理想の女のあらすじと結末!映画の感想・評価もネタバレ【オスカー・ワイルド原作】

2004年公開のイギリス・アメリカなど欧米5か国が制作した映画『理想の女』。1930年の南イタリアの高級避暑地を舞台に、ニューヨークからやって来た上流階級の若い夫妻と自由奔放な恋愛遍歴を持つ女性アーリンが繰り広げる人間ドラマです。原作は「幸福な王子」などで知られる19世紀末の作家オスカー・ワイルドの戯曲です。これから映画『理想の女』の結末までのあらすじや映画の感想・評価をネタバレでお届けします。ぜひご覧ください!

理想の女のあらすじと結末!映画の感想・評価もネタバレ【オスカー・ワイルド原作】のイメージ

目次

  1. 理想の女とは?
  2. 理想の女の映画あらすじをネタバレ
  3. 理想の女の映画結末をネタバレ
  4. 理想の女の登場人物・キャスト
  5. 理想の女に関する感想や評価は?
  6. 理想の女の映画ネタバレまとめ

理想の女とは?

理想の女の映画作品情報

2004年公開のイギリス・アメリカなど5か国が制作した映画『理想の女』。1930年代の南イタリアの高級避暑地を舞台に、ニューヨークからやって来た上流階級のロバート、メグ夫妻と自由奔放な恋愛遍歴を重ねてきた女性アーリンが繰り広げる人間ドラマです。

人気女優スカーレット・ヨハンソン主演。共演はヘレン・ハント、トム・ウィルキンソンほか。「完全犯罪」のマイク・バーカーが監督を務めました。

理想の女の予告編動画

それではまず映画『理想の女』の予告動画からご覧いただきましょう。冒頭に「いい女は2種類しかいない。すべてを知り尽くした女と何も知らない女」というキャプションが入ります。これが映画全体を包むテーマのようです。

そして、その後にすべてを知り尽くした女と何も知らない女のやり取りが続きます。映画『理想の女』のストーリーの流れがお分かり頂けるのではないでしょうか。 

理想の女の原作はオスカー・ワイルドの戯曲

『理想の女』の原作はオスカー・ワイルド(1854年に~1900年)の戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」。彼は「幸福な王子」や「サロメ」などの作品で知られるアイルランド出身の詩人、小説家、劇作家です。

常識にとらわれない鋭い観察眼によって恋愛や人生などの本質を突く彼の作風は、世界中の多くの芸術家に影響を与えたとされています。

理想の女の映画あらすじをネタバレ

あらすじネタバレ①ローマ行きの船

ここからは映画『理想の女』のあらすじネタバレをお届けします。舞台は1930年の南イタリアに位置するアマルフィ。世界各国からやって来る上流階級の人々が一夏を過ごす高級避暑地として知られています。

そこに1組の若く麗しいカップルが到着します。ニューヨーク社交界に華々しくデビューしたメグ・ウィンダミアと彼女の夫ロバートでした。初々しく可愛らしい妻のメグは注目の的、口説き上手のダーリントン卿が言い寄ってきます。しかし愛する夫に一途のメグは相手にしませんでした。

そのころミセス・アーリンはニューヨークのホテルにいました。自由奔放に生きる彼女は、その魅力で世の既婚男性たちを虜にしていました。宿泊費の清算をしようとフロントに向かいますが、彼女が手玉に取った男たちの口座は既に彼らの妻が凍結して使えません。

堂々と正面からホテルを出たミセス・アーリンは、貴金属を換金すると再びホテルに戻り精算します。その後、豪華客船のチケットを購入すると金持ち男性の待つローマへ向かいます。新聞の結婚欄に目を通すミセス・アーリンは、ある若い夫妻の写真に注目します。

あらすじネタバレ②噂話

ロバート・ウィンダミアは愛する妻メグの誕生日プレゼントを買いにアンティーク店に立ち寄ります。そこにいたのはミセス・アーリン。彼女はロバートに金細工の扇を勧めました。ロバートもそれを気に入りアドバイスをしてくれたお礼に彼女を車で送ります。この時の2人の光景はゴシップ好きの女性たちの格好の標的となり、すぐさま噂が広がっていきました。

夫にまつわる噂など知る由もないメグ。ブティックに出かけると、そこにいたのはミセス・アーリンでした。彼女は試着したドレスをメグに披露し意見を求めます。あまりにも露出の多い派手なドレスを見てメグはネガティブな感想を言います。しかしミセス・アーリンは「他人の目など気にしていてはダメよ」と一蹴するのでした。

