【風の谷のナウシカ】火の七日間とはなに?起こった理由や巨神兵の正体もネタバレ

日本を代表するアニメ映画監督・宮崎駿によるSF・ファンタジー作品「風の谷のナウシカ」。この記事で特集するのは、作品の理解には欠かせないとされる歴史的事件・火の七日間です。聞き慣れない言葉「火の七日間」とはそもそも何を指しているのか?その概要や起こった理由を解説し、さらには重要な役割を担ったとされる巨神兵の正体や武器、腐った理由までネタバレで情報をお届けします!

【風の谷のナウシカ】火の七日間とはなに?起こった理由や巨神兵の正体もネタバレのイメージ

目次

  1. 火の七日間とはなに?
  2. 火の七日間が起こった理由
  3. 火の七日間の巨神兵の正体をネタバレ
  4. 火の七日間後に生まれた腐海とは?
  5. 火の七日間に関する感想や評価
  6. 火の七日間とはなに?まとめ

火の七日間とはなに?

風の谷のナウシカの作品情報

日本を代表するアニメーターで映画監督の宮崎駿によるSF・ファンタジー作品「風の谷のナウシカ」。本記事のテーマである火の七日間の話題に入る前に、まず風の谷のナウシカの作品情報を紹介します。
 

風の谷のナウシカの概要

概要のイメージ

1982年から1994年にかけてアニメージュ誌に連載された宮崎駿のSF・ファンタジー漫画「風の谷のナウシカ」。度重なる戦争により崩壊した世界を舞台に、人類の進むべき道を探求する少女ナウシカの姿を描いていきます。漫画単行本の発行部数は累計で1200万部を超え、世界8か国で翻訳されています。

1984年には漫画を原作とした劇場版アニメが公開。アニメ制作にはスタジオジブリの前身トップクラフトが携わりました。公開当初より高い評価と人気を博したアニメ「風の谷のナウシカ」は、宮崎駿監督の名を世に知らしめる作品となりました。

風の谷のナウシカのあらすじ

あらすじのイメージ

栄華を極めた人類文明も、火の七日間と呼ばれる大戦により崩壊してしまいます。それから1000年が経過しますが、世界は未だ荒廃したまま。生き残った人々は、猛毒の瘴気(しょうき)を発生させる森とそこを根城に徘徊する蟲(むし)たちに怯える日々を送っていました。

そんな世界にも、人々が穏やかに暮らすことができる場所がありました。それが本作の舞台となる「風の谷」です。2つの大国、トルメキアと土鬼(ドルク)が敵対する中、風の谷は同盟国としてトルメキアに追従していました。主人公のナウシカは、風の谷の族長ジルの末娘。森の毒に侵され病床に臥せているジルになり代わり、16歳のナウシカが国を治めていました。

ある日の事、辺境諸国の一つ、ペジテ市の輸送船が蟲に襲われ風の谷に墜落してしまいます。乗客の中には王女ラステルの姿もありました。瀕死のラステルは、墜落現場に駆け付けたナウシカに看取られ息を引き取ります。今際(いまわ)の時にラステルは、兄に渡して欲しいと秘石をナウシカに託します。その秘石こそ、火の七日間で兵器として使われた怪物・巨神兵を蘇生させる鍵となるものでした。

秘石を我が物にしようと、トルメキアと土鬼の間で戦争が勃発。同盟国であることから風の谷はトルメキア軍に加勢することに。ナウシカたちは未来を切り開くための戦いに身を投じていきました。

火の七日間は戦争

「風の谷のナウシカ」での歴史的事件・火の七日間。1000年前に勃発し、人類が築き上げた文明をわずか7日間で崩壊させてしまった戦争のことを言います。

火の七日間は巨神兵を生物兵器として使った最終戦争とされていましたが、世界の秘密が解明される過程で、火の七日間に対する評価も変貌を遂げていきます。詳しくは次の項で説明します。

原作にしかない火の七日間の真実

風の谷のナウシカには原作漫画と劇場版アニメがあります。劇場版アニメは、原作漫画全7巻のうち1巻および2巻の前半までの内容が元になっています。火の七日間は劇場版アニメにも登場しますが、その真実は原作漫画にしかありません。したがって、ここからは原作漫画をもとに説明をしていきます。

火の七日間が起こった理由

文明によって腐った世界

次に火の七日間が起きた理由について見ていきましょう。火の七日間が起きた1000年前の世界は、ナウシカのいる時代よりも高度な文明を誇っていました。ただ高度であるがゆえに地球への負荷も大きく、酷い大気汚染など環境破壊が進んでいきます。そのままでは地球滅亡の手前まで来てしまいました。つまり、文明によって世界は腐っていったのです。

火の七日間が起きた時代とは?

