2018年10月19日公開
2018年10月19日更新
彼方のアストラを最終回まで全巻ネタバレ・あらすじ考察!面白い傑作がついに完結
少年ジャンプ+で連載していた『彼方のアストラ』について全巻のあらすじをネタバレを含めながらご紹介していきます。最近の漫画の中ではダントツに面白いという評価を集める『彼方のアストラ』とはいったいどのような漫画なのでしょうか?『SKET DANCE』の篠原健太先生が送るSFミステリーアドベンチャー、その完結までのあらすじや張り巡らされた伏線、その回収に至るまでを徹底的に考察、ご紹介いたします。
目次
彼方のアストラを最終回まであらすじをネタバレ考察!
『彼方のアストラ』とは、少年ジャンプ+で連載していて既に完結した篠原健太先生のSFミステリーアドベンチャー漫画です。前半で散りばめられた伏線が後半で一気に、しかもかなりスッキリ回収されていくことが話題になり、ネタバレ紹介でも肝心なセリフが伏せられるなど、紹介者側が今後の読者のために気を遣っている記事も多々あります。
それだけ高評価で面白い、傑作と名高い『彼方のアストラ』ですが、ここでは一体どのような漫画なのか、どういった完結をするのか、また張り巡らされた伏線やその回収、考察などをネタバレを含めてご紹介します。ネタバレを含むため、まだお読みになっていない方はご注意ください。
彼方のアストラとは?
そもそも『彼方のアストラ』とはどういった漫画なのでしょうか?ここではこの漫画の情報をネタバレや考察を踏まえてご紹介いたします。ネタバレを含みますのでまだお読みになっていない方はご注意ください。
少年ジャンプ+にて連載、そして完結!!
『彼方のアストラ』は、集英社が運営するウェブコミックサイト『少年ジャンプ+』にて2016年5月9日から2017年12月30日にかけて連載されていたSFミステリーアドベンチャー漫画です。初めは毎週土曜日に更新される週間連載でしたが、2016年8月6日から本編と番外編の4コマ漫画を交互に掲載する隔週連載に形式が変更されました。
本編の更新が遅くなるので批判する声もありましたが、多くの読者が番外編の4コマ漫画も間違いなく面白いので文句を言うべきではない、と声をあげていました。とは言え、本編の更新が隔週なのはやはり待ちきれないという声もありました。
2017年の年末には伏線という伏線が回収されて見事な完結を迎えるのですが、あまりにも面白い作品だったが故に喪失感が強すぎて年を越せないという読者も続出しました。
『彼方のアストラ』は少年ジャンプ+でも試し読みできますので、この時点で興味がある方はここからのネタバレを含む考察や解説に行く前に試し読みへ進むのを是非ともお勧めいたします。更に言えばコミックスも5巻と少ないのでどうぞこのまま本屋に走って全巻買ってきてください。
著者は『SKET DANCE』の篠原健太先生!!
『彼方のアストラ』の著者、篠原健太先生は、以前週刊少年ジャンプ本誌で『SKET DANCE』(スケットダンス)という学園コメディ漫画を書いておりました。こちらは2007年から2013年まで連載され、アニメ化もされた作品です。単行本は全32巻と長寿連載でした。
『SKET DANCE』の時からシリアスとギャグの両立が上手いと評価されていた篠原健太先生ですが、『彼方のアストラ』ではそれが更にレベルアップされており、現在の藤子・F・不二雄先生だと称賛する声もあります。
またこちらも『SKET DANCE』の時からですが、伏線の張り方と回収の仕方が秀逸であるという評価も多かったですが、『彼方のアストラ』でもそれは健在で、コミックスの3巻あたりからえぇっ!?という展開がちょくちょく入ってきて、4巻ではえー!と叫ばざるを得ない展開が待っています。
唐突に衝撃の事実が明かされるというシーンが何度も来るのですが、今までのアレもコレもソレも全部伏線だったのかと思いかえせるシーンも多く、それについては考察サイトも大いに盛り上がりました。練り上げられた話の構成は最近の漫画家の中では頭1つ飛び抜けていて面白いと読者からの評価がものすごく高い漫画家です。
元ネタが存在していると考察!