徐々にウィンダミア夫妻に変化が表れます。夫のロバートは仕事で不在がちになります。仕事と言いながら実はミセス・アーリンに投資管理を依頼していたのです。一方、夫の代わりに側にいるのはいつもダーリントン卿。彼女をものにしたいダーリントン卿は、ロバートの机に置かれたミセス・アーリン宛の高額小切手を目にします。

ロバートはミセス・アーリンのもとをたびたび訪ねます。仕事だと言って出掛けるのに職場にはいない夫に妻のメグは不信感を募らせていきます。ダーリントン卿は相変わらずメグを口説き続け、今や世間の噂の中心はメグとダーリントン卿になっていました。

あらすじネタバレ③オペラ鑑賞

ある夜、ウィンダミア夫妻を始めセレブ一同はオペラ観劇に出かけます。ミセス・アーリンの今宵の相手は2度の離婚歴がある金持ちのタピィ。同伴の女性たちはミセス・アーリンの方をチラチラ見て噂話に花を咲かせます。そんな女性たちの好奇の視線に嫌気がさしたのか、ミセス・アーリンはタピィを伴いオペラハウスを後にしました。

ミセス・アーリン滞在中の別荘で、彼女のご機嫌を取るタピィ。美しく魅力的なアーリンにタピィはゾッコンでした。彼は真剣に顔をしてミセス・アーリンにプロポーズをします。しかし彼女は、タバコ臭いと言ってキスをすることさえ拒みます。タピィは必ず禁煙すると言い残して部屋から出ていきました。

誕生日プレゼントのイメージ

オペラハウスから戻ったメグは今度の誕生日パーティについて夫に相談します。どうしてもミセス・アーリンだけは誕生日パーティーに呼びたくないと。ロバートは了解し、0時を過ぎ日付が変わったところでメグに誕生日プレゼントを渡します。中身は先日ミセス・アーリンが見繕ってくれた扇子です。そんな事情はつゆ知らず素直に喜ぶメグ。この時ばかりは夫への不信感も影をひそめ、誕生日パーティーの準備にも熱が入ります。

あらすじネタバレ④誕生日パーティー

パーティのイメージ

ダーリントン卿もプレゼントを渡そうとしますが、メグはあくまで友情の証として頂きますと念押しすることを忘れません。ダーリントン卿は、ついに彼女に真実を伝えようと決心します。メグが夫の小切手帳を見るよう仕向け、私はいつでも君の味方だと囁きました。小切手帳に何度も目を通し、夫の不義を悟って泣き崩れる新妻メグ。そこにルッチーノ伯爵夫人が近づいてきて慰めます。

メグに小切手帳のことがバレたとは知らずにタピィとのゴルフに汗を流すロバート。ゴルフの目的はミセス・アーリンがメグのパーティーに来ないようにタピィに頼むことでした。この時、自分とミセス・アーリンの関係が社交界のゴシップネタになっていることを知り、ミセス・アーリンの元へ向かいます。

ロバートとミセス・アーリンの噂は興味本位の根も葉もない出まかせでした。実はミセス・アーリンとは、メグの生みの母親だったのです。妻の母親が男たちと浮名を流す女性だと知られるのは、政治家のロバートにとっては命取り。ロバートは金を渡すからアメリカへ帰るようミセス・アーリンに迫ります。

いよいよメグの誕生日パーティーが始まりました。自室で泣き崩れていたメグは遅れて登場。そして、客たちをアッと驚かせました。彼女が身にまとっているドレスは、ブティックでミセス・アーリンが試着したあのドレスでした。派手な衣装で肌を露わにした妻に、ロバートはそっとショールをかけてあげます。

ダーリントン卿もまた今宵の主役、メグを探していました。見覚えのあるドレスの後ろから声をかけると、振り返ったのはミセス・アーリンでした。同じドレスに同じブロンドヘアの2人は背格好までそっくりでした。ダーリントン卿は、この好機を逃さずミセス・アーリンに近づきます。彼はミセス・アーリンにロバートを誘惑してもらい、メグの心を自分に向けさせる算段をしていました。

あらすじネタバレ⑤傷心のメグ

しかし、ミセス・アーリンはロバートとの関係を強く否定します。彼女はダーリントン卿の話を遮ってタピィの元に近づきます。ミセス・アーリンはに彼女を一途に想うタピィに次第に心を許し始めていました。タピィが指輪を差し出すと彼女は笑顔で受けました。

