼が最も得意としていたのが料理でした。「黒狼の牙」時代にギースが料理をするシーンが出てきますが、まさに堂に入ったもので彼の料理を食べたルーデウスによると「店を出せるレベル」に達していたようです。後にパウロの妻となるゼニスは、ギースから料理の手ほどきを受けていました。

ここからは、無職転生のギースの正体をネタバレで解説していきます。ヒトガミとの関係はどのようになっていたのでしょうか？

最初に説明した通り、ギースの父親はヌカ族の村長にまでなった人物で、部族の中では豊かな暮らしをしていました。しかし安定した生活に物足りなさを感じていたギースは、いつしか冒険者に憧れを抱き、冒険者チーム「黒狼の牙」に所属することになります。

しかし、戦闘能力の低いギースは、ある日死に直面する事態に陥ります。その時、彼の前に現れ命を救ったのがヒトガミでした。雑務を器用にこなし「黒狼の牙」の中で頭角を現していったギースでしたが、実は他ならぬヒトガミが彼を陰で支えていたのです。ヒトガミの未来視の能力は、ギースの担当業務の1つ・撤収の判断の強力な武器となりました。ギースは着実にチーム内での地保を固めていきました。

ヒトガミの力を利用して黒狼の牙での地位を高めていったギース。しかし、その一方でヒトガミのせいでギースの故郷は壊滅的な被害を受け、村で暮らしていたヌカ族は滅ぼされてしまいました。ギースの正体は、ヌカ族最後の生き残りと言われています。

ヌカ族の村長の息子ギースにとってヒトガミは仇ともいえる存在ですが、ヒトガミのおかげで今の地位が得られたのも事実です。ギースはヒトガミとの関係を断ち切ることはできず、依然として接触を持ち続けていました。

ヒトガミの能力を利用しているように見えて、実はギースの正体は「ヒトガミの使徒」と呼ばれる存在でした。しかも、ヒトガミと密につながりながら、他人の目をごまかせるのがギースの強みです。ヒトガミの使徒に対しては容赦のない龍神のオルステッドでさえ、最初の頃はギースの正体がヒトガミの使徒であるとは露ほども思っていませんでした。

何でも器用にこなすギースを手駒として操るヒトガミですが、ギースを全くと言ってもよいほど評価していませんでした。評価していないどころか、何もできないゴミと言って完全に見下していました。

後に龍神オルステッドは、ギースを評して「ヒトガミの切り札」と呼んでいましたが、ヒトガミにとっては単なる捨て駒の1つでしかなかったようです。ただ、ヒトガミの評価に反して、ギースはルーデウスたちにとって大きな脅威となりました。

黒狼の牙の冒険者・ギースと黒狼の牙リーダー・パウロの息子であるルーデウス。2人は先輩・後輩の間柄で良好な関係を保ってきました。ところが、ギースは突然ルーデウスを裏切ります。では、どのような理由からギースは手のひら返しの裏切りに出たのでしょうか。

ギースの裏切りにはヒトガミが一枚嚙んでいました。ヒトガミはルーデウスの家族を人質にして脅迫し龍神オルステッドと戦わせようとします。果敢にもオルステッドに挑んでいくルーデウスでしたが、さすがに歯が立ちません。危うく命を落とすところを、ルーデウス命の”狂犬”ことエリス・ボレアス・グレイラットに助けられました。この時、オルステッドはルーデウスを仲間に誘い、ルーデウスもこれを了承します。

ここで困ったのがギースです。ルーデウスとは冒険者仲間ですが、ヒトガミにも恩義があります。ヌカ族を滅ぼした仇敵でありながら、ヒトガミの未来視のおかげで出世できたのも事実です。ここでヒトガミのために一旗揚げれば、俄然自分の存在感が増していくのは明らかです。裏切りを勧める悪魔のささやきがあったのでしょうか？結局ギースはヒトガミ側につき、これがルーデウスへの裏切り行為となってしまいました。

裏切りを決断したギースは、オルステッドとルーデウスに対抗するため、早速戦闘メンバーを集めます。七大列強6位の剣神ガル・ファリオンや同7位の北神アレクサンダー・カールマン・ライバックをはじめ、不死身の魔王ことバーディガーディ、鬼族の首領である鬼神のマルタなど錚々（そうそう）たるメンバーです。このメンバーではたして裏切り者・ギースは勝利することができたのでしょうか？

