2019年11月30日公開
2019年11月30日更新
映画プロメアをネタバレ解説!キャストやあらすじ・結末の感想も紹介
2019年5月の公開から半年以上の時を経ても炎が尽きない大人気アニメ映画『プロメア』。その注目の映画のあらすじや大興奮の結末、豪華キャストの他作品への補助線、感想にいたるまで映画『プロメア』をネタバレ解禁しつつ徹底解析!タイトルの意味とは?盛り上がるあらすじの秘密とは!?未視聴の方でも楽しめる構成にはなっていますが、ネタバレが含まれるため、章題に「ネタバレ」という記載がある章にご注意ください。
プロメアとは?
豪華キャストと目に飛び込む鮮やかな映画、そして堂々とした大迫力の演出で世界中を魅了した映画『プロメア』を皆さまご存知ですか?今回はそんな映画『プロメア』の魅力に迫るべくネタバレを踏まえつつも「あらすじ」「キャスト」「感想」の三本柱を軸に出だしから結末まで徹底解説致しましょう。章題に「ネタバレ」という単語が含まれる章はネタバレを恐れずに紹介していきます。ネタバレが気になる方はご注意ください。
プロメアの映画情報
映画『プロメア』はアニメ制作会社「TRIGGER(トリガー)」による111分のアニメ映画で、2019年5月24日に「東宝映像事業部」配給のもと公開されていらいロングランを続けている2019年を代表する日本の映画です。その人気は国内だけに止まらず、62の国と地域でも上映され海外王手映画レビューサイト「IMDb」でもかなりのハイスコアを叩き出しています。
キャストの豪華さや結末の爽快感、そして何よりも「TRIGGER」らしい大胆な演出はファンを魅了し、爆音上映に応炎上映、4DXなどさまざまなパターンが公開されているほか、追加の映像特典付き版などの試みがリピーターを生みました。
プロメアの映画監督と制作スタッフ
映画『プロメア』を大成功に導いた映画監督は2004年の『DEAD LEAVES』で映画監督デビューを果たしたアニメーターの今石洋之監督です。
今石洋之監督は元「ガイナックス」のアニメーターで、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995~)にはじまり、『フリクリ』(2000)や『トップをねらえ!2』(2004)の作画担当を経て2007年に『天元突破グレンラガン』の監督を務めたことで「TRIGGER」の旗揚げから中核を担う存在になっていきました。
『天元突破グレンラガン』では脚本家の中島かずきさんとタッグを組み歌舞伎のような大胆な立ち回りがファン層を獲得。その後、今石洋之監督(写真:右)と脚本担当の中島かずきさん(写真:左)のタッグは「TRIGGER」作品のなかでも鉄板の独自ワールドを展開しています。
豪華スタッフ集結
映画『プロメア』はそんな黄金タッグである今石洋之監督と脚本担当の中島かずきさんのもとに豪華キャストとスタッフたちが総動員されている非常に豪華な作品となっています。「TRIGGER」作品おなじみの声優キャストだけでなく主演キャストには人気俳優を配するなど幅広いファン層をターゲットとしたスタッフ陣容は狙い通りアニメファンのみならず実写邦画ファンも巻き込んだものとなりました。
スタッフとキャスト(抜粋、敬称略)
- 監督:今石洋之
- 脚本:中島かずき
- 音楽:澤野弘之
- 撮影:池田新助
- 編集:植松淳一
- キャスト(俳優・芸人):松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人、ケンドーコバヤシなど
- キャスト(声優):稲田徹、新谷真弓、小山力也、小清水亜美、檜山修之など
プロメアのあらすじネタバレ
この章では結末にいたるフラグメントとしてあらすじをざっくりと解説していきます。キーワードになる単語を挙げていきますのでリピート鑑賞時などに注目してみてください。
