2019年05月26日公開
2019年05月26日更新
イジメの時間の感想をネタバレまとめ!壮絶なイジメ漫画の登場人物とあらすじは?
マンガアプリComico(コミコ)に投稿された漫画家「くにろう」の作品「イジメの時間」。新たな流通媒体での発表に加えて、10代の若者に巣くう壮絶なイジメという闇の世界をリアルに描いた作品として大きな反響を呼びました。これから「イジメの時間」の感想をネタバレでまとめ、主人公・歩をはじめとする登場人物やあらすじ、さらには読者の感想・評価についても解説していきます。この機会にぜひご覧ください!
イジメの時間とは?
イジメの時間の漫画作品情報
漫画のタイトルとしてはかなりインパクトのある「イジメの時間」。登場人物やあらすじ、感想を紹介する前に、まずは作品情報からお届けします。
イジメの時間の漫画概要
イジメの時間は、2016年にマンガアプリComico(コミコ)にベストチャレンジ作品として投稿された漫画家「くにろう」の作品です。「くにろう」には本作の他、「RULE~犯罪少年」などの作品があります。
本作「イジメの時間」は、重大な社会問題にもなっている学校でのイジメ問題をリアルに描いた漫画として知られています。イジメを受けている生徒の心情をここまでつぶさに描いた作品は未だかつてなかったと話題になりました。リアルな被害者の心情描写は壮絶なもので、中には読み進めることができなくなる読者もいると言われています。
主人公の「天童歩(てんどうあゆむ)」は至って平凡などこにでもいる中学生でした。ところがクラスで席替えをした時、不良の鈴木山がすぐ後ろの席になってしまいます。「おとなしくしていれば何も起こらないだろう」とあまり気に掛けなかった歩でしたが、ある日歩の机の中に鈴木山の筆箱が入っていることに気づきます。たったこれだけの事が、後に歩の運命を決する壮絶なイジメへとつながっていったのです…。
イジメの時間は電子書籍版だけの販売?
イジメの時間は、本屋では購入することができません。なぜなら電子書籍版のみの販売となっているからです。イジメの時間はアマゾンのkindle電子書籍や、「FOD」というオンデマンドサービスを利用し読むことができます。FODでは、”お試し制度”を利用することで無料で楽しむことも可能です。
イジメの時間の登場人物ネタバレ
登場人物①天童歩
漫画「イジメの時間」の主人公・天童歩。元気に通学し学校では友だちと和気あいあいとして過ごす、どこにでもいるような中学生です。
ところが、ちょっとした事がきっかけとなりクラスの不良・鈴木山と若保井から激しいイジメを受けるようになってしまいます。イジメは次第にエスカレートし、傷ついた歩はどんどん暗い性格になっていきます。
登場人物②鈴木山
些細なきっかけから歩をイジメるようになった不良少年。すぐ頭に血が上りちょっとした事でキレて暴力に訴える危険な性格をしています。
歩以外にも被害者は多く、そのひとり須田を子分として使う、こちらもどこにでもいる典型的な不良です。基本的には誰にも心を開くことはありませんが、なぜか若保井だけには全幅の信頼を置いています。
登場人物③若保囲
クラスの不良・鈴木山とよく一緒に行動をとる若保囲。鈴木山が信用している唯一の人物です。鈴木山に加担し歩をイジメるようになります。
若保囲は、鈴木山のようなすぐにキレる単細胞ではなく、頭の回転が速い知能犯の一面がありました。鈴木山が間の悪いときにキレそうになると制止するなど、歩に対する陰湿なイジメが大っぴらにならずに続けられたのは、彼の貢献によるものが大でした。
登場人物④鶴巻真魚
クラスの不良で鈴木山と行動を共にする女子生徒・鶴巻真魚。しかし鈴木山に心酔しきっているわけではなく、彼の凶暴な性格には一抹の恐怖を感じていました。
登場人物⑤戸沢信二
主人公・天童歩の幼馴染で友人。優等生で正義感の強い性格でしたが、須田に暴行を受けたことに精神的なダメージを受け、見て見ぬふりをするなどイジメにあうリスクを避けるようになります。
