けものフレンズが人気の理由は?大ヒットとなった要因や漫画版の内容を考察

大人気アニメ『けものフレンズ』は、「けものはいても、のけものはいない」優しい世界観と、その中に見え隠れする闇で話題になりました。『けものフレンズ』は、放送前はほとんど注目されておらず、放送開始後もしばらくは目立つ作品ではありませんでした。しかし、SNSを中心に話題が広まり、多くの人が知る大人気作品となりました。『けものフレンズ』大ヒットの理由はどこにあるのでしょうか?『けものフレンズ』大人気の理由を、キャラクターやSNSでの広まり、漫画版などのメディア展開といったさまざまな要素から考察します。

けものフレンズが人気の理由は?大ヒットとなった要因や漫画版の内容を考察のイメージ

目次

  1. けものフレンズが大人気なのはどうして?
  2. けものフレンズとは?
  3. けものフレンズの人気キャラを紹介!
  4. けものフレンズが人気の理由は?
  5. けものフレンズが大ヒットしたのはなぜ?
  6. けものフレンズの漫画版の内容を考察!
  7. けものフレンズは作り手と視聴者が生んだ人気作品!

けものフレンズが大人気なのはどうして?

2017年1月から3月にかけて放送されたアニメ『けものフレンズ』。動物を女の子に擬人化したキャラクターのかわいさや、優さに溢れたストーリー、謎に満ちた世界観などで大人気となった『けものフレンズ』ですが、放送前はほとんど注目されておらず、さらに第1話放送当初は「虚無」や「修行」などマイナスの評価が目立ち、現在のような『けものフレンズ』人気は影も形もありませんでした。

しかし、放送が進むにつれ『けものフレンズ』への評価はプラスに変わっていき、一躍2017年のアニメを語る上で欠かせない「覇権アニメ」になりました。その人気ぶりは、多くの企業が『けものフレンズ』とのタイアップを実施し、OP「ようこそジャパリパークへ!」を歌うユニット・どうぶつビスケッツが「ミュージックステーション」や「FNS歌謡祭」への出演を果たすなど、1クールの深夜アニメとしては異例のものです。

放送開始当初は「縛られていなければ最後まで見れない」と拷問装置のような扱いだった『けものフレンズ』第1話も、ニコニコ動画において2018年6月現在で約1285万再生という異例の再生数を記録。第2期の製作も決定されています。『けものフレンズ』が、ここまで大人気となった理由は一体なんなのでしょうか?今回は、『けものフレンズ』の人気の理由を考察。さらに、アニメとは一味違う漫画版『けものフレンズ』も紹介します。

けものフレンズプロジェクト|公式サイト

けものフレンズとは?

『けものフレンズ』は、アニメや漫画、ゲームなどさまざまなメディアで作品が展開するメディアミックス作品です。世界観やキャラのコンセプトデザインは、『ケロロ軍曹』の原作者で知られる吉崎観音さんが担当されています。『けものフレンズ』の舞台は、世界のどこかにある巨大な動物園「ジャパリパーク」。そこにはさまざまな動物を可愛らしい女の子に擬人化したキャラクター・アニマルガール(フレンズ)が暮らしています。

アニメ版『けものフレンズ』では、そんなジャパリパークで目を覚ました主人公・かばんちゃんが、「自分が何の動物なのか」を知るために、サーバルキャットのサーバルちゃんや、ガイドナビのボスとともに、ジャパリパークを冒険します。かばんちゃんたちが旅の途中に出会う、個性豊かなアニマルガールたちとの愉快で心温まるお話や、徐々に明らかになるジャパリパークの謎が話題を呼び、人気を博しました。

『けものフレンズ』を人気にしたのはアニメですが、アニメに先行して、2015年3月からスマートフォン用にゲーム版『けものフレンズ』が配信されていました。しかし、ゲーム版『けものフレンズ』は、アニメ放送前の2016年12月にひっそりとサービス終了。アニメから『けものフレンズ』を知ったファンが、インターネットからゲーム版『けものフレンズ』の情報を発掘し、サービス終了を惜しむ姿が散見されました。

このほか『けものフレンズ』のゲームは、2018年1月からアニマルガールたちを観察するフレンズ観察ゲーム『けものフレンズぱびりおん』が、2018年6月からアニマルガールたちとジャパリパークを冒険するRPG『けものフレンズフェスティバル』が、それぞれスマートフォン向けに配信されています。

漫画版『けものフレンズ』は、月刊少年エースで2015年7月号から2017年3月号まで連載されていました。漫画版『けものフレンズ』を担当されたのは、漫画家・イラストレーターのフライさん。ジャパリパークやアニマルガールの設定は共通しつつも、アニメやゲームとはまた違ったストーリーで、人間のジャパリパーク飼育員・菜々と、キタキツネやサーバルたちアニマルガールの日常を描いた作品になっています。

アニメ、ゲーム、漫画と複数のメディアで展開する『けものフレンズ』ですが、どれかが原作というものではありません。その理由は、『けものフレンズ』がさまざまな媒体からコンテンツを盛り上げていくという考えのプロジェクトだからです。基本的な設定は共通しながらも、アニメ、ゲーム、漫画のそれぞれが、独自の設定やキャラクター、ストーリーを持ち、さまざまな形で楽しむことができる。それが『けものフレンズ』なのです。

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けものフレンズの人気キャラを紹介!