『彼方のアストラ』はある作品をオマージュした作品だと言われています。ここではその元ネタと考察されている作品をご紹介します。
『11人いる!』という1975年の少女漫画があります。この漫画をご存知な方が読めば、『彼方のアストラ』が完全にこの作品のオマージュ作品だと感じることだと思います。と、言いますのもストーリーのおおまかなあらすじなど、下地が完全にこの作品一致しているからです。また『11人いる!』に登場するキャラクターを意識したと思われるキャラクターや設定も『彼方のアストラ』には登場します。
藤子F先生の作品をオマージュしていると考察しているサイトもあります。『彼方のアストラ』の作中では主人公達がいろんな惑星を冒険していくのですが、その惑星の世界観などは藤子F先生の『宇宙船製造法』という作品の影響を受けているのではないかと考察されています。
『彼方のアストラ』の評価が高いのは、こうしたいろんな作品の影響を受けているのが明らかに見える中、その作品の内容を今風にアレンジしてブラッシュアップし、更に細部にまでこだわった形で再構築し、元ネタである作品達を凌駕してしまうクオリティにまで仕上げた上で完結しているからだと考察サイトは考察しています。
彼方のアストラのあらすじをネタバレ考察!シャルスの過去とは?
それでは『彼方のアストラ』とはいったいどのような漫画なのでしょうか?あらすじを説明する時によく用いられる表現として、”『十五少年漂流記』の宇宙版”が挙げられます。ここでは『彼方のアストラ』のあらすじから、その凄まじい完結までをネタバレを含みつつ考察していきます。たくさんネタバレを含みますので、まだお読みになっていない方はご注意ください。
全体の大まかなあらすじ
西暦2,063年、主人公、カナタ達は自分達が通うケアード高校の教師に引率されて惑星マクパという星へ向かい、そこで生徒達だけで5日間を過ごす惑星キャンプをする予定でした。宇宙旅行の末キャンプ地に到着した9人のメンバーでしたが、しかし教師が去り、ロッジに移動する途中で、奇妙な球体が現れ、興味本位で球体に触れた生徒の姿が消えてしまいます。
逃げる生徒達でしたが、追いかけてくる球体に全員飲み込まれてしまい、気が付くと彼らは宇宙空間に身ひとつで投げ出されていました。ひとまず近くにあった宇宙船に逃げ込むことができましたが、そこはキャンプ地から遥か5千光年離れた宇宙の彼方だったのです。救助は絶望的な状況で、生徒達はお互いの力を合わせてサバイバルをしながら自分達の惑星に帰ることを決意します。
全く面識のなく、個性もバラバラの9人のメンバーが、幾多の困難を乗り越えて自分達の惑星に帰還するアドベンチャーですが、その旅の過程はただのアドベンチャーでは終わりません。この偶然発生したかに思われる冒険は実は誰かによって仕組まれてた可能性があったのです。メンバーは疑心暗鬼に陥りながらも、惑星へと帰るために一致団結して宇宙を旅するのでした。
コミックス1巻の大まかなあらすじ
9人のメンバーの中でも主人公と言われる2人、カナタ・ホシジマとアリエス・スプリングが活躍します。冒頭ではアリエスが惑星キャンプに向かうために集合場所へと急ぐ場面から始まります。
ど天然で抜けている部分も多いアリエスは、道中で早速ひったくりに遭い、荷物を奪われますが、そこを1人の少年が助けてくれます。あとでわかったのですが、その少年は同じく惑星キャンプへと向かうカナタだったのです。カナタは恩人の遺志を継いで宇宙の探検家になることが夢の少年で、惑星キャンプでもこのB5班と呼ばれるキャンプメンバーのリーダーに立候補します。
和やかなギャグパートから始まったほんわか惑星キャンプでしたが、事態は一変し、惑星マクパに着いたのも束の間、一行は謎の球体に吸い込まれて彼らは宇宙空間に放り出されてしまいます。ひとまず近くにあった宇宙船に避難することができ事なきを得ましたが、現在地を調べた結果、そこは惑星マクパから5,012光年も離れた宇宙の彼方だったのです。
その宇宙船は通信機が壊れており、救助を呼ぶには絶望的な状況でした。ですが、9人は険悪なムードになることなく、カナタの明るさや気概に引っ張られて、それぞれが得意な能力を発揮しながら困難を乗り越えていきます。避難した無人船には『アストラ号』と名前がつけられ、漫画のタイトルと同じというところから後々何か大きな展開へ繋がるのではと考察されていました。
しかし惑星へ帰還するためには大きな問題がありました。船の操縦など機械分野が得意なザック・ウォーカーの話によるとアストラ号の通信機は故障したのではなく、意図的に破壊されていたことがわかったのです。しかも破壊されたのはごく最近、カナタ達がこの船に避難してきてからだというのです。
この冒険は偶然発生したのではなく、誰かに仕組まれた可能性があることがでてきて、しかもその誰かはこの9人の中にいる、というミステリー部分が始まり、物語の最後までずっと下地として続いていく内容になります。ですがただ疑心暗鬼にギクシャクしたままでいくのではなく、カナタはこのことを公表して、犯人はわからないが協力して頑張ろうと皆を奮い立たてます。
コミックス1巻はここが面白い!
