漫画にこたまの全巻あらすじと感想ネタバレ!最終回(5巻)の結末は?

渡辺ペコの問題作『にこたま』は単なる恋愛漫画ではなく、万人受けするような漫画ではありません。『にこたま』はアラサー男女に読んで欲しい、大人のための漫画なのです。当記事ではコミック全5巻のあらすじとネタバレ、ネットから集めた『にこたま』の感想などをまとめてみました。ネタバレを読んだとしても楽しめるのは、『にこたま」の特殊性に他なりません。最終回である5巻の結末は意外ではありますが、これもハッピーエンドの一つといえましょう。

漫画にこたまの全巻あらすじと感想ネタバレ!最終回(5巻)の結末は?のイメージ

目次

  1. 漫画にこたまとは?
  2. 漫画にこたまの全巻あらすじネタバレ
  3. 漫画にこたまの最終回(5巻)の結末ネタバレ
  4. 漫画にこたまの見どころ
  5. 漫画にこたまに関する感想や評価
  6. 漫画にこたまのネタバレまとめ

漫画にこたまとは?

漫画『にこたま』は、北海道出身の渡辺ペコが書いた恋愛漫画です。『にこたま』は単なる恋愛漫画ではありません。煌びやかな恋愛を描いているわけでもなく、ラブコメでもありません。読み終わったときに爽快な気分になれる漫画でもありません。ある程度の経験をした大人であれば共感ができ、それでも読み終わった後に微妙な気持ちになる漫画です。絵のタッチが柔らかいのとは裏腹に、大人の読者には心が痛くなる漫画です。

『にこたま』は大人の男女関係を、結婚や出産を含めたリアルな描写で綴っています。いわゆるレディコミのような「綺麗な女性の妄想的な出来事」はなく、絶望から這い上がっていくというような物語でもありません。純粋な気持ちだけではなく、妥協も打算も含めた現実を描写しているのが『にこたま』なのです。コミック版『にこたま』が5巻で最終回となるのは、5巻以上は読者も耐え切れないからなのかもしれません。

漫画にこたまの概要

『にこたま』は講談社の青年漫画に分類されています。『月刊モーニングtwo』に収録されていた漫画です。すでに連載が終了している作品では『にこたま』の他に、『もやしもん』『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』などが有名です。『月刊モーニングtwo』は『週刊モーニング』と同じく、読者対象を25歳から45歳に設定しています。

『にこたま』の主人公は29歳です。『月刊モーニングtwo』の読者層が25歳から45歳だったため、アラサーの読者を狙った作品といえます。『月刊モーニングtwo』や『週刊モーニング』は青年雑誌ですが、女性読者も多くみられます。『にこたま』は、まず女性の間でヒットし、その後「ぜひ男性にも読んで欲しい」といわれてヒットしました。コミック版だと全5巻なので、比較的読みやすいという感想が多くみられます。

漫画にこたまの原作者

『にこたま』の作者は渡辺ペコです。北海道札幌市の出身の女性漫画家です。1977年生まれで、27歳の時に集英社の女性向け月刊漫画雑誌『ヤングユー』に『透明少女』でデビューしました。その後も『ヤングユー』で『東京膜』など、少し変わった視点からの漫画を描いています。また第130回芥川賞受賞作品の『蛇にピアス』を漫画化したり、お風呂の話をまとめた短編集『おふろどうぞ』など、ユニークな視点を持つ漫画家です。

2020年4月現在、『にこたま』の作者である渡辺ペコは『月刊モーニングtwo』で『1122』を連載中です。『1122』は「いいふうふ」と読む青年漫画で、結婚をテーマにしています。『にこたま』はアラサー男女の結婚までの苦悩を描いたものですが、『1122』はアラサーの結婚後の苦悩を描いたものです。『1122』は『にこたま』の続編ではありませんが、渡辺ペコのリアルで歪な大人の世界感は共通しています。

漫画にこたまの全巻あらすじネタバレ

漫画『にこたま』は、渡辺ペコによる大人の恋愛漫画です。以下、あらすじやネタバレを含みます。二十歳から付き合い、交際歴9年でそのうち同棲歴が5年になる二人が、『にこたま』の主人公です。主人公は浅尾温子(あっちゃん)と岩城晃平(コーヘー)の二人で、二人とも29歳です。コーヘーは弁理士をしています。あっちゃんは、大手新聞社に記者として勤めていましたが退社し、友人の弁当屋で働いています。

『にこたま』の二人は付き合いが長く、一緒に住んでいることもあり、すでに家族になっている状態です。つまり恋愛のドキドキ感も無くなり、毎日が平穏無事に過ごせている状態です。あっちゃんは義母から「結婚しなくても、こういう関係でもいいじゃない」ともいわれ安心しています。あっちゃんは「結婚や出産」という典型的な女の幸せを、自分にとっては幸せと考えていない女性でもありました。以下、ネタバレが続きます。

