【ガルパン】角谷杏のかわいい魅力とは？生徒会長の手腕や名セリフを紹介

ガルパン（ガールズ&パンツァー）とは、2012年10月から放送されたオリジナルのテレビアニメシリーズで、2014年にはOVAが、2015年には劇場版も公開、さらに数多くのスピンオフ作品が展開されています。

戦車道とは、華道や茶道などと同様に女性の伝統的な嗜みとして扱われる、戦車同士の模擬戦を主とするシリーズオリジナルの競技です。戦車という兵器を扱う競技ではあるものの、やっている本人たちは学校の部活のような感覚で、戦争や死といった背景からは切り離されて描かれています。

ガルパンの中でも影の主人公とも言われる、大洗女子学園生徒会長の角谷杏。策略をめぐらせ戦車道経験者のみほを戦車道に引き入れたり、大胆な優遇処置で戦車道履修者を集めるなど、主人公のみほとは違った角度で大活躍を見せてくれます。ここではそんな角谷杏の魅力について、画像やセリフとともに紹介していきます。

第1話、大洗女子学園の生徒会長として初登場したシーンです。主人公の西住みほに、選択科目で戦車道を履修するよう迫っています。一緒にいる桃や柚子がやや堅苦しい印象の喋り方なのに対して、会長の杏はずっとフランクで、みほの呼び方も初めから最後までずっと「西住ちゃん」でした。ただしそんなフランクな言葉の端々にも、妙な力強さがあります。

選択科目で戦車道履修を断るみほに、「んなこと行ってるとあんたたち、この学校にいられなくなるよ〜」といったセリフで脅すシーンです。生徒会室の奥で重厚な椅子に座り、逆光を浴びてこちらを見つめる会長はどこか妙な迫力があります。

このシーンに限らず、角谷杏はいつもどこか不思議な迫力を有しています。背も小さくかわいいのになぜか、誰が見ても角谷杏は3年生で、生徒会長が彼女であることが分かってしまう。それはまさしく、角谷杏が醸し出す不思議な魅力なのでしょう。

戦車の中から指示を出す角谷杏です。常に干し芋は手放しません。実は戦いの時以外でも、角谷杏は実に的確な指示を出します。聖グロリアーナ学園との練習試合に向けた打ち合わせでも主張の激しい桃を横にみほを隊長に指名したり、戦車道の授業に向けて自動車部に整備を依頼、教官を手配するなど、物事がスムーズに進むよう先を読んで指示を出しています。

体育館にて、全校生徒を集めて戦車道の宣伝をしているシーンです。生徒会としてどうしても戦車道履修者を集めなければいけないという状況の中、履修する生徒に様々な得点を与える生徒会長の角谷杏。

「選択すると色々得点を与えちゃうと思うんだ〜」と軽いながらも聞き捨てならないセリフを話す角谷杏。具体的には、食堂の食券100枚、遅刻見逃し200日、さらに通常授業の3倍の単位をもらえるというのです。ただの生徒会がそこまでの権限を持っていることを考えると、生徒会、しいては生徒会長の角谷杏の力量が伺えます。

OVAで祝勝会を開いたときの一幕です。みほたちのチームが戦隊モノのパロディを演技した際に悪の組織として壇上に上がった生徒会、その悪の親玉役を演ったのが生徒会長の角谷杏でした。悪の組織といっても、着ぐるみをきたかわいい姿をしています。なお、桃はカジキ、柚子は貝、そして角谷杏はあんこうの着ぐるみです。

プラウダ高校との戦いの前、戦車道の隊長として目覚ましい活躍をするみほをねぎらうため生徒会室へと呼び出す角谷杏と生徒会の面々。一緒にあんこう鍋を食べつつ感謝の意を伝えます。ただこの会合の本当の意義は、単なるねぎらいのためのものだけではありませんでした。この大洗女子学園がなくなってしまう、それを阻止するために、なんとしてでも勝たなければいけない。この戦いの本当の意味を伝えるための会合のはずでした。

しかし何度もそれを伝えるタイミングはあったものの、結局言い出すことはできませんでした。「これでいいんだよ。転校してきたばかりで、重荷背負わせるのもなんだし」とは角谷杏のセリフです。「西住ちゃんには事実を知って萎縮するより、のびのび試合して欲しいからさ」と語る優しい表情は、名セリフの多いガルパンの中でも特に人気の高いシーンの1つです。