登場人物⑥平原
主人公・転送歩が恋心を抱いている女子生徒の平原。歩がイジメられていることに気づきますが、身の危険を感じ見て見ぬふりを決め込みます。
登場人物⑦又賀
日常的に行われる歩に対するイジメを勇気をもって教師に報告します。ところが、鶴巻の手下に鈴木山に密告され、逆に陰部の写真を撮られるなど脅迫のネタを握られてしまいます。
登場人物⑧須田
不良グループ鈴木山たちのパシリをさせられている生徒です。自販機にないジュースを買いに行かされては、見つからずに戻るとそれを理由に暴行を受けてしまいます。
登場人物⑨柴咲
天童歩に対する鈴木山たちのイジメに気づた唯一の教師、柴咲。ある日、進路指導と称して歩を呼び出し、事の真偽を確かめますが、歩は本当のことを言えずにいるのでした。
イジメの時間のあらすじネタバレ
あらすじネタバレ①席替え
ここからは「イジメの時間」あらすじをネタバレで解説していきます。学校で歩に対するイジメが始まるきっかけとなった、ある出来事がありました。ある日、クラスでは恒例の席替えが行われていました。そこで歩の後ろの席に来たのがクラスでも札付きの不良・鈴木山でした
おとなしくしていれば次の席替えまで何もないだろうと高を括っていた歩でしたが、思いがけないところで状況は一転します。勘違いから歩の机の中に鈴木山の筆箱が入っていたのです。それに気付いた鈴木山は、歩の肩をポンと叩き「許してやってもいいんだぜ」と言いました。何のことだかわからない歩は、ビックリして机の中に手を入れます。するとそこには、鈴木山の筆箱がありました。
気が動転している歩に、鈴木山は「今すぐ(担任の)青木を殴ってこい。それができたら、この件はチャラにしてやる」と脅します。気の小さい歩にそんなマネはできません。筆箱も件も自分は知らないと否定します。そんな歩の言動を見て鈴木山が本性を表わし、キレまくります。
担任教諭が来たこともありその時は事なきを得ましたが、歩は不良グループの鈴木山と若保囲から付け狙われることになってしまいます。
あらすじネタバレ②幼馴染の戸沢
自分でも何が何だかわからない状況の中、歩の頭には幼馴染の戸沢の顔が浮かびました。優等生の戸沢は、歩が頼りにできる数少ないクラスメートでもありました。歩は、躊躇することなく友人・戸沢に相談します。相談を受けた戸沢は、鈴木山と話し合いの場を持つことを提案します。
自分のせいで戸沢にまで危険が及ぶのではないかと心配になる歩でしたが、戸沢の言葉に励まされ2人は鈴木山たちのところへ向かいました。
あらすじネタバレ③始まるイジメ
2人が鈴木山に会うため校舎裏へ向かうと、そこではパシリの須田という生徒が殴る蹴るの暴行を受けていました。2人に気づいた鈴木山は、「こいつは殴られるのを喜ぶドMなんだ」と言い、須田にも無理やり認めさせようといました。さらに、鈴木山は歩に向かって「チクったら殺すぞ」と凄みます。
その一言で完全に固まってしまった歩は、ただ頷くしかありませんでした。鈴木山らが立ち去った後、戸沢は須田へのイジメを報告するため教師のところへ向かおうとします。しかし、横で震えている歩の怯え切った顔を見た戸沢は、肝心の歩が鈴木山たちから酷い目に合わされることを考慮し暫く様子を見ることにしました。
暫く経ったある日のこと、歩は戸沢と須田が校舎裏に急ぐ姿を目撃します。歩は気付かれないよう2人の後を追います。そして2人の会話を盗み聞きしたところ、戸沢は先日のイジメを教師に報告したとのことでした。その時、それまで大人しかった須田の態度が変わります。戸沢の行為をありがた迷惑だと断じ、自分は鈴木山の言う通り「ドMだ」と言い切りました。
さらに須田は急に逆上し出すと戸沢に殴りかかりました。須田の暴力は次第に激しさを増し、何ら抵抗もしないまま戸沢はボロ雑巾のように殴られ続けました。後になってわかったことでしたが、実はこの須田の暴力は若保囲の指示によるものでした。教師に密告されたことで恐れをなした若保囲は、須田を脅して須田自身が望んで殴られことにしようとしたのです。
