天空の蜂の映画ネタバレあらすじとキャストまとめ！結末が原作小説とは違う？

映画『天空の蜂』のネタバレあらすじやキャスト、原作との違いについてもネタバレ解説をまとめました。『天空の蜂』は2015年9月12日に公開された堤幸彦監督が手掛けた映画です。原発を題材にしたエンターテイメント映画ということで注目を集めました。原作は1995年の東野圭吾の小説です。この記事では原作についても紹介しますが、原作については後半で紹介し、まずはキャストやあらすじについてネタバレしていきます。

ネタバレあらすじの紹介前に、映画『天空の蜂』のキャスト一覧を紹介します。映画『天空の蜂』は江口洋介や本木雅弘を筆頭に、多くのベテラン俳優が名前を連ねる豪華なキャストになっています。ここでは映画の犯人に関するネタバレも含まれるのでご注意ください。

映画『天空の蜂』の主人公・湯原一彰のキャストを務めたのは江口洋介です。江口洋介は織田裕二と共に出演した映画『湘南爆走族』で有名になります。その後、数々のトレンディドラマに出演しました。大ヒットした『ひとつ屋根の下』シリーズのあんちゃん役としても知られています。また、『日経スペシャル ガイアの夜明け 時代を生きろ!闘い続ける人たち』の案内人を長年務めています。

映画『天空の蜂』の女性社員・赤嶺淳子のキャストを務めたのは仲間由紀恵です。ネタバレですが、犯人のひとりでした。仲間由紀恵はアニメの声優や歌の仕事をした後、ドラマ『TRICK』シリーズで知名度を上げました。さらに、ドラマ『ごくせん』もシリーズ化され、代表作となります。他にも『相棒』シリーズなど、多くの人気ドラマに出演しています。

映画『天空の蜂』の雑賀勲（本名・佐竹恭平）のキャストを務めたのは綾野剛です。ネタバレになりますが、犯人のひとりです。綾野剛はモデルや音楽活動を経て俳優となりました。代表作はスペシャルドラマも放送された『最高の離婚』や、『コウノドリ』シリーズがあります。映画『新宿スワン』シリーズなどにも出演。映画『天空の蜂』では犯人が逃亡のために自らの指を切断するイデアを出し、壮絶なシーンとなりました。

映画『天空の蜂』で福井県の消防課長・佐久間のキャストを務めたのは光石研です。光石研はさまざまな役柄を演じる名わき役として知られています。映画『アウトレイジ』シリーズで演じた暴力団員役から、ドラマ『陸王』での良心的なスポーツショップの店長役などまでこなします。

映画『天空の蜂』で福井県警の警備課長・今枝のキャストを務めたのは佐藤二朗です。佐藤二朗はコミカルな作品に多く出演していることが知られています。代表作には『勇者ヨシヒコ』シリーズや、『めしばな刑事タチバナ』などがあります。CMにも多く出演しており、2018年はJA共済の生活障害共済などに出演しています。

映画『天空の蜂』で湯原の同僚・山下のキャストを務めたのはカゴシマジローです。カゴシマジローはフランス出身の俳優です。2013年の映画『空の境界』（くうのきょうかい）などに出演しています。

映画『天空の蜂』で愛知県警の特捜班長・高坂のキャストを務めたのは手塚とおるです。手塚とおるは舞台を中心に活躍していましたが、ドラマ『半沢直樹』への出演をきっかけに映像作品に多く出演するようになりました。他にも『ルーズヴェルト・ゲーム』や『20世紀少年 第2章 最後の希望』などに出演しています。

映画『天空の蜂』の福井県警・室伏周吉のキャストを務めたのは柄本明です。柄本明はシリアスな演技をこなすベテラン俳優として知られる一方、志村けんとのコントでのコミカルな演技でも知られています。実の息子たちである柄本佑と柄本時生も俳優です。多くの映画やドラマに出演していますが、近年の出演作には『万引き家族』や『空飛ぶタイヤ』などがあります。

映画『天空の蜂』で室伏と共に行動した若い刑事・関根のキャストを務めたのは落合モトキです。落合モトキは子役として芸能活動をスタートさせ、『やっぱりさんま大先生』などに出演していました。近年は『年の瀬 変愛ドラマおっさんずラブ』や堤幸彦監督作品『RANMARU 神の舌を持つ男』などに出演しています。

