IT(イット)のペニーワイズの正体は蜘蛛?倒し方や弱点をネタバレまとめ

アメリカのホラー映画の傑作の一つに、スティーブン・キング原作の『IT/イット』という作品があります。悪の権化であるペニーワイズが子供だけを狙った連続殺人犯というホラー映画です。ペニーワイズの正体については、原作では巨大蜘蛛ですが、映像版やリメイク版では工夫がされています。そこでペニーワイズの別形態である蜘蛛の弱点や倒し方、ペニーワイズを演じたスウェーデンのイケメン俳優であるビル・スカルスガルドについてご紹介します。ネタバレを多く含みますので、ご注意ください。

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目次

  1. IT(イット)のペニーワイズとは?
  2. IT(イット)のペニーワイズの正体は蜘蛛?
  3. IT(イット)のペニーワイズの倒し方や弱点ネタバレ
  4. IT(イット)のペニーワイズ
  5. IT(イット)のペニーワイズに関する感想や評価
  6. IT(イット)のペニーワイズの正体まとめ

IT(イット)のペニーワイズとは?

アメリカのホラー映画で大ヒットしたものに『IT/イット』という作品があります。日本語タイトルでは「それが見えたら終わり」という副題がついているように、『IT/イット』は人称代名詞のIT(イット)です。映画タイトルに「オバケ」を意味する「IT/それ」を使っているということです。以降、内容に一部ネタバレを含みますが、このような点を踏まえつつ作品情報をご覧ください。

IT(イット)の作品情報

原作小説である『IT/イット』の著者は『スタンド・バイ・ミー』や『シャイニング』で有名なアメリカの小説家であるスティーブン・キングです。1986年に発表した『IT/イット』は1400ページもあり、重さも2kgにもなった厚い本でした。これをもとに、1990年にホラー映画として『IT/イット』が制作されました。アメリカ本国ではテレビ映画として前編と後編にわけて放映されています。

IT(イット)の概要

人間の恐怖心や憎しみなどの「邪心」に付け込む「オバケ」が、『IT/イット』のメインキャラクターであるペニーワイズです。ペニーワイズはピエロの恰好をしています。ペニーワイズは誰にでも見えるものではありません。ペニーワイズの声も特定の人間にしか聞こえないため、ペニーワイズが見えない人にとっては何が起こっているのかわかりません。さらにペニーワイズにはオバケらしく、特別な能力が備わっています。

ここからはネタバレを含むので注意してください。ペニーワイズは重力を無視した動きができ、相手が怖いと思っているものに姿を変えることもできます。ペニーワイズがピエロの恰好をしているのは、実在した連続殺人鬼のジョン・ゲイシーからの影響ではないかといわれています。また、『IT/イット』の公開後、俳優のジョニー・デップも罹患している道化恐怖症患者が増えたと報告されるほどでした。

IT(イット)のあらすじ

アメリカのメイン州にあるデリーという架空の町には、27年周期で現れるという恐ろしい殺人鬼ペニーワイズがいました。1990年、子供だけが犠牲になる連続殺人事件が発生していたのです。この街の住人であるマイク・ハンロンは、殺人事件現場の近くで古い写真を見つけます。それによってペニーワイズの仕業だとマイク・ハンロンは確信し、かつての仲間とともに事件に巻き込まれていきました。

ペニーワイズとは?

アメリカのオバケには、子供の洋服ダンスの中やベッドに下に隠れ住んでいるオバケがいます。子供の頃には、こうしたオバケに出会わないように「きちんと」していなければならないと教わるはずです。このような点においては、洋の東西を問わず、悪い子にしているとオバケにつかまるよ、と諭されているわけです。ところが、ペニーワイズは違います。27年から30年周期で、アメリカ合衆国メイン州デリーに現れるITです。

子供を脅かすだけならまだしも、子供だけを狙った連続殺人事件になるため、当然危険視されました。ちなみに世界中の国でブギーマンと呼ばれる「悪い子供をさらったり、殺したりするオバケ」がいます。ネタバレになるのでこれ以上は言及しませんが、ペニーワイズは、そういった「躾」のために生み出された都市伝説あるいは民間伝承とは違う設定なのです。

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IT(イット)のペニーワイズの正体は蜘蛛?

