【夏目アラタの結婚】あらすじをネタバレ解説！クセ者だらけの登場人物や感想も紹介

『夏目アラタの結婚』は2019年からビッグコミックスペリオールで連載されている漫画です。本作は主人公がひょんなことから獄中結婚をすることになるという、センセーショナルな設定で展開されるストーリーでした。「次にくるマンガ大賞 U-NEXT特別賞」に輝くなど人気を博しており、主人公が死刑囚と獄中結婚をするという衝撃的なストーリーに加えて、会話の駆け引きや心理戦など緊張感に溢れるシーンが人気の1つとなっているようです。

『夏目アラタの結婚』の原作者は乃木坂太郎です。小学館で連載されていた『医龍』や『幽麗塔』などのヒット作を生み出した作者で、緻密に張り巡らされた伏線や設定のユニークさが作品の魅力と言えるでしょう。人間の裏を暴き出す展開を楽むことができます。

『夏目アラタの結婚』の主人公は児童相談所職員の夏目アラタです。あらすじはアラタが「連続バラバラ殺人事件」の被害者の息子である卓斗との出会いから始まりました。アラタが卓斗から話を聞いていると、彼がアラタの名前を使って、留置所に拘束されている連続殺人鬼「品川ピエロ」と文通をしていたことが判明します。

卓斗は文通のやり取りを通して、亡き父親の見つかっていない遺体の在りかを聞き出そうとしていたのです。その話を聞いたアラタは、彼がそれを目的にしているだけではなく、品川ピエロ(品川真珠)への興味も強く働いていると感じました。そこでアラタは自分が彼の代わりに遺体の一部を探し出そうと品川ピエロに面会しに行きます。

そして実際に品川ピエロに面会しに行きますが、そこに現れたのは太ったピエロの仮装をしていた逮捕時の姿からは、想像もつかないような華奢でかわいい女性でした。しかし、品川真珠はアラタが文通相手ではなかったということをすぐに見抜き、面会を拒否します。そこでアラタは何とか真珠から自分への興味を引き出そうと、「俺と結婚しよーぜ！」と口走ってしまったのでした。

彼の言動に興味を持った真珠は面会を再開させます。一方でアラタは結婚することを口走ってしまったことに後悔し、早く遺体の隠し場所を聞き出して面会を終わらせてしまいたいと考えていました。しかし、面会時間が終わりを迎えても結局何も聞き出すことができませんでした。その後、アラタと真珠、そして彼女の私選弁護人である宮前光一との面会が続きます。

ただ、いくら面会を重ねても遺体の隠し場所を聞き出すことができず、アラタは面会を重ねても遺体の隠し場所を聞き出せないと諦め始めました。そこで結婚を取りやめようと自分の考えを打ち明けようとしたのですが、その直後に真珠が「遺体を埋める夢を見た」と発言します。当初はその発言に疑いを持っていましたが、本当に被害者の遺体が見つかったことで、彼は真珠との関係を続けていくことを決意しました。

しかし、遺体が見つかったことで被害者の遺族から感謝されながらも、被害者の遺族がアラタと真珠が婚約をしているという事実を児童相談所で明かしたことによって、同僚や所長から結婚を辞めるように諭されることになってしまいます。そこでアラタは気付きます。真珠のぎこちない笑顔や仕草が愛おしいと思い始めている自分に。

『夏目アラタの結婚』の漫画2巻のあらすじでは、「連続バラバラ殺人事件」の被害者の3人が品川真珠に何らかの支援をしていたことが判明しています。アラタはこの事実から事件の真相に迫るため、第1被害者である周防の妹・沙菜に話を聞きに行きました。すると、彼女は自分の兄・周防とアラタの性格や人柄が似ていることについて言及します。なぜなら、アラタと周防は立場が弱い人を放っておけないところがあったからです。

その事実に恐怖を抱いたアラタ。自分に会うまで、誰とも話そうとしなかった真珠がなぜ急に饒舌になったのか？その疑問に納得がいきました。それからアラタと真珠の面会となります。恋愛遍歴を知りたいという名目で被害者との関係を探ろうとするアラタは、その話の流れで「子供」の話をすることになりますが、真珠は「子供」という言葉に強く反応し憎悪を露わにしました。

