2018年05月11日公開
2018年05月11日更新
デスノート・ドラマ版のキャストやあらすじは?映画との違いや評価も紹介
“名前を書かれた人間は死ぬ”という恐ろしい力を持つノートを手にした少年達の頭脳戦を描いたサスペンス少年漫画が「デスノート」です。多くの人を魅了した人気漫画ですが、現在までで原作版・映画版・アニメ版・ドラマ版の4つのバージョンが放送・出版されています。実は同じ『デスノート』を題材としていても、各バージョンによってキャストや設定に少しずつ違いがあるのです。今回はその中でも、ドラマ版デスノートを中心にまとめていきます。ネタバレを交えながら紹介していきます。
目次
人気漫画デスノートとは?
DEATHNOTEとは、2003年から2006年に週刊少年ジャンプにおいて連載されていた作品であり、「名前を書かれた人物は死ぬ」という恐ろしい力を持ったノート(=デスノート)をめぐる、登場人物達の心理戦や頭脳戦などが高い評価を得たサスペンス少年漫画です。
中でも、デスノートを手にした主人公の夜神月(ヤガミ ライト)と世界一の名探偵のL(エル)による命がけの心理戦は、最後まで目が話せなくなるような魅力と迫力があり、2人の心理戦が体験できるゲームまで発売されるほど、多くの読者を虜にしています。
ドラマ版デスノートについて
ドラマ版デスノートは、2015年7月5日から9時13日まで日本テレビ系の日曜ドラマ枠にて放送されていたドラマであり、漫画『DEATHNOTE』を原作としながら、漫画や映画版とは異なるキャストや設定、展開が施されたオリジナルストーリーになっています。
ここからはドラマ版デスノートのあらすじやキャスト情報、評価などについてまとめていきます。内容についてのネタバレも含まれていますので、ご注意ください。
ネタバレ注意!ドラマ版デスノートのあらすじについて
主人公の夜神月(ヤガミ ライト)は、居酒屋でアルバイトをしながら公務員を目指している平凡な大学生です。また、母親を亡くした際にも仕事ばかりしていた父親に対して確執を持つと同時に、世の中に対する見方も冷めたものになっていました。
月は或ある日、親友の鴨田が高校時代の同級生である佐古田に恐喝されている所を目撃します。恐喝を止めようとするものの、為す術もなかった月は自分の無力さを知り「力が欲しい」と強く願いました。すると、空から月の頭上に一冊の黒いノートが降ってきます。
表紙に「DEATHNOTE」と書かれたそのノートには、「名前を書かれた人間は死ぬ」という恐ろしい内容が書かれていました。最初は誰かのいたずらか何かかと思っていた月は、何気なく佐古田の名前を書いてしまいます。その翌日、佐古田が死亡したという知らせを聞いた月は、「DEATHNOTE」の力が本物であるということを確信します。
DEATHNOTEを使って人殺しをしてしまったことに困惑している月の目の前に現れたのは、デスノートの本来の持ち主であるという死神のリュークでした。死神の出現に恐怖する月に対して、リュークは何をするわけでもなく、月がデスノートをどのように使うのかを見届けると言います。そして月はついに、デスノートを使って凶悪な犯罪者達に裁きを与え、葬り始めました。「法律で裁けない犯罪者を裁く存在がいる」と認知した人々は、月をいつしか「殺し屋」(killer)の意味を込めて「キラ」と呼ぶようになります。
世界中の犯罪者をいとも簡単に殺害することができる「キラ」についての捜査を任されていたICPOは、捜査を正体不明の名探偵L(エル)に依頼します。不可解かつ凶悪な事件を捜査するために、Lはついに正体を明かし、日本の警視庁捜査一課に所属する月の父親の夜神総一郎に協力を要請します。ここから、デスノートの恐ろしい力を手にした月と天才名探偵のL、そして謎の人物のニアによる対決が幕を開けます。
ドラマ版デスノートのキャストについて
主人公の夜神月(ヤガミ ライト)役:窪田 正孝
大物キャストが勢揃いのドラマ版デスノートにおいて、主役の夜神月を演じるのは、フジテレビ系深夜ドラマ『チェケラッチョ!!in TOKYO』で俳優デビュー後『僕たちがやりました』や実写版『東京喰種(トーキョーグール)』の主役を演じたことでもおなじみの注目若手俳優の窪田正孝さんです。
