【薬屋のひとりごと】高順は作中一の苦労人？登場エピソードやキャラの魅力を紹介

日向夏によるライトノベル作品「薬屋のひとりごと」。この記事で考察する薬屋のひとりごとの高順の話題に入る前に、まずは薬屋のひとりごとの作品情報を紹介していきます。まずは作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

日向夏によるオンライン小説でライトノベル作品の「薬屋のひとりごと」。架空の帝国を舞台にした、ミステリー仕立てのラブコメディー作品となっています。

2011年10月、薬屋のひとりごとは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載がスタートしました。読者の評価が高かったことから、翌2012年には主婦の友社「Ray Books」より第1部・後宮編が単行本として刊行されることになります。次いで第1部・後宮編は、2014年主婦の友インフォスのヒーロー文庫より装い新たに出版され、第2部以降の発行も継続的に行われています。

さらに、薬屋のひとりごとは小説を原作として漫画化され、2017年にはスクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンと小学館の月刊サンデーGXにて連載されました。また、その人気を裏付けるように「アニメ！アニメ！」が行った「アニメ化してほしいライトノベル・小説アンケート」では、2019年上半期・下半期、2期連続で一位になった他、「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門では第1位に輝いています。

小説・漫画共に薬屋のひとりごとの舞台となるのは架空の帝国です。養父を手伝って薬屋で働く主人公の少女・猫猫（マオマオ）は、ある時人買いにさらわれ後宮に売られてしまいます。揉め事を起こさずに期日まで勤め上げようと心に誓う猫猫でしたが、幼い鈴麗公主の命を救ったことで後宮の実力者・壬氏の目に留まります。その後起こる難事件を解決へと導くため、壬氏は彼女の力を利用することを思いつきました。

小説および漫画作品・薬屋のひとりごとの高順（ガオシュン）とは、後宮で強い権力を持っている宦官の壬氏（ジンシ）を補佐する、年齢36歳の武官です。代々皇族に仕える一族の出身で、後宮では壬氏同様、宦官として任務にあたっています。

皇帝・阿多とは幼馴染で、子供の頃は後宮内で一緒に遊んでいた間柄になります。弱冠15歳で6歳年齢が上の女性と結婚。彼女は壬氏の乳母をしていた人物です。その後2人は3人の子宝に恵まれました。

ここからは、薬屋のひとりごとの高順のかっこいい魅力と登場時のエピソードを考察・紹介していきます。見出しにもあるように、高順は苦労人として知られており、人生経験が豊かで酸いも甘いも嚙み分けた常識人でもあります。

苦労人と称される高順に大変な苦労を掛けてきたのは、彼が従者として仕える壬氏。壬氏と言えば紅顔の美少年として有名です。彼が微笑みかけるだけで、女の子は夢中になってしまうほどです。そんな女性にもてるご主人を、変な虫が付かないように守るのも高順の仕事なのです。こうした仕事をしているだけでも気苦労が絶えないのではないでしょうか？

また、壬氏は皇帝の実弟という出自を隠して生活しています。その秘密を知っている高順は、壬氏が皇帝の弟として恥ずかしくない振る舞いをするよう、いつ何時も目を光らせていました。陰になり日向になり壬氏に悪い噂が立たないよう力を尽くしていたのです。

その壬氏は子供の頃からわがままな性格で、思い通りにならないと泣いて暴れていました。この壬氏のわがままに付き合うことが、従者として最も大変な仕事かも知れません。彼と仲の良かった猫猫が解雇され去っていった後、高順は意気消沈した壬氏を苦労して慰め立ち直らせました。

猫猫と壬氏のエピソードを紹介します。猫猫に用事を頼んだ壬氏。その見返りに漢方薬として用いられる貴重な牛黄（ごおう）を与えると約束します。牛黄に心を動かされた猫猫はオファーを快諾。ところが、そのあとに壬氏のいつもの一言が待っていました。「ということで高順、手配を頼む」。壬氏の従者になるとこうしたことの連続ですから、気苦労の絶える時はありません。