『けものフレンズ』の人気の理由の1つとして、個性豊かで可愛らしいキャラクターたちの存在があります。吉崎観音さんによってデザインされたアニマルガールたちは、元になった動物の特徴を捉えながらも、可愛い女の子としてキャラクター化され、大活躍します。どのキャラクターも人気がありますが、今回はその中からメインキャラクターである、サーバルちゃんとかばんちゃんを紹介します。

サーバルキャットのサーバル

サーバルちゃんは、ネコ科の動物サーバルキャットがアニマルガールになった女の子です。アニメでは目覚めたばかりの主人公・かばんちゃんを最初に見つけ、かばんちゃんの冒険に同行することになります。「かばん」という名前は、サーバルちゃんがつけたもの。かばんちゃんとは冒険を通じて深い絆で結ばれ、最終回でかばんちゃんがジャパリパークを旅立つ時も、あとから追いかけ、2人の冒険は続くことになりました。

明るく元気いっぱいな性格で、相手のいいところを探すことが得意な優しいサーバルちゃんは、『けものフレンズ』の顔とも言えるキャラクター。サーバルちゃんの「相手のいいところを見つけて肯定する」という優しさに癒やされる視聴者は多く、アニメ『けものフレンズ』が人気を集めた理由の1つです。サーバルキャット由来の高い身体能力を持ちながら、おっちょこちょいで失敗しがちというドジな一面も可愛らしいキャラクターです。

ヒトのフレンズのかばん

かばんちゃんは、アニメ『けものフレンズ』の主人公です。アニメオリジナルのキャラクターのため、ゲームや漫画には登場しません。アニメでは、記憶を失った状態で目覚めたところをサーバルちゃんに発見され、「自分が何の動物なのか」を知るために、ジャパリパークを冒険します。そして、冒険の末に、今はパークからいなくなってしまった「ヒト」のアニマルガールであることが判明し、今度は「ヒト」を探す旅に出ます。

他のアニマルガールたちと比べて身体能力で劣るかばんちゃんですが、火や道具を使ったり、柔軟で新しい発想によって事態を解決に導いたりと、非力な「ヒト」だからこその活躍で、冒険の先々で出会ったアニマルガールを助け、友だちになっていきました。ストーリー終盤の、かばんちゃんの一大事には、冒険で出会った全てのアニマルガールが駆けつけ、かばんちゃんを助けます。

かばんちゃんがジャパリパークを冒険し、最後はパークの仲間と一丸となって困難に立ち向かうというアニメ『けものフレンズ』のストーリーは、かばんちゃんが「ヒト」のアニマルガールという、視聴者に近い立場のキャラクターであるため感情移入もしやすくなっています。視聴者の共感できるキャラクターとしての、かばんちゃんの存在も、『けものフレンズ』が人気を集めた理由の1つでしょう。

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けものフレンズが人気の理由は?

可愛いキャラデザイン!

『けものフレンズ』が人気となった理由として大きいのが、可愛らしいアニマルガールたちのキャラクターデザインです。元の動物の特徴を残しつつも個性豊かな女の子として彼女たちをデザインしたのは、『ケロロ軍曹』などの原作で知られる吉崎観音さん。吉崎観音さんは、「動物園で普段素通りしてしまうような動物たちを知ってもらえるようなキャラクターを」という思いで、アニマルガールたちをデザインされました。

シンプルながらも元になった動物の特徴を捉えたアニマルガールたちは、本物の生態などをしっかり調べたうえで、可愛い女の子にデザインされています。『けものフレンズ』のアニマルガールを通して、元になった動物のことも知ることができ、それぞれの動物に対する見方も変わる。そんな動物愛に溢れた可愛いキャラクターがいるからこそ、『けものフレンズ』は多くの人々の心を掴み、大人気になったと言えるでしょう。

流行となったフレンズ語!

『けものフレンズ』が人気になった理由としてもう1つ挙げられるのが、ついつい口にしてしまう「フレンズ語」の存在です。「すごーい!」や「たーのしー!」「キミは◯◯ができるフレンズなんだね!」などが「IQの溶けるフレンズ語」として有名ですが、特徴としては、否定的な言葉が登場しないこと。明るい気持ちを素直に表現し、長所を長所として認めてくれる優しい言葉の数々に、多くの人が癒やされ、SNSを中心に流行しました。

「すごーい!」や「たーのしー!」は、言葉としては普通なのですが、アニメのゆるい雰囲気と、独特のイントネーションから、なんとなく耳に残ってしまう言葉になっています。ちなみに、「たーのしー!」は発言したコツメカワウソの声優・近藤玲奈さんのアドリブで生まれたセリフだそう。優しく汎用性の高いフレンズ語がSNSを中心に広まったことで、『けものフレンズ』が多くの人に知られたというのも、人気になった理由でしょう。

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けものフレンズが大ヒットしたのはなぜ?