あらすじネタバレ①バーニッシュ
冒頭、日常風景のようなシーンのなかで突然、「三角形の炎」が苛立ち感情的になる人々から放たれて無情にも周りのものを焼き払っていくショッキングなシーンから物語はスタートします。この「三角形の炎」を出す人々こそが劇中のキーワードになってくる「バーニッシュ」と後々呼ばれる人々です。このオープニングシーンから30年経ち「世界大炎上」という災害から逃れた人々が集う自治共和国「プロメポリス」がこの物語の舞台です。
ネタバレTips:バーニッシュのいる日常
バーニッシュは不随ないしは意図的に三角形の特殊な炎を放つ人種のことを通称している名です。放火魔のような悪質な存在もいれば、不始末による火事のように映されることもあり、「プロメポリス」においても火消しである「バーニングレスキュー」と呼ばれる組織が欠かせません。このバーニッシュは登場キャラクター(主にガロの内面)に共感するようにカメラワークや演出によって善悪観点が変わる点にご注目ください。
あらすじネタバレ②新人隊員ガロ
そんな自治共和国「プロメポリス」で冒頭バーニッシュによる火事がビルのなかで起きてしまいます。そこに急行するメカニカルな消防車と消防隊が「バーニングレスキュー」。バーニッシュの特殊な炎を氷結させることで鎮火を図る「プロメポリス」が誇る部隊が登場します。
その頼もしくも個性的な面々のなかで「マトイテッカー」と呼ばれるパワードスーツに身を包み声援を受けてビルの屋上へと射出されていく青年こそ、この物語の主人公である「ガロ・ティモス」(キャスト:松山ケンイチ)です。屋上に現れた異常な反応に急行してみると、そこにいたのは黒いフルフェイスの装束に身を包んだ「マッドバーニッシュ」と呼ばれるテロ組織でした。
ガロはその「マッドバーニッシュ」を一斉検挙すべく熱い戦闘を繰り広げ、そのなかで首魁である「リオ・フォーティア」(キャスト:早乙女太一)の思想の一端に触れつつも刃を交わします。
あらすじネタバレ③連行
隙をついて連携をみせ、リオを捕縛することに成功したガロ。彼らなりの解決方法に移行しようとした矢先に、都市を守護する特殊部隊「フリーズフォース」の「ヴァルカン・ヘイストス」大佐(キャスト:楠大典)が横取りするようにマッドバーニッシュと、火元となったバーニッシュを連行していき、余計な真似はしないようにとバーニングレスキューのメンバーに難癖をつけます。
しかし、ガロやバーニングレスキューの予想に反して、不穏なものが滲み出すのです。なんと、連行されていったバーニッシュたちが収容されたのは寒々しく霜のおりた研究施設のような監獄島のような陰気臭い場所なのです。そこでリオはまず「最初の企て」を起こすことになるのです。
あらすじネタバレ④ガロの夢
一方、ガロはバーニッシュのなかでも過激派として知られるマッドバーニッシュを撃退したとして表彰され、司政官の「クレイ・フォーサイト」とアツい握手を交わしていました。ガロにとってクレイは尊敬する育ての親のような存在であり、憧れのヒーローでもあります。そんなクレイから褒められたガロはとても上機嫌に、街を救うヒーローとしてクレイの役に立ちたいと夢を新たにしつつピザ屋で仲間たちと団欒を楽しむのでした。
あらすじネタバレ⑤解放
収容施設で「ある作戦」を実行させ、マッドバーニッシュの仲間たちとともに捕らえられたバーニッシュを解放するリオ。リオは山間部の洞窟に潜伏しますが、ここでピザ屋で事件に巻き込まれ葛藤を抱えたアイナとガロが湖にやってきて飛翔する綺羅星のようなバーニッシュを目撃します。
そうして気配に気付いたガロは、洞窟のなかでリオや傷付いたバーニッシュと触れ合うことになり、バーニッシュが「ただの人」であることやバーニッシュたちの願いを知りより一層葛藤を深めていきます。
あらすじネタバレ⑥英雄の影