さらに高順の魅力について考察していきます。薬屋のひとりごとの高順が心を砕いていたのは従者として仕える壬氏だけではありません。壬氏が心を許す猫猫に対しても同様の対応が求められました。ある時、壬氏が「今日もナメクジを見るような目をされた」と猫猫からの仕打ちを嬉しそうに報告してきました。これ以上壬氏のおかしな言動を助長させないため、高順は猫猫にナメクジのような目をしないように言い含めました。

高順は壬氏と猫猫にとって心から信頼できる従者であり、他に代えがたい存在となっていきます。そして、知らず知らずのうちに高順は、壬氏と猫猫のキューピット役を演じていたのです。

続いての高順の魅力考察は、彼の一族に関することです。プロフィール欄でも説明しましたが、薬屋のひとりごとの高順は代々軍事に従事する武官を世に送り出している一族の出身です。そもそも高順というのは本名ではありません。宦官として後宮に仕える時に使われる偽名です。

彼の一族の名前は、本名である息子たちの名前を見れば一目瞭然。長男は馬良といい、次男が馬閃、いずれも「馬」という文字が付くことに気づくでしょう。この馬という一文字が、高順一族の代々受け継いできた名前なのです。武官として活躍する一族はいくつかありますが、最重要な皇族の護衛は馬一族がほぼ独占してきました。このような高順家は、由緒正しい家柄と言えるでしょう。

高順の魅力を解説してきましたが、次に高順の今後がどうなるのか考察してみます。薬屋のひとりごとで代々後続の護衛にあたってきた馬族出身の高順ですから、今後は皇帝の護衛を務めることになると考えられます。ただ現在はその役に就いているのは宦官の壬氏です。

高順に2人の息子がいることは既に説明しましたが、高順の後を継ぐべき長男の馬良は体が華奢で、とても護衛に向いているとは言えません。その結果、次男の名前にも馬の字を当て、後継者候補であることを示すことになりました。

将来的には、順番から言って壬氏の後任に高順が就いて皇帝の護衛にあたることになると考えられます。その時には、次男の馬閃が父に代わって壬氏の従者となるのではないでしょうか？

これまでに解説してきたように、小説および漫画作品・薬屋のひとりごとの高順は気配りの人、周囲にとても優しく接することのできる人物です。また堅実な仕事ぶりも評価されており、皇帝が主催する園遊会でもそれなりの高い序列が与えられていました。そんな地位にいる高順ですが、園遊会の後には草むしりをしている姿が描かれていました。

そんな壬氏の従者として、あるいは武官として申し分のない人徳を備えた高順なのですが、残念ながらその性質は彼の子供たちには受け継がれていないようです。長男はひ弱な体質から武官の道は諦め学問の道に進みますが、人間関係に悩みせっかく手に入れた仕事も投げ出してしまいました。

次男の馬閃は、武官としての最低限の資質、体力だけは備えているようでした。ただ彼は先天的な障害を抱えていました。それは無痛症と呼ばれるもので痛覚が極端に弱いのです。例えば、落馬で骨折していても気づきません。とても危険な体質です。また、一人娘の麻美（マーメイ）は父・高順を毛嫌いしており、何と毛虫扱いしていました。これには高順も人知れず傷つき苦悩していたようです。

このように3人の子供たちは、高順の子供にもかかわらず人に対する気配りや優しさが欠如しているようでした。壬氏や猫猫だけではなく、実子に対しても悩みの尽きない苦労人の高順でした。

薬屋のひとりごとの高順の家族に関する考察、最後はまだ若い年齢の高順なのに既に孫がいる件です。プロフィール欄で紹介しましたが、高順の年齢は現在36歳。長寿化・晩婚化が進んだ現在の日本では、36歳ならまだまだこれからという年齢です。

高順は15歳という年齢で壬氏の乳母をしていた6歳年齢が上の女性と結婚。16歳で長男、翌年には2人目、そしてさらに翌年には末っ子と年子で3人の子供を授かっています。

高順が「先日孫が生まれました」と壬氏に報告するシーンが描かれています。この孫とは、高順の年齢が16歳の時に生まれた長男・馬良の子供です。壬氏の従者として忙しい高順は、可愛い孫にゆっくり会う時間もないようです。「早く孫を抱かせてください」と壬氏にお願いするのが精一杯でした。