1巻あらすじネタバレ

『にこたま』の第1巻のあらすじやネタバレをまとめると、問題提起の巻といえます。結婚に対して少しも願望を感じないあっちゃんに、あっちゃんの友達は「冷めている」と評価します。あっちゃんも「するならコーヘーかなあ」程度しか感じていません。コーヘーはあっちゃんのことが大好きなのですが、やはり結婚については真剣に考えずにいました。そんな二人の関係に異変が起きます。コーヘーが過去一度だけ犯した過ちです。

コーヘーは、上司の高野さんから妊娠したと告げられます。しかも一人で産んで育てるからと淡々と語られます。「ハイ」としか返せないコーヘーは、その後、悶々と悩みます。悩みすぎたことが原因とは思えませんが、睾丸が腫れて寝込んでしまいます。優しく接してくれるあっちゃんに、コーヘーは「子供ができた」と告白します。そこから『にこたま』の主人公の二人の関係が微妙にズレていきます。以上が1巻のネタバレです。

2巻あらすじネタバレ

コミック版『にこたま』の第2巻のあらすじとネタバレです。『にこたま』のコミック版第1巻で長い同棲生活の刺激がなくなった生活に、「一度の浮気で相手を妊娠させた」という事実が発覚します。あっちゃんは暴れたものの、見た目は仲直りのようになります。コーヘーは高野さんに気持ちを伝えますが、高野さんを怒らせてしまいます。コーヘーのグズな行動が読者をもイライラさせます。あっちゃんとの関係も微妙です。

あっちゃんは実家に帰ったときに「一人で暮らすかも」と父親にこぼすと思いきや、コーヘーのことを思うと涙が出てきたりと、情緒不安定になっていきます。それでもコーヘーとあっちゃんは見た目は変わりなく生活していました。どうもお腹が痛いので男女の交わりは無く、二人はまじめな話に終始しました。痛みの限界を超したあっちゃんは病院に行き、そこで卵巣腫瘍であることが発覚します。2巻のネタバレは、ここまでです。

3巻あらすじネタバレ

大人の恋愛漫画『にこたま』コミック第3巻のあらすじとネタバレです。コーヘーは高野さんに認知させてくれと提案します。あっちゃんも手術の日程が決まります。そして高野さんとあっちゃんとコーヘーの3人が病院で鉢合わせます。三者三様に複雑な思いを抱いて、三人はその場を繕います。高野さんが帰ると、あっちゃんの一言がコーヘーに重くのしかかります。あっちゃんは高野さんがコーヘーの相手だと見抜いていました。

あっちゃんの手術の日が決まります。手術が無事に終わったら、あっちゃんの希望で日本酒と焼き白子を食べる約束をします。コーヘーは会社を休んで手術に付き合います。手術は成功します。少しだけ卵巣を残せたあっちゃんでしたが、自然妊娠は難しいと宣告されます。退院後、あっちゃんもコーヘーも日常に戻ります。コーヘーは退院祝いを考えていましたが、あっちゃんに家を出るといわれてしまいます。3巻のネタバレは以上です。

4巻あらすじネタバレ

アラサーの気持ちが痛いほどよくわかる大人の恋愛漫画、『にこたま』のコミック第4巻のあらすじとネタバレです。あっちゃんの気持ちは大きく揺れます。蕎麦屋で思わず涙を流したところに、石田さんの登場です。石田さんはお弁当を買いに来る常連さんで、あっちゃんのファンでした。コーヘーは結局あっちゃんに戻ってきてほしくてプロポーズをしますが、断られます。そこへ高野さんから電話がかかります。

心配になったコーヘーは高野さんの実家に向かいます。高野さんは切迫流産の初期症状でしたが無事で、それでも高野さんが心配なコーヘーは高野さんの実家に数日泊めてもらいます。数日が経ち、あっちゃんと石田さんとコーヘーがあっちゃんのアパートの前で鉢合わせをします。そしてその数日後、覚悟を決めたコーヘーは、あっちゃんの職場に現れ別れを告げます。4巻のネタバレはここまでです。

漫画にこたまの最終回(5巻)の結末ネタバレ

揺れるアラサー女子の心理を見事に表している大人恋愛漫画『にこたま』の最終回5巻のあらすじとネタバレです。コーヘーと高野さん、あっちゃんと石田さんという別の道を歩き始めたかに見えた二人でしたが、まずあっちゃん自身が、自分の気持ちに正直になっていきます。あっちゃんは石田さんに子供が産めない身体であることを告白します。これまで冷静を装っていたあっちゃんでしたが、初めて感情を爆発させたのでした。