コミックス1巻は冒険の始まり、皆の個性がそれぞれ描写されていきます。特に活躍するのは、中学1年生の時に山で遭難したことがあり、サバイバルの経験と知識を持っているカナタです。彼は父親の影響で陸上十種競技の選手で運動神経は高く、ここぞという時に活躍します。
そしてもう1人の主人公、アリエスです。彼女は天然で朗らかな性格の女の子で、よく言葉や名前を言い間違えたりし、シリアスなシーンを一瞬でギャグパートにするという強キャラです。ですが、一度見たものを忘れない映像記憶能力という類まれな能力もあり、メンバーはこれからこの力に幾度となく助けられることになります。
コミックス2巻の大まかなあらすじ
『誰が通信機を壊した犯人なのか?』とカナタは考えますが、結局は協力して無事に帰りつければいいという結論になります。そんな中物語が大きく動きます。
9人の中で唯一ケアード高校の生徒ではない、フニシアという少女がいました。フニシアは、他のメンバー、キトリーの義理の妹でした。フニシアは児童養護施設からキトリーの家に養女としてやってきたのですが、児童養護施設に入った日の夜、園長とサングラスの男が妙なことを話しているのを聞いたと言います。
フニシアが聞いた『ビーゴ ニーレテ イッセーサ ショブン』という言葉を、カナタは『B5に入れて一斉殺処分』と読み解き、このB5班のメンバーは意図的に集められて宇宙で殺害されようとしているのではないか?という推理がなされます。それは何の共通点もない9人には本当に身に覚えのないことで、一行が騒然とする中、突然ウォーターサーバーが爆発し、宇宙船の壁に穴が開き、空気が漏れ出します。
すると突然のエマージェンシーが船に鳴り響き、アストラ号はまさかの墜落の危機に晒されます。絶望的な状況に陥るも、メンバーは決して諦めずに一致団結してこの困難を乗り越えます。無事に船の状態が安定して、一行は次の惑星に着陸します。
そこでは更なる困難が待ち受けていました。惑星の探索中に一行はその惑星の植物の毒胞子によって、生命の危機に陥ります。そこでもカナタは決して諦めません。カナタは遭難事故の時に引率の恩師を亡くしているという辛い経験から、『今度こそ誰も死なせない!』という決意を胸に、なんとしてでも仲間を守ろうと困難に立ち向かっていくのです。
コミックス2巻はここが面白い!