パーティ会場にいるミセス・アーリンを目にしてショックを隠せないメグ。そこへダーリントン卿が近づいてきて、一緒に駆け落ちしようと誘い出します。メグにはまだ夫を信じたい気持ちが残っていました。パーティー会場を抜け出し夫を探し回ります。その時メグが見たのは何と部屋でミセス・アーリンに現金をを渡すロバートの姿でした。

理想の女の映画結末をネタバレ

結末ネタバレ:手紙

手紙を書くイメージ

ここからは、いよいよ映画『理想の女』結末のあらすじになります。イタリアを離れる挨拶をしにメグの部屋を訪れるアーリン。しかし部屋にメグはおらず、夫に別れを告げる置手紙が残されていました。その時、少し遅れてロバートが部屋の前にやって来ます。室内に人の気配を感じた彼は、妻がいると思い込みドアの外から語りかけます。

彼はメグへの変わらぬ愛を誓いました。ロバートが行ってしまうと、ミセス・アーリンは置き手紙を懐に入れてダーリントン卿のヨットへと向かいます。そこにはダーリントン卿を待つメグの姿がありました。

結末ネタバレ:娘をかばう母

次の結末あらすじは娘をかばう母の愛情についてです。置手紙を読んでいたミセス・アーリンは、メグにロバートとの間には何もなくあなたの誤解だと言いますが、彼女は聞く耳を持ちません。どうしても母娘の件は明かせないミセス・アーリンの言い訳には説得力がありません。そうこうしている内に男たちが現れます。ミセス・アーリンはメグを連れヨットの地下室に隠れます。船室にはメグの扇子が残されていました。

男たちの1人がメグの扇子を見つけます。ロバートはその扇子を見て全てを察します。妻を連れ込んだとダーリントン卿に殴り掛かります。さらにメグを探すため地下室に降りていきます。すると地下室から現れたのはミセス・アーリンでした。それは私の扇子だと言うアーリン。ダーリントン卿はミセス・アーリンとの関係を否定しますが誰も信じません。ミセス・アーリンは左手薬指の指輪を外すとタピィに差し出しました。

結末ネタバレ:元のさやに…

この騒ぎに乗じてメグは誰にも気づかれずに帰宅します。翌朝ロバートが帰ってくると、お互いに相手を疑ってしまった事を謝り仲直りします。ロバートはミセス・アーリンを非難しますが、その時別れを告げにミセス・アーリンがやって来ます。

ミセス・アーリンは部屋に飾られていたメグの小さな写真を取るとそっとカバンに忍ばせます。ロバートは彼女を見て怒り出し、さらに娘を捨て20年も音信不通だったことを責めました。アーリンは娘を捨てるにはそれ相応の理由があったと弁解しますがロバートは聞き入れず家から追い出そうとします。その時、ロバートとミセス・アーリンの間に入ったのはメグでした。

結末ネタバレ:真実

結末あらすじ最後はミセス・アーリンが語る真実です。メグはミセス・アーリンに昨夜のお礼を言い、夫やタピィに真実を話したいと相談します。ミセス・アーリンは、夫婦が愛し合っている事が唯一の真実、それ以外のことは黙っているようメグに言い聞かせます。前を向いて生きていくと誓うメグ。その言葉を聞いて感極まるミセス・アーリン。ロバートに小切手を返すと空港へ。アメリカ行きの飛行機に乗り込みます。

飛行機の座席に腰を下ろした時、ミセス・アーリンはポケットに扇子が差してあることに気付きます。後ろを振り返るとタピィが笑いかけていました。メグがアーリンの胸の内をタピィに話してくれたようでした。タピィは改めてミセス・アーリンに結婚を申し込みます。

無事婚約を果たしたカップルを乗せ、飛行機は美しい夕焼けの空を飛び立っていきました。それぞれがいるべき場所に収まる結末でした。

理想の女の登場人物・キャスト

メグ・ウィンダミア/スカーレット・ヨハンソン

映画『理想の女』の主人公メグ・ウィンダミア。ニューヨークの社交界が注目する新婚の妻。まもなく21歳の誕生日を迎える素直で夫に一途な女性です。彼女を産んですぐに亡くなった母の写真をロケットに入れ、いつも身につけています。

『理想の女』でメグを演じたのは、1984年米ニューヨーク出身の女優スカーレット・ヨハンソンです。彼女のデビューは1994年10歳のとき。

映画「ノース ちいさな旅人」に出演します。1996年主演映画「のら猫の日記」や1998年「モンタナの風に抱かれて」で注目を集めます。2003年には映画「ロスト・イン・トランスレーション」とドラマ「真珠の耳飾りの少女」でゴールデングローブ賞主演女優賞に2部門でノミネートされました。