一方、アラタの同僚である桃山香は、自宅に届いた真珠からの手紙を受け取っていました。文通のやり取りを通したことで、彼女は前宮を連れて面会へと赴くことになります。桃山は真珠の不気味さを前にして気味悪がっていたのですが、真珠はそれに追い打ちをかけるように桃山がこれまでに抱いてきた醜い感情を見抜きました。そこで桃山は初めて自分の本心を他人に明かします。

さらに面会終了時間に「僕、怖かったよね。ごめんね」という真珠の言葉を聞いたことで、彼女は完全に素直で良い子だと思い込んでしまいました。一方、アラタにも真珠に対する心情の変化が訪れており、彼は真珠を本気で愛せるような何かを見つけようとしていました。そこで沙菜と一緒に真珠への差し入れを買いに行き、その時に買ったスポーツブラを面接時に真珠に渡します。

その後、将来の夫婦生活について話し合っていたアラタと真珠でしたが、そこで口論になってしまいます。アラタはつい「俺ェ、ガキなんていらねえんだけどな」と本音を漏らしてしまいました。ところが真珠はそんなアラタを「案外かわいい」と口にし好ましく思ったようです。

そしてあらすじの終盤では、宮前の地道な調査によって真珠に関する新情報がアラタの耳に入ります。真珠は最初の被害者が出る1年前から何者かにストーカー行為をされていたということでした。そして実際に彼女のアパートに住んでいた浮浪者からの証言も得ることができたため、真珠の無罪の可能性が浮上します。

『夏目アラタの結婚』3巻のあらすじネタバレ解説では、留置所内でアラタの周囲に現れた沙菜の影に苛立ちを募らせている真珠の姿がありました。2人の関係に探りを入れることを依頼された宮前は沙菜と接触します。宮前は沙菜に「“新たに”自分の無実を証明できる人物が見つかった」と伝えていますが、その時に沙菜は「新たに」を「アラタに」と勘違いしていたため、アラタの名前を知っていることを白状した形で繋がっていることを知られてしまいました。

その事実を宮前が真珠に話したことで、真珠はアラタに対して結婚詐欺の訴訟を起こすという話になります。宮前は真珠の無実を信じているため、彼にとってはアラタがやっているのは裏切りと同じでした。そこで宮前はアラタの本心を確認するために控訴審の前に婚約届を提出するように要求し、アラタは次に面会する時は白いタキシードで来るように言われます。

そして面会日、アラタは言われた通り白いタキシードを着用しており、さらに彼の手には直筆で書かれた婚約届がありました。しかし、真珠はそれに対して夫婦の責任を放棄するような発言をします。さらに「誰かを殺したいなら、ちゃんと手伝うし！」とも発言したことで、場の空気は一気に不穏な空気となってしまいます。結果的には無事婚約届は受理され、「品川真珠」の名前は「夏目真珠」になりました。

そして控訴審の当日がやってきます。傍聴席の人々は清楚になった「品川ピエロ」の姿に驚いていました。さらに真珠がアラタの名前を伏せながら結婚したことを陳述したことで場の空気は困惑の渦に包まれます。しかし、その時に死刑囚アイテムコレクターとして留置所に通っていた藤田が、真珠の夫はアラタだということに気づきます。そこで藤田はアラタに「品川ピエロ」のアイテムを貰う代わりに協力を申し出たのでした。

宮前はアラタのことを信用できなくなったため、桃山に協力を願い出ていました。協力を了承した桃山は早速、真珠のストーカーが父親だったという説の真相を確かめるために、真珠の面会に行きます。面会で桃山が父親のことについて真珠に話を聞くと、真珠は父親を庇っていたことや身体の関係を迫る父親に対して殺意が湧いていたことを明かしました。そして後日、アラタも真珠の面会にやってきていました。

そこでアラタは真珠から母親が嫌いだったということを聞き出しますが、その後真珠が母との思い出の歌「赤とんぼ」を歌ったことで嘔吐してしまいます。アラタはそのような過去を聞いたことで真珠に心を掴まれてしまったようです。アラタは結婚したらすぐに離婚したらいいと考えていたのですが、真珠からの離婚届も破り捨て、以前の考えから大きな変化が起きたようでした。