窪田正孝さんは、迫力のある演技やキャラクターになり切る力が高く評価されており、特にドラマ版デスノートでの演技は、第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞のインタビューにおいて、夜神月を演じ切った感想を聞かれた時には「ここまでプレッシャーがあった作品は初めてでした。」というコメントをしていたようです。
窪田正孝さんがこれまで演じた役は、正義感が強いキャラクターや心優しい性格の人物が多いこともあり、心優しくもありながら、どこか狂気に満ちた夜神月のキャラクターは、視聴者によりインパクトを与えるものになったと言えます。
世界一の名探偵であるL(エル)役:山﨑 賢人
また、「キラ」として暗躍する夜神月のライバルであるLを演じるのは、大ヒット漫画の実写映画『orange』や『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』などにも出演した注目若手俳優の山﨑賢人さんです。
「天才」や「世界一の名探偵」という肩書きを持ち、どこかミステリアスな印象があるキャラクターのLですが、『ORICON NEWS』のインタビューにおいて、「原作コミックがものすごい人気で、過去に映画化もされているなかでの挑戦。役柄や作品へのいろいろな想いもプレッシャーもありましたが、成長できたと思います。」というドラマ版デスノートに関するコメントを残しています。
第2のキラである弥海砂(アマネ ミサ)役:佐野 ひなこ
出典: https://thetv.jp
2冊目のデスノートを手にしたことで、キラを崇拝する「第2のキラ」として、夜神月と共にLと戦うアイドルの弥海砂を演じるのは、数々のドラマやバラエティ番組で活躍している佐野ひなこさんです。
佐野ひなこさん自身も原作のDEATHNOTEの大ファンであり、夜神月が「平凡な大学生」という原作とは異なる設定により、弥海砂と夜神月の関係性が変化しているドラマ版デスノートに出演した際には「(原作の月とドラマの月の)どちらもが好きですが、今はドラマの月が好きです」と『テレビドガッチ』のインタビューで答えています。
Lを継ぐ者のニア役:優希 美青
世界一の名探偵である、Lの後継者として登場する謎の人物のニアを演じるのは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』や『マッサン』などに出演した注目若手女優である優希美青さんです。
中性的であるニアを演じるにあたって、優希美青さんは『クランクイン!』のインタビューにて「男の子を演じるよりも難しい」との感想を残しています。また、ドラマ版デスノートオリジナルの設定として「ニアのもう一つの人格」が登場するのですが、もう一つの人格というのが、ニアの暗い一面が具現化したようなキャラクターであり「シーン毎に人格が切り替わっていくところを一人で演じ分けるのは本当に難しかった」というコメントも残しています。
ネタバレ注意!面白い?つまらない?賛否両論のドラマ版デスノートを見た人の評価は?
ネタバレ注意!評価①ドラマ版デスノートは主演の窪田正孝さんの演技が凄い!
ドラマ版デスノートが学芸会扱いされてて悲しい
— ぴのこ (@sinsekai0219) April 30, 2018
窪田正孝の熱演だけは最高だったろ
ドラマ版デスノートを見た視聴者からの評価において、主演の窪田正孝さんによる迫力満点の演技を高く評価する声が多いようです。
「もう…戻れないだろ……戻るつもりもない」
— まさんぬ【アンナチュラルなトドメの接吻】 (@masannu_) November 1, 2016
「キラなら…世界を変えられる」
人間味があるよ。ドラマはやっぱり。ドラマデスノートの夜神月は、どこか共感してしまう部分がある。
見ていて泣きそうになるんだよ、キラになった気持ちが痛いほど伝わってきて。 pic.twitter.com/wAqcxzr9mv
また、原作や映画版などにおける夜神月は、官僚を目指す優秀で人柄も良い学生であったのに対して、ドラマ版では「ごく平凡な大学生」という設定であることについては「どこにでもいるような平凡な学生だからこそ共感できる部分もある」という声があるようです。
特に、ドラマ版の夜神月の残忍でダークな一面が垣間見える第4話~7話では、普段の「平凡な大学生」としての表情と、新世界の神「キラ」としての表情のギャップについての評価が高いようです。
ネタバレ注意!評価②ドラマ版デスノートの設定が原作・映画版と違い過ぎてギャップを感じる!