聖グロリアーナ女学院との戦車道の練習試合において惜しくも敗れてしまった大洗女子学園。練習試合の前日に「負けたらあんこう踊り」と約束していたため、みほのチームメンバーが踊ることになってしまうのですが、「まぁ連帯責任だから」と、角谷杏率いる生徒会メンバーも一緒に踊ることになります。

みほやチームのメンバーが嫌な顔をしていたり緊張していたり、文句を言っていたりする中、生徒会のメンバーはどこか楽しそうです。中でも言い出しっぺの角谷杏は眩しいばかりの笑顔なのです。他の人にとっては恥ずかしいだけの踊りも、人一倍大洗に対する愛着が強い角谷杏にとってはきっととても楽しいイベントなのでしょう。

黒森峰女学院を破り見事優勝を果たした大洗女子学園の戦車道チーム。最後の決戦を制したみほたちを出迎えたのは、角谷杏の力強い抱擁でした。「ありがとう、西住ちゃん」そんな彼女のセリフには、今まで見せていた迫力も鋭さもなく、安心した優しい響きが見られました。

これまで生徒会長として人知れず学園の命運を背負っていた角谷杏が、戦車道の隊長としてその重責を共に分かち合ってくれたみほに対する感謝と労いの気持ちがとてもよく現れています。

「まぁいいんじゃないの～」「川嶋がんばれ～」といつもどこか気の抜けたセリフばかりの角谷杏ですが、やるときはやることでも有名です。そんなやる気をみせた一番の見せ場は何と言っても、トーナメント3回戦のプラウダ高校戦でしょう。

桃から砲手を代わり、敵の戦車群の中に突っ込み、次から次へと相手車両の履帯を破壊していき、行動不能にしていきます。この相手を混乱させる作戦が功を奏し、大洗のチームはなんとか包囲網を突破し、反撃に転じることとなるのです。

小さい体ながら妙な風格があり、いちいち的確な指示を飛ばす角谷杏ですが、逆に肝心なところ以外はほとんど人任せなところもあります。生徒会の実務もほとんど副会長の柚子や広報の桃に任せきり、体育館で戦車道履修者の募集をかける時も、舞台で詳細を喋っていたのは他の2人でした。

また戦車の中でも、角谷杏はひたすら干し芋を食べてばかりいます。そのため操縦は柚子に、その他の砲手、装填手、通信手などはすべて桃が担当することとなってしまっていました。もちろんやる時はやるのですが、それ以外の力の抜き方が尋常ではありません。

学園艦の維持費がバカにならず、実績の乏しい学園艦から随時廃止していくという文部科学省の通達を受け、角谷杏は大洗女子学園の廃校を免れるため戦車道を立ち上げました。戦車道の大会で優勝し一度は廃校を免れたものの、大洗女子学園は再度廃校の危機に立たされます。しかしそこで腐ってしまわないのがこの生徒会長、角谷杏です。

文部科学省を相手取り、戦車道連盟や戦車道の名門西住流を巻き込み、再度交渉の場を設定します。文部科学省の役人の「まぁ戦車道で大学強化チームにでも勝てば…」というセリフを聞くやいなやすかさず書面とペンを取り出し、今度こそ戦車道で勝利すれば廃校を撤回すると約束を取り付けるのです。その行動力、そして大の大人を自分のペースに巻き込み約束を交わすその手腕には、誰もが鳥肌が立ったことでしょう。

角谷杏は、アンツィオ高校のリーダー、アンチョビこと安斎千代美と仲がいいことでも知られています。もともと旧知の仲で、戦車道大会の2回戦でアンツィオ高校と当たった際には「チョビ子」など昔のあだ名でからかう場面も見られました。大学選抜との戦いの際には、出した指示に渋る様子を見せるアンチョビに、「あとで干し芋パスタを作ってやるからさ〜」とうまく乗せ、共闘してカール自走臼砲を撃破していました。

戦車道大会で優勝し、見事廃校の危機を脱した大洗女子学園は、その後再度廃校の危機に見舞われます。上述の通り各方面を走り回り、大学選抜チームに戦車道で勝てれば廃校を取り消すという念書を取ってきた角谷杏は、みんなの前で改めて演説を行います。

ここでかっこいいと言われるのが、大学選抜チームに買ったら廃校取り消しの約束を取り付けるために角谷杏本人も相当苦労してきたはずなのに、そのことを自分から一切言わなかったことです。辛い戦いになることは十分にわかっている、けれども、絶対に勝って母校を取り戻したい。そんな強い願いがよく現れている名シーンです。