2巻では、今まであまり目立った行動などをしてこなかったユンファ・ルーが活躍します。彼女は有名な歌姫ルーシー・ラムの娘で、自己表現を極限までおさえて育てられてきました。そのため今まで自分を表現する場面がほとんどありませんでした。
しかし仲間が毒胞子に苦しめられる窮地を歌で救い、ユンファは歌が好きという気持ちを再認識します。顔を隠していた長い前髪を切って、かけていた眼鏡もコンタクトにしガラリとイメージチェンジします。その顔は夢を持ったことで自分の軸を取り戻したようにも見えました。
コミックス3巻の大まかなあらすじ
カナタ達の失踪は故郷でも大きくメディアに取り上げられていました。ケアード高校の教師達やカナタ達の両親達も連日彼らの捜索について話し合いがされておりましたが、ある日ウルガーの父、ゲルト・ツヴァイクは、もはや生存の可能性がないとしてカナタ達の失踪宣告の手続きをすることを提案しました。失踪から時間も経ち、カナタ達の生存について希望をなくしていく人々や世間に対してアリエスの母だけは生存を信じていました。
母星がそんな深刻な空気になっている中、カナタ達は惑星アリスペードにて海水浴を楽しんでいました。その惑星はほとんどが水に覆われている惑星ではありましたが、食料や飲料水が豊富にあり、まるでリゾート地です。そんな開放的な気分の中、女子達は恋バナに花を咲かせます。読者からすればとっくにわかりきったことではありますが、ここでアリエスがカナタを、キトリーがザックを意識していることが改めて明らかにされます。
楽しい雰囲気で始まる3巻ですが、衝撃の展開が満載の巻になっており、ここからそれぞれの持つ秘密が明らかになっていきます。今までメンバーに無関心だったウルガーでしたが、ルカの苗字を知って態度が急変します。夕日を見ながら皆で食事をしている中、ウルガーはアストラ号の中で手に入れていた銃をルカに突きつけます。ウルガーの過去が話され、更にルカが抱えていた衝撃の事実が明かされます。
更に3巻の後半では、皆に優しい王子様的存在、シャルスの過去が明らかになります。シャルスは特殊な地区の出身だということ、そこに住んでいる時に大切な人を失ったということをメンバーに打ち明けます。するとその話に号泣する他のメンバー達にシャルスは驚かされます。そんな皆の気持ちが嬉しく、悲しい話のはずなのにシャルスは自然と笑顔になるのでした。
そして3巻の最後には絶体絶命のピンチを迎えます。惑星イクリスへの着陸の際のアクシデントで、アストラ号自体が航行不能になってしまうのです。ザックの力でも修理することは不可能という結論に至ったメンバーは、遂に膝を付きます。この惑星で生きていかなければいけないかもしれないという、受けきれない現実を前にカナタ達はどうするのか、4巻への期待が高まります。
コミックス3巻はここが面白い!
コミックス3巻の見所はなんといっても初めてメンバー”全員”で帰ろうと団結していくシーンです。ルカはウルガーのことを友達だと言いますが、ウルガーはそれを否定していました。ですが、なんだかんだウルガーは心を開く前、ルカにだけは他のメンバーよりも話をしていました。しかしとある事実が発覚してウルガーは皆の目の前でルカに銃を突きつけて自分の生い立ちや目的を話します。
やっと自分のことを打ち明けてくれたウルガーのことが嬉しく、そしてルカは自らの最大の秘密を皆に打ち明けます。その事件をきっかけにウルガーとルカは前にも増して打ち解けます。似た者同士なのに、いえ、似ているからこそ苛立ちが募り衝突を繰り返す2人が次第に本当の意味で心を通わせていくのはなんだか感動してしまいます。
コミックス4巻の大まかなあらすじ
アストラ号が故障して旅を続けられなくなったカナタ達の目の前に、なんともう1機のアストラ号が現れます。全く型式の同じ宇宙船にメンバーは困惑を隠せません。宇宙船を調査すると、コクピットのモニターに『Help Me』の文字を見つけます。それはこの船に搭載された人工冬眠装置に眠る女性からのメッセージでした。カナタ達はこの女性の冬眠を解き、必死に救助します。
女性は、意識が戻り話ができるようになるとポリーナ・リヴィンスカヤと名乗り、自分が冬眠していた船、アーク6号の乗組員で宇宙の調査に出かけ、惑星イクリスでカナタ達と同じように宇宙船が故障したのだと説明しました。しかし他の乗組員はこの惑星で帰らぬ人となり、ポリーナは一縷の望みをかけて人工冬眠装置で眠りについたのでした。
アストラ号とアーク6号がドッキングできる可能性が出てきて、メンバーは早速宇宙船を修理しました。修理した結果は大成功、無事に旅を続けられることになりました。その頃、ポリーナはユンファに現在の西暦を聞かされて激しく動揺をします。それはポリーナが宇宙に調査に出ることになった原因と深く関わっているのですが、何もなかったのであれば子供達にいらぬ心配をかけさせまいとポリーナは口を噤みます。