その頃、週刊誌は「品川ピエロ」の結婚相手がアラタだという事実を暴いていました。週刊誌に情報をリークした人物の名前が分からないまま、第二回目の公判が始まります。証言台には真珠のストーカーらしき人物と彼女の被害者との口論を聞いたというホームレスの稲葉が姿を現していました。

そこで「年の差を考えろ」「俺の真珠を出せ」などと言い合っていた事実が証言されます。ところが、その証言だけでは確たる証拠にはなりませんでした。しかし、その時に黙秘を続けていた真珠が証言を始めます。その証言で、3人目の被害者の死因となった毒が真珠が父親を殺害するために病院から盗んだものであることが判明しました。

さらに続けて、その毒を使って「自殺」しようとしていたことも証言し、死刑になっても良いという考えを明かしたことで、アラタと傍聴人の心を掴みます。その後休憩になりますが、アラタはその時に真珠が庇っているのは父親ではなく母親なのではないか？という疑問を持つのでした。

漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラの1人目は、本作の主人公である夏目アラタです。児童相談所に勤める30代の男性で、オールバックの髪型と高身長が特徴的。元々不良だったため、「目つきの悪いヤクザ」のような風貌をしています。

普段は粗暴な発言が目立つキャラクターですが、自分が問題児として育ってきたため虐待を受けている児童を救いたいという思いが人一倍強いです。さらに、場合によっては虐待する親に対する暴力行為も躊躇しません。

漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラの2人目は、「連続バラバラ殺人事件」の容疑者として留置所に拘束されている品川真珠です。世間からは「品川ピエロ」と呼ばれているのですが、そう呼ばれるようになったのは逮捕時にピエロの扮装をしていたことが原因でした。さらに、逮捕時には虫歯の影響でボロボロになった歯並びやボサボサの髪、そして肥満体質の体型をしていたことが話題になっています。

アラタと出会った時はそんな面影は微塵もなく、明るい色の短髪に痩せ形の体型をした中性的な女性でした。ただ、ボロボロになった歯並びがそのままだったため、かわいらしい顔立ちも相まって不気味さを感じさせます。鋭い洞察力と観察眼、さらに迫真の演技もできるため、周囲の人の心を掴むのに長けているようで、どこに本心があるのか、どれが本当の彼女なのかが分からないキャラクターとなっていました。

漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラの3人目は、真珠の私選弁護人を務めている宮前光一です。真面目で誠実な性格をしており、真珠の過去に同情し彼女が無罪であることを信じ切っていました。

真珠に対する同情心と1審の国選弁護団の1人として彼女と再会したのを運命だと感じたことで、彼女の私選弁護人を務めるようになっています。アラタが真珠に結婚を申し込んだ時は、それが本音ではないことを見抜いているのですが、彼女の無実を勝ち取るためにアラタの行為を許容していました。

漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラの4人目は、アラタと同じ児童相談所に勤務している桃山香です。本人はぽっちゃり体型に対してコンプレックスに感じているようですが、アラタにとっては理想のタイプであるため何度もアプローチを受けているとのことでした。アラタの相談相手として活躍するキャラクターですが、内心では真珠に深入りさせた原因を作ったことを後悔しています。

『夏目アラタの結婚』の最終回を「真珠がアラタに執着する理由」という要素について解説しながらネタバレ予想していきます。真珠は逮捕されてからアラタと出会うまで黙秘していました。

なぜアラタには饒舌になるのか？という疑問について。アラタは私選弁護士である宮前と被害者遺族の話を通して、被害者の3人が当時ガリガリに痩せ細っていた真珠に対して同情し何らかの支援をしていたことを知ります。その時にアラタは、真珠が自分に触れるために接力的に留置所を出たがっていた理由が「自分を殺害するため」であるということに気づきました。

ここでは『夏目アラタの結婚』の最終回を「真珠の弱点」という要素について解説しながらネタバレ予想していきます。真珠が自分に執着する理由に気付いたアラタは、その時に被害者全員が彼女と関わりを持っていたため、嫉妬のフリをして元カレとの関係を探ることにしました。その真意は真珠がどこで被害者と出会い、殺害することになったのか？というところにあります。

