2019年11月23日公開
2019年11月23日更新
【ガンダムNT】アムロ・レイは登場する?ディジェに搭乗しているのは誰?
劇場版アニメ映画の『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』に、『機動戦士Zガンダム』でアムロ・レイが登場していたモビルスーツであるディジェが登場しています。『機動戦士ガンダムUC』にはシャアの再来といわれたフル・フロンタルが登場していたので、今度こそアムロ・レイが登場するのではないかと期待されました。『機動戦士ガンダムNT』にアムロ・レイは登場するのか。前作『機動戦士ガンダムUC』の主人公バナージ・リンクスは登場するのか?作品のあらすじと共に紹介しています。
目次
ガンダムNT(ナラティブ)は劇場版アニメ映画
1979年4月7日から名古屋テレビで放映された『機動戦士ガンダム』は、初回放送時こそ低視聴率アニメでした。ところが打ち切りが決まってから人気が急上昇し、何度も再放送される人気アニメとなりました。40年も前のアニメですが今だに人気は衰えず、続々と関連作品が登場しています。数多あるガンダム作品の中で、初代ガンダムの流れを汲んだ作品がいくつかあります。その最新作が『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』です。
初代『機動戦士ガンダム』は劇場版映画三部作も大ヒットし、テレビアニメが映画館でもヒットすることを証明しました。その後、ガンダムシリーズの劇場版アニメ映画が幾つも作られました。『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』も劇場番アニメ映画です。しかも1991年3月に公開された劇場版アニメ映画『機動戦士ガンダムF91』以来、実に27年ぶりの劇場版映画作品となりました。
ガンダムNTの作品情報
2019年4月20日に『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』の製作発表があり、8月16日には主要キャストや各種の設定が公表されました。前売り券にはクリアファイルやブックレットなどのオマケがついたため、非常に人気でした。さらに公開日から週替りの数量限定入場者特典が9週目まで続くこともありブームとなりました。劇場版映画『機動戦士ガンダムNT』の興行収入は公開から24日間で5億円を突破する大ヒットとなりました。
ガンダムNTの概要
『機動戦士ガンダム』シリーズは数多あります。アニメだけでなく、小説もコミックもあるので設定が複雑に入り組んでいます。劇場版『機動戦士ガンダムNT』は、初代の『機動戦士ガンダム』から続くもので俗に「宇宙世紀」の流れに沿っています。『機動戦士ガンダムNT』に登場する人物やモビルスーツなども、『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士Zガンダム』などとつながりもあり、初代のファンも楽しめる作品となっています。
劇場版アニメ映画としては前作の『機動戦士ガンダムF91』が1991年3月公開でしたので、実に30年ぶりの新作劇場版映画となりました。脚本担当の福井晴敏は宇宙世紀の本来の流れを描いたといい、特に初代から一貫した「存在と魂」というテーマを語りなおしたのだと説明しています。つまり劇場版アニメ映画『機動戦士ガンダムNT』の「NT」は、ニュータイプとナラティブ(物語の意味)の掛け言葉としていたのです。
ガンダムNTのあらすじ
オーストリアに暮らしていたヨナ、ミシェル、リタの3人は、ある事件をきっかけに強化人間実験施設に収容されます。ヨナとミシェルは脱走しますが、リタだけは取り残されました。19年後、行方不明になっていたユニコーンガンダム3号機フェネクスが現れ、その捕獲作戦にナラティブガンダムに搭乗した地球連邦パイロットのヨナが参加します。ルオ商会の養女となったミシェルは秘密の任務を遂行しており、ヨナと激突します。
ジオン正規軍から斬首されたゾルタンが暴走し、破壊の限りを尽くします。そこにヨナやミシェル、そしてフェネクスも加わりゾルダンを倒そうとします。『機動戦士ガンダムUC』の主人公であるバナージ・リンクスも駆けつけ、ゾルダンが企てたコロニー落としも阻止します。戦いが終わると、フェネクスは宇宙へ飛び去っていきます。
アムロ・レイのプロフィール
ガンダムシリーズの原点である『機動戦士ガンダム』の主人公が、アムロ・レイです。地球連邦軍の大尉であった父とボランティアをする優しい母との間に産まれた一人っ子です。様々な経験を通じて、人類の革新といわれた「ニュータイプ」として覚醒していきます。二作目の『機動戦士Zガンダム』では、ニュータイプであるがゆえに危険人物として軟禁されていたことが描かれます。
後に軟禁状態を脱出し、再びモビルスーツに搭乗します。3作目の『機動戦士ガンダムZZ』では登場こそしませんが、ブライトとハヤトとの会話から従軍していることがわかります。そして劇場版アニメ映画『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』でシャアと壮絶な戦いをし、最後は二人とも消息不明となります。
ガンダムNTにアムロ・レイは登場する?