ハリウッド映画は派手な演出を好むといわれます。それまでの常識を破り、観客が意表を突かれて驚くような仕掛けを作るのが良い作品だといわんばかりです。ホラー映画のラストシーンは、オバケが退治または成仏されて平和な日々が戻るパターンや、「実は、これが真実だった」と観客が気が付かないように演出されていたことを種明かしして終わるなど、様々な手法があります。このためネタバレ後は急速に人気が落ちることもあります。

『IT/イット』は1990年に映像化されました。もとから超長編だった『IT/イット』は、子供時代篇と大人時代篇に分かれていました。テレビミニ映画シリーズは、これを踏襲し前編を子供時代篇、後編を大人時代篇としました。原作でも、初代テレビ映画版でも、また2017年や2019年のリメイク版でも、ラストシーンにはペニーワイズの正体が明かされています。

正体①大きな蜘蛛

『IT/イット』に対する感想をみると「ホラーというより、モンスターパニック映画」という声があります。ペニーワイズは、巨大な蜘蛛だったのです。毒針をもって人を殺すことができる大きな蜘蛛が、ペニーワイズの正体だったのです。ペニーワイズの正体を巨大な蜘蛛としたのは、ホラー映画のラストシーンに見られる「意外性を狙った演出」といわれています。ピエロのままのペニーワイズでは無い演出が求められたということです。

原作でのペニーワイズの正体は巨大な蜘蛛でした。巨大毒蜘蛛の持つ毒針でエディは刺し殺されました。クライマックスで、町に伝わる伝説のシャカピワー族のチュード儀式を行うところまで、スリリングな展開が続きます。6人の27年前の対決の場所である廃墟にたどり着きチュード儀式を始めたものの、ペニーワイズが現れ儀式には効果がないと嘲笑されます。そしてペニーワイズは唐突に、巨大蜘蛛に変身するのです。

正体②未知の生命体

原作者のスティーブン・キングの他の作品には、未知の生物が犯人であったというものがあります。『IT/イット』でのペニーワイズも、そのセリフの中に「太古の昔」というようなくだりもあることから、27年周期で街に出現するようになった以前から、この地に住み着いている「何か」ではないかとも推測できます。蜘蛛のようにも見える、また蟹のようにも見えることから、宇宙人のような未知の生命体とする説があります。

ペニーワイズの凶悪さは、食物連鎖における弱肉強食の関係だとすれば、宇宙から飛来した生物が人間を捕食しながら生き延びている説にも納得はできます。ペニーワイズが未知の生命体だからこそ、特殊能力を使えているのだとすれば、これまでの超常現象には辻褄が合うというというわけです。実際、『IT/イット』の原作では「見た目は蜘蛛のような、未知の生命体」としてペニーワイズの正体が描かれています。

正体③恐怖心

ペニーワイズの巨大蜘蛛化以外に着目すると、恐怖の出来事は「人が持つ恐怖心が生み出したもの」と考えることができます。廃墟の中での最後の戦いで見えていた巨大蜘蛛は、ペニーワイズの持つ姿の一つに過ぎないという考え方です。その説によると実はペニーワイズには実態がなく、人の持つ恐怖心が作り出した悪魔だというのです。

2019年版のラストシーンでのペニーワイズの倒し方は、ペニーワイズを罵倒することでした。このシーンまでの流れからは、ペニーワイズの正体は人の持つ憎悪や嫌悪感や恐怖心など、ネガティブな気持ちが作り出した悪魔と考えられます。この説が最も作品テーマにあったペニーワイズの正体ではないかとネットでは語られています。ネタバレとしては抽象的なものであり、未知の生物説などよりは現代ホラーらしいネタバレです。