一部始終を見た歩は、自分のせいで戸沢まで巻き込んでしまったことに自責の念を強くします。しかし、それから暫くの間は平穏な日々が続き、鈴木山と若保囲の2人が歩に危害を加える兆候はありませんでした。
ある日の事、歩の前に鈴木山が突然現れました。ビビりまくる歩でしたが、鈴木山は歩を遊びに誘ってきたのです。あまりに唐突な出来事に歩は言葉もありませんでしたが、到底拒絶できる雰囲気ではなく2つ返事でついて行くことにします。
目的地のバッティングセンターに着くと、急に鈴木山は「悪かったな」と歩に謝りだしました。鈴木山は、教師へのイジメの告げ口を歩が止めてくれたと勘違いしているようでした。その時、歩は『鈴木山や若保囲はそれほど悪いヤツでもないのかも?』と思い始めていました。
その後、学校では友好的に話しかけてくる鈴木山たちに、恐々と応じる歩の姿が度々目撃されるようになります。周囲はその光景を好奇と不安の入り混じった目で見つめていました。その1人に教師の柴咲がいました。彼は歩の態度に不自然さを感じていました。
柴咲はかつて戸沢から須田のイジメ被害の件で報告を受けたことがあり、鈴木山らの行動を注視していたのです。ところが、事なかれ主義の他の教師たちは柴咲に事を荒立てないよう助言します。
柴咲は歩を進路指導という名目で呼び出すと、鈴木山らからイジメを受けていないか本音を聞き出そうとします。「脅されたりパシリにされたりしていないか?」という柴咲の問いに、歩は「何もありません」と答えました。
教師が去った後、鈴木山に自分たちのことを訊かれなかったかと尋ねられて歩は、鈴木山の機嫌を損なわないように「何も訊かれていない」と嘘を付きました。すると鈴木山の表情が豹変しました。「なにつまんねぇ嘘ついてんの?お前!」と歩に迫ると「ペナルティー1」と声を荒げて宣告しました。
鈴木山は、自分たちは仲間なんだから嘘をつくなど裏切り行為をしたら厳罰に処すと、一方的にルールを決定しました。さらにそれからと言うもの鈴木山は、何かにつけて歩にペナルティーを課してきました。しかも、いずれの理由も理不尽極まりないものでした。
こうして歩の心は、否応なく鈴木山に支配されていきました。それと共に歩へのイジメは、今までにも増して熾烈を極めていくことになったのです。
イジメの時間の見所
イジメの時間の見所①キーマンは鈴木山?
続いて「イジメの時間」の見所を探っていくことにしましょう。この物語の見所の1つには、物語のキーマンとなるイジメの首謀者にして不良グループのリーダー格・鈴木山という生徒が挙げられます。
彼は、この作品のストーリー展開の中核的存在になっています。読む者に「どのような背景があってこうした陰湿なイジメをする人間が生まれるのか?」という疑問を投げかけます。
いじめ問題を考えるにあたり重要なのは、加害者側の理由や事情でしょう。 後に、歩と執拗で残忍なイジメを繰り返す鈴木山が幼い頃に出会っていることが発覚します。このことが今後の展開に与える影響も気になるところでしょう。
イジメの時間の見所②リアルさ
「イジメの時間」の最大の見所は、読む者の心にリアルに迫るイジメ被害者の心情でしょう。イジメを受けていることは自分でも痛いほど分かっているのに、イジメを受けているという現実を認めたくないという心理描写はイジメを受けた人間でなければ分からないようなリアルさがあり、読む者の心に言いようのない衝撃を与えます。
また、「イジメの時間」ではイジメる側やイジメられる側だけでなく、イジメを傍から見ている側の視点からの描写があり見所の1つともなっています。クラスメートや幼馴染、先生そして親など多くの視点からイジメに関して描いています。
ある者は「止めに入ると自分がイジメられる」と保身に走り、またある者は「本人がイジメじゃないと言っているんだから…」と事なかれ主義に徹するなど、周りの人たちの心情も具(つぶさ)に描写されイジメの恐ろしさがより鮮明に顕在化してくるのです。
イジメの時間に関する感想や評価は?