映画『天空の蜂』で原子炉の所長・中塚一実のキャストを務めたのは國村隼です。國村隼は松田優作が出演したリドリー・スコット監督映画『ブラック・レイン』などに出演。さまざまな映画やドラマに出演し、『地獄でなぜ悪い』や『アウトレイジ』、『そして父になる』などさまざまな役柄をこなします。また、声優としてジブリアニメ『風立ちぬ』への出演し、ナレーションの仕事も多くこなしています。

映画『天空の蜂』で湯原の息子・高彦の成人後のキャストを務めたのは向井理です。高彦の成人後の会話シーンは原作にはない映画オリジナルです。向井理は大学で遺伝子工学を専攻し、学生時代のアルバイト経験を含めてバーテンダーとして6年の勤務した異色のキャリアを持ちます。俳優としての代表作には『BECK』や『RANMARU 神の舌を持つ男』などがあり、共に堤幸彦監督作品です。

映画『天空の蜂』で警察庁長官・芦田のキャストを務めたのは竹中直人です。竹中直人は「笑いながら怒る人」のモノマネなどで人気を得たコメディアンでした。俳優としては1996年のNHK大河ドラマ『秀吉』の主演などで知られます。また、渋い声質を活かした声優活動や、映画監督としても活躍するなど、幅広い活動をしています。

映画『天空の蜂』で炉燃理事長の筒井のキャストを務めたのは石橋蓮司です。石橋蓮司は『アウトレイジ』での暴力団の組長役や、『今度は愛妻家』のオカマ役などさまざまな役柄を演じるベテラン俳優です。実は中学生の頃には劇団に所属しており、芸歴は60年以上に渡ります。2018年は映画『散り椿』などに出演しています。

映画『天空の蜂』で湯原の旧友・三島幸一のキャストを務めたのは本木雅弘です。ネタバレになりますが、実行犯のひとりでした。本木雅弘はジャニーズ事務所のシブがき隊のメンバーとして知られています。アイドルを卒業してからは俳優としてキャリアを積み、『おくりびと』や『永い言い訳』といった作品が知られています。『天空の蜂』での演技は高く評価され、多くの映画賞を受賞しました。

ここからは映画『天空の蜂』のネタバレあらすじを紹介していきます。映画『天空の蜂』のあらすじを簡単にまとめると「巨大なヘリコプターがコントロールを奪われ、原発の上空でホバリング。全国各地の原発を止めないと大惨事になると脅された政府や関係者が対応に追われる」というものです。まずはあらすじの終盤までをネタバレ紹介します。

1995年8月8日。愛知県にある錦重工業小牧工場では巨大なヘリコプターの納入式が行われる予定でした。通称「ビッグB」と呼ばれるそのヘリコプターは防衛省の管轄で進められた重要なプロジェクトです。開発責任者である湯原一彰は、妻子を連れて工場を訪れます。しかし、家族との時間を犠牲に、開発に勤しんだ湯原は妻子との間に溝が出来ていました。湯原は妻子と別居する予定です。

湯原の息子・高彦は施設内を探検するうちにビッグBに乗り込みました。湯原の同僚山下の息子・恵太も一緒です。しかし、突然ビッグBが動き出します。テロリストが遠隔操作で発進させたのです。高彦がいないことに気付いた母親は探します。湯原は動き始めたビッグBに気付きました。慶太は飛び降りて助かります。しかし、高彦はそのままヘリに残されてしまいます。高彦を乗せたままビッグBは原発へと向かいました。

混乱の中、犯行声明文が報道されます。犯人の要求は日本の原発全ての破棄です。ビッグBは福井県にある高速増殖原型炉『新陽』の上空でホバリングしていますが、燃料が無くなる8時間後には墜落します。ビッグBには爆弾を積んでいることも明かされました。犯人は自らを天空の蜂と名乗ります。

対応に追われる警察に湯原はビッグBが遠隔操作できることを伝えました。政治家は原発政策へのダメージを避けるために下手なことを言うなと、原発職員に釘をさします。事件の会見では、高彦が残されていることが明かされました。犯人にとっても想定外であると考えられており、高彦を救うように犯人に告げます。湯原は開発責任者として関係者が集まる対策室に向かいました。