そしてその一方で不穏な影の矛先は、司政官クレイ・フォーサイトに向きます。なにやらバーニッシュの処遇について指示を出し、「何かの計画」を進めている様子が映し出されます。そしてガロを疎むような不可解な呟きを残して物語は転がり出すのです。結末のネタバレに繋がりますが、このクレイ・フォーサイト演じるキャスト「堺雅人」さんの声色のささやかな違いにご傾聴ください。
プロメアの結末ネタバレ
「プロメア」の秘密とは?「バーニッシュ」とは?リオとガロ、そしてバーニングレスキューやクレイたちの行き着く先は?…この章ではそんな気になる『プロメア』の真相部分、結末についてネタバレを恐れず解説していきましょう!用語も説明してきますので、併せてお楽しみください。
結末ネタバレ①英雄の狂想
プロメポリスに戻ったガロは、真実を問うために信頼を置いているクレイのもとに向かいます。「バーニッシュによる人体実験をしているのか?」そのといへの答えとしてクレイが提示したのはプロメポリスの地下深くに存在する巨大な箱舟でした。地球の地殻運動とバーニッシュによる被害によって環境は破壊され住めなくなるというクレイ。その解決策として箱舟で脱出するという前代未聞な奇策を秘密裏に実行しているといいます。
バーニッシュという普通の人々を道具として利用することに反感を覚え進言するガロに、本当は嫌いだったのだと拒絶するクレイ。失意するガロは取り押さえられ幽閉されてしまいました。
結末ネタバレTips:パルナスサス計画の真実
そしてこの計画…「パルナスサス計画」を遂行するためには「ある理由」でバーニッシュが必要だということをガロは知ることになります。それは炉心としての利用方法であり、バーニッシュを使用することで異次元へと転移可能だということをアイナの姉であるエリス(キャスト:小清水亜美)の研究から知ることになります。
パルナスサス計画の「パルナスサス(Parunassus)」はギリシャ中部で信仰されていた「山」です。太陽神アポロやミューズが棲まうとされている山の名称をとっているこの計画ですが、結末部分で登場するパワーワードを用いた手段と併せて見てみると、言い得て妙な環境再生計画であることがわかります。
結末ネタバレ②リオの怒り
時を同じくして、バーニッシュたちのもとへも暗雲は立ちこめます。隠れ家とする廃墟群で仲睦まじく生活しているところへ現れたのはヴァルカン大佐率いる「フリーズフォース」。強力な武装でバーニッシュたちを拘束しまるで獣狩りをするような素振りにリオは激昂しつつも、ヴァルカンの口から出た言葉から真相の一端を知りマッドバーニッシュの仲間たちの協力によりなんとか脱出して復讐に向かいます。
怒りによって能力をさらに覚醒したリオは龍のような姿になりプロメポリスのクレイを強襲。バーニングレスキューのメンバーたちが防衛戦に回るなか、アイナはガロを救出し姉のエリスに対しても説得を行うなどここで一気に話は動き出すのです。そうして解放されたガロは改めてバーニッシュへの接し方を決意し、リオの暴走をとめるためにマトイテッカーを身に纏い立ち向かうことになります。
そうして「バーニッシュの誇り」に訴えかけてなんとかリオを食い止めたガロは、アイナによって湖に連れ出されます。凍りつく湖がリオの炎によって融けた先で、古い研究施設を発見することになった一行はAI「プロメス」と出会いついに真相にたどり着くのです。その真相とは「プロメア」…すなわち、「バーニッシュの放つ炎」の正体についてであり、異次元の多次元生命体が30年前に地殻と融合してしまったことが原因であることです。
そしてなんと、30年前に発生したバーニッシュはこの地球の地殻と深く繋がった存在であるという研究結果に絶望したクレイの過去をも知ってしまいます。若き日のクレイはその当時バーニッシュとの共存のための研究を行なっていたプロメス博士を殺害して、計画と研究成果を乗っ取り司政官へと出世していったというのです。