宇宙世紀の系統を綴った作品であり、またニュータイプの再定義を主題にした『機動戦士ガンダムNT』と謳っているので、もしかしたらアムロ・レイが何かの形で出てくるのではないかと噂になりました。初代の重要キャラであるシャア・アズナブルは『機動戦士ガンダムUC』のなかでフル・フロンタルがシャアなのかと思わせぶりな使われ方をしていました。このためいよいよアムロ・レイが出てくるのではないかと期待されたのです。
ガンダムNTにアムロ・レイは登場しない
期待が高まっていたアムロ・レイの登場でしたが、全く登場しませんでした。『機動戦士ガンダムUC』でのフル・フロンタルや『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』でのゾルタン・アッカネンがシャアの再来として描かれ、特にフル・フロンタルはシャアでしか知りえないことまで口にし、CVもシャアと同じ池田秀一としています。
これに対してアムロ・レイは『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』でシャアと共に行方不明(事実上は死亡)になったあと、表立った登場はしていないのです。それでも富野監督や公式設定には「消息不明」などと描かれているため、もしかしたら生存していて何かで登場するのではないかと期待されていたのです。
UCで思念体で登場のアムロ・レイ
『機動戦士ガンダムUC』で、フル・フロンタルとバナージ・リンクスの戦いの最後に、シャアやララァの魂と共にアムロ・レイの魂が登場します。逆に言えば、前作『機動戦士ガンダムUC』で霊魂として登場したアムロ・レイなので、『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』でも登場するのではないかと期待されたというわけです。
ガンダムNTで登場するのはバナージ・リンクス
『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』で登場したのは、前作『機動戦士ガンダムUC』の主人公であるバナージ・リンクスでした。歴代の主人公を振り返ると、たまたまモビルスーツに搭乗してしまったというケースが多く見られます。これは初代『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイが始まりです。二作目の『機動戦士Zガンダム』の主人公のカミーユ・ビダンも、そしてバナージも偶然に搭乗します。
このことが、アムロ・レイの登場を阻んでいたのかもしれません。ニュータイプの特性を持ち、偶然にしてモビルスーツに乗り込むということは、アムロの再来と思わせたかったのでしょう。主人公がアムロの再来であるがために、本家のアムロ・レイが登場できなかったと見ることができるというわけです。
バナージ・リンクスとは?
バナージ・リンクスは前作『機動戦士ガンダムUC』の主人公です。ビスト財団当主が愛人に生ませた私生児でしたが、財団とは全くかかわらずに育ちます。工業専門学校に通う16歳の普通の少年でした。偽名を使ったザビ家の生き残りであるミネバ・ラオ・ザビと共に連邦とジオン軍との紛争を止めようと奔走します。ニュータイプとは何かをバナージを使って現していきました。
ガンダムNTでのバナージ・リンクスの機体
前作『機動戦士ガンダムUC』の主人公であるバナージ・リンクスが『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』に登場するのは、物語の終盤に差し掛かってからです。バナージはヨナたちの助力をし、さらに精神的世界に行きかけたヨナを現世に連れ戻す重要な役割を果たしています。
バナージの機体はシルヴァ・ヴァレト
バナージが搭乗したのはユニコーンガンダムではなく、シルヴァ・バレト・サプレッサーでした。ビスト財団の超巨大戦艦であるメガラニカに保管されていたシルヴァ・バレトをバナージ専用機に改造したものです。実は映画版の『機動戦士ガンダムNT』が公開された当時は、サプレッサーという名前がついていませんでした。2019年3月23日に公式サイトが更新した際にようやく、サプレッサーがつきました。
バナージと縁深いモビルスーツ
シルヴァ・バレトは、地球連邦軍がアクシズから持ち帰ったモビルスーツのドーベン・ウルフを改造した試作機でした。準サイコミュのテストを目的としたモビルスーツで、テスト終了後に数機がビスト財団に引き渡されました。『機動戦士ガンダムUC』の主人公であるバナージ・リンクスはビスト財団の私生児です。
シルヴァ・バレットはジオン軍と連邦軍の技術をあわせて作られたといえましょう。また、バナージ・リンクスはジオンの生き残りであるミネバと共に、ネオ・ジオン軍と連邦軍の間で奔走します。シルヴァ・バレトはバナージをネオ・ジオングから守るために戦った機体でもあり、バナージとは縁深い機体といえます。
ガンダムNTのディジェに搭乗しているのは誰?
『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』が初代『機動戦士ガンダム』からの流れを汲んでいることから、旧作品からの影響は非常に強いものがあります。登場人物だけではなく、モビルスーツも旧作品で登場したものが再び『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』で登場しているのです。その一つが反地球連邦組織「カラバ」が作ったモビルスーツであるディジェです。
ディジェとは?