新陽の外では原発反対を掲げた抗議デモが行われていました。その様子を見ていた刑事・室伏周吉は部下の関根と共に犯人を捜します。新陽の緊急対策室に赴いた湯原の前には、原発設計に携わった三島幸一が現れました。その場にいる今枝刑事らに三島は原発について説明します。湯原は旧知の三島に声を掛けますが、三島は冷たく突き放しました。

最悪の事態も想定しつつ、対策を練る責任者たち。ビッグBの内部の様子がわかればリモコンを作れるかもしれないと思い立ちます。取り残された高彦に協力を求めました。その頃、犯人から新たな声明が出ます。高彦の救出を許可する一方、「救出方法などを事前に報じること」といった条件が提示されました。犯人の要求に従って全国各地の原発がスクラム停止されていきます。その後、湯原は訪ねて来た妻と話しました。

湯原は高彦がモールス信号を学んでいたことを知ります。湯原はライトを使って高彦にモールス信号を送りました。高彦はヘリ内部に洗濯機があることを伝え、湯原は必ず助けると言います。自衛隊と救出方法を相談していると三島がアイデアを出しました。前代未聞の作戦でしたが、自衛隊の尽力によって高彦を救出します。その後、犯人から原発のタービンを破壊するように告げました。

新陽の責任者である中塚は「秘密裏に新陽を停止させろ」と政治家から支持を受けます。犯人の要求を受け入れるわけにはいかないので、新陽にビッグBが落ちることを想定したからです。中塚は犯人に悟られない方法を説明します。三島が「国民全員を騙すことになる」と指摘しますが、中塚は国民と原発を守るためだと告げました。

新陽停止はすぐに始められますが、犯人からメッセージが届きます。犯人は新陽の海水温度の変化を把握していました。そのため、停止の計画はすぐに中断されます。湯川は犯人が誰も殺さないようにしていると考えました。

地道に犯人を捜す室伏刑事は若くして白血病で亡くなった新陽の元従業員の母親から重要な情報を得ます。ラジコンの趣味で知り合いだった雑賀という男の存在です。一方、錦重工業内部にもヘリの情報を得るための共犯者がいたことがわかってきます。総務課の赤嶺淳子は自分が大きな事件に関わっていることに気付き、動揺します。

雑賀の事を探った室伏は、原発で働いていた雑賀を知る男に話を聞きます。そこで、かつて自衛隊員であったことを突き止めました。情報が集まり、雑賀は3年前までビッグBの開発に携わっていた佐竹恭平であることが判明します。雑賀こと、佐竹のアパートを訪ねた室伏たちの前に航空自衛官たちが現れます。共に佐竹の部屋を囲みました。しかし、部屋を爆破した佐竹は逃走します。

若い刑事の関根は佐竹に刺されて重傷を負いました。手錠をかけられても逃げようした佐竹ですが、パトカーを見て観念し、トラックに跳ねられて死亡します。佐竹が持っていたリモコンはばらばらのまま湯原の元に届きます。湯原はリモコンの修復を急ぎました。一方、記録を改ざんした赤嶺は三島にメッセージを残します。三島は犯人の一味だったのです。赤嶺は三島の恋人でした。赤嶺はその後逮捕されます。

1994年。三島は原発従業員の田辺の労災認定を支援する集会で佐竹と会っていました。佐竹は当時からビッグBを盗む計画を立てていました。計画に加担した三島は合意の上で佐竹を囮にします。一方、湯原はリモコンを修理する中で、犯人が最初からヘリを落下させるつもりであったことに気付きました。そのことが知らされると対策室の一同は避難することになります。密かにリモコンを持ち去った三島を湯原が問い詰めました。

三島は原発のスクラム停止は嘘だったこと、政府や原発関係者が湯原や国民を騙していると告げます。それでも高彦を救ってくれた人に感謝すると湯原が言うと、三島は激昂しました。三島はいじめが原因で息子を失っていました。いじめの主犯は反原発の活動家の息子です。しかし、その一家も原発を必要とする住民から迫害を受けて町を出ていきました。三島は大衆への怒りを抱えていました。

ここからは映画『天空の蜂』の結末のあらすじをネタバレ紹介します。映画『天空の蜂』は犯人たちが判明しても事件解決とはなりません。原発の命運はビッグB開発責任者である湯原に託されました。しかし、三島が仕組んだ計画には驚きの真実があります。そして、映画『天空の蜂』は原作小説には無かった結末を迎えます。