そして、クレイの暴走はより地球の寿命を削るということを知ったガロとリオはプロメスの遺した遺産を使ってクレイの計画を阻止することになるのです。
結末ネタバレ③デウス・エックス・マキナ
それは、バーニッシュを炉心とし、アツい感情をもとに駆動するロボット「デウス・エックス・マキナ」でした。このロボットで阻止に走る際にガロは「ある観点」からリオに対して「リクエスト」をし、心を通わせながらパルナスサス号へと向かうのです。
その先で図のようなカッコいい姿に変異するのですが、なぜそうなるのかは敢えてネタバレしないので是非とも未視聴の方はご自身の目で確かめてみてください。
結末ネタバレ④最終決戦
クレイもまた、プロメス博士の遺産として手に入れていたデータをもとにロボットを用意しており、これを以ってガロとリオ、そしてクレイはお互い譲れない強い意思をぶつけ合うことになります。ここでポイントなのは、「デウス・エックス・マキナ」が「バーニッシュを炉心とし意志力で動く」ということです。
そして、拳を交えるなかで、ガロの育ての親として幼少から支えてきたクレイの「本当の過去」が明らかにされ、ガロは絶望のなかそれでもクレイごと救うことを決意し立ち向かっていき、共存するための「答え」を見つけます。
結末ネタバレ⑤脅威の消失
それは、「燃やしたい」という衝動を抑制するのではなく許容し発散させるというものでした。抑制に抑制を重ねていたクレイはこの答えに激昂し激しく抵抗しますが、ガロはリオから継いだ火をもってリオとともにクレイをも包み込み、そうして満足した「プロメア」は天へと帰っていくことになります。
こうして、バーニッシュとしての能力を失う代わりに、リオの望んだ普通の生活を可能にした人々は青空の下でそれぞれの結末を迎えるのでした。
プロメアのキャスト
ここではあらすじだけでは追えない魅力のひとつ「豪華キャスト」勢揃いとなった映画『プロメア』のキャストをキャラクターの名前の由来とともにご紹介していきましょう。
キャスト①松山ケンイチ/ガロ・ティモス
熱血漢「ガロ・ティモス」役をつとめたのは『男たちの大和/YAMATO』と『デスノート』(2006)で「第31回報知映画賞 新人賞」を受賞して以来、邦画界やテレビシーンには欠かせない俳優となった松山ケンイチさんです。2002年のドラマ『ごくせん』の第1シリーズで俳優デビューし、大河ドラマ『平清盛』の主役「平清盛」をはじめ多くの作品で活躍しています。
そんなガロの名前の由来は「火炉」とギリシャ語で「魂」の意味をもつ「thymos」を併せたまさに結末にふさわしいネーミングになっています。そしてモチーフはギリシャ神話の大神「ゼウス」の息子「メガロス」であるとの説があるのです。このようにプロメアの物語はギリシャ神話を下地にしたものであるという捉え方もできると言われています。
キャスト②早乙女太一/リオ・フォーティア
クールにみえて内に炎を宿すもう1人の熱血漢「リオ・フォーティア」役を演じたのは、同じく情熱的な演技を得意とする早乙女太一さんです。「劇団朱雀」出身の舞台役者から大河ドラマ『風林火山』(2007)や同年のドラマ『堀部安兵衛』に抜擢されて以来、時代劇などを中心に大活躍をしている期待の神星です。
そんなリオの名前の由来はクールさと循環性を象徴するようなスペイン語の「川(Rio)」とラテン語の「勇気(fortitudo)」や古代ギリシャ語の「炎」が元になっていると考察されています。また、モチーフはギリシャ神話に登場する「プロメテウス」の息子「デュカリオン」であるとされています。
キャスト③佐倉綾音/アイナ・アルデビット