ディジェの初登場はテレビ版『機動戦士Zガンダム』でした。ディジェは反地球連邦組織「カラバ」が開発したもので、反地球連邦組織「エゥーゴ」の量産機であるリック・ディアスをもとに作られました。設計は旧ジオン系の技術者が担当したため、ジオンモビルスーツの特徴であるモノアイを搭載しており、全体的にはゲルググによく似ています。また一部のボディパーツの色や形がガンダムに似ているともいえます。
ディジェに搭乗していたアムロ・レイ
『機動戦士Zガンダム』で登場したディジェは、実はアムロ・レイ専用のモビルスーツだったのです。『機動戦士Zガンダム』の名シーンの一つ、フォウ・ムラサメが撃破されるシーンにディジェを見ることが出来ます。また、ダカール演説前後にもアムロ・レイがディジェを駆使します。このことがあった為に、ディジェが登場する『機動戦士ガンダムNT』にアムロ・レイが登場するのではないかと期待が高まったのです。
ガンダムNTのディジェはヨナ・バシュダが搭乗
ディジェはアムロ専用機として開発されたので、一般兵が操縦するのは無理だとされました。そのため、熟練一般パイロットならば操縦できるようにと一部を改良した後、追加生産されました。アムロが搭乗したディジェはミントグリーンでしたが、量産タイプは色を変えているようです。そして『機動戦士ガンダムNT』ではルオ商会が所有するダークグレーのディジェが複数登場します。パイロットの1人が、主人公のヨナでした。
ヨナ・バシュダとは?
ヨナ・バシュタは地球連邦宇宙軍少尉である主人公の1人です。ディジェに搭乗したときに、初実戦を体験しました。ユニコーンガンダム・フェネクスを捕獲する軍事作戦「不死鳥狩り」では、ナラティブガンダムのパイロットを務めます。ヨナは研究所脱走で置き去りにしてしまったリタへの罪の意識と、そのリタが搭乗しているとされるフェネクスの捕獲に必死になります。
ディジェのガンプラは?
1/144スケールのディジェのガンプラはHGUCで2種類が販売されています。一つ目は2018年発売の『機動戦士Zガンダム』でアムロ・レイが搭乗していたミントグリーンのディジェです。それまで販売されていなかったガンプラで、ファンにとっては垂涎のモデルとなりました。二つ目はプレミアム・バンダイ限定販売品ですが、2019年に発売されたナラティブバージョンのディジェです。
ガンダムNTに関する感想や評価は?
劇場版アニメ『機動戦士ガンダムNT』に対する感想や評価は、賛否両論のようです。ニュータイプ論の一区切りをつけるために、どうしてもファンタジー要素が強いと批判される意見があります。逆に前作の『機動戦士ガンダムUC』だけでなく、『機動戦士Zガンダム』や『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』などに繋がる作品なので、概ね楽しめたとの一定の評価も伺えます。
やっと見た。めっちゃ良かった。私は好きだ。今まで見た中で一番分かりやすいガンダム映画だった。UCからの続きだし事の規模が小さいってのはあるけど、綺麗な終着点とそこに至るまでが説得力あるストーリーラインだったと思う。だからこそ続きもののとしても映画としてもよく出来てた #ガンダムNT
— tame (@tametanikki) November 17, 2019
上映時間が90分だったので、後付け感が残ってしまうのは仕方が無いことなのかもしれません。それでもキャッチコピーの「ニュータイプ神話の行き着く先」については理解できたという声が多く、その点においては一定の評価を得ているようです。
映画 #機動戦士ガンダムNT 鑑賞
— グルミット (@GenyRedWell) August 6, 2019
シリーズを劇場で観るのはゼータ3部作以来。
宇宙世紀の最先端はこんなことになっているのかと、タイムスリップしたオールドタイプの気分。
懐かしい映像や声に出会えただけでも嬉しいのに、その未来でもより良い世界のために力を尽くしている人がいることに感激。 pic.twitter.com/E8S8knUxTK
コアなガンダムファン、特にアムロやシャアが活躍していた『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』までのファンにしてみれば、物足りなさはあったのかもしれません。それでも富野監督の世界観である「存在と魂」については踏襲しており、『機動戦士ガンダムUC』で「風呂敷を広げすぎた」と批評されたことの一部は回収できたのではないかと評価されています。
ガンダムNTでまた泣いた…。。
— ダイスチャンネル (@DICEGAME111) October 6, 2019
映画館に観に行ったけど、YouTubeで見られるなんて…!幸せです!!
ユニコーンが観たくなった…!
ガンダム観たことない人に観てほしいー!ガンダムめっちゃおもしろいよー!!#機動戦士ガンダム #機動戦士ガンダムNT
ロボットが活躍するアニメは勧善懲悪のものが多く、少年向けのものといえました。『機動戦士ガンダム』では、単純な対立だけではありません。リアルな人間模様が描かれています。複雑でリアルな設定は、アニメや漫画という枠を超えています。これは小説版があることでも理解できます。『機動戦士ガンダムNT』を見るならば、前作を見てから楽しんだほうが良いとの声が多く聞かれました。
ガンダムNTにアムロ・レイは登場する?まとめ
『機動戦士ガンダムNY(ナラティブ)』には、残念ながら初代『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイは登場しませんでした。それでも初代から続くコンセプトは踏襲されており、『機動戦士ガンダムUC』などの前作と組み合わせることでニュータイプという言葉の本当の意味が理解できる作品に仕上がったといえます。映像も綺麗なので、ガンダム初心者にはおすすめの作品といえるでしょう。