SNSで話題が急増

『けものフレンズ』は、アニメ放送開始当初、TwitterなどのSNSで、「虚無」「脳が溶ける」といったマイナスの評価で小さく話題になっていました。しかし、放送が進むにつれ、ストーリーや汎用性の高いフレンズ語、細部まで練られた謎の多い世界観などが注目されるようになり、話題が急増。SNSを通して多くの人が『けものフレンズ』を知ることになり、人気が爆発しました。

SNS中心に話題となることで、普段は深夜アニメを見ない層や、1話や2話で『けものフレンズ』を見なくなってしまった層にもその面白さが届いたことが、『けものフレンズ』が深夜アニメとしては異例の大人気となった理由の1つと考えられます。

話が進むほど深くなる闇

『けものフレンズ』には、ゆるゆるとした雰囲気のストーリーや、アニマルガールたちが愉快に暮らす優しい世界の裏に、「実はとんでもなく重たい設定が存在しているのでは?」と思ってしまう要素が隠されています。例えば、舞台であるジャパリパークは、明らかに人間の手が入ったテーマパーク的施設であるにもかかわらず、人間は「いなくなった」と語られ、誰も登場せず、図書館などにわずかにその痕跡が残るのみです。

視聴者の間では「この世界は人間が滅びたあとの世界なのでは」という考察が多く行われ、ストーリー終盤で、墜落した戦闘機と思しきオブジェや、兵器のような姿をしたセルリアン(『けものフレンズ』における敵キャラクター)が登場するなど、話が進むほどに、『けものフレンズ』の世界観の闇は深まっていきました。EDの映像が実写の廃遊園地というのも、世界観に隠された闇を引き立てる要素になっています。

こうした闇を感じさせる世界観が一部の層にウケ、「考察勢」と呼ばれる『けものフレンズ』の映像や演出などから世界観の考察を行う視聴者が現れ、その考察が、SNSを中心とした『けものフレンズ』の話題の1つとなりました。明るい雰囲気の世界の中に見え隠れする闇や、視聴者がさまざまな考察を楽しむことのできる世界観の「余白」も、『けものフレンズ』が大人気となった要素の1つでしょう。

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けものフレンズの漫画版の内容を考察!

アニメとは違う内容

漫画版けものフレンズこと『けものフレンズ ようこそジャパリパークへ!』は、月刊少年エースで、2015年7月号から2017年3月号まで連載されていました。アニメをもとにしたコミカライズではなく、アニマルガールたちが暮らすジャパリパークを舞台に、人間で新人飼育員の主人公・菜々と、キタキツネやサーバルなどのアニマルガールたちの、面白おかしな日常が描かれる、漫画オリジナルの内容となっています。

クジャクなどアニメには未登場のアニマルガールが登場するほか、アニメに登場するキャラクターも、性格やデザインが少しずつ違っています。公式ガイドブックによって、漫画版はアニメやゲームより前の時間の物語であることが明らかにされました。つまり漫画版は、ジャパリパークで人間とアニマルガールが共存できていた時代の『けものフレンズ』ということです。デザインや性格の違いは、世代が離れているためと考えられます。

ギャグ要素が多め?

漫画版『けものフレンズ』は、主人公の菜々とキタキツネたちアニマルガールの、ジャパリパークでの平和な日常を描いた作品です。基本的に1話完結で、コンビニに行ったり旅行をしたりと、ゆるいギャグ要素が中心。アニメにあった謎や闇、敵であるセルリアンの姿は影も形も無いため、シリアスはほとんど存在しないと言ってもいいでしょう。人間とアニマルガール、アニマルガール同士の交流がメインの、優しい漫画です。

けものフレンズは作り手と視聴者が生んだ人気作品!

以上、『けものフレンズ』が人気になった理由を考察しました。最初はあまり注目されておらず、一部視聴者の間でのみ、あまり良くない評価で話題になっていた『けものフレンズ』ですが、徐々にその内容の深さと優しさがSNSを中心に広まり、視聴者の口コミによってヒット作品に成長しました。

そこにはもちろん、動物をよく研究してアニマルガールたちをデザインした吉崎観音さんや、毎週続きの気になる物語を描いたアニメ版『けものフレンズ』、ところどころに闇を感じさせるアニメ版とは違った、人間もいる平和で優しいジャパリパークの姿を描いた漫画版『けものフレンズ』など、多様な展開で『けものフレンズ』というコンテンツを作っていこうという、作り手の功績もあります。

『けものフレンズ』の人気は、作り手の伝えたいものが視聴者に届き、そこから輪が広がっていった、作り手と視聴者が生んだ人気であると言えるでしょう。製作が決定されたアニメ第2期から、第1期の功労者たつき監督が外れるなど、先行き不安な話題も多い『けものフレンズ』ですが、作品の「優しさ」にならい、いいところに注目して、今後の『けものフレンズ』の展開に期待しましょう。

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