聖グロリアーナ女学院との練習試合にて惜しくも負けてしまったみほの率いる大洗女子学園の戦車道チーム。その罰ゲームとして、あんこう踊りを踊らされてしまったみほに、角谷杏が放ったセリフです。あんこう踊りすら非常に恥ずかしく、これ以上の罰ゲームとなると次はどんな大変なことをさせられるのかと、みほとそのチームメンバーは戦々恐々となってしまいます。

けれども本当にみほの肩に背負わされていたのは、廃校から学園を守るという大きな使命でした。ただしそれを言ってしまえば逆に萎縮してしまい、本来の力が出せなくなってしまうのではという角谷杏の配慮により、あくまでも罰ゲームを匂わせる程度のセリフに留めたのでした。本当に重い使命は自分の胸のみに留め、みほを鼓舞する、そんな会長としての器の大きさが見て取れるセリフと言えるでしょう。

戦車道大会の準決勝プラウダ高校との戦いにて、完全に包囲網を敷かれ、身動きが取れずあわや降参するかというところまできてしまった大洗女子学園。ここで降参してしまったら大洗女子学園が廃校にされてしまう、そんな状況の中、「戦いましょう」「戦車に通れない道はありません」と戦車道メンバーを勇気付けるみほに放った角谷杏のセリフです。

もともと、戦車道で優勝すれば廃校は免れるという条件は、大洗女子学園にとってあまりにも絶望的な条件でした。そのような中たまたま戦車道経験者のみほが転校してきて、戦車道を率いることを承諾してくれたこと自体、角谷杏と生徒会メンバーにとっては奇跡のようなものだったのかもしれません。

みほ自身、もう2度と戦車道はやらないと決めて転校してきており、戦車道履修を迫られた時も1度は断っていました。けれども様々な葛藤を乗り越え、過去のトラウマを克服し、戦車道を率いることを決めました。みほがいなければ大洗女子学園の戦車道は成り立たちませんでしたし、まして準決勝まで進むことなど夢のまた夢だったに違いありません。そんなみほに対して、角谷杏の心のそこからのお礼の言葉だったのです。

ガルパンの角谷杏を演じるのは、美少女戦士セーラームーンに登場するメインキャラクターの1人ちびうさの声優でも知られる福圓美里さんです。1982年生まれで、かつてはMIRIという名前で歌手としても活動していたことがありました。

福圓美里さんは非常に多くの作品のメインキャラクターとして活躍しており、上述のちびうさのほか、ゲームときめきメモリアル4のヤンデレヒロイン大倉都子、スマイルプリキュア！の主人公の1人である星空みゆき（キュアハッピー）などでも有名です。

角谷杏の評価として非常に多いのが、やはり「やるときはやる」というかっこよさです。特にガルパンの劇場版における角谷杏の活躍は誰もが息を飲み、応援したに違いありません。

様々な権威のある大人たちを巻き込み、大洗女子学園廃校撤廃に向けて奔走する角谷杏の評価はもはや不動ですが、一部でこのような意見も。学園全体で戦車道を始めるにあたっても「もっといい戦車があると思ったんだけどね〜」と楽観的に物事を考えてしまっていたところなど、要所要所で詰めの甘さが見られます。けれどもそんなところもまた、彼女の「女子高生らしい」魅力の1つなのかもしれません。

ヒトラーとの対比は、ガルパンの角谷杏を語る上で度々出てくるテーマです。独裁者をモデルとしたカチューシャやアンチョビと同様小柄という点と、国としてはドイツに相当すること。またチームシンボルがカメというのもその理由です。ヒトラーを皮肉った、カメを主人公とした絵本があるのですが、その絵本では、他のカメの上に乗って踏ん反り返っている偉そうなカメの姿が見られます。

そしてガルパンでは逆に、ことあるごとに他のメンバーの戦車を自分たちの戦車に乗せて、敵の撃破に貢献する姿が見られました。この辺りが、ヒトラーのメタファーが込められていると言われる所以だとされています。

なお、角谷杏が初登場してからすでに6年以上経過した今でも、誕生日には多くのファンからコメントが届きます。ちょうど元旦が誕生日なため、新年の挨拶のような意味合いもあるようです。

ガルパンの角谷杏について、その可愛い魅力や名セリフなどについて紹介してきました。小柄なキャラクターはどうしてもその小さいという特徴に印象が引っ張られがちですが、彼女についてはそんなことはありません。的確な指示と大胆な手腕で大洗女子学園をまとめ上げ、いざという時は誰よりも頼れる、大きな存在なのです。今まさにガルパン最終章の企画が進行中ですが、今後の彼女の活躍にも期待が集まっています。