火の七日間が起きた理由について考察するには、時代背景を知ることが重要です。火の七日間が起きた時代は、度重なる戦争により有毒物質が大気を覆い、その影響で新たな病気が次々に発生。人類にとっても他の生物にとっても最悪の時代でした。それが火の七日間勃発の理由なら、当時の人類の責任は極めて大きいと言えるでしょう。

世界滅亡をさけるための火の七日間

上記のような理由から1000年前の人々は、滅亡へとひた走る世界を救うため一旦すべての文明を破壊しリセットすることを選択します。それが火の七日間が起きた真の理由でした。

火の七日間の巨神兵の正体をネタバレ

巨神兵は人工の神

火の七日間が起きた理由が判明したところで、今度は火の七日間に登場する巨神兵の正体について説明します。巨体を使った圧倒的な破壊力で暴走を続ける巨神兵。結局人類文明を破壊し尽くしてしまいました。その巨神兵の正体ですが、原作漫画・風の谷のナウシカで明らかにされています。

巨神兵の正体は遥か昔に人類の手で造られたサイボーグ。そして人工の神でもありました。人工の「神」という意味は、人間の話し合いでは決着がつかなくなった紛争について、最終的な調停と裁定を行う存在ということから来ています。

巨神兵のプロトンビームとは?

巨神兵が放つ強烈な光、これはプロトンビームと呼ばれています。プロトンビームとは、別名「陽子収束弾」とも言われるビーム(光線)で、巨神兵が局所攻撃をする時に使います。ビームは巨神兵の額の単眼の部分から発射されます。
 

巨神兵が腐った理由

無敵の強さを誇る巨神兵でしたが、最後は腐り果て意外にもあっさりと死んでしまいます。トルメキア軍を率いる皇女クシャナは、風の谷に大挙して押し寄せる王蟲(おーむ)を撃退するため、巨神兵を覚醒・出撃させます。

ところがこの時、緊急事態に対応するため通常よりも早く覚醒させてしまったのです。それが巨神兵が腐った理由です。覚醒が早すぎたため巨神兵は不完全な状態で戦いに臨まなければなりませんでした。巨神兵は王蟲の群れにプロトンビームを撃ち込みます。しかし、そこで万事休す、巨神兵の体は完全に腐り果て崩れ落ちてしまいました。

火の七日間後に生まれた腐海とは?

腐海とは?

腐海とは、火の七日間の後、焼け野原となった大地に新たに誕生した広大な樹海を中心とした地域のこと。巨大な菌類がはびこる腐海は、独自の生態系を持ち、まるで原生林のように巨大な樹木が生い茂っていました。

腐海には菌類とは別に生息する生物がいました。それらは一括りに蟲(むし)と呼ばれ、大小様々な大きさや形をしていました。ちなみに腐海以外に生息する昆虫類は現代と同様「虫」という字が使われています。

蟲の多くは、ムカデなど節足動物のような体の構造をしていましたが、脊椎動物のように顎が発達し上下に動かせるものも存在していました。蟲は生息場所により地蟲、羽蟲、管蟲に分類されていました。中でも羽蟲は字の通り羽を持ち自由に飛ぶことができます。作中でも活躍する場面の多い蟲になります。大蟲は草食性の蟲でしたが、中には他の蟲を餌にする肉食性のものもいました。

現生の虫のように産卵により繁殖し、生まれた幼虫は脱皮を繰り返し成長していきます。また成長過程においても虫同様、成長に従い姿を変える”変態”と姿が変わらない”無変態”の種がいました。王蟲のように水中でも生活できるものもおりましたが、共通して言えるのは、瘴気のないところでは長く生きていけない事。また、光や高音に過敏に反応することから、照明弾や笛の音で活動を抑制・誘導させることもできました。

腐海が生まれた意味

この腐海が生まれた意味について、長い間人類は、生態系の突然変異論や人類が犯してきた自然破壊に対する罰という因果応報論を唱えてきました。腐海に関する調査・研究に身を捧げてきたユパは、それに対して否定的な見解を持っていました。

その理由は、人類が犯してきた罪に対する罰なら他の動植物まで負う必要はないという事。風の谷の城にたどり着いたユパは、ナウシカのプライベートルームに通されます。部屋の中に再現された腐海の植物群を見て、ユパは驚愕します。腐海の植物なのに毒素を出さないのです。ナウシカが言うには、地下深くから汲み上げた不純物の少ない水を与えたところ、腐海の植物が毒を出さなくなったということでした。

自分が長年求めてきた腐海に関する真相に、若きナウシカが迫ろうとしているのを目の当たりにし驚きを隠せないユパ。そんなユパを残して、トルメキアとの盟約に従いナウシカは戦地へと赴きます。ナウシカを見送ると、ユパもまた腐海の正体を突き止めるための旅に出発しました。