薬屋のひとりごとのドラマCDで高順の声を演じたのは、俳優・声優の津田健次郎です。以下にプロフィールを記します。

• 名前：津田健次郎（つだ・けんじろう）
• 出身地：大阪府
• 生年月日：1971年6月11日
• 年齢：50歳（2021年7月現在）
• 職業：俳優、声優
• 事務所：アンドステア

もともと映画製作の仕事を志望していた津田健次郎。演じる側にも興味を抱き、明治大学文学部文学科演劇学卒業後に円・演劇研究所専攻科に入所します。研究所卒業後に、オーディションを経てテレビアニメ「H2」の野田敦役で声優デビューを飾ります。

その後は声優の仕事をメインに、俳優としてもテレビドラマや舞台・映画に出演する一方、映画監督やナレーションなど活動の場を多方面に拡げていきました。2021年第15回声優アワードで主演男優賞を受賞しています。

俳優、声優と幅広く活躍する津田健次郎。数多い出演作の中から次にテレビアニメの主な出演作品を紹介します。

• SERVAMP -サーヴァンプ-（ジェジェ）
• アフリカのサラリーマン（トカゲ）
• 禁断吸血鬼（アレクサンダー・フォン・ヴァイセヘルデンブルク）
• 地縛少年花子くん（土籠）
• 炎炎ノ消防隊（ジョーカー）
• 僕のヒーローアカデミア（治崎廻／オーバーホール）
• GANGSTA.（ニコラス・ブラウン）
• 無限の住人（万次）
• テニスの王子様（乾貞治）
• ゴールデンカムイ（尾形百之助）

ここまで小説や漫画・薬屋のひとりごとに登場する高順を特集してお届けしてきましたが、最後に高順に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する薬屋のひとりごとの高順に関する感想や評価は、「元祖癒し系武官」とキャッチコピー付きで高順を永遠に推すという熱烈な高順ファンのツイートからです。

この記事でも考察してきましたが、好きな理由として薬屋のひとりごとの中で一番の苦労人であることを挙げています。また、薬屋のひとりごとのドラマCDで高順を演じた津田健次郎の声が、「想像通りの声」だったことに嬉しい悲鳴を上げています。ドラマ化した時に原作の小説や漫画でイメージした通りの声だったというのは、滅多にないことではないでしょうか？

続いて紹介する薬屋のひとりごとの高順に関する感想や評価は、漫画・薬屋のひとりごとで高順を見た方のツイートからです。

武官で真面目、そして苦労人であることから高順そのままだと言います。ここで投稿者が名前を挙げているオリジナルの高順とは、中国の歴史書「三国志」などにも登場する後漢時代の武将・高順を指していると考えられます。後漢の高順もまた、清廉潔白で酒もたしなまず、真面目で苦労人と小説・漫画の薬屋のひとりごとの高順そのものです。あるいは、薬屋のひとりごとの作者が三国志などを参考にしたのかも知れません。

最後に紹介する薬屋のひとりごとの高順に関する感想や評価は、薬屋のひとりごとのキャラに嵌っている方のツイートからです。

猫猫と壬氏のコンビや玉葉妃の魅力を説明した後、高順が好きな理由を挙げています。その好きな理由とは、「（高順の）苦労に胃薬を渡したくなる切なさ」とのこと。とてもユニークな表現であり、言い得て妙で共感する人も多いのではないでしょうか？最後に、これだけ魅力的なキャラ揃いなので「小説家になろう」での更新を楽しみにしていると、ツイートを結んでいました。

ここまで、小説を原作として漫画化もされている薬屋のひとりごとに登場する高順を特集し、キャラの魅力や彼の周辺人物・壬氏や猫猫とのエピソードを紹介してきました。いかがでしたでしょうか？

薬屋のひとりごとの高順の魅力は、わがままな権力者・壬氏の従者を立派に務め大変な苦労をしていることや壬氏と猫猫のキューピッド役を演じるぐらい行き届いた配慮ができる人物であること、代々武官を排出する由緒正しい一族に属していることなどです。また、彼の家族についても考察し、3人の子供たちには高順のような優しさがないことや36歳と若い年齢で既に孫がいることなどを紹介しました。

この記事でも考察しましたが、高順が今後どうなるのかについては、ファンの間でも大きな関心事項ではないでしょうか？小説・漫画ともに現在も連載中です。今後の展開に期待しましょう。