行動力と度胸に溢れるヒロイン「アイナ・アルデビット」を演じたのは2011年の『夢喰いメリー』で初主演を果たして以来、注目の集まっている声優の佐倉綾音さんです。様々な作品で活躍する佐倉綾音さんはアニメだけでなくゲーム『艦隊これくしょん』で「長門」型をはじめとする多数の艦娘を演じ分けるなど様々なメディアに意欲的に進出しています。
余談ながら、『天元突破グレンラガン』のヒロイン「ヨーコ」に似ていてかわいいという感想は多く存在し、おそらくは異次元の並行世界の存在を匂わしているのではないかとも考察されています。
10:16 propter hoc mittet Dominator Deus exercituum in pinguibus eius tenuitatem et subtus gloriam eius succensa ardebit quasi conbustio ignis
そんなアイナは、知恵の神としても名高い女神「アテナ」をモチーフとしているという説が有力で、苗字のアルデビットは聖書「イザヤ書」の10章の一説にも登場するラテン語の「燃やすだろう」という意味の語だと言われています。
キャスト④堺雅人/クレイ・フォーサイト
共存ではなく隔離という方法で人類の舵を切ろうとしたプロメポリスの司政官「クレイ・フォーサイト」を演じたのは「半沢直樹」でもおなじみの堺雅人さんです。2004年の大河ドラマ『新選組!』の新選組総長「山南敬助」を演じたことでお茶の間に浸透しそこから魅力と個性を発揮し続けている堺雅人さんは近年では『プーと大人になった僕』(2018)の「クリストファー・ロビン」役の吹き替えなどにも挑戦しています。
そんなクレイのモチーフは「クラトス」という「プロメテウス」をゼウスの命令で磔にした巨神で、フォーサイトはプロメテウスの象徴でもある「先見の明」を表していると言われています。
キャスト⑤小山力也/イグニス・エクス
バーニングレスキューの隊長にして頼れるベテランの「イグニス・エクス」を演じているのは洋画吹き替えをはじめ多くの作品で活躍する俳優・声優の小山力也さんです。1989年に『仮面ライダーBLACK RX』で俳優デビューをして以来、1998年には『ポケットモンスター』に登場するなど数々の作品で活躍しています。
ヴァルカン大佐との因縁もあるイグニスは先述のアイナの名前をご紹介した際にも実は引用されていますが、ラテン語の「炎」を表すといいます。
キャスト⑥新谷真弓/ルチア・フェックス
バーニングレスキューのメンバーのなかでも技術開発を司る「ルチア・フェックス」を演じるのは、同じ「TRIGGER」作品の『キルラキル』にも出演している声優の新谷真弓さんです。新谷真弓さんは今石洋之監督の関わってきた作品のなかの『彼氏彼女の事情』(1998)で声優デビューを果たし『フリクリ』などに出演するなどガイナックスの庵野秀明監督を通じて作品を共有する仲にあります。
そんなルチアのモチーフは不明ですが、名前のルチアはラテン語の「光(Lucia)」そしてフェックスはラテン語の「創り出す(facio)」を元にしているのではないかという説があります。
キャスト⑦小清水亜美/エリス・アルデビット
出典: https://note.com
アイナの姉にして自身の理想や葛藤のなかでパンドラの匣に手を出すことになる天才科学者「エリス・アルデビット」を演じるのは、声優の小清水亜美さんです。2003年の『明日のナージャ』で声優デビューした小清水亜美さんは『交響詩篇エウレカセブン』(2005)のアネモネ役などでファンの心を掴み、2013年には「TRIGGER」作品の『キルラキル』において主人公の「纏流子」役を演じています。
そんなエリスのモチーフは不和の女神「エリス」ではないかと考察されており、妹のアイナとのやりとりはネタバレあらすじでも触れましたがプロメアのテーマのひとつでもある「抑制」を象徴しています。
Tips:TRIGGER作品の豪華キャストが再集結!