ザックとキトリーの恋の行方に急展開が巻き起こるなど、4巻は閑話をはさみながら進行しますがここで『彼方のアストラ』の大軸の物語りに関わる現実が発覚します。何故自分達がB5班に集められて殺処分をされようとしているのか、共通点が全くない彼らはそれがずっとわからないでいました。しかしとあるきっかけにキトリーとフニシアのDNAを鑑定したところ、2人は正真正銘同じDNAを持つクローンだったことがわかったのです。
少ない情報から他のメンバーもクローンであることがわかり、もともと愛情の薄い家庭の中で育ってきた自分達の悲痛な生い立ちの共通点や状況証拠から、現在の状況は意図的に仕組まれたことであり、また誰がそのように仕向けたのかもわかってしまい、絶望に打ちひしがれます。そんな中カナタが自分達が家族だと宣言することによって一致団結し更に固い絆で結ばれることになったのです。
これだけでも事件の核心に関わる衝撃の事実でしたが、この『彼方のアストラ』はこんなことでは終わりません。最後の最後には大どんでん返しが待ち受けていました。カナタ達は遂に故郷の星が見えるところまで帰ってきました。メンバーはその美しい星の姿に涙します。もちろん長い間冬眠していたポリーナも感無量です。
ですが、ポリーナはふとその星に違和感を覚えて、調査をするようにカナタ達に言います。しかしそれに返ってきたカナタ達の答えは信じられないものだったのです。
コミックス4巻はここが面白い!
4巻での見どころは、『彼方のアストラ』の中における謎が次々明かされることです。カナタ達B5班は何故殺されるために集められたのか、その謎が解けます。何も共通点が見当たらなかった9人のメンバーでしたが、あることをきっかけにそれが明らかになるのです。それはまだ子供のカナタ達にとっては辛い現実でしたが、それを乗り越えようと9人の絆が深まるのは見ていて感動ができます。
しかし、『彼方のアストラ』に秘められていたのはもっと大きな謎でした。そのことについては今までの物語の中に伏線として随所に散りばめられており、読者の中であらゆる考察がなされました。実際に連載されていた当時ジャンプ+の読者はコメント欄にて、驚きを隠しきれない様子のリアクションが相次ぎました。4巻の最後に突如として投下されたこの事実は『彼方のアストラ』における最大の見せ場になっています。
コミックス5巻の大まかなあらすじ
5巻は頭から終わりまでずっとクライマックスです。ポリーナは今までカナタ達が目指していた惑星は当たり前ですが地球という星で、そこに帰れるものだとずっと思っていました。しかしカナタ達は地球という存在を知らず、自分達の故郷の惑星はアストラという名前であると告げたのです。カナタ達とポリーナに外見的な違いはなく、話している言葉も英語と共通しているのに、故郷である惑星の知識だけが大きく異なっていました。
惑星アストラの存在について、ポリーナを含めてメンバー全員で話し合いがなされます。ポリーナの話によると2,057年地球に巨大な隕石が落ち、地球が滅亡するという事実がわかり、人類は他の惑星に移住する計画を立てたと話しました。全人類が移動するなんてことは一見不可能に思えますが、ある科学者の発明したワームホールという瞬間移動手段ができそれが可能になったとのことです。
アーク号の乗組員は新しい移住先を探して宇宙に旅に出て、ポリーナの乗ったアーク6号はその過程で惑星イクリスに不時着したのでした。カナタ達が乗っていたアストラ号は、おそらく地球の周回軌道上に残されていたのだろうという推測に至りました。カナタ達が最初に謎の球体に飲み込まれた時、その時には生物が何も生息していない惑星がありました。その惑星こそ地球だったのです。
カナタ達は地球から惑星アストラまでを旅してきたのです。しかし最後に時間的な矛盾だけがわかりません。隕石の落下が2,057年なのに対して、カナタ達の時代は2,063年と、わずか7年では開拓がどう考えても無理だからです。アリエスの提案でこの話はもうよそうとなります。真相は帰ってみないとわからないし、このことで空気が悪くなるのが嫌だと、今まで知らなかったことはこれから自分の目で見て知っていこうと言うのです。
カナタ達は最後の惑星、ガレムに到着します。そこでカナタは1人で探索中にまた謎の球体に飲み込まれそうになります。カナタは刺客がこの惑星で自分達を殺そうと再び動き出したことを悟ります。
ウルガーを最も怪しんでいたカナタはザックとシャルスに協力を仰ぎ、罠を使って刺客をあぶり出すことにしました。そして遂に刺客の正体が明らかになります。
コミックス5巻はここが面白い!素晴らしい完結!