突然ルーデウスを裏切り宣戦布告したギース。裏切りの結果、ギースの最後はどうなったのでしょうか？万全を期して選んだ強力なメンバーとギースでしたが、裏切りの対象・ルーデウスとの全面戦争の結果は完敗。ギースは最後には死亡してしまいました。ギースが集めたメンバーたちはルーデウスと好勝負を展開しましたが、戦闘力のないギースは最後はルーデウスの能力の前に成す術もありませんでした。

ルーデウス側との全面戦争の中、ルーデウスの火聖級魔術・閃光炎が炸裂し、ギースの体は灼きつくされてしまいます。最後に息絶える前、ルーデウスと言葉を交わし、黒狼の牙で共に汗をかいた仲間のギレーヌとも最後に別れのあいさつを交わせたのがせめてもの救いだったことでしょう。しかし、ルーデウスにとってギースは、最後の最後まで気の抜けない恐ろしい相手であったことは間違いなのではないでしょうか？

ここで改めて、本記事で特集しているギースと本作・無職転生の主人公ルーデウスとの関係を振り返ってみます。

ギースとルーデウスの出会いは、決して胸を張って誇れるようなものではなくむしろ恥ずかしい場所での出会いでした。ルーデウスは獣族の神として崇められている聖獣・レオと戯れたかどで、またギースはギャンブルでのインチキがばれて、それぞれ獣族の村の牢屋に投獄されます。それが2人の偶然の出会いでした。

その後、人間の売人グループの襲撃を受けて村は大混乱に陥ります。その隙に、ルーデウスとギースは首尾よく脱獄に成功。しかし、ここでルーデウスは思わぬ行動に出ます。自分を投獄した獣族に加勢し、売人グループを撃退したのです。ギースはこの行動に感銘を受けルーデウスに心を許すようになります。その後、2人はミリス王国まで行動を共にしています。

オルステッドが見破ったように、ギースは本作・無職転生の後半で正体が「ヒトガミの使徒」であることが判明します。ところが、正体はヒトガミの使徒というギースがルーデウスに手紙を出したのですが、なぜそのような行動に至ったのでしょうか？理由を探ってみることにします。

それは、無職転生における大事件である「フィットア領転移事件」に端を発しています。この事件発生により、フィアット領の人々やルーデウスの家族は世界中に吹き飛ばされてしまいます。ルーデウスの母・ゼニスはベガリット大陸の迷宮都市に飛ばされました。パウロはすぐに黒狼の牙のメンバーを招集しゼニス救出に向かいます。この時は、ルーデウスの家庭教師だったロキシーまで駆り出されました。

一方息子のルーデウスは、ヒトガミからあるお告げを受けます。それは「ベガリット大陸に行くと後悔する」ことになるというものでした。その結果、ルーデウスは母・ゼニス救出隊への参加を見送り、ラノア魔法大学に入学することになります。

ヒトガミがルーデウスに与えたお告げには、ある邪（よこしま）な理由が隠されていました。ヒトガミにとってララの母親になるロキシーは不都合な存在です。ルーデウスの足止めをしておけば救出作戦は失敗し、邪魔なロキシーは死ぬことになると考えたのです。

ところが、黒狼の牙メンバーとしてゼニス救出作戦に参加していたギースが、ルーデウスへ支援要請する手紙を送り台無しにしてしまいます。正体がヒトガミの使徒というギースにはあるまじき行動でしたが、ギースにはヒトガミの目的がわからなかったのです。ヒトガミにとっては悪夢、ルーデウス側から見ると”お手柄”でした。ヒトガミが使徒を完全掌握できていなかったことが図らずも露呈する結果となってしまいました。

2017年4月、60分のドラマCD「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 転移迷宮編」がフロンティアワークスから発売されました。このドラマCDで無職転生のギースの声を演じた声優・千葉繁を紹介します。以下にプロフィールを記します。

• 芸名：千葉繁（ちば・しげる）
• 本名：前田正治（まえだ・まさはる）
• 性別：男性
• 出生地：熊本県菊池市
• 生年月日：1954年2月4日
• 年齢：67歳（2021年10月現在）
• 身長：166cm
• 職業：声優、俳優、タレント、音響監督
• 趣味：アクション、殺陣
• 事務所：81プロデュース

中学卒業後、郷里の熊本から上京し日立製作所に就職した千葉繁。その後、劇団フジのオーディションに合格し役者としての活動がスタートします。優れた身体能力を生かし、主に日活作品でスタントマンとして活躍します。劇団東芸移籍後は、「白い巨塔」などの数々のテレビドラマに出演しています。