ルチアやエリスだけでなくあらすじでは紹介しきれませんでしたが、映画『プロメア』は「TRIGGER」作品に関連する声優さんたちが多数出演しており、ファンムービーとしての色をより濃くしています。このキャスティングは非常にファンの間で評価が高く同窓会のようだという感想もあります。
- 柚木涼香さん:ビアル・コロッサス役(クレイの秘書)⇄『キルラキル』「鬼龍院皐月」役
- 稲田徹さん:バリス・トラス役(バーニングレスキュー隊員)⇄『キルラキル』「蟇郡苛」役
- 吉野裕行さん:レミー・プグーナ(バーニングレスキュー隊員)⇄『キルラキル』「犬牟田宝火」役
- 檜山修之さん:ゲーラ(マッドバーニッシュメンバー)⇄『キルラキル』「猿投山渦」役、『天元突破グレンラガン』「ヴィラル」役
- 小西克幸さん:ゲーラ(マッドバーニッシュメンバー)⇄『キルラキル』「黄長瀬紬」「ガッツ」役、『天元突破グレンラガン』「カミナ」役
プロメアの魅力考察
この章では結末まで至るあらすじを踏まえつつ、プロメアの魅力を考察していきましょう。ところどころ結末に関するあらすじに噛んでくるネタバレが含まれるため章題にご注意ください。
グレンラガンやキルラキルとの類似点
映画『プロメア』は前章で紹介しましたが、他の「TRIGGER」作品に関連するキャストが配置されたり、画面内をよくみると他の作品のメカや施設を思わせるデザインが散見されていたります。
それだけでなく、映画『プロメア』の演出面では他の「TRIGGER」作品にセルフオマージュする形で活字やカットイン、カメラワークが用いられており、それがまた心地いいのだとファンの間では感想が寄せられています。
特に『キルラキル』や『天元突破グレンラガン』は関連を匂わせる作品として意図して設計されており、スタッフによる支援イラストをみると「並行世界」や「シェアワールド」などの可能性に心を踊らせられるという感想もあります。
キャストの演技力
映画『プロメア』では、実力派の声優陣と俳優陣による見事なキャスティングと臨場感のある演技を魅力だと感じる感想が多く存在します。ネタバレは避けますが、特にクレイ・フォーサイト役の堺雅人さんは「喉を潰した」ほどの怪演をみせるなどファンが脱帽する演技をみせました。
至高のファンムービー
口コミが口コミを呼び、2019年9月に公開から4ヶ月で11億を天元突破して世界中に『プロメア』ブームが巻き起こったことと、製作陣のこだわりもあり、映画『プロメア』は「4DX版」や「応炎上演版」などさまざまなラインナップを揃えてなおも爆炎上中のヒットムービーです。
このブームの根幹になっているのが前述でもご紹介したTRIGGER作品ならびに中島かずきさんの作品世界観の炎を継いだ「セルフオマージュ」の影響があるとの声が多く挙がっています。その別作品から引き継がれる要素によってシャープにアイコン化され、強調された人物像は群像劇に起きがちなキャラクターを把握しきれないという要素を極力排除し、誇張された表現と勢いはファンの心躍らす要素へと変換されていくのです。
余談ながら海外ではあらすじでもご紹介した「Deus X Machina!」の掛け声が非常に反応の大きいセリフらしく、いわゆる「パワーワード」に溢れたつい口遊みたくなる台詞回しも中島かずき作品らしいファンムービーには欠かせません。
映像と演出が巧み
今石洋之監督と脚本担当の中島かずきさんのタッグと「TRIGGER」によるダイナミックな構図どりやモチーフの選択は、ジェットコースター式に進む物語をデフォルメ誇張してわかりやすくスピーディに流し込むことに成功しています。それらの演出は「TRIGGER」の集大成でもあるとの感想も挙がるほど他社では真似のできない独特な世界観を醸し出しているのです。