ドラマ版デスノート…これどーなん??
— シアン (@chakomura) July 5, 2015
キャストも設定も微妙すぎる。。。
アイドルオタクVS Lの構図が超不安。。。
なんでだろう?こんなに見る気なくすドラマって初めてだわ(笑)
主人公である夜神月の設定変更をはじめ、ドラマ版デスノートはオリジナルの設定が随所で施されていますが、原作や映画版DEATHNOTEのファンの中には、ドラマ版オリジナルの設定が原作や映画版の設定とかけ離れたものになっていることにギャップや不満を感じているという声も見られます。
かっこいい窪田正孝と、かっこいい山崎賢人
— みう (@omiu_0128) July 5, 2015
出とるけど、ふじたつ、まつけんのデスノートのほーがしっくりくるゎ〜
デュークの声も今のはしっくりこん笑
映画版DEATHNOTEでは、俳優の藤原竜也さんが夜神月役をしており、彼の演技のインパクトが強すぎて、どうしても比較してしまうという声も少なくありません。
視聴率から見たドラマ版デスノートの評価は?
視聴者からは賛否両論とされているドラマ版デスノートですが、『Audience Rating TV』に掲載されている実際の視聴率を見てみると、平均視聴率は11.5パーセントとなっています。
映画版やアニメ版など、ドラマ版が放送される以前からデスノートを原作とした作品がリリースされていたこともあり、ドラマ版デスノート第1話放送時では、新キャストと新設定が注目され、16.9パーセントという高い視聴率を出しています。
また、ドラマ版デスノートは第5話の時点で視聴率8.2パーセントという最悪の数字を出しましたが、最終回では14.1パーセントという高い視聴率という結果になっています。これについては、第10話~最終回における月とLの対決や物語のどんでん返しなどといった視聴者を引き付ける展開により、持ち直したと言われています。
ドラマ版デスノートの視聴率が思うように伸びなかった最大の理由は「先にリリースされ、キャストや構成などが高い評価を得ていた映画版DEATHNOTEという強大な比較対象があった」という点であると言われています。
ネタバレ注意!視聴者の声から発覚!ドラマ版デスノートには致命的なミスがあった?