読者に魔法をかける作家!
壮絶なイジメを扱う「イジメの時間」のあらすじをネタバレでお届けしてきたこの記事の最後に、この漫画イジメの時間を読んだ方の感想や評価を紹介します。
くにろう先生の「イジメの時間」
— リバもと@ブログ4か月目 (@ribamoto) May 18, 2019
読み直してるけど前半のイジメシーンはやっぱり気分悪い…。
けど歩が復讐に転じたときのカタルシスがたまらないっ!!!
色々な気分を読者に味わせることの出来る作家さんってホント魔法使い!!#くにろう#イジメの時間#マンガボックス#漫画
最初は、「イジメの時間」の作者についての感想・評価です。気分が暗くなる前半のイジメの場面から一転、歩が復讐を実行していく時の気分の浄化はまるで魔法にかけられたかのようだと言います。作家の力量の高さを伺わせる読者の感想でした。
復讐する歩が可哀そう!
続いてのイジメの時間の感想・評価は、リベンジに転じ犯罪に手を染めてしまう歩に同情を禁じえないという読者の感想です。
68話まで読んだ
— true colors (@pdgcbdch) December 26, 2018
歩くんの復讐が始まり
相手をやり込めてるセリフの一つ一つにスカッとする反面
こうゆう形の復讐になってしまうのが
残念。ストーリーが残念なんじゃなくて
歩くんが犯罪を犯してしまう
そうゆう風にしか反撃できない
そこが可哀想でならない。
最後どうなるんだろう。#イジメの時間
イジメに遭っているときはもちろんの事、反撃に移っても追い詰められていることに変わりはないイジメ被害者。問題の根の深さを改めて考えさせる感想でした。
友だちとは?と考えさせられる!
最後は、このイジメをテーマとした漫画を読んでみて、改めて友だちとは何だろう?と考えさせられたと言う方の感想です。
😞#イジメの時間😞
— マンガBANG 人気マンガが無料で読める! (@mangabangfree) February 16, 2019
クラスのイジメ主犯格に
目をつけられた主人公・歩
歩の優しい性格が
災いして…😱
おそるおそる、でも続きが
読みたくなってしまいます...。
友達とはなんなのか
考えさせられる作品です🤔#学校マンガ #イジメ #いじめ #社会問題 #友達 #友情https://t.co/OnSYK5vpdx
この漫画にはイジメる側、イジメられる側だけでなく、イジメを目撃する周囲の人間の深層心理まで入り込み描かれていきます。その中には歩の友人も含まれていました。イジメを通して、”友人”としての関わり方を考えさせられる作品ともなっているという感想でした。
イジメの時間の感想とネタバレまとめ
ここまで「イジメの時間の感想をネタバレまとめ!壮絶なイジメ漫画の登場人物とあらすじは?」と題して漫画「イジメの時間」についてお届けしてきました。
その結果、作者がイジメ問題に正面から向き合い、他に類を見ないほどのリアルさで作品を描いていること、イジメ当事者だけでなくそれを傍観する周囲の人間の視点からの描写も織り込まれているなど、魅力の秘密が明らかになりました。「イジメの時間」の今後の展開に期待しましょう!