5巻では怒涛の伏線回収ラッシュに加えて、カナタ達の成長からも目が話せません。もともと出生に秘密があった彼らはどことなく冷めてるような、人間として不完全な部分がありました。しかしこの旅を通してそれぞれが夢を持ち、自分の道を歩んでいこうと進み始めます。ヒューマンドラマとしても、ミステリーとしても、SFとしても、アドベンチャーとしても完成度が高いまま『彼方のアストラ』は素晴らしい完結を迎えます。
彼方のアストラが完結!最終回のあらすじをネタバレ考察!
『彼方のアストラ』最終回では、カナタ達が惑星アストラに帰還してからの話が描かれており、その7年後それぞれがどうしているかをまとめて完結を迎えています。
帰還してからの日々
カナタ達の帰還はセンセーショナルなニュースとして連日惑星アストラを駆け巡りました。自分達の出生の秘密などももちろんですが、過酷な旅を想像していた世間とは裏腹に楽しそうなメンバー9人の体験は話題を呼び、あらゆるメディアから取材をされ、番組に出演する日々が続きます。そんな中メンバーは本を出したり、写真集を出したりと活動をし、各々にファンがつくほどになりました。
そんな騒がしい日々が続く中、徐々に日常を取り戻していったメンバーは、やがてケアード高校を無事に卒業することになります。
彼方のアストラ 完結!
物語の最後は冒険から7年後のカナタ達が描かれて完結しています。それぞれが旅の途中で志した夢を叶えている日常が描写されており、それだけでも感動ものです。中でもやはり主人公のカナタが夢については、ウルッと来る読者も多かったようです。
カナタはいつか自分の宇宙船を持って宇宙を探検して回るのが夢でした。そしてそのパイロットとしてザックが乗り、またこれまでも何度か話の中で会話が登場していますが、その時はシャルスがカナタの右腕として乗る、という約束をしていました。30話でカナタとザックがその話をしていた時、カナタは7年後ぐらいで実行できるかな?と言っていたのですが、ザックには現実を見ろ、20年はかかるぞ、と怒られていました。
しかしこの最終回の最後ではカナタはアストラ号を購入し自分の船を持ち、ザックは操縦士として乗り込みます。探検隊として遂に宇宙へ旅に出るときがきたのです。そこへ仕事の都合上来れないと思っていたシャルスが現れます。怒られるから内緒で来たというシャルスはカナタに『右腕になるって約束したじゃないか。』と言います。このラストに号泣する読者が続出しました。こうして『彼方のアストラ』は完結しました。
彼方のアストラが面白い!魅力を紹介!
『彼方のアストラ』はともかく面白いです。面白いなのですが、では何がこんなにこの漫画を面白い漫画にしたのでしょうか?ここでは『彼方のアストラ』の魅力を簡単にですがネタバレを含めてまとめたいと思います。内容にはネタバレを含みますので、まだお読みになっていない方はご注意ください。
突然明かされる衝撃の事実が面白い!
