美女と野獣（アニメ映画）についてまとめ！あらすじや声優も紹介

ディズニーアニメ最高傑作の1つ『美女と野獣』アニメ映画史上初のアカデミー賞作品賞のノミネートであり、今でも愛され続けています。あらすじや吹き替え声優の表現が見事で、いつ見ても衰えない魅力があります。不器用ながら素直に愛せない野獣とそんな野獣にまっすぐ向きあうベルのとてもロマンチックなお話。未だ衰えることのなく愛され続けている、そんな『美女と野獣』についてあらすじや吹き替え声優など解説していきます。

1991年に制作されたディズニーの長編アニメ映画。アニメ映画で史上初となるアカデミー賞作品賞(第64回)を受賞し、アメリカではホームビデオが発売され、1週間という短期間で700万本、1ヶ月で1420万本を売り上げる、当時の米国記録を達成するほどの驚異的人気を誇った作品です。それでは『美女と野獣』のあらすじや吹き替え声優を紹介してきます。

森の奥にある城には、若く美しい見た目とは裏腹に、わがままで傲慢な王子がいました。そんな王子のもとに一人の醜い老婆が1本のバラを手に、バラと交換で一晩とめてほしいと頼まれます。しかし老婆の醜い顔を理由に断ってしまします。老婆は見かけで判断する王子に忠告をすると、突然美しい魔女に変わり、人を見かけで判断するような王子を野獣に、王子をそのように育ててきた召使いを家財道具に変えてしまいました。

醜い姿を恥じ、城に閉じこもった王子に対し、魔女は一凛の花をみせ、その花びらが全部散るまでに、王子が人を愛し人に愛される「真実の愛」を見つけなければ、永遠に魔法が解けることはないと伝えます。その言葉に絶望し、10年の歳月が流れました。

とある街に住む、街一番の美貌を持ち、発明家の父親想いの少し夢見がちな性分のベル。街一番のハンサムで人気者のガストンの執拗な求婚を拒否し続けていました。発明家であり、ベルの父親でもあるモーリスが発明大会に出かけた日、愛馬のフィリップがモーリスを乗せずに帰ってきたのを見たベルはモーリスに何かよからぬことが起きたのではと考え、フィリップと共にモーリスとはぐれた森の奥地の城へとやってきます。

モーリスは森で狼に襲われ、フィリップ共はぐれてしまい、たどり着いた城で助けを求めました。それを見ていた蝋燭のルミエールとティーポットのポット夫人はモーリスをもてなそうとしましたが、城の主である野獣に不法侵入者として牢獄に捕らわれてしまいます。ベルが城に着き、モーリスと引き換えにベル自身が城に留まることを申し出ます。野獣はその条件を飲み、モーリスを強制的に街に追い返しました。

捕らわれる事となったベルに、ルミエールやポット夫人、家財道具に変えられた召使いたちは快くもてなしてくれ、次第にベルも気を取り戻し、ここでの生活になじもうと努力しますが、自分勝手で凶暴な野獣の振る舞いに耐え兼ね、城を飛び出してしまいます。

吹雪の中飛び出してきたベルは、野生の狼に襲われますが、野獣が助けに来てくれます。その出来事をきっかけにベルは醜く自分勝手な野獣のやさしさに気づき、野獣もベルのやさしさに触れ、次第に心を通わせるようになります。野獣は段々と人間らしさを取り戻していき、ベルに想いを寄せ、ベルも野獣に惹かれていきます。

2人だけの舞踏会を開き、楽しさの中にも父の事を考え沈んだ表情になるベルに、野獣は魔法の鏡を見せ、モーリスの姿を映し出します。しかしそこに映し出されたのは、病気の体に鞭を打ち、ベルを探し求めて森を彷徨い行き倒れているモーリスの姿でした。

狼狽しているベルに野獣は、魔法の鏡を与え解放してしまいます。このままベルが帰ってこなければ、自分に対するベルの愛情。『真の愛』を確かめることが出来ず、永遠に魔法が解けないことを知りながら、愛するベルの幸せを取りました。