腐海は浄化装置

ナウシカの時代から1000年ほど前、世界の土壌は人類の経済活動により汚染が進み、遂には修復不可能な域にまで達していました。汚染された土壌の洗浄が世界の課題となりますが、それには気の遠くなるほどの時間とコストが必要でした。そこで、世界の土壌汚染問題を解決するため、開発されたのがこの腐海。腐海の正体は、浄化装置だったのです。

浄化装置としての腐海は、汚染された土壌にある大量の有害物質を巨大な植物群に吸収させ、副産物として毒素を大気中に放出します。毒素を放出し無害化した植物群は、最後は砕けて細かな粒子になり土に還ります。腐海では、そうしたプロセスが長期間にわたって繰り返し行われることで、汚染されたすべての土壌が浄化されていました。

こうした腐海における浄化作用を、研究結果からわずか16歳の少女ナウシカはすでに解明していました。その後発見された腐海地下の空洞も彼女の解明した理論を証明しています。

浄化装置としての腐海にとって、とても重要な意味を持つ存在がありました。それが腐海に大量に生息する蟲になります。蟲は外部から侵入したものを敵として認識し、過剰なまでの攻撃を加えます。これこそが、この世界の肝ともなる浄化装置、腐海の安定的継続をはかる防衛システムとなっているのです。

ただし、この浄化装置としての腐海には大きな問題がありました。汚染された土壌の毒素があまりにも強かったので、瘴気(しょうき)の発生が今後数千年にも及び地球上のあらゆる生物の存続が脅かされることでした。生物の種を後世に残していくための方策が必要となりました。

そこで人類の叡智や生物の種を保存する場所として、墓所という施設が建設されました。また、この墓所を存続させていくために、腐海が発生させる毒素に耐性を持ち世界をコントロールしていく生物の存在も必要となりました。そこで生み出されたのがナウシカたち新たな世代の人類でした。彼らには墓所を守る使命の代価として高いレベルの知力が与えられたのでした。

火の七日間に関する感想や評価

乱視による幻想…

ここまで風の谷のナウシカの火の七日間特集をお届けしてきましたが、最後に火の七日間に関する感想や評価をツイッターから紹介します。

風の谷のナウシカ・火の七日間に関する感想や評価、最初に紹介するのは乱視だと言うめがねめがねさんのツイートです。夜景にひかる何の変哲もない赤い光が、乱視のせいで火の七日間のように見えてしまったという呟き。こんなところにも登場する風の谷のナウシカの火の七日間、日常生活の中にも広く浸透している言葉なのでしょう。

オーマの正体とは?

続いて紹介する風の谷のナウシカの火の七日間に関する感想や評価は、nowsikaさんのツイートからです。ナウシカによりオーマと名付けられた復活した巨神兵。生物兵器の巨神兵についての情報は限られています。確かな正体は七日間で世界を亡ぼしたという伝説のみ。

兵器なら知能はかえって邪魔になるはずですが、人格さえ生まれ始めているオーマ。正体についてはまだまだ分からないことの多い、謎に包まれた風の谷のナウシカを表わすような感想でした。

大学院における火の七日間!

風の谷のナウシカ・火の七日間に関する感想や評価、次に紹介するのは修士論文の締め切りを間近に迎えた元サカさんのツイートから。締め切り間際になって、無視することのできない発見をしてしまったと言います。

これからデータ測定と論文への追加、さらには元サカさんによる添削までの慌ただしさを「火の七日間」という言葉を使って表現しています。戦争のような情景が、ごく自然に浮かび上がってくるのではないでしょうか?

楽器が火の七日間!

最後に紹介する風の谷のナウシカの火の七日間に関する感想や評価は、自称SF音楽家の吉田隆一さんのツイートからです。管楽器のリードケースを1週間ぶりに開けてみたら、「火の七日間」の後のようになっていたと言います。火の七日間という言葉を使うことで、問題が尋常でないことがよく伝わってくるのではないでしょうか?

火の七日間とはなに?まとめ

ここまで、風の谷のナウシカの火の七日間について特集し、その概要から発生理由、さらには重要な役割を担ったとされる巨神兵の正体に至るまでネタバレで解説してきました。

まとめのイメージ

「風の谷のナウシカ」での歴史的事件・火の七日間。1000年前に勃発し、人類が築き上げた文明をわずか7日間で崩壊させてしまった戦争のことを言います。当時の世界は現在よりもさらに高度な文明を築いていました。ただその文明の負の部分として大気汚染による環境破壊が進み、地球は滅亡の一歩手前まで追い込まれてしまいます。実は火の七日間とは、世界滅亡を避けるために引き起こされた事件だったのです。

日本のSFアニメの原点とも言われる風の谷のナウシカ。そのキーワードの一つが本記事で取り上げた火の七日間です。メインストーリーに入る前の一事件ですが、そこには物語全体を支配する作者の思想が描かれていたのではないでしょうか?この記事の内容を頭において鑑賞すれば、より深く作品の持つメッセージを理解できるかも知れません。

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