赤嶺の証言で駆け付けた警察が三島を逮捕します。連行される三島に、湯原はビッグBを止める方法を尋ねました。焦る湯原は三島を殴り、制止しようとした警官から拳銃を奪って三島の額に銃口を突きつけます。しかし、三島は自らの手で湯原に引き金を引かせました。湯原が拒んだことで弾は外れます。そこに高彦がやってきました。

「操縦席に紐が繋がっていた」高彦のその言葉に、墜落が始まった直後にマニュアル操作が利くようになると湯原が気付きました。修理したリモコンを使えば、原発への落下を阻止できると言います。湯原はヘリに乗り込み、リモコン操作を成功させるために、ビッグBの真下で待ちます。原発が停止されると墜落が始まりました。

湯原はリモコンで操作しますが、ビッグBのメインローターに爆弾が仕掛けられていました。爆発するビッグB。湯原のヘリは間一髪で接触を避けます。ビッグBは原発の近くの海に落下しました。作戦の成功に関係者一同が喜びます。

ビッグB落下後に三島のメッセージがパソコンに示されます。そこには、爆発物が少量であったこと、新陽であれば落下しても問題ないことが書かれていました。三島は原子炉の良い面と悪い面を沈黙する群衆に考えさせ様としていました。しかし、そのメッセージは刑事がLANケーブルを引き抜いたため、送信されることはありません。

2011年3月13日。成長した高彦はヘリコプターのパイロットとなり、東日本大震災の被災者を救助していました。ヘリから降りた高彦は、白髪交じりの湯原を見つけて話します。湯原は「三島が獄中で亡くなった」と告げました。「この国に命を掛ける価値はあるのか？」湯原がそう尋ねると、「ココニアル」と高彦はモールス信号で返答しました。再び飛び立つ高彦を、湯原は見送りました。

冒頭でも軽く触れましたが、『天空の蜂』の原作は東野圭吾が1995年に発表した長編小説です。東野圭吾は『秘密』や『白夜行』といった多くの映像作品の原作小説を手掛けたことで知られています。『天空の蜂』の原作は1995年なので、東日本大震災が起きる前に書かれていました。原発のタブー（危険性）について触れているため、映像化は難しく、映画の原作にするのは難しいと東野圭吾自身も考えていました。

映画『天空の蜂』は、東日本大震災後に制作されたこともあり、原作に無かった結末が用意されています。ネタバレあらすじでも紹介していますが、あらすじの結末に震災直後の救助活動の様子が映像化されました。原作では三島が連行されていくシーンで終わりましたが、映画では三島の獄中死と、成長高彦の姿が描かれています。この原作には無い場面の追加に対しては賛否両論のようです。
 

映画『天空の蜂』の主題歌は秦基博の「Q&A」です。「Q&A」は秦基博の19枚目のシングルです。17枚目のシングル「ひまわりの約束」は『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌であり、18枚目のシングル「水彩の月」は樹木希林主演の映画『あん』の主題歌でした。シングルが3曲連続で大作映画とタイアップしたことになります。「Q&A」は5枚目のアルバム「青の光景」にも収録されています。

映画『天空の蜂』を見た人からの好評な感想には「原発を題材にしたあらすじの映画化が挑戦的」と評価する意見がありました。原作者である東野圭吾も映画化は難しいというほどでしたが、ヒット作を量産している堤幸彦監督が映像化したこと自体を評価する感想があげられています。

。原発という題材はどのように描いても批判を受けると考えられており、そういった意味で映画化を決断したスタッフを讃える声もありました。

映画『天空の蜂』を見た人からの不評には「過剰な演出や構成がよくない」という感想が多くあります。東野圭吾は人気作家であるため、原作を知った上で映画を見た人も多くいるようでした。

原作のテーマが難しいだけに、映画では上手くまとまっていないという意見も挙がっています。キャストの演技や過剰な演出から、リアリティに欠けるという評価も少なくありません。

映画『天空の蜂』のあらすじやキャスト、原作との違いについてまとめました。映画『天空の蜂』は原発を題材にしたエンターテイメント作品でありながら、メッセージ性の強い作品でした。見た人の感想は賛否が大きく割れています。まだ映画『天空の蜂』を見ていないという方は、ぜひ一度ご覧ください。