その後ウッディ・アレン監督の「それでも恋するバルセロナ」などに出演。さらに2012年には映画『アベンジャーズ』にブラック・ウィドウ役で出演、世界各国で過去最高の興行収入を上げ大ヒットを記録。また2014年リュック・ベッソン監督の「LUCY ルーシー」でアクション映画にも挑戦、活躍の場を広げます。一方で、2013年映画「her 世界でひとつの彼女」では声の出演でローマ国際映画祭最優秀女優賞を受賞。

ロバート・ウィンダミア/マーク・アンバース

『理想の女』主人公メグの夫で若き政治家ロバート。仕事に忙しい時でも妻との時間を大切にします。妻にあらぬ疑惑を抱かれてしまいますが、芯のしっかりした真面目な青年です。

『理想の女』でロバート・ウィンダミアを演じたのは、1948年イギリス/リーズ出身の俳優トム・ウィルキンソンです。王立演劇アカデミーで演技を学び、70年代中頃から俳優として活動。1997年コメディ「フル・モンティ」で英国アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞、世界的に注目されます。

以降1998年「恋におちたシェイクスピア」や2000年の「パトリオット」などの話題作に出演。2001年映画「イン・ザ・ベッドルーム」でアカデミー主演男優賞にノミネートされます。その後、2004年映画「エターナル・サンシャイン」、翌年の「バットマン ビギンズ」で名脇役として活躍。2007年「フィクサー」でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。

ミセス・アーリン/ヘレン・ハント

『理想の女』準主役は、美しく妖艶な振る舞いやウイットに富んだ会話で世の男性を虜にする女性ミセス・アーリン。自身の財産はありませんが裕福な男からの貢ぎ物で豪奢な生活を送っています。過去には離婚歴があります。

『理想の女』でミセス・アーリンを演じたのは、1963年米ロサンゼルス出身の女優ヘレン・ハントです。1973年10歳でテレビ映画「荒野のあした」でデビューすると1975年「The Swiss Family Robinson」で映画初出演を飾ります。テレビシリーズ「あなたにムチュー」(1992年~1999年)で主演を務め、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を3度受賞しました。

1997年には映画「恋愛小説家」でアカデミー主演女優賞を受賞。その後、映画「キャスト・アウェイ」や「ハート・オブ・ウーマン」などに出演、2012年「The Sessions」でアカデミー助演女優賞にノミネートされました

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理想の女に関する感想や評価は?

感想や評価①主演のスカーレット・ヨハンソンが素晴らしい!

映画『理想の女』を観た方の「感想・評価」、最初はスカーレット・ヨハンソンの演技が素晴らしいというものです。

映画も中盤を過ぎたあたりから目が離せなくなるほどの魅力があったと言います。またミセス・アーリンを演じたヘレン・ハントも艶やかで魅力的だったという感想・評価でした。

感想や評価②アクセサリーにまで女性の魅力!

『理想の女』次の「感想・評価」ですが、スカーレット・ヨハンソンには身に着けているアクセサリーにまで女性の魅力が詰まっているというものです。衣装スタッフとそれを着けこなす女優さん連係プレーの勝利ということでしょうか。

感想や評価③良い意味で裏切られる映画!

『理想の女』続いての「感想・評価」は、良い意味で観る者を裏切ってくれる作品だという評価です。好対照な人物像の対比が見どころになっていたということでした。

感想や評価④イタリア避暑地の映像美!

続いては、出演女優の美しさだけではなく、イタリアの高級避暑地の風光美に目が奪われたという感想です。欧米5か国合作映画の醍醐味を味わえたのではないでしょうか。

感想や評価⑤ヘレン・ハントに目は釘付け!

『理想の女』最後の「感想・評価」は、”すべてを知り尽くした女”を演じるヘレン・ハントについての評価です。スカーレット・ヨハンソン目当てで観たのにいつの間にかヘレンハントの演技に魅了されたということでした。

理想の女の映画ネタバレまとめ

ここまで映画『理想の女』のあらすじと結末や映画の感想・評価をネタバレでお届けしてきました。世紀末作家オスカー・ワイルドの戯曲を原作とする本作『理想の女』は、女優陣の演技の素晴らしさに加えてひねりの利いた恋愛映画として評価されてきました。まだ観ていない方は、この機会にDVDなどで鑑賞なさってはいかがでしょうか。

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