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IT(イット)のペニーワイズの倒し方や弱点ネタバレ

ホラーやSFには架空の町や実際には存在しないことが多々使われています。見るからに「それは無い」と思えるところがエンターテイメントであり、現実との境界線があるから楽しめることがあります。ところが原作者のスティーブン・キングは、作品の舞台を平凡なアメリカの田舎町に設定することを定番とします。日常にあり得るかもしれない視点で作品を作る第一人者とも評価されている小説家です。

スティーブン・キングはリアリティを増すための手法として、アメリカ先住民などに伝わる伝説や、聖書にまつわることなどを作品に盛り込みます。悪の権化であるペニーワイズの弱点や倒し方にも、これらの影響が色濃く表れています。映像化されたものと原作との相違点が取り沙汰されることがありますが、『IT/イット』でも、ペニーワイズの最後が原作と映像化されたものとで、倒し方や弱点などに多少の違いが見られます。

倒し方や弱点①原作

ペニーワイズが巨大化した蜘蛛のような未知の生物の姿になったとき、この化け物は腹部から人の意識を朦朧とさせる怪光線を放射します。この怪光線により負け犬クラブのメンバーは次々に意識を失います。負け犬クラブの中で、唯一、ベバリーだけが怪光線を直視しませんでした。負け犬クラブのメンバーは事前に図書館で様々な悪魔の倒し方を調べていました。その中で、狼男の倒し方は弱点の銀のを使った弾丸という記事がありました。

人称代名詞のIT/イットがペニーワイズです。決まった形が無いので『IT/イット』といわれているわけです。つまり、ペニーワイズは見る側の一番怖いものに形態を変えることができる悪魔なのです。信じ込んでしまったがために存在する生物なので、銀の弾を使った倒し方がペニーワイズの弱点と信じて退治をします。ベバリーが銀のイヤリングをパチンコでペニーワイズに打ち込んだ倒し方が原作の倒し方でした。

倒し方や弱点②ITイット2THE END

悪魔の弱点は銀であるというのは、アメリカ先住民の中でも言い伝えとして実存します。また、聖書にも登場するので、狼男やペニーワイズにとっては弱点だとすることに作品リアリティーが向上しています。ところが2019年版の『IT/イット THE END』では、銀が弱点だという下りは全くありません。恐怖心という部分にのみ、焦点が当てられています。ペニーワイズは自分たちの恐怖心が作り出した悪魔だという点を強調したものです。

巨大蜘蛛化したペニーワイズの弱点は、罵声を浴びせることでした。それは自分自身の中にあった「恐怖心」という弱点に打ち勝つことだったのです。つまりペニーワイズの弱点は、恐怖心の克服だったというわけです。弱点を突かれたペニーワイズは小さくなりました。ビルはペニーワイズの身体から小さな心臓を取り出し、握りつぶしました。ペニーワイズを言葉で罵倒することがペニーワイズの弱点であり倒し方だったのです。

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IT(イット)のペニーワイズ

おどろおどろしい道化師であるペニーワイズの役をこなした俳優は、その名演技のために道化師恐怖症という新たな精神疾患までを生み出しました。テレビ映画版のペニーワイズはイギリス出身の俳優であるティム・カリーが演じました。ティム・カリーのペニーワイズは顔の表情が読み取りにくく、それゆえ残忍さが際立っていたと好評でした。

2017年と2019年にリメイクされた『IT/イット』のペニーワイズ役は、スウェーデン出身のビル・スカルスガルドが演じています。日本語表記ではスカルスガルドですが、スウェーデン語の発音は「スカーシュゴード」と日本人には聞こえます。端正な顔立ちであり、いわゆるイケメン俳優として日本には紹介されている俳優です。

ビル・スカルスガルドのプロフィール

ビル・スカルスガルドは1990年8月9日に、スウェーデンのストックホルムで生まれました。スウェーデンの名優であるステラン・スカルスガルドを父に持ち、長兄のアレクサンダーと次兄のグスタフ、弟のヴァルダーも俳優という俳優一家です。妹のエイヤがモデルということを含めると芸能一家といった方が良いかもしれません。