一方で高野さんは東京での仕事に区切りをつけるために、改めて会社に挨拶をしに上京します。コーヘーは高野さんの身体を気遣って、実家まで送ることになります。高野さんから田舎で一緒に仕事をしないかと誘われます。コーヘーの態度は悩んでいるともウジウジしているヘタレとも見ることができます。ただ、コーヘーは高野さんに「産むって決めてくれてありがとうございました」と高野さんに伝えます。5巻のネタバレは続きます。

結末ネタバレ①温子の告白

最終回5巻のネタバレです。あっちゃんの告白というネタバレです。水族館で石田さんとあっちゃんがデートをしています。石田さんは子供はいらないといいます。それよりも気持ちを大事にしたいといってくれました。しかしあっちゃんは、石田さんとの気持ちとはズレがあり、今後もこのズレは変わらないだろうと石田さんに伝えます。あっちゃんは、石田さんをふってしまいます。石田さんも、あっちゃんの気持ちを理解しました。

『にこたま』のコミック5巻は最終回のためか、名シーンが満載です。あっちゃんは石田さんに告白すると同時に、自分自身にも告白しているのです。あっちゃんは告白すると次から次へと感情があふれ出てきます。それは、コーヘーへの気持ちだったのです。石田さんは大人なので、この時点で十分に理解していました。そしてあっちゃんも、自分の気持ちに自信が持てたというわけです。これがあっちゃんの告白というネタバレです。

結末ネタバレ②温子の決断

『にこたま』の5巻最終回における、あっちゃんの決断のネタバレです。いよいよあっちゃんは決断します。お友達と呑みに行った帰り道にコーヘーの家に立ち寄り、コーヘーにプロポーズします。コーヘーは、「してください」と即答します。あっちゃんは、更に今後のことなどを説明してきます。思わずコーヘーはあっちゃんに「俺のこと好き?」と確認してしまいます。あっちゃんは「前向きで建設的なつもり」と将来を語ります。

コーヘーはあっちゃんとの気持ちがズレているのではないかとも感じていましたが、大好きなのは変わらないので、このまま頑張ってみようと決心します。現代女性の強さや、アラサー女子の気持ちの表現、またコーヘーのヘタレ具合が最終回の5巻らしく、サクっと話が続きます。あっちゃんが決断したために、話はとんとん拍子でつながっていきます。以上があっちゃんの決断のネタバレでした。

結末ネタバレ③出産

『にこたま』の5巻のネタバレです。高野さんについてのネタバレです。最終回では、コーヘーは高野さんに電話で結婚したことを伝えます。出産について、何か手伝いに行くからと高野さんに告げますが「集中したいから」と高野さんに断られます。予定日になって、コーヘーが病院に行くと高野さんは既に退院していました。高野さんはコーヘーに出産日を偽って教えていたのです。コーヘーは高野さんのアパートに向かいます。

「やっぱり来た」と高野さんは言いました。「集中したいって、いったでしょ」と高野さんはすがすがしい顔でコーヘーに答えます。そしてコーヘーの息子である「はじめ」を紹介します。コーヘーは父親の実感も乏しく「ハロ」とだけつぶやきますが、はじめの小さな手がコーヘーの指を掴むと、コーヘーの中に何かを感じさせたようです。以上が高野さんの出産にまつわるネタバレでした。

漫画にこたまの見どころ

『にこたま』は29歳のカップルの日常を描く恋愛漫画です。作者の渡辺ペコは、屈折した女性の心理を描くことや、あまりにも一般的過ぎて漫画のネタにはならないであろう題材をも漫画にしてしまうなど、一風変わった視点を持った漫画家です。この『にこたま』も、結婚に対するキラキラした夢物語を描いたものではありません。むしろ実にリアルな、アラサーの男女には十分起こりえることが満載の漫画です。

『にこたま』の最終回を含む5巻まで、全話に細かい描写が散りばめられています。あっちゃんが作る食事などの細かい描写はもとより、ショックのために顔の表情が失われている様子など、非常にリアルな書かれ方をしています。『にこたま』の見どころといえば、全5巻すべてにおける、人間模様ということになります。さらに『にこたま』を楽しむのであれば、以下の二つの見どころが重要なカギとなります。

見どころ①アラサー未婚カップルの恋愛事情

『にこたま』の見どころといえば、なんといってもアラサーの現実を実にリアルに描写している点です。29歳と言えば、女性は「子どもが欲しくなる10年」がはじまる歳でもあります。同棲生活が長くなると家族愛が強くなってしまい、きっかけが無ければ次へ進めない関係にもなりがちです。周囲を気にしているのにそぶりも見せようとしない強がりの主人公や主人公を取り巻く人間模様が見どころ満載です。