共存がテーマ
映画『プロメア』のテーマはネタバレあらすじでも触れましたが「共存」となっています。多様性をもつ違う気質や違う体質をもつ人々がどのように共存するのが心地よいのかというテーマをもとに、実は炎などモチーフの形でも抑圧や自由の象徴が示されていると考察できます。
バーニッシュの放つ激情の炎が三角であるのに対して、それを抑圧するフリーズフォースなどの氷は四角、そして調和するシーンでは丸のモチーフが使われるなどの細かい象徴が使われています。
ビジュアルの美しさ
映画『プロメア』のビジュアルの美しさは蛍光色を多彩につかった美しい炎の表現や、自然物や空の自然色などの対比が挙げられます。公開当初はディスク化不可能とも言われていた色味は鮮烈に鑑賞した人々の目に焼きつくのです。
怒りの抑圧
また映画『プロメア』のテーマの「共存」と裏表になっているのが「抑制」であり、リオは劇中で人間らしい「普通の生活」を求めるために怒りを抑制してきたことがあらすじでも伺えます。また、他のキャラクターたちもそれぞれ衝動にも似た感情を抑制して生きており、それを結末で覆す様が共感と爽快感を与えているとの考察があります。
壮大で多彩な劇中歌
「TRIGGER」作品には欠かせないかっこいい挿入歌は澤野弘之さんの手によるもので、「TRIGGER」作品には『機動戦士ガンダムUC』(2010~14)や『進撃の巨人』(2013)などでも使用されている魅力的なナンバーです。
アクションシーン
映画『プロメア』のアクションシーンは2D作画と3Dモーションを組み合わせた非常に立体的な作画になっており、ファンのなかでもかっこいいと評判の魅力のひとつです。
プロメアのリオとは?
ここで、最後に映画『プロメア』のキーになる2人目の主人公「リオ・フォーティア」についてネタバレを踏まえつつ解説していきましょう!
リオの概要
「リオ・フォーティア」は出自がはっきりとはしていませんが、比較的若くそして過激派として報道されるほどの行動力をもってバーニッシュの自由と、「人らしい暮らし」を望んでいる2人目の主人公です。ガロとは違うベクトルでの苛烈さを持っており、その見た目から女性かと間違われることもありますが、キャストの早乙女太一さんの殺陣をもとにしてモデリングされたと言われるアクションなど優れた身体能力を発揮します。
ネタバレを避けますが、結末を迎えたあとのリオがいったいどんな「日常」へと帰っていくことが出来たのかも注目のポイントです。
ネタバレあり解説:リオの装備
バーニッシュのなかでも過激で強力な炎を扱うリオは装備といってもいいほど具象的な炎を扱うことが出来ます。ひとつ目は「バーニッシュアーマー」と呼ばれる黒いライダースーツのような甲冑であり、これは形状を変化させてバイクのような「バーニッシュサイクル」や刀のような形に変換できます。そしてより強烈なのは「バーニッシュフレア」と呼ばれる「怒り」や「衝動」によって発生する炎が挙げられます。
この炎こそがあらすじでネタバレ紹介した「三角形の炎」であり、人類に半分を焼死させるにいたった強い感情です。リオはクレイへの怒りによって龍のような姿に変わってプロメポリスを蹂躙するまでに至りました。
中性的な姿という柔らかな印象とは違う、…違って良いのだと示すようなキャラデザインと苛烈な性格。そしてその行動力こそがもうひとりの主人公であるガロと響き合って、映画『プロメア』のテーマでもある「共存」へと繋がっていくのです。
プロメアに関する感想や評価
この章では、映画『プロメア』の気になる感想についてご紹介していきましょう!ネタバレが含まれるものは章に「ネタバレ」感想と記載しますので参考にしてみてください。
感想:作画が美しい!