真珠は気持ち悪いと言いアラタを拒絶していたのですが、アラタが粘り強く話を聞き出そうとしていたため、彼女が過剰な反応を見せるワードが「子供」であることを見つけました。後日、アラタは桃山に「子供」という言葉に強い反応を見せたことを明かしますが、その時に桃山は真珠が「赤ん坊に対して強い恐怖」を持っている印象を受けます。

ここでは『夏目アラタの結婚』の最終回を「真珠とアラタの結婚」という要素について解説しながらネタバレ予想していきます。真珠は桃山と沙菜の自宅に手紙を送っていたのですが、そもそもアラタと真珠の面会では桃山と沙菜の名前や住所を明かされていませんでした。

ところが、実際には桃山と沙菜の名前がフルネームで書かれており、さらに私選弁護士をも利用して2人に接触をはかっています。この事実をアラタは知らないのですが、アラタは真珠がいつもそばにいる気がしていると感じていました。あらすじを見ると、真珠の地頭の良さと行動力が異常であることが分かります。

結果的には事件の真偽がどうであれ周囲の人間を上手く利用して留置所から出てくるのではないでしょうか？『夏目アラタの結婚』の4巻のネタバレ解説では、アラタの自宅に離婚届も届いているのですが、アラタはそれを破り捨てていることからアラタと真珠の結婚式が実現する可能性は高いと言えるかもしれません。

漫画『夏目アラタの結婚』の面白い魅力として挙げられるのが「謎解き」という要素です。あらすじは真珠が引き起こした「連続バラバラ殺人事件」から始まっています。第1審では死刑判決を受けた真珠でしたが、アラタと出会ってからは「無実」を主張し始めました。真珠には私選弁護士である宮前がいるため、彼が事件の謎にどのようにして迫るのか？それとも彼は真珠に利用されているだけなのか？といった謎が謎を呼ぶ展開が魅力的です。

漫画『夏目アラタの結婚』の面白い魅力として挙げられるのが「変幻自在な品川真珠」という要素です。真珠という女性には幼少期から現在に至るまで3つの顔があります。1つ目の顔がボサボサの髪をした太ったキャラ、二つ目の顔が逮捕時の不気味なピエロキャラ、3つ目の顔が一見大人しくて保護欲を掻き立てられる華奢なキャラです。本作を読み進めれば、彼女の本性への疑問に翻弄されることでしょう。

漫画『夏目アラタの結婚』の面白い魅力として挙げられるのが「ラブロマンス」という要素です。本作はサスペンスミステリーの印象が強いですが、しっかりとラブロマンスも演出しています。

アラタは真珠のことをただの殺人鬼と思っていただけでしたが、彼女の被虐児童であった過去や仕草、態度によって徐々に恋愛感情が芽生え始めます。あらすじを見ると、2人の関係は駆け引きだけで成り立っているように見えますが、たまに互いの本心と感情が交差することもあり、そんなシーンが読者をやきもきさせることでしょう。

こちらは漫画『夏目アラタの結婚』に関する感想です。感想ではネタバレ解説と共に虐待や裁判の知識、入籍と離婚の知識など勉強になる要素が多いといった感想があがっています。謎解きの魅力もそうですが、その時に様々な知識も登場するのでそんな要素が作品のリアル感を演出しているのかもしれません。

こちらは漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラが織り成すストーリーに関する感想です。感想では登場人物が駆け引きする描写などが多いため、現実のように感じているのが分かります。やはり、このような感想を抱いたのには前述したリアル感を演出する要素と、キャラクターの複雑な心情が関係しているのでしょうか？ここでネタバレ解説を参考にして登場人物達の動向を追ってみると良いでしょう。

こちらは漫画『夏目アラタの結婚』の登場人物・キャラクターである品川真珠に関する感想です。この感想では真珠が展開する複雑な描写に魅了されているようで、登場人物自体も高評価されているのが分かります。感想であがっている画像はネタバレ解説の4巻です。ぜひこのシーンをチェックしてみてください。

漫画『夏目アラタの結婚』のあらすじをネタバレ解説し、登場人物・キャラを一覧で紹介してきましたがいかがでしたか？感想を見ると、本作が描く登場人物達の複雑な心情や謎がリアル感を演出しているため、多くの読者が惹き込まれているのが分かります。これを機に当記事のあらすじネタバレ解説を参考にしつつ、漫画『夏目アラタの結婚』をご覧になってみてください。