二十歳のころから9年間も一緒に過ごし、同棲生活も5年が過ぎると既に家族愛にシフトしています。既に結婚しているような気持にもなり、互いの親とも緊張なく会うことができています。その何が問題なのか、ということを『にこたま』は問いかけています。『にこたま』の感想は賛否両論です。5巻の最終回の結末は特に、アラサーの恋愛事情の描かれ方が逸品であり、『にこたま』のまずイチオシの見どころと言えます。

見どころ②心理描写のシーン

見どころとしては、なんといっても心理描写の深さが逸品である点でしょう。女性作家である渡辺ペコらしい、主人公のあっちゃんの気持ちの変化や高野さんをはじめ、周囲の女性の言葉や態度に鋭い心理描写がされています。ネタバレになりますが、『にこたま』第5巻の結末では、それまで悩んでいたあっちゃんの背筋が伸びています。このように最終回の結末では、未来に進もうとするあっちゃんの気持ちが細かく描写されています。

ネタバレですが、コーヘーが自問自答する時に、家にある人形を使って表現します。こうでもしなければ現実を受け入れられないという気持ちの弱さの描写です。5巻最終回結末でも、コーヘーは違和感を感じながらも、頑張ってみると前を向こうと努力します。ネタバレ部分を含め、アラサー男女の微妙な気持ちの変化など、心理描写を実に見事に描き切っている点が、『にこたま』の最大の見どころといえるのです。

漫画にこたまに関する感想や評価

『にこたま』は、読み終えたときにスカッとする漫画ではありません。『にこたま』は、読み終えた時にあこがれを抱く漫画でもありません。『にこたま』は、アラサー女性が読めば非常にリアルな心理描写が続き、ともすれば気持ちが落ち込んでしまうことがあるかもしれません。それほどまでに、インパクトが強い漫画なのです。そのため『にこたま』の感想には賛否両論があります。特に結末に対しての感想は様々です。

不安な気持ちにさせる

『にこたま』は、浮気された女性が立ち直り、未来に向かって歩き出すような漫画ではありません。最後に大逆転が起こり、シンデレラストーリーになることもありません。そして『にこたま』の主人公のコーヘーに対しては、気持ちが重くなってしまう男性が多いようです。ネットでは「暗い」「重い」という男性の感想が聞かれます。あっちゃんに対しても、アラサー男性は感想らしい感想を持てないようです。

心理描写は逸品

『にこたま』の作者である渡辺ペコの他の漫画の読者の感想でも、「微妙な心理描写が凄い」「複雑な女性の気持ちをうまく表している」との感想が多くみられます。細かい心理描写がセリフを通して読者に刺さり、その場面の「絵」が言葉を引き立てます。特に登場人物たちの「口」と「目」の書かれ方が絶妙で、思わし気な表情が読者の想像力を掻き立てるという感想が、ネットを中心に聞かれます。

大人にこそ読んで欲しい

恋愛漫画といえば少女漫画であり、思春期の乙女たちのバイブルとして存在することが多々見られます。『にこたま』は、大人が背伸びをして純愛を語る陳腐な漫画ではありません。大人は大人の思春期があり、現実にもがき苦しむのです。『にこたま』は、そのような大人の恋愛模様を描いた漫画であり、アラサー世代にこそ読んで欲しいという声が多く聞かれます。

ラストシーンのネタバレ

子宮筋腫で子供が産めない身体になったあっちゃんは、コーヘーと結婚し、養子縁組で琴子を迎え入れます。家族が欲しいということや、子供が欲しいということが、アラサー女子には響くのでしょう。誰もが憧れるハッピーエンドではありませんが、渡辺ペコらしい『にこたま』の結末に、「あっちゃん、よかったね」と涙する読者の感想が多くみられます。家族の在り方を考えさせられたとの感想も多々見られました。

漫画にこたまのネタバレまとめ

『にこたま』は最終回の5巻の結末が、意外だったという感想も聞かれます。こういうハッピーエンドもあるのか、と思わせる結末でした。『にこたま」は、誰に対してでも勧められる漫画ではありません。ある程度、人生経験を積んだ人でなければ、『にこたま』の登場人物たちのセリフを理解することは難しいかもしれません。それだけ、『にこたま』の抱えるテーマは奥が深く、結末へ至るストーリーが逸品であると評価されるのです。

『にこたま』のあらすじは簡単です。一度の浮気が長い時間一緒にいたパートナーとの関係を再考させられ、二人はそれまでとは違った価値観を構築しながら、ともに人生を歩んでいくだけの漫画です。最終回を含む『にこたま』の5巻には、「涙なくして語れない」という感想や「結末が素敵」という感想が寄せられています。大人の恋愛漫画である『にこたま』は、アラサー世代に是非読んで欲しい漫画です。

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