プロメアの塗りと作画はめちゃくちゃ好き、、磨きって洗練されてる。引き算の美しさ。もし、プロメアが描き込む方の画風だったら、2時間超リアルな作画になるんだろうな…それほど一枚一枚に時間が描けられてる洗練された線。。惚れ惚れする。
— leia🔥 (@emeral96d) November 29, 2019
映画『プロメア』のデフォルメ加減やフォルムや色の選び方はファンのなかでも特に自分で絵を描く人々やカメラが趣味の人に大きな影響を与えているようです。独特でハイセンスな作画は確実に誰かにまた火を継いでいるのです!
感想:ジェットコースター式のおもしろさ
呑み友達のお姉さんとプロメアを観賞。面白いのは勿論、話のテンポが早すぎてジェットコースターに2時間乗ってた気分!パンストとキルラキルが観たくなった!教えてくれて本当に感謝すべき映画!#プロメア pic.twitter.com/ucFrn7x8R5
— SarahSouju (@srhsj333) November 30, 2019
2時間を縦横無尽に突き進む映画『プロメア』はジェットコースターのようだと喩える感想は多く存在します。その炎のような作風は、2時間をファンにとって過去作を想起させる楽しい時間に変貌させてくれているようです。
プロメアで燃えてるみんなー!この機会にトリガー作品も見ようよー!!!
— 🔥mau💀 (@isikoronow) July 5, 2019
ってことで【なんとなく学べるプロメアの系譜】作りました。プロメアから辿ると「ほー!」となれるんじゃないかな!?
いろいろ書いたけどセリフでピンときた作品見てみたらいいと思います!#滅殺開墾ビーム pic.twitter.com/SU3VRQGZ5T
また、映画『プロメア』に繋がる作品も併せて観てみるとより楽しくなる要素がたくさん仕込まれているという考察感想もあります。是非見比べてみるといいでしょう。
感想:知らずに100年生きるよりずっといい
いま上映が終了してしまうプロメアに対して「こんなに苦しむのなら出会わなければよかった」って気持ちと「プロメアを知らずに100年生きるよりずっといい」って気持ちがせめぎ合っている 泣いている プロメアが観たいしもっと色んな人に複数回観てほしかった
— かなおと🚒🔥 (@m8urO18) November 28, 2019
映画『プロメア』の特徴はその中毒性にあり、何回もリピートして観に行ったというファンの方が後を絶ちません。10月18日からの4DX放映も一区切りとなる11月の感想では「また観たい」「複数回観て欲しい」という感想も挙がっているのです。
ネタバレ感想:よろしくお願いします
クレイ・フォーサイトと滅殺開墾ビームをよろしくお願いします(10分アニメクレイ編待ってます)#滅殺開墾ビーム pic.twitter.com/arxo2NmMy2
— いつき (@itk_osigasindoi) June 6, 2019
「滅殺開墾ビーム」というパワーワードは特に日本のファンの間では人気が高く、多くのファンメイドイラストや動画でこの単語が使われています。ネタバレが含まれることの多いタグになりますがいったいなんなのか?クレイとどう関係があるのかは、映画『プロメア』をご鑑賞いただくのが一番ですが、気になる場合は「#滅殺開墾ビーム」で検索してみるといいかもしれません。
プロメアのあらすじネタバレまとめ
▲公開半年記念!
— 映画『プロメア』大ヒット上映中! (@promare_movie) November 24, 2019
『#プロメア』は本日11/24で公開から半年が経ちました❗️ここまで上映を続けてこれたのはファンの皆様の応援のお陰です❗️ありがとうございます😊
ただ今、とある企画を調整中です。詳細は近日発表予定です。
引き続き応援、よろしくお願い致します‼️#PROMARE pic.twitter.com/WIFDEmkghe
映画『プロメア』のネタバレありな結末までのあらすじやキャストの紹介、感想のご紹介はいかがでしたか?公開から半年以上経っても鳴り止まない映画『プロメア』への大喝采。まだまだ『プロメア』に関する企画は続くとみられています。次の企画がいったいどのようなものになるのか是非ともチェックしてみてください!