ビル・スカルスガルドの映画デビューは2000年のサスペンス映画である『White Water Fury』でした。この作品は兄のアレクサンダーが主演でした。2009年にスウェーデンの歴史的名門高校を卒業し、本格的な役者生活に入っていきます。2010年ごろまでは、母国であるスウェーデンの映画界で活躍をします。ハリウッド映画には2016年『ダイバージェントFINAL』でデビューしました。

ビル・スカルスガルドの主な出演作品

ビル・スカルスガルドの名前を有名にしたのは、2010年のビル・スカルスガルド主演映画『シンプル・シモン』です。この作品でスウェーデンの第46回ゴールデン・ビートル主演男優賞、イギリスの第32回ヤング・アーティスト・アワードにノミネートされています。また、この作品は第83回アカデミー賞外国映画賞の国代表作品にもなっています。

2012年『シーモンとオークの木』で第62回ベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞しています。2016年のアクション映画『ダイバージェントFINAL』、2017年のアクション映画『アトミック・ブロンド』などが代表作品といえるでしょう。意外な作品としては2017年に『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』にムーミンの声の役として出演しています。また2018年には『デッドプール2』でコメディにも挑戦しています。

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IT(イット)のペニーワイズに関する感想や評価

『IT/イット』の原作者であるスティーブン・キングの代表作に『シャイニング』があります。1980年に名監督のスタンリー・キューブリック監督によって映画化されました。この作品は原作のエンディングと映画のエンディングがあまりにも差があり、原作者のスティーブン・キングが激怒したことが有名です。『IT/イット』も原作と映像版とでは、ラストシーンに違いが見られます。

『IT/イット』のエンディングは原作と異なってはいますが、スティーブン・キングは批判はしていません。寧ろ好意的に受け止めており、2019年リメイク版にはカメオ出演したくらいです。ホラー映画の大ヒット作品である『IT/イット』に対するSNSなどでの感想や評価をまとめてみました。一部ネタバレを含みます。

アメリカンホラー全開

アメリカのホラー映画といえば、大きな音響効果とグロテスクな映像で視聴者をびっくりさせることが定番です。ピエロのメイクに対して恐怖心を抱いてしまう道化師恐怖症という新しい精神疾患を生み出した作品が、この『IT/イット』といわれますが、納得してしまうというようなネットでの感想や評価などが見られます。「やっぱり、怖いわ」というストレートな声が多く見られました。

人気の証

「グッズの多さは人気の証拠だよね」という声もありました。『IT/イット』は1999年ブルース・ウィリス主演のミステリー映画『シックス・センス』の興行収入を超え、事実上の全米ホラー映画の第一位に君臨しています。「みんな知っているペニーワイズ」「だからハロウインなどではピエロのコスが出回るわけね」などという声が聞かれます。少なくともアメリカ本国では、関連商品は人気グッズになっています。

いいとこどり

「他のホラーのつぎはぎが見える」という声がありましたが、実は全く逆です。この『IT/イット』こそが近年のホラー映画の源流ともいえ、様々な作品へ影響を与えているといっても良いわけです。また、「負け犬クラブはスタンドバイミーみたいで、よかった」との声も多く聞かれます。子供の精神成長という視点から見ると「意外と泣ける映画なのよね」という声も見られました。

伝わった主題

ホラー映画であるがために、感想や評価には「怖かった」「グロかった」というようなコメントは多かったです。それと同時に「成長を主題としていたんだね」「トラウマから脱出する方法の模索ということなんだ」などという感想も多く、この映画の隠れた主題に感動を覚えたとの評価もたくさん見られました。

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IT(イット)のペニーワイズの正体まとめ

『IT/イット』は、アメリカで大ヒットしたホラー映画です。ただ闇雲に視聴者を怖がらせるだけではなく、青春群像とアメリカという貧富の差が激しい社会を描いた、複雑な映画であるとも評価できます。原作は1400ページ以上となる大長編作品です。2017年と2019年に作られたリメイク版は、片方だけを見るだけでは主題が完全には伝わりません。ぜひ、2つの作品を続けて見てください。

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