『彼方のアストラ』の面白い要因は何と言ってもその話の構成力の高さだと言われています。話が十分に練られていて、突然明かされる事件の核心や世界の秘密が面白いと評判です。本筋の話はかなりシリアスで重い内容なのですが、間に入ってくるギャグパートが面白いので空気を重くすることなく話を読み進められます。
複雑に絡み合った事実は突然明かされますが、明かされた後によくよく考察すると、以前伏線として何らかの形で語られていたり、描写されていたりしています。なので何回も読み返してしまいます。そこもまた『彼方のアストラ』が面白い理由の1つです。刺客が誰だとか、あの言葉はここに繋がっていたのか、など考察する箇所がたくさんあり、考察しがいのある作品です。
9人の個性が面白い!
『彼方のアストラ』はその重厚なストーリーもそうですが、登場する個性豊かなキャラクター達もこの漫画を面白いものにするのに一役買っています。篠原先生の漫画は前作の『SKET DANCE』でもそうでしたが、ともかくキャラクターの個性がものすごいです。
カナタ達9人のメンバーは、出生の秘密に関わってくるのですが、それぞれがそれぞれの分野のエキスパートでした。カナタはキングオブアスリートの、ザックは科学者の、キトリーは医者の、訳あってそれぞれの親の能力を色濃く受け継いでいます。それぞれの個性がこの冒険をするにあたってバランスの取れた個性になっており、誰か1人でも欠けてしまえばこの旅を完結させることはできなかったと思います。
彼方のアストラを読んだ感想や評価とは?
『彼方のアストラ』は何度も言います通り、ともかく面白いと評価が高い漫画です。ここでは読者の感想や評価をtwitterから抜粋致します。
彼方のアストラ、大人買いしました(*^^*)読み終わってたらればさんの感想が実感出来ました。 https://t.co/I7j3TwUIvR
— ゆみし (@yumishikamo) June 1, 2018
『彼方のアストラ』は導入で面白いと感じたらコミックス数も5巻と少ないので一気に読めてしまいます。こんなに面白いのに気軽に大人買いができる範囲の冊数なので人にも勧めやすくなっています。
ハ〜〜〜〜〜〜彼方のアストラ一週しか読んでないから感想を言うことが困難
— もとむら (@65318E_) October 11, 2018
練り上げられた物語は、一度読むだけではやはり足りない!という読者さんもいらっしゃいます。考察をしていけばいくほど、漫画を読み込みたくなります。コミックス5冊で完結しているので、気軽に読み直しもできます。
彼方のアストラは「誰かと共有したい面白さ」がめちゃくちゃ強いんだよ
— 雷仁 (@raijin110th) December 30, 2017
だけど迂闊に感想を喋るとネタバレになるから「とにかく読んでくれ」みたいなフワッとした勧め方しかできないんよ…
これはまさに!という感想なのですが、『彼方のアストラ』は面白い、面白いけど説明できないというジレンマを抱えている読者さんは多いです。ミステリーの要素も強い漫画なので、下手に説明すると壮大なネタバレをしてしまい、結果1番面白い部分を楽しめなくなる危険性があります。面白いから読んでほしい、でも説明できない、ネタバレになる!の永久ループになっています。
彼方のアストラのあらすじネタバレまとめ!
いかがでしたか?『彼方のアストラ』は篠原健太先生自身も『SKET DANCE』が完結した後、試行錯誤を重ねて出来上がった物語です。
前作と全く毛色の違うこの漫画を描いていくのにあたっては、人気のないSF漫画というジャンルということもあって編集部にも反対されたことがあったようです。いろいろな困難がある中この作品を書き進めていくことは、まるでこの『彼方のアストラ』の物語ようだと思っており、これからの漫画家人生の中で通らなければなかったものだとも仰っています。
読者も初めは『篠原先生のSF漫画かぁ。どうかなぁ。』と面白いのかなあ、という気持ちで読み始めた方が多いです。ですが、その考えはすぐに改められることになり、全て読み終わった時は想像以上に面白い、面白かった!と叫ばずにはいられないぐらいの完結になっています。
この『彼方のアストラ』は全5巻という短さの中にかなり重厚な物語が圧縮されており、いろいろな人を考察で楽しませてくれました。更にネタバレをするのが惜しい、ネタバレとかは見ずにこれはとにかく読み始めるべきだという評価も多かったです。ここ最近の漫画の中では確実に名作、傑作と称されるほど面白いので、この物語の完結を是非ご自分で確かめてください。