ドラマ版デスノートのなかでも、キャストの良さや斬新なストーリー展開が表れはじめた第10話において、本編に「致命的なミス」があったということがネット上で話題になりました。
「致命的なミス」というのは、第10話の本編にて夜神月の指示により、佐野ひなこさんが演じる弥海砂がデスノートに手書きで名前を書いた際に「心臓麻痺」の字が間違っていたというミスです。
過去のシーンにおいても、窪田正孝さん演じる夜神月がデスノートに、殺したい相手の名前を書いた際に「見潟」という名前の「潟」の字を書き間違えていた場面もありました。
手紙やメモなどといった、映画やドラマにおいてあまり注目されない部分であれば、問題ないのですが「名前を書かれた人間は死ぬ」という特徴的な設定を持ったデスノートにおいては、このミスが致命的であると話題になりました。
ネット上では「名前に誤字があっても殺せるのか」「ツッコミどころ満載」などの声が飛び交い、ドラマ版デスノートを見るにあたって、ちょっとした「お笑いネタ」のような扱いになっているようです。
ネタバレ注意!ドラマ版デスノートと映画版DEATHNOTEとの違い
映画版DEATHNOTEは、2006年に公開された作品であり、内容は原作をベースに脚色を加えた、言わば「人気漫画の実写化」の先駆けのような設定やスタイルとなっていました。ドラマ版とはキャストも大きく異なっており、主役の夜神月を藤原竜也さん、Lを松山ケンイチさんが演じています。
映画版におけるキャラクターや舞台設定については、原作を忠実に再現していますが、ドラマ版では主人公の夜神月の設定を「秀才」から「平凡」に変更し、原作ではLの後継者である少年のニアを女性の設定にするという大規模な設定変更など、映画版とドラマ版では異なる点が多く存在します。ここからは「映画版とドラマ版ではどのような違いがあるのか」について、ネタバレを交えながらまとめていきます。
ネタバレ注意!ドラマ版と映画版の違い①月とLの対決の結果
DEATHNOTEの最も魅力的なシーンである「夜神月とLの対決シーン」ですが、ドラマ版と映画版では対決の展開や結果が大きく異なっているのです。
映画版DEATHNOTEでは、月の正体がキラであると確信したLと警察に追い詰められた月が死神・リュークに自分以外の人間の名前を書くように命令しますが、リュークは月の名前をデスノートに書きます。月はリュークに名前を書かれたため、心臓麻痺によって死亡し、Lもデスノートのルール通り、死亡してしまうという結末でした。
しかし、ドラマ版デスノートの最終回では、夜神月は「リュークに名前を書かれて死亡する」のではなく、キラを崇拝し、彼を助けようとした魅上照(ミカミ テル)の放火により、焼け死んでしまうという結末になっています。
ネタバレ注意!ドラマ版と映画版の違い②Lの後継者であるニアとメロの扱い
なかでも、視聴者にとって衝撃的であったドラマ版と映画版・原作との違いは「原作ではニアと共に「Lを継ぐ者」として暗躍する少年・メロ」の扱い方でした。映画版はLとキラの対決にスポットを当てているため、ニアもメロも登場しませんでした。しかし、ドラマ版におけるメロは「ニアのもう1つの人格」という設定になっています。
原作やアニメにおいて、ニア同様「Lの後継者」として、ニアや警察とは異なった方法でキラについて探る役割をになっており、冷静沈着なニアとは対照的である感情的で行動的なキャラクター性が、読者の間で評価の高い人物でもあります。そのため、ドラマ版におけるメロの大幅な設定変更は、原作ファンの間では衝撃的だったのでしょう。
ネタバレ注意!意外と知られていない「読み切り版」のデスノートとは?
原作漫画をはじめ映画やドラマなど、様々なメディアにおいて幅広い層から高い評価を得ているデスノートですが、連載されているとは異なる、未収録の「読みきり版」があるというのはご存知でしょうか?
「読み切り版」のデスノートは、単行本にもなっている「連載版」とは異なる設定が施されており、登場人物も異なっています。まず、主人公は夜神月ではなく、鏡太郎(カガミ タロウ)という少年になっており、キャラクターは主に、彼と死神・リュークしか登場しません。
また、連載版やドラマ版などでもおなじみの「デスノートに名前を書かれた者の死は取り消すことができない」というデスノートのルールについても、読み切り版では「デスイレイザー」というアイテムで名前を消せば、対象は生き返るという設定になっています。
現在、この「読み切り版」については、『完全収録版 DEATHNOTE』に収録されていますので、気になる方は是非一度読んでみて下さい。
ドラマ版デスノートは原作とは異なる世界観を楽しみたい人におすすめ!
いかがでしたでしょうか?原作とは異なるキャストと設定により、一味違う雰囲気になっていることで注目されているドラマ版デスノートですが、原作ファンの方も、アニメ版や映画版からDEATHNOTEにはまったという方も、それぞれのバージョンとの違いに注目することで、ドラマ版デスノートを更に楽しめます。気になった方は是非一度ご覧になってみて下さい。