モーリスを助けに街に戻ってきたベルは、城に野獣がいると主張するモーリスを狂人として精神病院にいれ、ベルとの結婚を承諾させようとガストンが企てているのを知り、モーリスの言うことが事実と証明するため、魔法の鏡で野獣の姿を見せますが、ベルと野獣の関係を知り、嫉妬して野獣が恐ろしい存在だと街中に吹聴し、野獣を殺す為に城へ夜襲をかけ行ってしまいます。

自宅の地下に幽閉されてしまったベルとモーリスはこの状況に途方に暮れますが、ベルのカバンにこっそり隠れていたポット夫人と息子のティーカップに変えられたチップの策により脱出。野獣に襲撃の危機を知らせるために城へと向かいます。

一方、野獣はベルを失った絶望に打ちひしがれ、侵入者の報告を召使いに受けても何も手を打つことしようとしません。召使い達は主人と城を守るべく、ルミエールの策で本物の家財道具になりすまし、侵入者達の不意を突き、撃退することに成功しました。

騒ぎの中、ガストンは野獣の居場所を突き止め、背後から矢を放って奇襲し野獣をバルコニーに追い詰めます。その状況でも野獣は力なく倒れまま反撃しようともせず、ガストンによりさらに徹底的に攻撃されてしまいます。

ガストンが止めを刺そうとした時、駆け付けたベルの叫び声が木霊し、正気を取り戻した野獣は反撃を開始します。怒涛の反撃でガストンを追い詰め、バルコニーから落とそうとする野獣でしたが、命乞いをするガストンに命を奪うことは思いとどまり、出ていくように命じます。

ベルとの念願の再開を果たした直後、諦めきれないガストンが背後から野獣の脇腹を短剣で刺してしまいます。野獣とガストンの二人はバランスを崩し、ガストンは谷底へ落下して死亡。野獣はベルに掴まれてかろうじて救われましたが、野獣はすでに虫の息でした。途切れ途切れにベルとの愛と別れの言葉を口にし息絶えた野獣。涙を流しながら野獣の亡骸にすがり、ベルが愛の告白をした直後、バラの最後の花びらが散っていきます。

皆が悲しみに暮れる中、突然空から流星が降り注ぎ野獣の身体が光に包まれると、野獣は元の美しい王子に戻り蘇りました。彼のベルを想う眼差しから彼が野獣だと確信したベルは喜びと共に口づけを交し合います。さらに降り注ぐ光により、厳めしい形に変えられていた城と、姿を変えられていた召使い達も人間の姿に戻っていきます。

ベルの告白により野獣は『真の愛』を知り、自身と城にかけられていた呪いから解放されました。こうして、人間に戻った王子とベルは無事結ばれ、末永くお城で暮らしていくのでした。

アニメ映画『美女と野獣』のあらすじでは、ベルと野獣の『真実の愛』を手に入れるストーリーを紹介しました。涙腺が思わず緩んでしまうストーリーには、やはりベルや野獣などの声優の力もあります。気になるベルや野獣についてや、吹き替え声優を務めた人物について解説していきます。

アニメ映画『美女と野獣』の主人公。街1番の美貌を持ちながら、心も清く読書と空想好きの女性。『ベル/Belle』とはフランス語で「美しい」という意味を持ち、作中ではその言葉通りの容姿も心も美しい存在です。そんな美しいベルのモチーフになった人や吹き替え声優を務めた人物を紹介します。

アニメ映画『美女と野獣』のベルの性格には1933年の映画『若草物語』のキャサリン・ヘップバーンべージョンのジョーから影響を受けたキャラクターだと言われています。ですが、デザインはまた別のモデルがおり、ディズニーのトップアニメーターのマーク・ヘンとジェームズ・バクスターはヴィヴィアン・リーとオードリーヘップバーンを参考にして、デザインされたと言われています。

アニメ映画『美女と野獣』でベルの吹き替えを務めた声優は伊藤えりさん。オフィス・エイツー所属の武蔵野音楽大学声楽科卒業の経歴を持ち、声優だけではなく、抜群の歌唱力の持ち主で劇団四季や東宝などの数多くのミュージカルにヒロインとして出演する女優や歌手としてマルチジャンルで活躍している女性です。