1976年22歳の時、千葉はテレビアニメ「ドカベン」で声優デビューを飾ります。その後は「北斗の拳」などで主に悪役の声を担当、声優としてのキャリアを積んでいきます。千葉繁が声優として飛躍を遂げたのは、1985年のテレビアニメ「ハイスクール!奇面組」。初の主役である主人公・一堂零役を演じました。

また、1989年に押井守監督のOVA作品「御先祖様万々歳!」で音響監督を務めたのきっかけに音響制作の分野へも進出。さらには俳優養成所・C&Oアクターズスタジオで所長に就任するなど活躍の場を拡げています。押井監督との仕事は、1980年のテレビアニメ「ニルスのふしぎな旅」に始まり、翌1981年の「うる星やつら」のメガネ役は千葉繁の出世作となりました。

その後、千葉繁は押井監督の実写映画にも出演。1987年の「紅い眼鏡」では主演を務めています。さらに、押井監督の代表作・アニメ「機動警察パトレイバー」の実写版映画「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」でもアニメ同様のシバシゲオ役で出演するなど声優・千葉繁と押井監督とは斬っても切れない関係となっています。

ドラマCD「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 転移迷宮編」でギースを演じた千葉繁の数多い出演作品の中から、主なテレビアニメ出演作を紹介します。

• ハイスクール!奇面組（一堂零）
• 幽☆遊☆白書（桑原和真）
• うる星やつら（メガネ）
• 装甲騎兵ボトムズ（バニラ・バートラーほか）
• ゲゲゲの鬼太郎（ねずみ男）
• ONEPIECE（バギー）
• 宇宙戦艦ヤマト2199（佐渡酒造）
• ジャングル大帝（第3作：ココ）
• オーバーロード（セバス・チャン）
• 呪術廻戦（漏瑚）

ここまで無職転生のギース特集をネタバレでお届けしてきましたが、最後にギースに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に取り上げるのは、無職転生のギースの良さをツイートしたくなると言う方からです。ツイートしたいのは山々なのですが、ネタバレが多すぎて書けないのだと言います。ネタバレが多いと言うことは、それだけギースが物語の核心に絡んでいると言うこと。重要なキャラであることの証しではないでしょうか？

次に紹介する無職転生のギースに関する感想や評価は、ギースが悪人ではないと言う方のツイートからです。こうしたツイートは数多く見られました。どんな人かと言うと、筋を通す義理堅い人だと言います。

ルーデウスは冒険者仲間ですが、ヒトガミの未来視のおかげで冒険者チームで出世できたのも事実です。ルーデウスに付くかヒトガミに付くか決断を迫られたとき、ヒトガミへ恩義を返すためヒトガミ側に付くことを決めたのです。ただ、ヒトガミはギースを見下し利用していただけですから、ギースは「いい人」というより「人がいい」と言うべきかもしれません。

続いて紹介する無職転生のギースに関する感想や評価は、ギースがギャンブルに強い理由に言及したツイートからです。無職転生の作中で、ギースがギャンブルで勝ち続けていることが話題になっていました。

投稿者の見解によると、ギースがギャンブルに強いのはヒトガミの未来視のおかげとのこと。もしそうなら、ギースがヒトガミに恩義を感じているのはお金絡みということになるのでしょうか？

最後に紹介する無職転生のギースに関する感想や評価は、ギース好きが高じて妄想しているツイートからです。ギースフリークの投稿者は、彼を主人公とするスピンオフ作品登場を心待ちにしているそうです。

戦闘力の要らない世界に転生したギースが、持ち前の器用さや要領の良さ発揮してコンビニバイトから始めて起業するというストーリーまで考えているようです。ギースを主人公にしたスピンオフ作品は面白いかも知れません。

ここまで、「無職転生のギースの正体をネタバレ！」と題して、ギースのプロフィール・正体からヒトガミとの関係、そしてルーデウスに対する裏切りの理由や最後までネタバレ解説してきました。いかがでしたでしょうか？
 

ギースの正体は、ヒトガミによって惨殺されたヌカ族の生き残りで、パウロがリーダーを務める黒狼の牙のメンバーでした。仇敵であるはずのヒトガミから受けた恩義に報いるギースの正体はヒトガミの使徒であり、冒険者仲間ルーデウスへの裏切りを行うことになります。

ヒトガミから受けた恩義とは、ヒトガミの未来視の能力から得られた情報を活用して黒狼の牙でのギースの仕事である撤収のタイミングを決定したというもの。確実な仕事ぶりに黒狼の牙でのギースの評価は高まり出世につながりました。ただ、最後にはそれがもとでギースは死亡してしまいます。SNSでは、悲しい結末を悼むファンの声が絶えないそうです。