伊藤絵里さんの初舞台は2歳と早く、テレビ番組で歌う仕事をしていた母が、自宅でピアノを使ってグループレッスンをしたりする為、音楽に関わる環境が小さな時から身近にありました。横浜高島屋の音楽ホールで発表会があり、幼少期はそこで発表会で歌ったり踊ったりしていたようで、伊藤えりさん自身は半分も歌えず愛嬌を振りまいていただけと語っています。

ベルの吹き替え声優を務めた伊藤えりさんは歌謡曲「黒ネコのタンゴ」で有名な皆川おさむさんの親族が設立し、安田祥子さん、由紀さおりさん姉妹も輩出した「ひばり児童合唱団」というプロ合唱団に入り、同い年の仲間とは今でも交流があるほどの仲の良さです。

現在の伊藤えりさんは、コンサートやミュージカル、養成学校の講師、合唱団の運営などを中心に活動しているようで、養成学校「ミュージカルアカデミー」では、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などの名作ミュージカルの音楽監督をしている方々と共に、ミュージカル俳優を目指す人たちに歌唱を教えています。

伊藤えりさんはアニメ映画『美女と野獣』のプリンセス『ベル』のセリフと歌の吹き替え声優をしましたが、吹き替え声優をしていた当時、ディズニープリンセスと言うのはそこまで騒がれるような時代ではなかった為、伊藤えりさん自身も「そんなにすごいものに自分が参加している実感はありませんでした」と語っていました。

ですが、過去のディズニープリンセスが注目されるようになり、幼稚園などへ歌いに行くと、子供の頃に『美女と野獣』をみていた世代が今の幼児の母親になり、伊藤えりさんがベル役を吹き替え声優をしている事を知ると、母親の方たちがすごく興奮されてしまうほどです。

アニメ映画『美女と野獣』のあらすじでは、野獣はフランスのとある古城で召使いに甘やかされて日々を過ごす王子。不作法で、わがまま、すぐに癇癪を起こす王子でしたが、呪いを受たときの年齢は11歳。21歳の誕生日と共にバラの花びらが散ってしまう呪いでした。

野獣のデザインは複数の動物のパーツが組み合わさったものであり、野獣のキャラクターデザインを担当したグレン・キーンは野獣のデザインを「バッファローの頭部・ゴリラの額・ライオンの髭・オオカミの尾と脚・クマの身体・イノシシの牙」を合成した姿と認めています。また一説では目だけは人間の物と言われています。

アニメ映画『美女と野獣』の野獣の名前はアニメ映画の監督及びプロデューサーはDVDコメンタリーで本名を設定していないと思われるような発言をしているのですが、1998年Disney Interactive社が発売したクイズゲーム『The D Show』では、王子の名前をPrince Adam(アダム王子)と表記されています。

アニメ映画『美女と野獣』で野獣の恋敵として登場する『ガストン』実はガストンはボーモン夫人による原作のあらすじには登場しないディズニーオリジナルキャラクターです。本作では悪役(ヴィラン)として登場しますが、他タイトルと比較すると本物の悪役というより、ベルが好きすぎてしまった故の奇行に走ってしまったキャラクターです。

アニメ映画『美女と野獣』でガストンは街一番のハンサムであり人気者でした。狩りを街中でしているときなどは、周りに3人組の女性が彼を羨望の眼差しで見つめ、野獣討伐に向かうときには彼の言葉で皆を動かすだけの信用があります。ガストンはその恵まれた容姿と信用で街の人気者登場しますがそんな彼にも手に入れられない物がありました。

ガストンが執着しているものとは、ひとめぼれで恋に落ちた『ベル』でした。彼は執拗に求婚しますが、全く相手にされず、その態度が余計にガストンの執着心を煽ったのでしょう。ですがこれだけ執着している理由はベルの外見だけをみて、自分にふさわしいと言う理由だけでした。『美女と野獣』のテーマでもある「外見よりも内面」をガストンと言う悪役があらすじを通して顕著に表しているのでしょう。

ディズニーアニメ映画『美女と野獣』について解説してきました。ディズニーアニメ映画史上初のアカデミー賞に2017年には実写映画化されるなど、いつまでたっても衰えることのない人気があり、今でも人々を魅了し続ける作品です。あらすじやベルの吹き替え声優を務めた伊藤えりさんについて解説しました。「人は見た目ではない」のテーマを見事に再現した美女と野獣の2人の話をもう一度視聴してみてはいかがでしょうか。